海城中学校 2025年度 第1回 国語入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年10月27日

SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

海城中学校・2025年度 第1回 国語

2025年度の海城中学校第1回国語は、教室の「感謝」を描く物語と、共感・主観を考える論説の二大問です。どちらも、集団から見てよいことと、個人の内側にある感覚のずれを丁寧に読むことが要点です。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|感謝を評価する教室

この大問で学ぶこと

善意の行動と、評価を得る行動を区別する

教室が落ち着いていく一方で、称賛や感謝が目的化していく様子を、語り手は批判的に見ています。表面的な明るさと、その内側への違和感を同時に追います。

解き直しの到達点教室全体の変化と、「僕」の受け止めを分けて説明する。

解くときの着眼点:教室全体の変化と、「僕」の受け止めを分けて説明する。

問一~問四|先生とクラスへの見方

問一 イ/問二 エ/問三 ア/問四 エ。

  1. 最初に立て直しが難しいと考えた背景には、クラス内の力関係と、新任の先生への見方があります。
  2. 直接問題児を叱るのではない対応が、その後の変化につながります。
  3. 係を任された「僕」の心は、戸惑いだけでも誇りだけでもなく、両方を含む選択肢を確認します。

間違えやすい点:後の先生への批判を、登場時から「僕」が同じ強さで感じていたと読み替えないこと。

問五・問六|善行の目的が変わる

問五 ウ/問六 ア。

  1. 善いことをした結果として褒められる段階から、褒められるために善い行いを見せる段階へ移ることが中心です。
  2. 問いは行為の外形ではなく、目的と見せ方の変化を捉えています。

間違えやすい点:人助けそのものを悪い行動だと読まないこと。批判の対象はその目的化です。

問七~問九|抜き出しと、語り手の不安

問七:偽善と虚飾に満ちたカラフルな塊(15字)。問八 イ/問九 ア。

  1. 問七は10~15字の指定があるため、本文の表記と字数を確認して解答欄へ移します。
  2. 感謝が本心を伝える手段から、見返りを求める交換や評価の道具になる点を押さえます。
  3. 「僕」は、皆が善意を称賛する社会で、異なる見方を示す小説の居場所まで考えています。

間違えやすい点:抜き出し問題では、自分で要約した語句を書かないこと。

問十|多幸感についていけなかった理由

答案例(86字):偽りの感謝や称賛に生徒たちが熱狂し、それを導く先生を崇める姿に、疑いなく一つの価値観を信じる集団のような不気味さを感じ、その善意の裏にある偽善への違和感や嫌悪を覚えたから。

  1. 教室に満ちる幸福感が、何によって作られたものかを先に説明します。
  2. 次に「僕」が、その外見とは異なる偽りを見ていたことを示します。
  3. 最後に集団の熱狂や先生への崇拝に対する違和感を理由としてまとめ、80~100字の条件を満たすよう調整します。
記述を二つの視点で組み立てる
視点書く内容
教室側感謝・称賛に満ちた幸福感
「僕」側偽りや評価目的への疑問
つなぐ理由疑わず熱狂する雰囲気への反発

間違えやすい点:単に「僕は周りと性格が違ったから」と、人物の性格だけに原因を求めないこと。

第2問|共感と、自分の感覚

この大問で学ぶこと

相手に合わせることだけを会話の目的にしない

尹雄大『句点。に気をつけろ』の文章は、共感そのものを否定せず、共感を求め過ぎて自分の感覚を見失う問題を論じます。具体例から抽象的な主張へ戻る読み方が重要です。

解き直しの到達点「他者との関係」と「自分の感覚」のどちらを論じる箇所かを確認する。

解くときの着眼点:「他者との関係」と「自分の感覚」のどちらを論じる箇所かを確認する。

問一~問三|漢字と、カレーの例

問一 a知識・b規制・c働・d尊厳・e委・f人並/問二 イ/問三 イ。

  1. カレーが辛いという自分の感覚をそのまま伝えることが、ここでいう主観的な振る舞いです。
  2. 相手に同意することと、自分も同じように感じていることは同一ではありません。
  3. 本文の「共感」がどの意味で使われる箇所かを確かめます。

間違えやすい点:主観的であることを、自分勝手に相手を攻撃することと混同しないこと。

問四~問六|筆者が問い続ける目的

問四 ア/問五 ウ/問六 ア。

  1. 「感動した」という語だけで、筆者が生徒を全面的に高く評価したとは決めません。
  2. 生徒は友人関係の損得やリスクを予測して答えています。筆者は、その言葉が本人の感覚とどう結び付くかを考えさせようとしています。

間違えやすい点:問いかけを、生徒を言い負かすためだけの行動と読まないこと。

問七~問九|滑らかな受け答えの限界

問七 エ/問八 ア/問九 イ。

  1. 正解や予測に沿って答えることには慣れていても、自分で感じたことをどう言うかという問いには戸惑っています。
  2. 大人も関係を維持するために感情を押さえる点で同じです。
  3. 共感を優先し過ぎると、違う感覚を表明しにくくなるという「足枷」の内容を具体化します。

間違えやすい点:筆者がすべての共感や協調を不要だと主張していることにしないこと。

問十|分かりやすい言葉と、本来の経験

ウ。

  1. 自分だけのつらさを、他人に共感されやすい言葉で語ると、その共感された形を自分の感覚だと思い込む場合があります。
  2. 言葉にしきれない部分が置き去りになるという点まで含む選択肢を選びます。

間違えやすい点:共感を得れば、必ず苦しみが解決するという話に変えないこと。

問十一|何を怖れ、どうしていくべきか

答案例:私たちは、怒りや悲しみや喜びとともに内側から湧く力を自分が持っていると知ることを怖れているが、他者への同調を理由に感覚を抑えるのではなく、その力を認め、自分が感じたことを大切にして主観的に物事を捉え、考え、行動すべきだ〔と言おうとしている。〕

  1. 前半で「怖れている対象」を、自分に備わる力と特定します。
  2. 後半で、今後の姿勢を主観的な理解・思考・行動につなげます。
  3. 記入する部分は109字です。文末は指定の「と言おうとしている。」につながる形にし、途中で文を区切りません。

間違えやすい点:「他人に嫌われるのが怖い」という説明だけで止めず、筆者がそこから踏み込んだ主張を答えます。

解き直しの進め方

選択肢は「行動」「目的」「気持ち」に分けて照合しましょう。記述では、本文が批判している対象を広げ過ぎず、条件付きの主張を保ってまとめます。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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