海城中学校 2024年度 第1回 理科入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年10月27日

SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

海城中学校・2024年度 第1回 理科

2024年度の海城中学校第1回理科は、音、水和物、高山の生物、道路と自然環境の四大問です。初めて見る題材でも、与えられた条件を式・表・因果関係に整理すれば考えられます。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|音の往復と、動く音源

この大問で学ぶこと

音の速さと、受け取る時刻を分ける

装置や反射板が動いても、問題で与えられた音速は変わりません。変化するのは音の進む距離と、発した位置です。

解き直しの到達点発信・反射・受信の時刻を順番に追う。

解くときの着眼点:発信・反射・受信の時刻を順番に追う。

問1~問3|反射して戻るまで

問1 1.76秒/問2 1.71秒/問3 1.71秒・291m。

  1. 問1は300×2÷340=約1.76秒です。
  2. 問2では音が往復する間に装置が近づくため、340t=600−10t。よって600÷350=約1.71秒です。
  3. 問3は音と板が向かい合うので、反射まで300÷350秒。反射位置は300−10×300÷350=約291mで、往復は約1.71秒となります。

間違えやすい点:往復の距離を初めから600mに固定して、動く物体の移動を忘れないこと。

問4~問6|発信間隔と受信間隔

問4・問5 ともに1.94秒。問6 毎秒6.8mで遠ざかる。

  1. 近づく音源は2秒の間に20m近づきます。次の音は20÷340秒ぶん早く着くので、受信間隔は2−20÷340=約1.94秒です。
  2. 一定速度なら、次の2秒間でも縮む距離が同じなので、問5も同じです。
  3. 問6の受信間隔は発信間隔より0.04秒長く、その間隔差に対応する距離は340×0.04=13.6m。2秒で割ると6.8m/秒です。
間隔を決める考え方
音源の動き次の音の道のり受信間隔
近づく短くなる発信間隔より短い
遠ざかる長くなる発信間隔より長い
一定速度毎回同じ差一定になる

間違えやすい点:0.04秒は音源が動いた時間ではなく、届くまでの時間の差です。

第2問|硫酸銅の水和物

この大問で学ぶこと

結晶には、水も一緒に入っている

結晶が出ると溶質だけでなく水も水溶液から減ります。溶ける物質と水の重さを別々に管理することが核心です。

解き直しの到達点無水塩と水を分けた重さの表で計算する。

解くときの着眼点:無水塩と水を分けた重さの表で計算する。

問1~問3|検出と飽和水溶液

問1(1)ウ、(2)ア/問2 20%/問3 54g。

  1. 水の検出には塩化コバルト紙を使います。
  2. 33℃では水100gに無水塩25gなので、25÷125×100=20%です。
  3. 53℃では100gの水に25+11=36g。水150gなら36×1.5=54gです。

間違えやすい点:溶解度25gを、そのまま25%としないこと。

問4|結晶後も濃さが20%になる理由

(1)結晶が水を取り込むので、水溶液側の水も減る。(2)20%。

  1. 20gの結晶は無水塩12.8gと水7.2gに分けられます。
  2. 残る無水塩は36−12.8=23.2g、水は100−7.2=92.8gです。
  3. 23.2÷(23.2+92.8)×100=20%。冷却後も33℃の飽和水溶液であることと一致します。

間違えやすい点:結晶20gを全部無水塩として引かないこと。

問5|水和物を溶かす・加熱する

(1)45g。(2)X40%・Y40%・Z20%。

  1. 水和物をxg溶かすと、無水塩は0.64xg、水は100+0.36xgです。33℃の比より0.64x=(100+0.36x)×0.25。x=約45.45なので整数で45gです。
  2. 100gの水和物から抜ける水は36g。各段階の減少14.4g、14.4g、7.2gを36gで割ると40%、40%、20%です。

間違えやすい点:水分の割合の分母は100gではなく、取り込まれていた水36gです。

第3問|高山植物と花粉を運ぶ昆虫

この大問で学ぶこと

花の特徴を、昆虫側の感覚から説明する

花の色やにおいは、花粉を運ぶ昆虫の種類と関係します。割合の資料と、昆虫の体の構造を結び付けて考えます。

解き直しの到達点「昆虫の特徴→花に集まる→受粉」の因果関係を書く。

解くときの着眼点:「昆虫の特徴→花に集まる→受粉」の因果関係を書く。

問1~問3|花と昆虫の構造

問1 Aがく・Bおしべ、蜜はオ/問2(1)複眼/問3 イ・ウ。

  1. 花の各部分の位置と働きを、受粉・蜜を集める動きと合わせて整理します。
  2. アリとシロアリは集団の中で役割を分担する生活をしますが、近い分類だから選ぶわけではありません。

間違えやすい点:シロアリをアリと同じ仲間だと決め付けないこと。

問2(2)・問4・問5|表面積、におい、花色

細い毛が多いと表面積が増え、においを捉えやすい。問4はハエを呼び寄せる利点。問5はア。

  1. においを受け取る部分は、接触できる面積が大きいほど物質を捉えやすくなります。
  2. 高山では花粉を運ぶハエ類が多いので、においで誘うことが受粉につながります。
  3. ニュージーランドはハエ類の割合が高く、視覚で花を探すハチ類が少ない資料から、白い花の多いアを選びます。

間違えやすい点:ハチの好む色の話を、ハエにも同じように当てはめないこと。

第4問|道路から読む自然環境

この大問で学ぶこと

地図の形を、自然の働きへつなぐ

道路の向きや石の分布を、磁北・風・太陽・海岸地形と結び付けます。最後は、集計方法そのものの問題点を見つける問いです。

解き直しの到達点図の事実と、説明のための仮説を区別する。

解くときの着眼点:図の事実と、説明のための仮説を区別する。

問1~問3|道路の方位

問1 ア・イ/問2 イ/問3 ウ。

  1. 真北と方位磁針の北は同じとは限らず、ずれも時代によって変わります。
  2. 波照間島は表の風向と街並みの向きを比較し、季節風との関係を考えます。
  3. 北緯20°の日没は夏に北寄りになるため、道路と日没方向の位置関係から8月の選択肢を判断します。

間違えやすい点:地図の上を磁北だと思い込まず、問題の「真北」の指定を守ること。

問4|詩と海岸地形を対応させる

(1)右に湖、左に外海が来る位置と向きを原図上で示す。(2)ウ。

  1. 湖と外海の間の細長い場所を探し、立った人の左右を地図上で確かめます。
  2. 丸い礫は波で動かされる間にぶつかり合い、角が取れていくと考えます。

間違えやすい点:地図の右左と、人が向いたときの右左を混同しないこと。

問5|集計方法を評価する

(1)各方位の区間数を数え、全体に対する割合を両側へ表す。(2)区間数だけでは長さを表せないため、方位別の距離の合計を使う。(3)山地や蛇行する川に沿う地域など。

  1. まず指定された方法をそのまま使ってグラフを作ります。
  2. 次に、長い道路も短い道路も1本と数えるため、実際の延び方とずれる問題を指摘します。
  3. 地形の制約が強い地域では道路が地形に沿って曲がり、方位が分散すると説明できます。

間違えやすい点:方法を批判する問いでも、最初の作図は指定のルールを守ります。

解き直しの進め方

第1問は時刻、第2問は物質ごとの重さ、第3問は昆虫の性質、第4問は資料の読み方を整理します。正解の記号を覚えるより、条件を一つ変えたら答えがどう変わるかを考えてみましょう。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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