2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2026年度 2月1日入試 理科
身近な科学、ミョウバンの結晶、海岸地形、生物の防御と種子散布、斜面と落下の5大問です。資料の数値から推論する設問では、観察できる事実とそこから考えた理由を分けて説明します。
第1問|身近な現象と科学ニュース
この大問で学ぶこと
観察と科学用語を正確に対応させる
(1) たき火と同じ温まり方
エ
- たき火から離れた体へ熱が伝わる主な仕組みは放射です。日射で砂浜が温まることが対応します。火ばさみ・銅板は熱伝導、水や空気の動きによる加熱は対流です。
(2) 東京の気温グラフ
ウ
- 最高気温の線を10度の横線と比べ、月の半分以上の日で10度以上になったことを読みます。平年値は図にないので、平年より暖かい日が多かったとはこの図だけでは判断できません。
(3) 「みお」の探査先
ア:水星
- 日欧共同のベピコロンボ計画で水星を探査します。原問題にある2026年11月は、出題時点の到着予定です。惑星の名称を答える問題と、計画の時点を分けて読みます。
(4) 条件付特定外来生物の扱い
エ
- 飼えなくなった個体を池などへ逃がすことは禁止されています。問題の選択肢では、採集・家庭での飼育・無償で友人へ引き渡すこととは区別します。販売目的などには別の規制があるため、単に何でも自由に譲渡できるという意味ではありません。
(5) 受精卵の大きさと出生まで
①イ:0.1mm、②エ:38週
- 受精卵は約0.1mmで、受精から出生までがおよそ38週です。妊娠週数は通常、最終月経の開始から数えるため、約40週という表現と起点が異なります。
(6) 水の加熱
提供解答例はアまたはイ
- イの大きなあわは、液体の水が気体になった水蒸気です。一方、白く見える湯気は、水蒸気が冷えてできた細かな液体の水滴です。
- アは「気体が冷えて目に見える水滴になった」という解釈で選べますが、気体の水蒸気そのものが白く見えるわけではありません。提供解答例が二つを認める点を踏まえ、状態の違いを押さえます。
(7) マッチの扱い
エ:すり方②、持ち方④
- すり方は火のつく先を自分の体や手から離れる方向へ動かす②です。火がついた後は軸を斜め上に向ける④で、炎が持つ手へ近づく持ち方を避けます。
第2問|ミョウバンの結晶と水
この大問で学ぶこと
出てきた結晶の増加分を質量保存で説明する
(1) 結晶の写真
イ
- ミョウバンは正八面体を基本とする結晶です。食塩の立方体状、細長い針状などと、面の形や全体の形で区別します。焼きミョウバンを溶かしても、水を取り込んだミョウバンの結晶として出てきます。
(2) 適切でない操作二つ
ア・オ
- ビーカーを手で持って激しく振るのは、液がこぼれるなどの危険があります。溶けにくいものは加熱・かき混ぜ・細かくするなどの方法を選びます。
- 結晶を多量の水で洗い流すと、水へ再び溶けてしまいます。ろ過では、ろ紙をろうとに密着させ、ガラス棒に沿って液を注ぐ基本も確認します。
(3) 加熱グラフ
エ
- 27gから始まり、20分後以降は15gで一定です。取り込まれていた物質Xがすべて出たと考えられます。焼きミョウバンは15g、出たXは12gで、この二つを逆にしません。
(4) 質量収支の空欄
A13、B75、C12、D少な
- 最初は水100g+焼きミョウバン20g=120g。結晶27g+残った液80g=107gなので、蒸発した水は13gです。
- 残液は水:焼きミョウバン=100:7。水は80×100/107=約74.77gで、指定どおり四捨五入すると75gです。
- 蒸発分と残液中の水を合わせると約87.77gで、初めの100gより約12.23g少なくなっています。整数へ丸めてCは12、Dは少なです。
(5) 物質Xと根拠
Xは水
- 結晶を加熱した際に減った質量は27−15=12gです。結晶を取り出すまでの水の質量収支でも、約12gが液や蒸気として数えられなくなっています。両者が対応するため、水が結晶の中へ取り込まれたと考えられます。
(6) 焼きミョウバンの割合
56%
- 27gの結晶を十分加熱して残る焼きミョウバンは15gです。15÷27×100=55.55…%なので、指定に従い56%です。
第3問|海岸地形と流れる水・風
この大問で学ぶこと
運ばれる粒と堆積する場所を結び付ける
(1) 河口付近の堆積の正誤
ア×、イ○、ウ×、エ○
- 河口で流れが弱まると、大きな粒ほど先に沈み、細かな泥は遠くまで運ばれます。泥も河口近くに堆積する場合があり、必ず堆積しないとはいえません。堆積岩は運ばれた粒が堆積し、固まってできる岩石です。
(2) 砂を性質で分ける道具
イ・エ
- 海水では、密度の差などで浮く粒と沈む粒を分けることが考えられます。磁石では磁性を持つ砂鉄などを取り分けられます。粒の重さだけを一粒ずつ測る方法より簡単に分離できます。
(3) 砂浜海岸の正誤
ア×、イ○、ウ×、エ×
- カプスの形や位置は波・季節・天候などで変わります。すべての海岸でできるわけでも、同じ間隔でもありません。大きな波で漂着物が通常のドリフトラインより陸側へ運ばれる場合もあります。
(4) Aで多く砂が流される理由
AはBより低く、水が集まって速く流れるため
- 押し寄せる波の強さが同じでも、陸側へ入り込む低いAには水が集まりやすくなります。水量や流速が増すと侵食する力が強まり、砂が多く流されると説明できます。
(5) 植物の周りのハンモック
イ:風
- 風で運ばれた砂が植物に遮られ、その周囲へ積もって小さな盛り上がりを作ります。植物の落ち葉の量だけで盛り上がったのではありません。
(6) 鳥取砂丘を作る主な働き
ウ:風
- 海岸などの砂が風で運ばれ、陸側に堆積して砂丘になります。波が砂を供給する過程と、砂丘そのものを形作る風の働きを区別します。
第4問|毒・防御・種子散布
この大問で学ぶこと
特徴が役立つ場面を理由まで説明する
(1) 毒を利用する三つ
ア:マムシ、ウ:ヨロイイソギンチャク、オ:オオスズメバチ
- マムシは毒牙、イソギンチャクは刺胞、スズメバチは毒針を利用します。生息場所や見た目ではなく、捕食・防御のための仕組みで分類します。
(2) 鳥類・ほ乳類の器官
①くちばし、②つめ、③歯
- 鳥類ではくちばしとつめ、ほ乳類ではつめと歯が、餌を捕らえたり敵へ対抗したりする働きと対応します。
(3) ほかの防御の例
例:ハリネズミは体を丸め、硬いとげで身を守る
- 器官名だけでなく、それがどう働いて敵への防御になるのかを一文にします。設問はくちばし・つめ・歯以外の例を求めています。
(4)a 毒があると推論する果実
B
- 野鳥が来ているのに、Bでは熟して食べられそうな実が多く残っています。Aは熟すにつれて食べられ、白い未熟果などが残る様子です。
- これは出題された資料からの推論です。「丸い実だから毒がある」など、実物を見た目だけで判定する説明にはしません。
(4)b 広く種子を散布する仕組み
実が一度にすべて熟さず、段階的に熟して異なる鳥へ食べてもらう
- 時期をずらして鳥に食べられると、さまざまな場所へ種子が運ばれる機会が増えます。単に食べられやすくすると書くだけでなく、時期と運搬先の広がりを説明します。
第5問|ガリレオの斜面と落下
この大問で学ぶこと
距離・時間・速さの比を使い分ける
(1)a 時間を測る体のリズム
脈拍
- 当時の測定の工夫として、一定の間隔を刻む体の脈を利用しました。
(1)b 時間8の距離
2048
- 表は距離=32×時間の2乗です。時間8なら32×8×8=2048となります。時間が2倍になると距離は4倍になる関係です。
(2) ①〜⑦
①1、②4、③1/2、④2、⑤1、⑥2、⑦時間
- ABを進む時間は2、ADは4なので、距離AB:AD=2の2乗:4の2乗=1:4です。
- 水平面BC・DEを進む時間は、それぞれ斜面の時間と同じ2・4なので、DL/DE=1/2。DE=2ADよりDL=ADとなります。BC=2ABなので、BとDの速さの比はBC:DL=2AB:AD=1:2です。
- この比は斜面を転がった時間の比2:4=1:2と一致します。距離の比1:4をそのまま速さの比に使わないようにします。
(3) 時間を表す選択肢
①ア、②ウ
- 同じ高さAHから転がすと終点の速さは等しくなり、その速さで同じ時間だけ水平に進む距離はAHやADの2倍に対応します。したがってAH:ADは、それぞれを進む時間の比で表せます。時間の2乗を選ぶのは、同じ傾きで距離を比較する別の場面です。
(4) ①・②と結論
①3、②5、③ウ:時間は等しい
- 垂直に落下する距離は時間の2乗に比例するので、AH:CD=0.3の2乗:0.5の2乗=9:25。相似からCD×BD=ADの2乗、長方形よりBD=AHなので、AH:AD=3:5です。
- (3)により、AHを落下する時間:ADを転がる時間も3:5。AHが0.3秒ならADは0.5秒となり、CDを垂直に落下する時間と等しくなります。
解き直しの進め方
質量は全体の収支を、運動は時間・距離・速さのどの比かを確認します。記述では資料の特徴を根拠として、原因と結果を一文につなげ直しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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