2026年10月27日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
大宮開成中学校・2024年度 第1回入試 算数
全7大問を解説します。得点の整数条件、正三角形の面積が消える差、2成分の濃度、フィボナッチ数列の周期、方眼上の通過範囲を順に整理します。
第1問|整数と分数の計算
この大問で学ぶこと
大きく掛ける前に、式を整える
整数の式は12を共通因数にでき、分数の式は19が約分できます。全てを先に展開するより、まとまりを見つけることで計算量を減らせます。
解くときの着眼点:共通因数をまとめ、帯分数を仮分数へ直します。
(1)
答え:96
- 12を共通にすると、12×(11+13+26-42)です。
- かっこの中は8なので、12×8=96です。
間違えやすい点:13×24は12×26、14×36は12×42に直せます。
(2)
答え:1
- 帯分数と小数を直すと、5/3×9/4÷19/6-7/12×6/19です。
- 前半は45/38、後半は7/38なので、差は38/38=1です。
間違えやすい点:3と1/6は19/6であり、31/6ではありません。
第2問|差・得点の比・仕事・草の増加
この大問で学ぶこと
残った条件で、候補を絞る
得点の比はそれぞれの満点から整数の候補を絞れます。仕事は毎日の仕事量、牧草は毎日増える分を差し引いた量へ直します。計算結果を元の人数や日数の条件へ戻して確かめましょう。
解くときの着眼点:合計だけでなく、満点や増え続ける量も条件に入れます。
(1)
答え:27個
- Bを基準にするとAは3個多く、Cは4個少ないので、合計はBの3倍より1個少なくなります。
- Bは(80+1)÷3=27個です。
間違えやすい点:Cが少ない相手はBではなくAなので、差をB基準へ直します。
(2)
答え:80点
- 国語・算数を13a点・16a点、社会・理科を5b点・6b点とすると29a+11b=211です。100点満点の算数からaは1~6の整数です。
- 211から29aを引くと、a=1~6について182、153、124、95、66、37です。11の倍数になるのはa=5の66だけで、b=6です。
- 算数は16×5=80点。4科目は65、80、30、36点となり、満点条件と合計211点に合います。
間違えやすい点:国語・算数の比と社会・理科の比を、同じ1単位として扱いません。
(3)
答え:6日間
- 全仕事量を60とすると、Aは1日5、Bは1日6進めます。11日間を全てBで行えば66となり、6だけ多くなります。
- Bの1日をAへ置き換えると1減るので、Aが働くのは6日間です。
間違えやすい点:Aが4日で終えるのは全体でなく1/3です。
(4)
答え:36日
- 50頭20日では1000頭日分、65頭15日では975頭日分の草を食べます。5日長い分だけ25頭日分増えるので、草の増加は1日5頭日分です。
- 最初の草は1000-5×20=900頭日分。30頭では毎日30-5=25頭日分ずつ減るため、900÷25=36日です。
間違えやすい点:初めの草だけでなく、食べている間に増える草も含めます。
第3問|重なりの面積差・三角柱の切断
この大問で学ぶこと
求めにくい部分を、差と平均へ直す
曲線で囲まれた部分は、それぞれを単独で求めると複雑でも、差を取ると正三角形の面積が消えます。三角柱の斜めの切断は、平行な3辺上の高さの平均へまとめられます。
解くときの着眼点:共通部分を消し、切断では3頂点の高さを整理します。
(1)
答え:1.68cm²
- 2本の円弧の交点をX、上の左右の頂点をA・Bと呼びます。AX=BX=AB=6cmなので、三角形ABXは正三角形です。その面積をTとします。
- アは半径6cm・60度の扇形からTを引いた面積で、6π-Tです。2つの90度の扇形の重なりは、60度の扇形2個からTを引いて12π-Tです。
- イは正方形から2扇形の和集合を除いた部分なので、36-{18π-(12π-T)}=36-6π-Tです。
- ア-イ=12π-36=12×3.14-36=1.68cm²です。
間違えやすい点:アとイを別々の小数で求めず、正三角形の面積Tを残して差を取ります。
(2)
答え:74/15cm³(4と14/15cm³)
- 三角形ABCの面積は3×4÷2=6cm²です。上側に残る高さはAG=4/6=2/3cm、BH=4/5cm、CI=4/4=1cmです。
- 三角形を底面とし上を平面で切った柱体の体積は、底面積×3頂点での高さの平均です。三角すいへの分割から得られる関係を使います。
- 6×(2/3+4/5+1)÷3=74/15cm³です。
間違えやすい点:Bを含む上側の体積なので、GD・HE・IFの長さを使わないようにします。
第4問|砂糖と食塩を含む2種類の溶液
この大問で学ぶこと
濃度どうしより、溶けた量を比べる
1つの溶液に2種類の成分があっても、砂糖と食塩それぞれの重さは混合で保存されます。「食塩が砂糖の半分」は「砂糖-食塩の2倍が0」と言い換えると、混合比へつながります。
解くときの着眼点:混ぜる量で重みを付け、砂糖と食塩を別々に計算します。
(1)
答え:6.8%
- Aを200g、Bを300g混ぜると考えると、食塩は16+18=34gです。
- 全体500gに対して34÷500×100=6.8%です。
間違えやすい点:8%と6%の単純平均ではなく、2:3の量で重みを付けます。
(2)
答え:A:B=3:2
- 100g当たり「砂糖-食塩の2倍」は、Aで12-16=-4g、Bで18-12=6gです。混ぜた後に0になるには、この不足と余りが等しくなります。
- A:B=6:4=3:2です。確認すると砂糖は12×3+18×2=72、食塩は8×3+6×2=36で、ちょうど半分です。
間違えやすい点:混合する溶液の重さの比を答えます。成分だけの比とは違います。
第5問|フィボナッチ数列と割り算の余り
この大問で学ぶこと
2つの余りが戻れば、続きを繰り返せる
直前の2数の和で次が決まるため、余りも直前の2つから決まります。1つの余りが同じだけでは周期は確定せず、隣り合う2つが元へ戻ることを確かめるのがポイントです。
解くときの着眼点:大きな数そのものではなく、8で割った余りを追います。
(1)
答え:377
- 8番目の21の後は34、55、89、144、233、377です。
- したがって14番目は377です。
間違えやすい点:最初の1が2個あるため、項番号を1つずらさないようにします。
(2)
答え:337個
- 8で割った余りを1番目から追うと、1、1、2、3、5、0、5、5、2、7、1、0となります。その次の2つは1、1で最初と同じです。
- よって12項周期で、6番目と12番目の2個が8で割り切れます。つまり6の倍数番目ごとです。
- 2024÷6=337余り2なので337個です。
間違えやすい点:1項だけの一致でなく、次を決める2項の組が戻ることを確認します。
第6問|長さの違う環状線と電車
この大問で学ぶこと
周数と速さを、混同しない
同じ時間に何周できるかの比は、1周の線路が違うとそのまま速さの比にはなりません。距離は周数に線路長を掛け、1周にかかる時間は同じ時間に回れる周数の逆比で求めます。
解くときの着眼点:同じ時間に進む距離を、周数×1周の長さで表します。
(1)
答え:10:9
- 同じ時間に内側は5周、外側は3周。1周の長さは2:3なので、進む距離は5×2:3×3=10:9です。
- 同じ時間の距離比が速さの比なので10:9です。
間違えやすい点:5:3は周数の比で、速さの比ではありません。
(2)
答え:45分
- 1周の時間は周数5:3の逆比で、内側:外側=3:5です。
- 差の2が18分に当たるので、外側の5は18÷2×5=45分です。
間違えやすい点:時間の比には、(1)の速さ10:9をそのまま使いません。
第7問|方眼上の線分の通過範囲と回転
この大問で学ぶこと
通った範囲の境界を、自分で決める
線分の通過範囲は、Kの形全体でも、その外側を囲む長方形全体でもありません。Pから各頂点へ線を引き、埋まるくぼみと残るくぼみを分けます。回転後は最短距離と最長距離が境界を決めます。
解くときの着眼点:Pから外周へ引ける線を追い、くぼみと回転後の穴を確認します。
(1)
答え:15.5cm²
- Kの左端から右端までの幅3cm・高さ6cmの長方形18cm²を基準にします。右側中央のくぼみは、底辺6cm・高さ1.5cmの三角形で4.5cm²です。
- PからKの左端へ広がる三角形は底辺6cm・高さ1cmで3cm²。これを加えます。
- ただし上下の腕の間には、それぞれ底辺1cm・高さ1cmの小さい三角形が通らずに残ります。Pと腕の上端・下端を結ぶ線で確かめると、高さ1cmが分かります。
- 18-4.5+3-(1×1÷2)×2=15.5cm²です。
間違えやすい点:Kの上と下の切り込みまで全部埋めると、1cm²多く数えてしまいます。
(2)
答え:103.62cm²
- Rから通過範囲までの最短距離はRP=1cmです。最も遠いのは右上・右下の頂点で、Rから横5cm・縦3cm離れています。
- この線分を1辺とする正方形の面積は、方眼上で8×8-(5×3÷2)×4=34cm²です。したがって外半径の2乗は34です。
- 通過範囲はつながっているため、回転すると内半径1cmから外側までの円環ができます。面積は(34-1²)×3.14=103.62cm²です。
間違えやすい点:Rを含む円全体ではなく、RPより内側には穴が残ります。
解き直しの進め方
数列は大きな数を全部作る代わりに余りを追い、2項の組の繰り返しを確認しましょう。通過範囲はPから頂点へ線を引き、通らない小さい部分まで描きます。濃度と速さでは、比が何の量の比かを必ず書いて解き直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、条件の読み違い・着眼点・計算に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で図や式を作り直す | 同じ答えが出るだけでなく、式の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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