2026年10月29日
SUSUMU JUKU / 学校を横断して身につける
面積比は、いつも2乗ではありません。「何が同じか」が解く手がかり。
基本の整理 → 自作例題 → 学校別の出題例 → 解き直し。知識を「使える力」に変える学習ガイドです。
面積比を使う前に、2つの三角形の関係を決める
面積比の問題で「辺の比を2乗する」と覚えていても、いつ使うかが曖昧だと式が変わってしまいます。最初に確かめたいのは、高さが同じなのか、相似なのか、それ以外なのかです。
- 高さが等しい三角形では、面積比=底辺の比。
- 底辺が等しい三角形では、面積比=高さの比。
- 相似な三角形では、面積比=対応する辺の比を2乗した比。
これは別々の暗記項目というより、三角形の面積「底辺×高さ÷2」からつながる関係です。どの長さが変わり、どの長さが共通かを図で確かめます。
練習図・数値は進塾の自作例題です。入試原図の再現ではありません。学校別の実例は、それぞれの原問題の図と年度別解説を合わせて読んでください。
「そのままの比」と「2乗する比」を比べる
| 確認できた条件 | 長さの比の例 | 面積比 |
|---|---|---|
| 高さが等しい | 底辺2:3 | 2:3 |
| 底辺が等しい | 高さ2:3 | 2:3 |
| 相似 | 対応する辺2:3 | 4:9 |
| 底辺も高さも異なる | 底辺2:3、高さ3:4 | 6:12=1:2 |
最後の行は、対応する底辺と高さの比がそれぞれ確認できた場合です。図の中で見つけた2本の辺の比を、理由なく掛けてよいわけではありません。
自作例題①:同じ直線上の底辺なら、高さをそろえて見られる
三角形PADとPDBは、どちらもPから直線ABまでの距離が高さです。高さと「÷2」が共通なので、面積比は底辺AD:DBと同じ2:3になります。
三角形PABの面積が40cm²なら、PADは40×2÷5=16cm²、PDBは40×3÷5=24cm²です。2:3の「3」は全体ではありません。全体は2+3=5と確かめます。
部分同士の比が2:3なら、左の部分は全体の2/5です。比を分数に直すときは、「何と何を比べているか」を先に書きましょう。
自作例題②:相似なら、底辺も高さも同じ倍率
辺の比は4:6=2:3。底辺も高さも2:3なので、面積比は2×2:3×3=4:9です。実際に面積を計算しても、4×4÷2=8、6×6÷2=18で、8:18=4:9になります。
逆に、相似な図形の面積比が9:16なら、対応する辺の比は3:4です。ただし「面積比が9:16」とだけ分かっていても、相似と確認できなければ辺の比を3:4と決めることはできません。
相似を使うときは、「どの頂点が対応するか」も書く
平行線で等しくなる角、対頂角などから、2組の角が等しいことを確かめます。三角形の見た目の大小だけでは決めません。対応する頂点を同じ順序で書くと、底辺の比と別の辺の比を取り違えにくくなります。
比を引き算する場合には、全体をそろえる作業も必要です。例えば同じAC上でAH:HC=1:2、AG:GC=3:2なら、ACを15と置いてAH=5、AG=9、GC=6。HGは9−5=4です。「1」と「3」をそのまま引かず、同じACを基準にします。
3校の実例で、比の使い分けを練習する
図の条件を書き込み、どの三角形の面積を比べるか確認してから、学校別解説に進みましょう。
図の条件を書き込み、どの三角形の面積を比べるか確認してから、学校別解説に進みましょう。
図の条件を書き込み、どの三角形の面積を比べるか確認してから、学校別解説に進みましょう。
| 学校別の実例 | 注目したい作業 | 避けたい誤り |
|---|---|---|
| 共立女子2026・第3問 | 相似で線分比を出し、同じAC上へそろえてから面積へ進む | 求めるHGをAGと取り違える |
| 開智2026・第3問 | 平行線から相似を見つけ、全体と部分の面積を結ぶ | 中点の場合の比を、分け方の異なる図へ流用する |
| 栄東2026・第3問 | 底辺や高さが共通する図形を間に入れ、2段階で面積比を求める | 一つの辺の比だけで、離れた2つの面積を決める |
いずれも、「相似の比を見つけたら終わり」ではありません。今求めた比が、辺の比なのか、部分同士の比なのか、全体に対する割合なのかを確認して次の式へ進みます。
3問で、判断の違いを確かめる
以下はすべて自作の確認問題です。答えの横に「高さ共通」「相似」など、使った条件も書きましょう。
① 高さが等しく、底辺が3:2の三角形。面積の合計30cm²なら、大きい方は?
18cm²。面積比も3:2です。全体は5なので、30×3÷5=18。9:4にはしません。
② 相似比2:5の三角形。小さい方が12cm²なら、大きい方は?
75cm²。面積比は4:25なので、12×25÷4=75。「2から5へ2.5倍」だけでは面積の倍率になりません。
③ 底辺の比が2:3、高さの比が3:5と確認できた2つの三角形。面積比は?
2:5。底辺と高さの比を掛け、2×3:3×5=6:15=2:5です。この条件のままでは相似比とはいえません。
補助線を引く前に、共通するものを探す
- 比べる2つの図形を囲む:どの面積とどの面積の比かを確定します。
- 共通条件を書く:同じ頂点、同一直線上の底辺、共通の底辺、平行線を探します。
- 必要な比を一つ求める:底辺比か高さの比か、対応する辺の比かを決めます。
- 途中の図形をはさむ:直接比べられないときは、一方と高さ・底辺が共通する三角形へ移ります。
- 全体をそろえる:長さを引くとき、同じ全体を基準とした数値へ置き直します。
解き直しでは、答えだけでなく「この2つの高さが等しいから」「ここが平行なので相似だから」と、式の理由を一文で書きます。自分で理由を再現できるかが、次の問題へ使えるかを確かめる目安になります。
予習シリーズの関連単元を確認する →比と図形の学習でよくある質問
面積比は、いつでも辺の比を2乗すればよいですか?
相似な図形で、対応する辺の比が分かっているときに使います。高さが等しい2つの三角形なら、面積比は底辺の比のままです。先に図形の関係を確かめましょう。
補助線が思いつきません。
まず共通の頂点や、同じ直線上にある底辺を探します。比べたい三角形の高さをそろえられないか、平行線で相似を作れないかという順で考えます。線を増やすこと自体を目的にしません。
5年生のうちに応用まで完成させるべきですか?
一度に完成させる範囲より、今の条件を自分で説明できることを優先します。高さが等しい場合、相似の場合、両者を組み合わせる場合へ段階を分け、志望校の過去問と理解度を見て練習を広げます。
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