2026年10月27日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
巣鴨中学校・2024年度 第Ⅰ期入試 算数
全4大問を解説します。割合と整数の条件、2隻を結ぶ流速、3つの整数の公約数・公倍数、3円の共通部分を使った面積と転がり方を順に整理します。
第1問|仕事・整数・利益・人数・回転体
この大問で学ぶこと
基本の条件を、最後まで落とさない
小問でも、0を百の位に使わないこと、利益率と割引率の基準が違うこと、人数は整数であることなど、計算以外の条件が答えを決めます。図形は大きな円すいから小さな円すいを引く形へ直せます。
解くときの着眼点:0の使える位置、割合の基準、回転前の相似を確認します。
(1)
答え:1時間12分
- 仕事全体を6とすると、Aは1時間に3、Bは1時間に2進めるので、2人では1時間に5です。
- 6÷5=1.2時間。0.2時間は12分なので、1時間12分です。
間違えやすい点:2時間と3時間の平均ではなく、1時間の仕事量を足します。
(2)
答え:100個
- 百の位は0以外の5通り。十の位は使った1個を除く5通り、一の位は残り4通りです。
- 5×5×4=100個です。
間違えやすい点:十の位と一の位には0も使えます。
(3)
答え:17
- 内角の和は180×(角の数-2)です。2700÷180=15より、角の数は15+2=17です。
間違えやすい点:2700÷180で求まるのは、1つの頂点から分けた三角形の個数です。
(4)
答え:43個
- 定価は800×1.2=960円。3割引きでは672円なので、割引き1個につき定価より288円売上げが減ります。
- 全部を定価で売れば利益は160×100=16000円。実際との差16000-3616=12384円を288円で割ると43個です。
間違えやすい点:割引きは仕入れ値800円でなく、定価960円を基準にします。
(5)
答え:336人
- 昨年の男子と女子の比は4÷1.2:3÷1.05=7:6です。昨年を男子7k人、女子6k人とします。
- 女子の増加は6k×0.05=3k/10人。人数が整数なのでkは10の倍数です。男子の増加もこの条件で整数になります。
- 昨年の合計13kは130の倍数で、500人台にあるのは520人だけ。k=40、昨年の男子280人なので、今年は280×1.2=336人です。
間違えやすい点:昨年と今年を混ぜず、増加する人数も整数になる条件を使います。
(6)
答え:395.64cm³
- 台形の斜辺CDを延長して軸Lと交わらせると、大きな円すいから小さな円すいを除く形になります。半径比は6:3=2:1なので、高さの比も2:1です。
- 両者の高さの差が6cmなので、大きい円すいは高さ12cm、小さい円すいは高さ6cmです。
- 体積は6×6×3.14×12÷3-3×3×3.14×6÷3=395.64cm³です。
間違えやすい点:台形の面積に円周率を掛ける方法では、回転体の体積になりません。
第2問|速さの異なる2隻の流水算
この大問で学ぶこと
2隻の速さを、川の流れでつなぐ
船Xの上り下りの時間比から速さの比を求め、和と差の半分で静水時と流れを分けます。船Yも同じ川を進むため、Xの下りとYの上りが同じという条件から、Yの下りへつなげられます。
解くときの着眼点:同じ距離の時間比を逆にし、流速を共通の基準にします。
(1)
答え:13:3
- Xの上り時間:下り時間は1.6:1=8:5。同じ距離なので、上りの速さ:下りの速さは5:8です。
- 静水時の速さは和の半分、流れは差の半分なので、比は(8+5):(8-5)=13:3です。
間違えやすい点:求めるのは上りと下りの速さの比ではありません。
(2)
答え:128分
- Xの上り時間は下りの1.6倍で、下りは80分です。
- 80×1.6=128分です。
間違えやすい点:同じ船Xの上りと下りを比較しています。
(3)
答え:1520/11分(138と2/11分)
- 静水時X:流れを13:3と置くと、Xの下りの速さは16です。80分進むので、A・B間の距離は同じ単位で1280です。
- Yの上りも80分なので上りの速さは16。Yの静水時は19、下りは22になります。
- Yの下り時間は1280÷22=640/11分。往復は80+640/11=1520/11分です。
間違えやすい点:XとYは静水時の速さが違いますが、足し引きする川の流速は同じです。
第3問|最大公約数・最小公倍数と整数の組
この大問で学ぶこと
素因数を、全員に共通する分と誰かが持つ分に分ける
最大公約数は全ての数に共通する素因数、最小公倍数はどれかの数に必要な素因数を集めたものです。2個の整数で使える積の公式を、3個へそのまま広げず、候補を表にして両条件を検証します。
解くときの着眼点:各整数は420の約数で6の倍数、という候補から絞ります。
(1)
答え:(A,B)=(6,420)、(12,210)、(30,84)、(42,60)
- A=6a、B=6bとすると、aとbは互いに素で、積は420÷6=70です。
- 70を互いに素な2数へ分けると1×70、2×35、5×14、7×10です。
- 各数を6倍して、小さい方をAにすると4組になります。
間違えやすい点:積が70でも、共通する素因数が残る組は使えません。
(2)
答え:42、210
- 12と60には最小公倍数420に必要な素因数7がないので、Cは7の倍数です。最大公約数6の条件からCは6の倍数でもあります。
- したがってCは42の倍数かつ420の約数で、42、84、210、420が候補です。
- 84と420は12でも割り切れ、3数の最大公約数が12になるため除きます。残る42、210が答えです。
間違えやすい点:最小公倍数だけが合っていても、最大公約数が6とは限りません。
(3)
答え:(D,E)=(6,84)、(6,210)、(6,420)、(30,84)、(42,84)、(42,210)、(42,420)
- DもEも6の倍数で、420の約数です。D<60、D≠12よりDは6、30、42。E>60よりEは84、210、420です。
- この9組で最小公倍数は420になりますが、D=30でE=210または420の場合は最大公約数が30になるため除きます。
- 残る7組を答えます。
| D | E=84 | E=210 | E=420 |
|---|---|---|---|
| 6 | ○ | ○ | ○ |
| 30 | ○ | ×(最大公約数30) | ×(最大公約数30) |
| 42 | ○ | ○ | ○ |
間違えやすい点:3数では「積=最大公約数×最小公倍数」という2数の公式を使いません。
第4問|3つの円の重なりと転がる図形
この大問で学ぶこと
形が変わって見えても、幅と円弧に注目する
3円の共通部分は、円弧3本で囲まれた幅一定の図形です。重なりの面積は扇形と正三角形の足し引きで整理し、転がる円の通過部分は円弧に沿う帯と角の部分へ分けて求めます。
解くときの着眼点:正三角形の面積を消し、円弧の部分と頂点の部分へ分けます。
(1)
答え:39.25cm²
- 正三角形ABCの面積をTとします。2円の共通部分のレンズ形は、半径5cm・120度の扇形2個から2Tを引いたものです。
- 3円の共通部分Dは、半径5cm・60度の扇形3個から2Tを引いたものです。
- 斜線1個はレンズ形からDを除いた部分なので、Tが相殺され、120×2-60×3=60度の扇形1個分になります。
- 3個の合計は5×5×3.14×180/360=39.25cm²です。
間違えやすい点:斜線は3円全ての共通部分ではなく、ちょうど2円に入る外側の3部分です。
(2)
答え:イ
- 床に円弧が接するときは、その円弧の中心である反対側の頂点までの高さが5cmです。頂点が床に接する向きでも、反対側の円弧までの幅は5cmです。
- どの向きでも床と上側の接線の間隔が5cmなので、転がった通過範囲の上側は水平な直線になります。
- したがって適切なのはイです。
間違えやすい点:頂点の軌跡1本ではなく、図形全体が通る範囲を選びます。
(3)
答え:207.24cm²
- 半径3cmの円全体が通る帯の幅は直径6cmです。Dの各60度の円弧の外側には、同じ中心の半径5cmと11cmの間の扇形の帯ができます。
- 3本の帯の合計は(11²-5²)×3.14×60/360×3=150.72cm²です。
- さらにDの3頂点の外側に、半径6cm・60度の扇形が1個ずつできます。合計は6²×3.14×60/360×3=56.52cm²です。
- 全体は150.72+56.52=207.24cm²です。
間違えやすい点:円の中心だけの軌跡を求めると不足します。通過する円全体の直径6cmを使います。
解き直しの進め方
人数では増えた分も整数かを確認します。流水算は流速を共通の単位で置いて2隻を比べましょう。整数の組は候補表へ条件を書き、図形はどの扇形を足し引きしたか原図へ色を付けて説明できるか確かめます。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、条件の読み違い・着眼点・計算に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で図や式を作り直す | 同じ答えが出るだけでなく、式の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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