海城中学校 2026年度 第1回 社会入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年10月27日

SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

海城中学校・2026年度 第1回 社会

2026年度第1回社会は、史料の信頼性を中心に、公民・地理・歴史を横断する構成です。全9問を扱い、長文記述は資料の役割と答案の骨組みまで解説します。記述例は進塾独自の例です。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|史料の信頼性と歴史を考える

この大問で学ぶこと

書かれた内容と、書かれた理由を分ける

史料に書かれたことがそのまま史実とは限りません。しかし偽りが含まれる資料も、作られた時代の社会や人々の目的を考える手がかりになります。知識問題から長文記述まで、この読み方でつなぎます。

解き直しの到達点誰が・いつ・何のために作った資料かを確かめる。

解くときの着眼点:誰が・いつ・何のために作った資料かを確かめる。

問1|憲法の記述としてふさわしくないもの

ウ

  1. 日本国憲法は核兵器の保有禁止を、その言葉で直接定めた条文を持ちません。
  2. 象徴天皇、基本的人権、生存権の条文と区別します。政策としての非核三原則とも別です。

間違えやすい点:平和主義から、条文にない文言まで書かれているとしない。

問2|8世紀の天皇

ウ:聖武天皇

  1. 日本書紀の成立720年と奈良時代を対応させます。
  2. 安徳・後白河・天智はそれぞれ時代を確認して除きます。

間違えやすい点:天皇名の有名さだけで選ばない。

問3|選挙権と被選挙権

選挙権18歳/衆議院25歳/参議院30歳

  1. 投票できる年齢と立候補できる年齢は別です。
  2. さらに立候補の年齢は衆議院と参議院で違います。

間違えやすい点:参議院の任期や改選間隔と数字を混同しない。

問4|木材残材を利用する発電

バイオマス

  1. 生物由来の資源をエネルギーとして使う方式です。
  2. 木材の残りを燃料にするという材料と働きから判断します。

間違えやすい点:水力など、発電場所だけで推測しない。

問5|情報を選び確かめて使う力

メディアリテラシー

  1. 出所を確かめ、必要な情報を選び、内容の妥当性を考えて使う力です。
  2. インターネットを操作できることだけとは違います。

間違えやすい点:情報をすべて疑って捨てることとしない。

問6|参勤交代で海を渡る藩

ア・エ

  1. 薩摩藩と土佐藩です。
  2. 薩摩は九州、土佐は四国という地理条件を使います。陸路中心の加賀・会津と分けます。

間違えやすい点:航路が便利という話と、海を越える必要があることを区別する。

問7(1)|国際情勢の国名

A:ウクライナ/B:イスラエル

  1. 2014年のクリミアと2022年の侵攻はウクライナ、2023年のハマスによる攻撃を受けた国はイスラエルです。
  2. 出来事は問題文が扱う時点のものとして整理します。

間違えやすい点:国・地域・組織の名称を混同しない。

問7(2)|埋立地をめぐる主張

ア:XもYも大田区

  1. 資料3では大田区の海苔養殖の割合が大きく、Xを支えます。
  2. 資料4の昔の海岸線を基準にすると、境界が北側寄りになり、大田区側の範囲が広がるのでYも大田区です。

間違えやすい点:現在の境界の結果と、確定前の主張を混同しない。

問8|偽文書の文化財としての価値

180字以内の記述例:市は資料1が室町時代の事実を示さないことを理由に指定解除を考えた。しかし歴史学者は、江戸時代の作成者が特定でき、多数の同様の資料と比較すれば、偽りの歴史を必要とした当時の人々の目的や生活、社会を研究できるため、史料として価値があると考えたから。

  1. まず市の判断基準は「室町時代の事実を示すか」です。
  2. 歴史学者の基準は「作成当時の社会を研究できるか」。資料5の作成者、資料8の多数現存という点を使います。
  3. 両者の基準の違いを示すと、偽作と指摘しながら保存を求めた理由が説明できます。

間違えやすい点:偽文書の内容も史実だった、と結論づけない。

問9|対馬藩が国書を偽造した理由

170字以内の記述例:対馬は農耕に適さず朝鮮との貿易を生活の支えとしていたが、秀吉の二度の朝鮮侵略で関係が断絶した。貿易を再開する利益を得るため、家康から先に講和の国書を出すという朝鮮の条件を早く満たそうとし、家康名義の国書を偽造したと考えられる。

  1. 空欄Cは1592年と1597年の豊臣秀吉による朝鮮侵略です。
  2. 資料9で対馬の生活と貿易、資料10で関係断絶、資料11で家康側から先に出すという条件を読みます。
  3. 必要性→障害→偽造によって達成すること、の順に答案を組みます。
史料を見る二つの問い
問い確認すること偽文書の場合
内容は事実か同時代の他資料との整合書かれた時代の出来事をそのまま信じない
なぜ作られたか作成者・依頼者・目的作成当時の社会を知る手がかりになる

間違えやすい点:家康の正式な命令で偽造した、など資料にない事情を足さない。

解き直しの進め方

長い記述は、先に資料ごとの役割を短くメモしてから書きます。人物や制度の暗記に戻るだけでなく、「資料に書かれた事実」と「そこから考えられること」を分けて説明しましょう。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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