2026年10月29日
SUSUMU JUKU / 学校を横断して身につける
公式を覚えたのに、式が立たない。まずは「見る物体」を決めよう。
基本の整理 → 自作例題 → 学校別の出題例 → 解き直し。知識を「使える力」に変える学習ガイドです。
最初に決めるのは、公式ではなく「どの物体を見るか」
てこ・滑車・輪軸で式が作れないときは、装置全体を一度に見ていないか確かめましょう。棒、荷物、滑車、人を一つずつ取り出すと、働く力の向きと大きさを整理しやすくなります。
- 見る物体を一つ決め、働く力を矢印で描く。
- 支点からの距離、支える糸、半径を図に書く。
- 上下の力のつり合いと、回転のつり合いを分けて式にする。
小学校の問題では、力の大きさを「何gのおもりに相当するか」で表すことがあります。この記事でも「100g相当の力」のように書きます。100gという質量そのものと、力という量の意味は区別して読んでください。
以下の練習図・数値は進塾の自作例題です。入試原図の再現ではありません。学校別の実例は、後半の年度別解説で原問題の条件と合わせて確認できます。
てこ・滑車・輪軸の「同じ所」と「違う所」
| 装置 | 図に書くこと | 使う関係 |
|---|---|---|
| てこ | 支点、力の向き、支点からの距離 | 反対向きに回す働きの合計が等しい |
| 動滑車 | 荷物と一緒に動く滑車、持ち上げる糸 | 上向きの力の合計=支える重さに相当する力 |
| 輪軸 | 回転軸、力をかける輪・軸の半径 | 力×半径による、反対向きの回す働きが等しい |
回転のつり合いで使うのは、力の作用線までの垂直な距離です。水平な棒に鉛直な力が働く基本図では、支点からの水平距離を使えます。曲がった棒の長さや、斜めの糸の長さをそのまま掛けないようにします。
てこの自作例題:近い側には、大きな力が必要
右のおもりは、100×20÷10=200gです。距離が半分なら、同じだけ回すために力は2倍必要になります。「100:200=10:20」のように、力と距離は逆の比になります。
「距離が2:1だから、おもりも2:1」と同じ向きに比べると逆になります。求めた後に100×20=200×10かを確かめると、比の向きの誤りを見つけられます。
棒に重さがあるときは、棒自身の力を足す
長さ60cm・重さ180gの一様な棒を、左端と右端で水平に支える自作例題を考えます。棒の重さは中央の30cmの位置に働くので、左端を支点にすると、右端の支える力は180×30÷60=90g相当。上下のつり合いから、左端の支える力も180−90=90g相当です。
ただし、中央に重さを置けるのは「太さや材質が一様」など、重心を中央とできる条件がある場合です。形が複雑な棒では、問題で示された重心を使います。
動滑車の自作例題:数えるのは、動く部分を支える糸
荷物360gと動滑車40gの合計400gを、同じ張力の糸2本が支えています。1本当たり400÷2=200g相当です。荷物だけを2で割った180g相当では、動滑車自身の重さを支えられません。
この基本形では、動滑車を10cm上げると左右の糸がそれぞれ10cmずつ短くなるため、自由な端を20cm引きます。「力が半分」と「引く距離が2倍」は、同じ図から確認できます。
装置に見える糸を全部数える方法は避けましょう。定滑車を支える糸や、固定部分の糸を混ぜず、荷物と一緒に動く部分を上へ支える糸を数えます。糸が斜めになるなど条件が変われば、単純な本数だけで処理できないこともあります。
輪軸は、半径を使うてことして整理する
大きい輪の半径10cm、小さい軸の半径2cmの輪軸で、軸側の200gのおもりを支える自作例題なら、輪側の力は200×2÷10=40g相当です。どちらが大きい輪に巻かれているかを、図に書き込んでから計算します。
半径と直径が混在しているときは、先にどちらかへそろえます。同じ輪軸でも、巻く場所を入れ替えると必要な力は変わります。
3校の実例で、条件の違いを比べる
次の3題は、同じ公式を探す練習ではなく、「どの物体に、どの力が働くか」を書き分ける練習に使えます。原問題の図を手元に用意して、各解説へ進んでください。
学校別記事で、問題の条件と考え方を確認できます。まず使う知識を自分の言葉で説明してから読んでみましょう。
学校別記事で、問題の条件と考え方を確認できます。まず使う知識を自分の言葉で説明してから読んでみましょう。
学校別記事で、問題の条件と考え方を確認できます。まず使う知識を自分の言葉で説明してから読んでみましょう。
| 実例 | 最初に分ける量 | 解き直しの目標 |
|---|---|---|
| 栄東・滑車と体重計 | 人の重さと、ロープから人が受ける力 | 引く向きによる体重計の変化を説明する |
| 巣鴨・輪じくと棒 | ばねの力、輪じくのつり合い、棒のつり合い | 求めた力を、次の装置へ正しく引き継ぐ |
| 城北埼玉・てこと浮力 | 物体の重さと、浮力を引いた糸の力 | 水中でも、糸が棒を引く力から式を立てる |
解説を閉じて、3問だけ確かめる
すべて自作の確認問題です。答えを出した後に、使った距離・力・本数を図に書けるかも確かめましょう。
① 軽い棒の左15cmに80g、右10cmには何g?
120g。80×15=右のおもり×10より、80×15÷10=120。距離は支点から測ります。
② 動滑車を含む合計240gを、同じ張力の糸2本で支えると?
1本120g相当の力。糸・摩擦などの条件は基本例と同じとします。240÷2=120です。動く部分全体の重さを使ったか確認しましょう。
③ 半径12cmと3cmの輪軸。軸側160gなら輪側の力は?
40g相当。160×3÷12=40です。大きい輪側の力が小さくなっているかも、図から確認します。
家庭では「図→式→説明」の順で戻る
- 図に戻る:支点、力の矢印、重心、半径を書き足す。
- 式に戻る:何を支える力か、何を回す力かを式の横へ書く。
- 条件を変える:棒が重くなったら、荷物を水へ入れたら、巻く場所を変えたらどうなるかを考える。
- 日を空ける:同じ問題の図を白紙から描き直し、条件が少し異なる問題へ進む。
計算が合っても、図の説明ができなければ、似た装置でつまずく可能性があります。予習シリーズの基本例題で支点と距離を確かめ、学校別の問題で条件の読み替えを練習すると、復習の目的を分けられます。
予習シリーズの関連単元を確認する →力学の復習でよくある質問
比で解けないと、入試問題には対応できませんか?
最初は「力×距離」が等しくなる式を作れれば構いません。その式の両側を比べて、力と距離が逆比になることを確かめます。図の意味が分からないまま、比の操作だけを急がないことが大切です。
棒や滑車の重さは、いつも無視してよいですか?
問題の条件を確認します。「重さを考えない」「軽い」と指定される場合と、重さが与えられる場合は分けて扱います。一様な棒なら中央の重心、動滑車なら荷物と一緒に動く部分の重さを考えます。
一度正解した問題も、もう一度解く必要がありますか?
答えを覚えているかではなく、図から力と距離を説明できるかで判断しましょう。解説を閉じて途中式を再現し、数値や支える位置を変えても考えられるなら、次の問題へ進めます。
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