2026年10月28日
SUSUMU JUKU / 2022 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
海城中学校・2022年度 第1回 算数
全6大問を解説します。交点の面積比、2つのトンネルの通過グラフ、曲がる回数を指定した道順、立方体の切断、コインの偶奇条件を、表と途中式で整理します。
第1問|計算・数列・濃度・来客・回転角
この大問で学ぶこと
条件の違いを、比と差に置き換える
数列はグループごとの個数、食塩水は食塩の量、来客は時間差を使って整理します。回転図形では対応する角と等しい辺を、平行線の条件と結び付けましょう。
解くときの着眼点:同じまとまりと、変わらない量を見つけます。
(1)
答え:12
- 13.5×2/3=9、4と2/7=30/7なので、9÷30/7=2.1です。
- (2.1-0.6)÷0.125=1.5÷1/8=12です。
間違えやすい点:0.125で割ることは8を掛けることです。
(2)
答え:9
- 1〜nを並べるn番目のグループまでで、1+2+…+n個あります。13番目までで13×14÷2=91個です。
- 100番目は14番目のグループの100-91=9個目なので9です。
間違えやすい点:グループ番号14を、そのまま答えにしません。
(3)
答え:42g
- 全て13%の食塩水100gとすると食塩は13gですが、目標では10.9gなので2.1g少なくします。
- 13%を8%へ置き換えると1gにつき0.05g減るため、2.1÷0.05=42gを8%にします。
間違えやすい点:濃度の差5%は0.05として扱います。
(4)
答え:74人
- 18時から19時51分までは111分、20時28分までは148分です。出ていく総数はそれぞれ111×8/3=296人、148×5/2=370人です。
- 後の条件では出た人数が74人多く、追加の37分に来た人数に等しいので、来店は毎分74÷37=2人です。
- 初めの人数は296-2×111=74人です。
間違えやすい点:途中に来店した客も退店するため、退店人数だけを初めの人数としません。
(5)
答え:39度
- 回転から∠ABC=∠CBE=34度、BC=BEです。三角形BCEの底角BECは(180-34)÷2=73度です。
- ACとBEは平行で、ACを34度回転したDEとBEのなす角BEDは34度です。
- 求める∠DECは73-34=39度です。
間違えやすい点:Eの73度全体ではなく、その中からDEが作る34度を除きます。
第2問|平行四辺形と4本の線の交点
この大問で学ぶこと
交点の位置を求めてから、面積の足し引きへ進む
BHとDG、CEとAFはそれぞれ平行です。まずBH上のI・Lの位置を確定すると、内側の平行四辺形や端の四角形の面積を、同じ高さの三角形へ分けて求められます。
解くときの着眼点:辺を延長すると、交点の比が相似で求まります。
(1)
答え:2:1:1
- CEをADの延長と交わるまで延ばし、その点をXとします。AE:EB=1:2からAX:BC=1:2なので、AX=AD/2です。HもADの中点のためXH=BCです。
- XHとBCが平行なので、三角形XHIとCBIは相似で、HI=BIです。
- AFをBCの延長と交わるまで延ばしYとします。CF:FD=1:2よりCY=AD/2なので、BY=3AD/2。AH=AD/2から三角形AHLとYBLの相似比は1:3で、HL:LB=1:3です。
- IはBHの1/2、LはBから3/4の位置なので、BI:IL:LH=2:1:1です。
間違えやすい点:延長線上のX・Yを、辺上の点と混同しません。
(2)
答え:8:1
- BHとDGは平行、CEとAFも平行なのでIJKLは平行四辺形です。IL=BH/4です。
- 三角形BDHの面積は、DH=AD/2より全体の1/4です。
- IJKLとBDHは、底辺をBHと平行に取ると高さが共通。IJKLはBDHの2×1/4=1/2なので、全体の1/8です。したがって全体:IJKL=8:1です。
間違えやすい点:三角形と平行四辺形を比べるので、底辺比に加えて2倍が必要です。
(3)
答え:48:5
- 三角形ABHは全体の1/4です。ここから三角形BEIとAHLを引くと四角形AEILが残ります。
- BEはABの2/3、IのABからの距離はHの1/2なので、BEIはABHの1/3、すなわち全体の1/12です。
- HL=BH/4なのでAHLはABHの1/4、全体の1/16です。
- AEILは全体の1/4-1/12-1/16=5/48。全体:AEIL=48:5です。
間違えやすい点:最後は求める比の順序「全体:四角形」に直します。
第3問|2つのトンネルと列車のグラフ
この大問で学ぶこと
先頭と最後尾の出入りを、折れ点へ対応させる
長さの合計が一定でも、列車は止まっていません。一方から出る長さと他方へ入る長さが同じ場合も水平になります。列車の長さを変えたときは、全ての出入りの時刻を求め直しましょう。
解くときの着眼点:縦軸は、両トンネル内にある列車部分の合計です。
(1)
答え:240m
- 初めの10秒でトンネル内の長さが160mになるので、列車の速さは毎秒16mです。10秒ですぐ減り始めるため、Aの長さは160mです。
- 10〜15秒で160→80mと減り、15〜20秒は80mで一定になります。Aから出ながらBへ入るので、AとBの間の区間は160-80=80mです。
- B入口はA入口から160+80=240m。30秒で先頭がB出口へ達するので、Bの長さは16×30-240=240mです。
間違えやすい点:水平区間を列車の停止と解釈しません。
(2)
答え:折れ点:(0,0)、(8,160)、(10,160)、(12,120)、(18,120)、(22,200)、(24,200)、(34,0)
- 新しい速さは時速72km=毎秒20m、列車長は200mです。Aは入口0m・出口160m、Bは入口240m・出口480mにあります。
- 先頭がAを出るのは8秒、最後尾がAへ入るのは10秒、先頭がBへ入るのは12秒、最後尾がAを出るのは18秒です。
- 最後尾がBへ入るのは22秒、先頭がBを出るのは24秒、最後尾がBを出るのは34秒です。
- 横軸を秒、縦軸をトンネル内の列車の合計mとして、答えの8点を順に直線で結びます。区間ごとの理由は下表のとおりです。
| 区間(秒) | 長さの変化(m) | 理由 |
|---|---|---|
| 0〜8 | 0→160 | 先頭がAへ入る |
| 8〜10 | 160で一定 | 列車がA全体を覆う |
| 10〜12 | 160→120 | 最後尾がA内を進み、A内の部分が減る |
| 12〜18 | 120で一定 | Aから出る量とBへ入る量が同じ |
| 18〜22 | 120→200 | Aを出終わり、Bへ入る |
| 22〜24 | 200で一定 | 列車全体がB内 |
| 24〜34 | 200→0 | Bから出る |
間違えやすい点:Aが列車より短くなっているので、最初の最大値は列車長200mでなくAの長さ160mです。
第4問|正五角形の道順と曲がる回数
この大問で学ぶこと
曲がる点を基準に数え、最多の上限も考える
2回曲がる道は、2つの曲がる点を選ぶと候補になります。ただし途中で以前通った点へ戻る道は禁止です。最多の回数は、図にある点の総数から上限を考えると、例を見つけた後の証明までできます。
解くときの着眼点:交点を通ることと、交点で曲がることを分けます。
(1)
答え:19通り
- 1回目に曲がる点を、Aから直進して着けるB・E・G・F・D・Jに分けます。途中の交点を直進して通る場合も、通過済みの点として記録します。
- 2回目に曲がってからCへ直進でき、途中で点を再訪しない候補を残すと、下表になります。
- 5+3+3+2+3+3=19通りです。表では曲がる点だけを示し、各点間は同一直線上を進みます。
| 1回目の曲がる点 | 2回目の曲がる点 | 個数 |
|---|---|---|
| B | G・D・H・F・E | 5 |
| E | D・F・B | 3 |
| G | B・D・H | 3 |
| F | B・E | 2 |
| D | G・B・H | 3 |
| J | F・B・E | 3 |
間違えやすい点:A→GではFも通ります。後でFを通る候補は除く必要があります。
(2)
答え:例:A→B→F→G→H→I→J→E→D→C(8回曲がる)
- 図の点は外側5点と内側5点の計10点です。出発A・到着Cを除く点は8点で、同じ点は再訪できないため、曲がれる回数は多くても8回です。
- 例の道順は全10点を1回ずつ使い、途中の8点のどこでも進む方向が変わります。
- したがって8回が最多で、この順に線をたどれば条件を満たす道順を描けます。
間違えやすい点:途中の点で直進すると、その点は通過していても曲がる回数には入りません。
第5問|立方体の切断と対角線の比
この大問で学ぶこと
切断面の傾きを、相似と立体の差で扱う
3点A・P・Qが決まると、各面上の切断線はつながります。底面との交点を求めた後、面を延長して一つの大きな三角すいを作ると、複雑な切断立体も求められる体積の差に変わります。
解くときの着眼点:切断線を延ばし、大きな三角すいから引きます。
(1)
答え:FR=4cm、SH=7.2cm
- PF=12-10=2cm、QH=12-6=6cmです。APをBF側へ延長してEFの延長と交わる点をX、AQをDH側へ延長してEHの延長と交わる点をYとします。
- AE:PF=12:2=6:1なので、EX:FX=6:1、EX-FX=EF=12よりFX=2.4cmです。同様にAE:QH=2:1よりEY=24cm、HY=12cmです。
- 切断面が底面に作る直線はXYです。三角形XFRとXEYの相似よりFR=24×2.4/14.4=4cm。三角形YHSとYEXの相似よりHS=14.4×12/24=7.2cmです。
間違えやすい点:F・Hから切断線までの長さを求めているので、GR・GSと取り違えません。
(2)
答え:601.6cm³
- 延長してできた三角すいA-EXYの底面積は14.4×24÷2=172.8cm²、高さは12cmなので体積691.2cm³です。
- 立方体の外側に出るX側の三角すいは、底面FPRの面積2×4÷2=4cm²、高さFX=2.4cmで、体積3.2cm³です。
- Y側の三角すいは底面HQSの面積6×7.2÷2=21.6cm²、高さHY=12cmで、体積86.4cm³です。
- 求めるE側の体積は691.2-3.2-86.4=601.6cm³です。
間違えやすい点:延長して作った立体は立方体の外にも広がるので、外側2つを必ず除きます。
(3)
答え:4:3
- 切断面をCGの延長まで延ばした交点をTとします。前面の切断線PRをCGの延長まで延ばすと、PF:GT=FR:RG=4:8=1:2なのでGT=4cmです。
- E・A・C・Gを含む対角線の平面で見ると、切断線はAT、対角線はCEで、交点がNです。AEとCTは平行です。
- CT=12+4=16cm、AE=12cm。三角形CNTとENAの相似よりCN:NE=CT:AE=16:12=4:3です。
間違えやすい点:Tは辺CGの内側ではなく、Gより4cm下の延長上です。
第6問|倍数のコインと裏返しの偶奇
この大問で学ぶこと
全ての引き方で成り立つ条件を、必要十分で考える
2枚・3枚の操作では倍数の重なりを数えます。「どの引き方でも必ず黒」では、1種類のカードを11回引く極端な例から必要な条件を探し、その条件なら本当に全てで成り立つか確かめましょう。
解くときの着眼点:同じコインを偶数回返すと白へ戻ります。
(1)
答え:194枚
- 2の倍数は388枚が黒になります。そのうち4の倍数194枚はもう一度返されて白へ戻ります。
- 388-194=194枚です。
間違えやすい点:4の倍数は2回裏返されるため、黒として残りません。
(2)
答え:388枚
- 2の倍数388枚、3の倍数259枚で、6の倍数129枚は2回返されます。2回の操作後の黒は388+259-2×129=389枚です。
- 次に1を引くと全777枚が反転するので、黒は777-389=388枚です。
間違えやすい点:重なりの6の倍数は1回引くだけではなく、2回引いて0回相当へ戻します。
(3)
答え:12枚
- 1〜5の全てで割り切れる番号なら、どのカードでも毎回返されます。11回は奇数なので必ず黒になります。
- 逆に、あるkで割り切れない番号は、kを11回引けば一度も返らず白のままです。したがって1〜5の全ての倍数であることが必要です。
- 最小公倍数は60。777以下の60の倍数は777÷60の商12個なので12枚です。
間違えやすい点:「60の倍数なら黒」の確認に加え、それ以外が必ず黒とはいえない理由も示します。
解き直しの進め方
グラフは先頭と最後尾、道順は通過と曲がる点、コインは奇数回と偶数回を区別して考えます。切断では延長点が立方体の外にあることも、自分の図へ書き込んで確かめましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、条件の読み違い・着眼点・計算に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で図や式を作り直す | 同じ答えが出るだけでなく、式の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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