2026年10月27日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
海城中学校・2026年度 第1回 理科
2026年度第1回の全4大問を、電熱線・気体・進化・化石に分けて解説します。答えの暗記ではなく、本文の条件を式や因果関係へ置き換える過程を示します。
第1問|電熱線と熱の移動
この大問で学ぶこと
比例の条件を固定して、変わる量を追う
電流は断面積・長さ・電圧に左右され、発熱は電圧と電流の積に関係します。まず何を同じにして比較するかを決め、実際の実験では周囲への熱の移動も考えます。
解くときの着眼点:倍率を一つずつ掛け、温度と温度上昇を区別する。
問1|直径と断面積
断面積4倍/電流2.00A
- 直径2倍なら円の面積は2²=4倍です。
- 同じ長さ・素材・電圧では電流も4倍なので、0.5×4=2Aです。
間違えやすい点:直径の倍率を面積にそのまま使わない。
問2|長方形の電熱線
0.63A
- 周の長さは基準の10倍、辺の比は3:2なので短辺は基準の2倍、残り三辺は8倍です。
- 20Vで、短辺側は1÷2=0.5A、残り側は1÷8=0.125Aです。並列の和は0.625A。
- 小数第3位を四捨五入し、小数第2位までで0.63Aです。
間違えやすい点:一周10倍の抵抗が一つある直列回路にしない。
問3|電圧を2倍にする
(1)2倍/(2)4倍
- 同じ電熱線では電流が電圧に比例し、2倍になります。
- 発熱の速さは電圧×電流に比例するので、2×2=4倍です。
間違えやすい点:電流と発熱を同じ倍率にしない。
問4|必要な電圧
ウ:14V
- 10Vでは1000秒で20℃上がります。目標は250秒で10℃なので、温度上昇の速さは2倍必要です。
- 発熱は電圧の2乗に比例するため、電圧は約1.4倍。選択肢では14Vです。
間違えやすい点:初めの30℃を含む温度全体の比を使わない。
問5|熱の利用割合
80%
- 5Vは10Vの半分なので発熱は1/4。全熱量を使えば1000秒で20÷4=5℃上がるはずです。
- 実際は34−30=4℃なので、4÷5×100=80%です。
| 電圧の倍率 | 電流の倍率 | 発熱の速さの倍率 |
|---|---|---|
| 1/2 | 1/2 | 1/4 |
| 1 | 1 | 1 |
| 2 | 2 | 4 |
間違えやすい点:34℃そのものを比較しない。
問6(1)|初めが10℃の場合
ウ:14℃より高い
- 室温20℃より低いので、電熱線からの熱に加えて周囲からも熱を得ます。
- 30℃から加熱したときの4℃上昇より大きくなります。
間違えやすい点:同じ電圧・時間なら常に同じ温度上昇、と決めつけない。
問6(2)|熱の出入り
A:熱をうばわれる/B:熱を得られる
- 30℃のコップと水は20℃の空気へ熱を失います。
- 10℃の場合は逆に空気から熱を得ます。温度差による熱の向きが違います。
間違えやすい点:装置の発熱量と、コップが得た熱量を分ける。
第2問|気体の性質とキップの装置
この大問で学ぶこと
観察結果から気体を絞り、圧力で装置を読む
燃え方・水への溶け方・液性を順に使えば、未知の気体を特定できます。装置の停止は反応物がなくなるためではなく、液面が変わって接触がなくなるためです。
解くときの着眼点:結果→性質→気体名の順に、根拠をつなぐ。
問1|気体Aの発生
ウ:鉄
- ポンという音を立てて燃えるAは水素です。
- 鉄に塩酸を加えると水素が生じます。銅は同じ条件では発生源になりません。
間違えやすい点:二酸化マンガンと過酸化水素水の酸素発生と混同しない。
問2|フェノールフタレイン
B:ア(赤色)/C:オ(無色)
- Bは水に溶けてアルカリ性、Cは酸性です。
- フェノールフタレインはアルカリ性で赤色、酸性では無色です。
間違えやすい点:BTBの青・黄をそのまま答えない。
問3|石灰水を使った後の栓
イ:内側へ押される
- Cは二酸化炭素。石灰水と反応し、気体の量が減ります。
- 内部の圧力が低くなり、外からの大気圧で栓が押されます。
間違えやすい点:気体が増えて押し出されると逆にしない。
問4|固体から気体への体積比
780倍
- 固体10gは10÷1.56cm³。気体は10÷2=5L=5000cm³です。
- 5000÷(10÷1.56)=780倍です。
間違えやすい点:Lとcm³の単位をそろえる。
問5|塩化水素の性質
イ
- 塩化水素は水によく溶け、管内の気体が減るので栓が押し込まれます。
- 水溶液は酸性で、BTBは黄色。石灰水の白濁を二酸化炭素と同じにしません。
間違えやすい点:水に溶けることと燃えることを別々に判断する。
問6(1)|穴の役割の誤り
ウ
- 穴は気体や液体を通しますが、大きな粒状の固体は支える必要があります。
- 固体が落ちるための穴とすると、反応を止める仕組みが成り立ちません。
間違えやすい点:器具の目的から穴の大きさを考える。
問6(2)|活栓を閉めると止まる理由
記述例:bの液面が押し下げられ、液体が固体に触れなくなる。
- 気体が出口から出なくなり、bの圧力が高まります。
- 液体が押しのけられて反応物同士が離れ、反応が止まります。
間違えやすい点:活栓を閉めた瞬間に薬品自体がなくなるとしない。
問6(3)|再び開けたとき
エ
- 気体が出るとbの圧力が下がります。
- 液体が固体へ戻って接触し、再び反応して気体が生じます。
間違えやすい点:液面の移動と反応再開をつなげる。
第3問|進化・変態・ツバキとゾウムシ
この大問で学ぶこと
個体の変化と、世代を通じた変化を分ける
生物学の進化は、個体が努力して成長することではありません。遺伝する性質の違いが、繁殖や生存を通じ集団に広がるという見方を、グラフの読み取りへつなげます。
解くときの着眼点:世代・個体・食性の三つの尺度を混同しない。
問1|遺伝情報を持つ物質
DNA
- アルファベット3字の指定に合わせます。
- 遺伝子と、それを保持する物質の名称を区別します。
間違えやすい点:細胞全体の名称を答えない。
問2|寒さと体の大きさ
エ:大きい・小さい・おさえられる
- 相似形で大きくなると、体積は長さの3乗、表面積は2乗で増えます。
- 体積あたりの表面積は小さくなり、放熱が抑えられます。
間違えやすい点:体全体の面積と、体積あたりの割合を混同しない。
問3|進化ではない例
イ
- 筋力トレーニングによる変化は、一個体の一生の中での変化です。
- 本文の進化は、遺伝する性質が世代を通じ集団で変化することを指します。
間違えやすい点:日常語の進化と生物学の用語を分ける。
問4(1)|幼生から成体への変化
変態
- 一個体が成長途中で形や生活を変える現象です。
- 世代をまたぐ進化と区別します。
間違えやすい点:ゲームの呼び名をそのまま生物学に当てはめない。
問4(2)|腹の渦状の器官
腸
- 腹側から見える消化管です。
- 植物を主に食べる幼生で長く、成体で短くなることを次問の食性と結びます。
間違えやすい点:模様や殻の形だと思い込まない。
問4(3)|器官と食性
X:食性/Y:草食/Z:肉食
- 消化に時間を要する植物を主に食べる段階から、動物を食べる段階への変化です。
- 腸の長さという構造と、食物の違いを対応させます。
間違えやすい点:体の大きさだけで腸の長さを説明しない。
問5|果実と種子になる部分
果実:子房/種子:胚珠
- 花の構造と受精後の変化を対応させます。
- 子房の中の胚珠が種子になる、という入れ子関係で確認します。
間違えやすい点:二つを逆にしない。
問6|低緯度の果皮
厚く
- 本文が与えた温暖な地域の光合成の条件を使います。
- 作れる有機物の量と果皮の発達を結びつけます。
間違えやすい点:すべての植物にそのまま一般化せず、本文のツバキの条件で答える。
問7(1)|グラフの関係
ウ・オ
- オスの口吻はほぼ一定で、メスは果皮が厚いほど長い傾向です。
- 産卵するのはメスという本文と対応させます。
間違えやすい点:二本の線を入れ替えない。
問7(2)|厚い果皮の利点
記述例:ゾウムシが種子に達しにくくなり、食べられずに残る種子が増えて発芽につながる。
- ゾウムシが果皮に穴をあけて産卵し、幼虫が種子を食べるという順を押さえます。
- 果皮の防御→種子が残る→発芽の機会が増える、とつなげます。
間違えやすい点:指定のゾウムシ・種子・発芽を意味がつながる形で使う。
第4問|化石・殻・浮力
この大問で学ぶこと
現在の生物を手がかりに過去を推論する
岩石の性質から、殻の仕組みや死後の変化へ考察が進みます。浮力では外側の体積、沈みやすさでは質量と平均密度を分けて考えることが重要です。
解くときの着眼点:確かめられた事実と、それに基づく推論を分ける。
問1|岩石A
ウ:石灰岩
- 化石を含み、塩酸で気体を発生させる性質を組み合わせます。
- 炭酸カルシウムを主成分とする岩石です。
間違えやすい点:化石があるという一条件だけで選ばない。
問2|気体B
イ・エ
- 石灰岩と塩酸から生じる二酸化炭素です。
- 呼気には吸気より多く含まれ、金星や火星の大気の主成分です。
間違えやすい点:酸性雨の主要原因を二酸化炭素とする選択肢を選ばない。
問3|分類
ウ:頭足類
- イカ・オウムガイ・アンモナイトを、頭足類という仲間で結びます。
- 腕・口・ろうとの構造が手がかりです。
間違えやすい点:殻があるから腹足類と決めない。
問4(1)|とどまるときの平均密度
ウ:1g/cm³より少し大きい
- 海水の密度は真水の約1g/cm³より少し大きい値です。
- 浮きも沈みもしないなら、体全体の平均密度を海水とほぼ同じにします。
間違えやすい点:海水を真水と同じ密度で考えない。
問4(2)|受ける浮力
ウ:変わらない
- 外側の体積が同じなら、押しのける海水の体積も同じです。
- 部屋の中身によって変わるのは体の質量・平均密度であり、同じ水中体積に働く浮力そのものではありません。
間違えやすい点:重くなることと浮力が小さくなることを同一視しない。
問4(3)|部屋の調整
Ⅰア・Ⅱイ・Ⅲア・Ⅳイ
- 体液で満たされると質量が増え、平均密度が大きくなって沈みます。
- 体液を排出しガスに置き換えると、外形を大きく変えずに質量を減らせます。
間違えやすい点:ガスで外側の体積が必ず膨らむ、と図にない変化を加えない。
問5(1)|死後に部屋へ入るもの
海水
- 軟体部が失われ、部屋に海水が入ると重くなります。
- 入らなければ浮きやすいという、前問の密度の考え方を使います。
間違えやすい点:空気ではなく、海中での変化を考える。
問5(2)|大きなれきと壊れた化石の共存
記述例:土砂や岩石が上から急に降り積もる。
- 海面で殻だけが壊れる経路と、海底で周囲のれきも一緒に動く経路を区別します。
- 後者では化石の破壊と堆積物の特徴を同時に説明できます。
間違えやすい点:資料にない災害名まで断定しない。
問5(3)|化石①に残る可能性
アゴ
- ①は軟体部が分解して外れる前に海底へ至る経路です。
- かたいアゴが残る可能性があり、先に軟体部が失われる②とは区別できます。
間違えやすい点:殻の保存がよいだけで全身が残るとしない。
解き直しの進め方
計算問題は、比例の条件と単位を書いてからやり直します。考察問題は「観測・実験の事実→使った原理→結論」の三段階で書き、推論の飛躍がないか確かめましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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