2026年10月28日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
栄東中学校・2024年度 東大特待Ⅰ(1月12日) 理科
2024年度東大特待Ⅰの理科を、力学・結晶・人体・気象の重要設問から解説します。A日程とは別の問題です。複雑な装置や資料を、基本の力・質量・比に分ける方法を示します。
このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。
第1問|滑車と体重計
この大問で学ぶこと
人も荷物も、それぞれ受ける力を整理する
人がロープを引いたとき、荷物だけでなく人自身の体重計の値も変わります。引く向きとロープから受ける力を区別すると、つり上げられる限界が分かります。
解くときの着眼点:人・荷物それぞれの力のつり合いを書く。
問1・問2|上へ引くとき
問1:引く力2kg相当、Aは52kg。問2:荷物bは10kg。
- 5kgの荷物の体重計が3kgなら、ロープが支えるのは差の2kg相当。人はその反作用を下へ受け、体重計は50+2=52kg。
- Aが57kgなら引く力7kg相当。bの残り3kgと合わせ10kgになる。
間違えやすい点:体重計は支えている力を示す。常に物体の重さ全体を示すわけではない。
問3・問4|定滑車と動滑車
問3:40kg。問4:引く力40kg相当、Aは10kg。
- 定滑車で下へ引くと、ロープは人を上へ引く。10kgの荷物が上がる直前は50−10=40kg。
- 動滑車では荷物の80kg相当を2本で支え、張力40kg相当。人の体重計は50−40=10kg。
間違えやすい点:上へ直接引く場面と、下へ引く場面では体重計の変化の符号が逆。
問5|持ち上げられる限界
図4は50kg、図5は100kg。
- 下向きに引くロープからの反力が体重50kg相当になると、足への支えが0になる。
- 定滑車では荷物を1本、動滑車では2本で支えるため、荷物の限界も50kgと100kgになる。
間違えやすい点:人が床に固定されていないという条件を考える。滑車の倍率だけで無限に力を出せない。
第2問|溶解度と結晶の純度
この大問で学ぶこと
溶けた量・析出量・不純物を別々に追う
食塩の結晶から始まり、温度差による再結晶と混合物の分離へ進みます。溶解度は水100g当たりなので、実験の水量へ換算してから計算します。
解くときの着眼点:各温度で水に残る量と、取り出す固体を分ける。
問1〜問4|結晶と溶解度
結晶はア、急な蒸発はイ。①36.2、②63.2。
- 40℃の水250gに食塩90.5gが溶けたので、100g当たり90.5÷2.5=36.2g。
- 硝酸カリウムは冷却で79.5g出るので、溶解度差79.5÷2.5=31.8g。20℃の31.4を足して63.2g。
間違えやすい点:食塩は温度による溶解度の変化が小さく、冷却だけで多量の結晶を得にくい。
問5|ろ紙の重さを差し引く
③24.8、初めのミョウバン117g。
- ろ紙は1.2g。冷却で出た結晶は76.8−1.2=75.6gなので、水100g当たりの溶解度差は75.6÷4=18.9g。20℃の5.9を足して60℃では24.8g。
- 60℃で溶けた量99.2gと、最初の溶け残り19−1.2=17.8gを足すと117g。
間違えやすい点:2回の測定とも、ろ紙の1.2gを差し引く。小数点と、ろ紙を含む重さの条件を見落とさない。
問6・問7|純度と分離操作
純度60%、操作はオ。
- 60℃の水200gに混合物184gが溶けたとき、食塩の限界は36.8×2=73.6g。硝酸カリウムは184−73.6=110.4gで、純度110.4÷184=60%。
- 食塩を高温で分けた後、冷却して硝酸カリウムを結晶にする操作を選ぶ。
間違えやすい点:混合物全体と、片方の成分の限界量を混同しない。
第3問|消化・血液・尿の生成
この大問で学ぶこと
未知の物質の説明から、濃縮と再吸収を読む
消化と循環の知識をもとに、原尿と尿の表を読みます。イヌリンが再吸収されないという条件は、原尿と尿の量の比を求める手掛かりです。
解くときの着眼点:1L当たりの濃度と、1日当たりの排出量を分ける。
問1〜問3|基礎知識と成分の特定
問1オ、問2イ、ブドウ糖はウ。
- 炭水化物を消化し、小腸の柔毛から吸収する。血液は肺で酸素を取り込んだ直後に酸素が多くなる。
- タンパク質は原尿にほぼ出ず、健康な人のブドウ糖は尿に残らないという本文から表の成分を特定する。
間違えやすい点:小腸の柔毛と、単細胞生物等のべん毛を混同しない。
問4・問5|排出量と再吸収の限界
1日35g。限界の血糖濃度は1.6g/L(キ)。
- 尿1L中25gで1日1.4Lなら25×1.4=35g。
- イヌリンの濃縮比から原尿量を求め、原尿へ出たブドウ糖量から35gを引いて再吸収量を求める。この量を原尿量で割ると約1.6g/Lとなる。
間違えやすい点:設問中の仮定に沿った計算であり、実際の診断値を示すものではない。
問6|食後の変化のグラフ
エ。
- 食事後に血糖が増え、それに応じたインスリンの変化を比べる。
- 高い血糖が長く続く側を本文中の患者に対応させ、さらに血糖とインスリンのどちらの線かを区別する。
間違えやすい点:患者を示す図を選ぶだけで終わらず、問われた物質の線まで確認する。
第4問|低気圧と台風・前線
この大問で学ぶこと
移動する低気圧の周囲の風を追う
熱帯低気圧と温帯低気圧、台風の東西の風速差、通過時の風向、前線と雲を扱います。北半球の低気圧のまわりの流れを図に書き込みます。
解くときの着眼点:観測地点を固定し、低気圧の位置を動かして考える。
問1・問2|低気圧と台風の風
問1ウ、問2エ。
- 熱帯低気圧は暖かい海面からの水蒸気供給を受けて発達する。温帯低気圧は暖気と寒気の境界にできる。
- 北半球の地表付近では反時計回りに中心へ吹き込み、移動方向と重なる側で風が強くなりやすい。
間違えやすい点:回転の向きだけでなく、中心へ向かう成分と台風の移動も考える。
問3・問4|通過時の変化と前線
問3エ。問4は配置ア・断面キ。
- 台風の西と東で、中心が南→横→北へ移るときの風向を順に描く。
- 寒冷前線では寒気が暖気の下へ入り込み、温暖前線では暖気が寒気の上へ上がる。雲の形も境界の傾きと対応させる。
間違えやすい点:風向は吹いてくる方角。矢印が向かう方角をそのまま答えない。
解き直しの進め方
装置は物体ごとの力、実験は操作ごとの成分量、表は濃度と全量を分けて整理します。本文で与えられた未知の条件も、基本の計算へ置き換えて考えましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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