2026年10月27日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
武蔵中学校・2026年度 2月1日入試 理科
液体の性質、雨を測る仕組み、紙の観察という三つの題材を、比較・グラフ・観察記述の観点から解説します。公式の採点基準ではなく、進塾による考え方の解説です。
第1問|液体の性質・燃焼・蒸留
この大問で学ぶこと
性質の比較を、実験の理由へつなぐ
水・食用油・アルコールの違いを、見た目、燃え方、温まり方に分けます。グラフでは温度の値だけでなく、上がる速さと一定になる時点を使います。
解くときの着眼点:条件を一つずつ比べ、グラフの傾きと物質の性質を対応させる。
問1|二つの液体の共通点
ア・オ
- 透明であることと無色であることは別です。色がついていても向こうが透ければ透明です。
- 植物由来の原料を用いるものが、どちらにもあります。水に浮くか、蒸発しやすいかは共通とは限りません。
間違えやすい点:「透明=無色」と決めつけない。
問2|食用油を実験用ランプに使わない理由
記述例:すすが出て、加熱する器具などを汚すため。
- ロウソクの炎と共通する性質に着目します。燃焼が不完全になると炭素の細かな粒がすすになります。
- 実験の目的に対して何が不都合かまで書くと、性質と理由がつながります。
間違えやすい点:「燃えないから」ではない。
問3|加熱装置の危険と直し方
危険:アルコールへの引火。改善:水を入れたビーカーで湯せんする。
- 引火しやすい液体を直火で加熱している点が危険です。
- 水を介して間接的に温める装置に変えます。実際の操作は教員の指導下で行います。
間違えやすい点:危険の指摘だけで終わらず、装置の変更まで示す。
問4|加熱曲線
20℃から毎分10℃で上がり、6分で80℃。その後は約80℃で水平。
- 水は20℃から100℃まで12分なので、上昇率は80÷12=毎分20/3℃です。
- アルコールの上昇率はその1.5倍で毎分10℃。80℃までの上昇分は60℃だから、60÷10=6分です。
- 沸騰後は温度上昇に使われず、状態変化に熱が使われます。
間違えやすい点:初めの温度20℃を引かず、80÷10としない。
問5|微生物の働きを利用しない食品
イ・カ・ク
- 豆腐は豆乳を固め、ゼリーは液体をゲル状にし、もちは米を加工して作ります。
- 発酵による食品と、凝固・加熱などで作る食品を区別します。
間違えやすい点:食品名だけの暗記にせず、主な製法で分ける。
問6|蒸留を2回行う
約80%
- 横軸10%の位置から曲線へ進み、縦軸を読むと1回目は約50%です。
- その50%を次の横軸の値として、もう一度曲線を読むと約80%になります。
間違えやすい点:1回目の値を2倍するのではなく、グラフへの入力に戻す。
第2問|気象レーダー・雨粒・観測の限界
この大問で学ぶこと
平面の雨雲画像を、空間の断面として読む
レーダーが直接調べているのは地表の雨ではなく、電波が通る上空の粒です。同じ場所でも仰角を変えると観測する高さが変わります。
解くときの着眼点:距離→高度→反射の有無の順に、図を対応させる。
問1|雲と雨粒
ア・カ
- 雲は目に見えない水蒸気そのものではなく、細かな水滴や氷の粒です。
- 図1では小さな雨粒は球に近く、大きな粒は横に広がっています。絵でよく見る先のとがったしずく形とは違います。
間違えやすい点:身近なイラストの印象より、提示された観察図を優先する。
問2|粒の大きさと電波強度
エ・カ
- 表の粒径には重なりがあります。1mmの粒を含むだけでは雨の強さを一つに決められません。
- 一方、観測強度と1時間あたりの降水量には対応があり、おおよその推定に使えます。
間違えやすい点:範囲が重なる表から、一つの粒径だけで分類を断定しない。
問3(1)|150km先・高度5km
1.4度
- 距離150kmの縦の位置と高度5kmの横の位置の交点を探します。
- その交点を通る仰角の曲線を読み取ります。
間違えやすい点:高度のkmと、別図のmを混同しない。
問3(2)|仰角と観測範囲
エ・オ
- 角度の刻みは図で一定とは限りません。また図の曲がりを、電波自体が上向きに曲がる意味に読み替えてはいけません。
- 地表を基準とする高度と、空間を直進する電波の関係を分けて考えます。
間違えやすい点:遠方の最低観測高度が上がるという事実と、その理由を取り違えない。
問4(1)|上空に粒があっても地表に雨がない
例:上昇気流で持ち上げられた/落下の途中で蒸発した。
- 観測から地表へ届くまでに何が起こり得るかを考えます。
- 二つの理由は、粒の運動と状態変化に分けると重複しません。
間違えやすい点:「レーダーの間違い」と決めつけない。
問4(2)|B地点の観測結果
イ・ウ・エ
- Bの距離をそれぞれの仰角の高度に対応させます。低い側の観測では反射があり、高い側にはありません。
- 観測していない中間高度に粒があるかは断定できません。低い高度の反射は地表の降雨を推測する材料です。
間違えやすい点:未観測の高さの情報を、ないものとして扱わない。
問4(3)|水平な雲が円に見える理由
記述例:同じ仰角の電波が回転して円すい状の観測面を作り、水平な雲と交わる部分が円になるため。
- アンテナの一点から斜め上に伸びる線を、水平に一周させると円すいの側面になります。
- 一定高度の雲を水平な面とみなし、二つの面が交わる形を考えます。
間違えやすい点:雲そのものが丸く分布していると説明しない。
問4(4)|強い反射を生む層の高度
約3600m~5400m
- 図5の濃い帯はレーダーから約40~60kmです。
- この両端の距離を図6の仰角5度の線で高度に直すと、約3600mと約5400mです。
- 答案では「図5の距離を図6で高度に直した」という操作まで書きます。
| 確認したこと | 言えること | まだ言えないこと |
|---|---|---|
| 上空で反射がある | その観測高度に粒がある | 地表でも必ず雨が降っている |
| 二つの仰角で観測 | 二つの高度の状態 | 未観測の中間高度の状態 |
間違えやすい点:図6の縦軸はm。3600~5400kmにはならない。
第3問|キッチンペーパーの観察
この大問で学ぶこと
観察した事実から、製品の工夫を説明する
実物を切る・はがすという操作によって、方向による違いや重なりの仕組みを見つけます。写真だけで再現できない観察問題なので、手元の実物について見えた事実と考察を分けることが大切です。
解くときの着眼点:操作→観察→理由の順に、方向と場所を具体的に書く。
問1(1)|切れる方向の違い
観察の観点:ミシン目に垂直な方向と平行な方向で、切れ目と必要な力を比べる。
- 配布された実物では、ミシン目に垂直な方向はまっすぐ切れやすく、平行方向は切れにくく、切れ目が曲がる特徴が確かめられます。
- 家庭で試す場合は製品による差があるため、同じ結果と決めつけず、実際の切れ方を記録します。
間違えやすい点:「縦・横」だけで書かず、ミシン目を基準にする。
問1(2)|巻く向きとミシン目
記述例:引き出す途中では切れにくくし、必要な位置ではミシン目で切り離せるようにするため。
- ロールの軸と平行な方向には、紙だけでは切れにくいという性質を利用しています。
- そこにミシン目を入れると、引き出す丈夫さと切り取る使いやすさを両立できます。
間違えやすい点:「切りやすいから」だけでは、巻く向きの説明が抜ける。
問2|2枚が付く仕組み
観察の観点:両方の紙の突起が接して付いている場所を、断面図と文章で示す。
- ゆっくりはがして凹凸と接合箇所を対応させます。
- 図には上の紙・下の紙・突起の接点を描き、全面が平らに貼られている図とは区別します。
間違えやすい点:写真から接着剤の種類など、観察で確かめられない情報を足さない。
解き直しの進め方
知識問題と資料問題を分け、特にグラフは「どの値を読み、次にどこへ移すか」を言葉にして解き直しましょう。観察問題は、同じ製品とは限らない点を踏まえ、実際に見えた特徴から説明を組み立てます。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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