2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2026年度 2月1日入試 国語
荒木あかね「天使の足跡」を素材とする物語文です。期間限定のアイス、メルの骨、おでこの跡、お盆という具体物の意味をつなぎ、母親と娘の距離、喪失と愛情の変化を読み解きます。記述の解答例は進塾独自に作成した一例で、同じ要点を満たす表現はほかにもあります。
漢字・語句|問1〜2|漢字と語句
この大問で学ぶこと
音だけでなく場面から意味を決める
問1 1
考察
- 出来事をよく調べて考える意味です。「観察」と区別し、文中の考える行為に合う語を選びます。
問1 2
講習
- 夏期の学習の集まりです。講の右側の横画と、習の下の白を確かめます。
問1 3
縦
- 身体が上方向へ伸びる文脈です。糸偏の形と、従をもとにした右側を丁寧に書きます。
問1 4
血筋
- 親子のつながりを示す語です。血と筋の二字をそろえます。
問1 5
訪問
- 人が家を訪ねて来る場面です。訪の言偏と方を書き分けます。
問1 6
済
- 後で読んだという意味で既読のように後ろに付く、済むの済です。
問1 7
勤務
- 病院で働くことです。勤の力と務の力の位置を確かめます。
問1 8
折半
- 代金を半分ずつ負担する意味です。折り畳むという動作ではなく、費用の分け方を表します。
問1 9
傷
- きゅうりの表面が傷ついていない文脈です。人偏と右側の画を確認します。
問1 10
負担
- 世話などで引き受ける重みです。負の下部の貝と、担の手偏を丁寧に書きます。
問1 11
原始
- もともとの基本的な欲求という文脈です。「原子」と区別します。
問1 12
動機
- ある行動を起こす理由やきっかけです。気持ち一般を表す「気」と取り違えず、機を書きます。
問1 13
興奮
- 気持ちが高まり落ち着かなくなることです。興と奮は画が多いので、部品を大きく分けて練習します。
問1 14
帯
- 煙が細長く続く様子を表す名詞です。布を巻く帯と同じ漢字です。
問1 15
障子
- 紙を張った建具です。「障害」の障と同じ、こざと偏を使います。
問2 A〜Cの語句
Aオ:取り消された、Bウ:一生懸命に、Cイ:納得がいかず不思議に思う顔
- 反故は約束などが取り消され、無効になること。甲斐甲斐しくは、相手のためによく気を配り、熱心に働く様子です。怪訝は事情が分からず、不思議に感じる様子を表します。
- 来海が予定を楽しみにし、母親が夫や子どもを世話してきたこと、骨の跡の説明に来海が戸惑う場面へ、それぞれ戻して確認します。
前半の読解|問3〜7|前半の問いと親子の距離
この大問で学ぶこと
表面的な会話と母親の内面を分けて読む
問3 好きな味を決めると損をする理由
例:気に入るほど、販売終了後に二度と食べられない寂しさが増すから。
- 40字以内の例として31字です。期間限定だから安く買えるなど、本文にない利害を持ち込みません。気に入ることと失う寂しさの因果を結びます。
- この考えは結末の年老いた犬の話とも対応します。一見ささいなアイスの会話が、別れを恐れて関係を避ける母親の考えを示しています。
問4 母親の頭に残る問い
自分はなぜ来海を産んだのか
- 「〜という問い」に続く形の、20字以内の表現です。後半で母親が、自分はなぜ子どもを望んだのかと考える箇所を手掛かりにします。
- おでこのへこみの原因はこの場面で娘が尋ねたことで、母親の頭に長く残っていた問いそのものとは違います。
問5 娘の他人行儀な態度をよいと考える理由
例:来海が芝居をしたり気を遣ったりするのは、一人の人間として成長し、親と適切な距離を取ろうとする変化だと受け止めているから。
- 80字以内で、態度の変化・成長・適切な距離の三つをつなげます。親子だから同じ人間のように密着し続けるべきだ、という考えではありません。
- 母親は寂しさを感じながらも、娘が自立していくこと自体は肯定しています。寂しさと成長への評価を両立させて読みます。
問6 メルがお父さんを連れてくる理由を示す抜き出し
引っ張られ
- 前の本文で、夫が自分の歩幅で散歩できず、メルの動きに合わせていた文を探します。指定された冒頭5文字は「引・っ・張・ら・れ」です。
- 来海の表現は、散歩で引かれていた夫と犬との関係を思い出したものです。死後の出来事だけを直接説明する文を探すのではありません。
問7 涙が出そうになる理由として誤り
ア
- 本文には、今後も他人に頼らず一人で養う経済的不安を中心とする説明はありません。夫の死、娘の手の変化、娘の成長と将来の別れが重なっている場面です。
- 「誤っているもの」を選ぶ指定を確認します。内容の一部が実際に起きたことでも、この涙の理由として根拠があるかまで判断します。
後半・全体の読解|問8〜13|骨・別れ・結末の心情
この大問で学ぶこと
対比される言葉を結末へつなげる
問8 メルの骨への考え方の違い
オ
- 来海は骨もメルの存在の一部として飾り、大切にしています。一方、母親は骨には命がなく、生きていたメルの代わりにはならないと捉えています。
- 二人とも大切にしているという共通点だけで止めず、何として大切にするかの違いを選びます。「どちらも同じ意味の思い出」とまとめると対比が消えます。
問9 置いて行かれまいと笑う母親
エ
- 娘は亡くなった人や犬を柔らかく思い出せるようになっているのに、母親は悲しみに足を取られています。その差を感じ、娘に取り残されないよう、無理に笑顔を作っています。
- 娘を弱い存在として守ろうとするアや、単に娘の機嫌を取るイでは、母親自身の置いて行かれる感覚を説明できません。
問10 メルを同居人と考える理由
ウ
- メルには人間の助けが必要な面がありましたが、いたずらなど人間の都合どおりにならない面も含め、生活を共にする相手として愛情を抱いていました。
- 扱いやすいから好きだったという一方向の評価ではありません。言葉が通じても通じなくても完全には相手を支配できない点が、娘との関係にも重なります。
問11 年老いた保護犬と期間限定アイスの共通点
例:好きになった相手との関わりが短く、やがて別れが来る点。
- 30字以内の例で27字です。共通するのは外見や価格ではなく、好意を持って関わる期間が限られ、その後に喪失があることです。
- 来海はその限定を承知で関わりたいと語ります。ここが母親のアイスに対する慎重な考え方を揺さぶる重要な対比です。
問12 別れもかまわないと思えるようになる理由
例:夫やメルを失って一人残された悲しみにとらわれていたが、先に死ぬ犬でも関わりたいと語る来海の成長に触れ、別れを恐れて愛情を避ける必要はないと気づき、離れても死んでも娘を愛する思いは消えずに残ると考えられたから。
- 100〜130字の指定に対し、この例は104字です。初めの悲しみ、来海の言葉というきっかけ、愛情が残るという変化を順に入れます。
- 亡くなった夫やメルを忘れた、悲しみが全く消えた、という説明ではありません。別れがあっても相手を愛して関わることには意味がある、と考え直す点が中心です。
問13 資料を踏まえた解釈として不適切な二人
Qさん・Rさん
- Qさんは、来海が肉を食べないことと、精霊馬まで食べられると本気で心配していたことを結び付けすぎています。Rさんも、ミニカーを並べた場面の来海の心情を、本文に描かれていない歌ったり踊ったりする行動に結び付けています。
- Pさんは家族としてのメルの位置付け、Tさんは骨の跡と幼いころの記憶、Uさんは母親にとってのお盆の意味の変化を、それぞれ本文に結び付けています。資料の知識に合うだけでなく、本文の場面・時点に合うかを確認します。
解き直しの進め方
母親と娘で同じ出来事をどう受け止めているかを対比し、心情が動く直前の言葉へ戻って根拠を探します。記述は字数だけでなく、問いに対応する原因・変化・結論がそろっているか確認しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
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