2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2026年度 2月1日入試 社会
自然災害を軸に、都市化、気候、歴史上の交流、予算、産業、国際支援、情報保障をつなげて考える問題です。知識を選ぶだけでなく、地図・図表・史料の記述を根拠に説明する練習へつなげます。
問1〜3|都市と権利|戦争・都市化・基本的人権
この大問で学ぶこと
知識を資料の因果関係へつなげる
問1(1) 太平洋戦争が終わった年
1945年
- 日本の降伏により戦争が終わった年です。本文でゴジラ第1作が公開された1954年と区別します。
問1(2) 歴史を学ぶための力
想像
- 戦争を直接体験していなくても、当時の人が置かれた状況や感情を考える力です。架空の内容を作る創造ではなく、史実や史料を手掛かりに他者の立場を考える想像に対応します。
問2(1) 都市化の図に入らない項目
ウ
- 流域の市街地が増えると、地面へしみ込む雨水が減り、河川へ急に流れ込む量が増えやすくなります。水質の悪化や、水辺との関わりの減少も図の論点です。
- 震災や火災への対策も一般には大切ですが、今回の図が扱う河川流域の都市化の影響・課題という範囲には合いません。
問2(2) 新横浜公園の役割
洪水時に川の水を一時的に受け入れ、下流へ流れる量を調整する役割
- 川沿いの低い広い区域や周囲の堤防を、写真・地形図から確かめます。公園としての利用だけでなく、遊水地として水をためて洪水被害を抑える働きを説明します。
問3(1) 環境権の根拠となる権利
ウ
- 健康で文化的な生活を営む権利である生存権です。環境権という語が憲法にそのまま書かれているという説明ではなく、既存の権利を根拠として新たな権利が主張されてきた点を押さえます。
問3(2) 裁判制度の空欄
A3、B裁判員、C憲法
- 三審制、裁判員制度、憲法に照らす判断という三つです。三審制は原則として同じ事件の判断を複数段階で見直す仕組みで、再審という例外的な救済手続とは分けます。
問4|海・気候・国際交流|海と気候・朝鮮半島との交流
この大問で学ぶこと
図の根拠と史料の立場を読み分ける
問4(1) 西郷が暖かく雨が多い理由
海に面して気温が変わりにくく、冬も冷え込みにくいうえ、日本海を渡る冬の季節風が水蒸気を運ぶため
- 海は陸より温度変化が小さいので、同緯度でも内陸の松本と海沿いの西郷では冬の気温が違います。海水温分布と雨温図を結び付けます。
- 冬の北西季節風が日本海で湿り、西郷へ雨や雪をもたらす点まで説明します。緯度だけで気温と降水量が決まるわけではありません。
問4(2)① 古代の史料の誤り
ウ
- 史料1では百済が倭と結び、高句麗に服属した後で誓いを破ったこと、新羅が高句麗へ救援を求めたことが書かれています。新羅と百済がそろって倭の援助を受け、高句麗に敵対したとするウは一致しません。
- 史料は高句麗の王の業績を刻んだ碑です。書き手の立場にも注意しながら、まず本文に書かれた関係を矢印で整理します。
問4(2)② 鉄製農具による変化
朝鮮半島から伝わった丈夫なU字型の鉄の刃先で、田畑をより深く耕せるようになり、農業の生産力が高まった
- 新しい刃は木の本体にはめ込む構造で、板を折り曲げた古い形より丈夫です。技術の内容、伝えた担い手、農業への効果の三点をそろえます。
問4(2)③ 渡来した職人に関わる工芸
ウ:薩摩焼・鹿児島県
- 萩焼は山口、有田焼は佐賀、備前焼は岡山なので、選択肢の県との組が一致しません。工芸品の知識と、朝鮮出兵で職人が日本へ連れてこられた歴史の両方を確認します。
問4(2)④ 中国王朝と日本との関わり
提供解答例:エ
- 問われた中国王朝は明です。選択肢のうち、正式な外交と貿易、足利義満に関わる北山文化を組み合わせて明を指すものとして、提供解答例はエを選んでいます。
- ただし時系列には注意が必要です。北山殿の造営開始は1397年、明への使節は1401年、勘合の使用は1404年以後です。正式な勘合貿易が始まってから金閣が建てられた、と単純な順序で覚えないようにします。
問4(2)⑤ 出兵の拠点の城
名護屋
- 現在の佐賀県にある名護屋城です。愛知県の名古屋城と、護・古の文字を取り違えないようにします。解答欄に城が付く場合は、指定の3字を書きます。
問4(2)⑥ 藤原惺窩の発言の誤り
ア
- 史料3では、自国の兵の非道を批判し、朝鮮や中国の君主でもよい政治を行えば日本の民衆は受け入れるだろうと述べています。日本が道徳的に優越しているという確信とは反対です。
- 史料2の捕虜となった人物の記録と、史料3の日本側の批判的な発言を合わせ、一国の内部にも異なる立場があることを読みます。
問5〜8|対策と協力|防災施設・予算・産業・国際支援
この大問で学ぶこと
目的と手段を結び付けて説明する
問5 防災設備の組合せ
ウ:iB、iiA、iiiC
- Aは土砂をせき止める設備、Bは流路を安定させる堰、Cは斜面に設置する雪崩対策の柵です。似た堤の形でも、何を止め、何を通すのかという目的で区別します。
問6 予算の手続
ウ
- 内閣が予算案を作り、国会では委員会で審査した後、本会議で議決します。予算は衆議院が先に審議するので、いずれの院へでも出せるというイは違います。
- 予算ごとに国民投票を行う制度ではありません。両院で意見が一致しない場合の衆議院の優越も、法律案の再議決とは別に整理します。
問7 自動車の生産方式
ジャストインタイム
- 必要なものを必要なときに必要な量だけ作る方式です。在庫を抑えられる一方、関連工場や物流が災害で止まると、部品を待つ工場へ影響が広がります。長所と災害時の弱点を対応させます。
問8(1) 凶作への対応を読む史料
イ
- 新聞が被災者の要望を報じたという記述はありますが、政府を批判する目的で意図的にその印象を作る記事を書いた、とは史料からいえません。新聞の報道内容と、その背後の意図の断定を分けます。
- 政府は義援金で仕事を作り自立を促す方針を説明し、国庫の余裕がないとも述べています。議員側は外国からの支援と政府の対応を対比して批判しています。
問8(2)① 条約名
ポーツマス条約
- 1905年の日露戦争の講和条約です。アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領が講和を仲介したことと、翌年の地震への支援を結び付けます。
問8(2)② 中国へ義援金を送る目的
被災者をいたわる姿勢を示して日本への反感を和らげ、日本製品の取引利益を増やそうとした
- 受け手には被害を気遣う気持ちを伝えながら、送り手は排日運動・日本製品の不買を弱める効果も期待していました。史料7の目的を、人道支援だけ、または利益だけに切り分けず説明します。
問9〜11|情報と防災|情報保障と災害時のデマ
この大問で学ぶこと
届く情報と確かな情報を両立させる
問9(1) A・B・C
Aバリアフリー、Bユニバーサルデザイン、C避難の呼び掛けや周囲の会話を聞き取れず、状況が分からない
- 生活の障壁を取り除くのがバリアフリー、はじめから多様な人に使いやすい形を考えるのがユニバーサルデザインです。
- Cは耳マークや支援用バンダナを根拠に、聴覚から情報を得られないという具体的な困難を書きます。本人の障がい名だけでは、必要な支援の説明になりません。
問9(2) 準備として不適切なもの
ア
- SNSを一律に使わないのではなく、防災無線・ラジオ・文字表示・SNSなど、複数の経路を組み合わせることが重要です。受け手が利用できる方法で発信し、誤情報は発信元や根拠を確認します。
問10(1) 三人の話し合い
エ:全員正しい
- 新聞の被災と発行停止は、情報を得にくくする要因です。警察など公的機関が不確かな内容を発信すると、権威への信頼によって信用され、広まるおそれがあります。新聞の再開まで日数があったことも資料1で確認できます。
- 関東大震災時には、根拠のない流言が朝鮮人・中国人などへの殺害に結び付きました。史料中の流言を史実の内容と混同せず、なぜ信じられ広まったかを考えます。
問10(2) 1920年代に広まったメディア
ラジオ放送
- 日本では1925年に放送が始まりました。新聞と異なり音声で同時に広く情報を届けられる一方、受信機・電源・受け手の条件も必要です。
問11 真実ではない情報
フェイクニュース
- 災害と無関係の画像などを、実際の被害のように意図的に流す例です。驚く内容ほどすぐ拡散せず、いつ・どこで作られた情報か、発信元と別の確かな情報を照合することが大切です。
解き直しの進め方
史料に書かれた事実と、書き手の主張や自分の推測を分けます。記述では、対策の対象・手段・効果を一文につなぎ、因果関係が資料から確かめられるか確認しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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