2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2024年度 2月1日入試 理科
身近な理科、星座早見、音速を測る実験、加熱効率、動物の循環の5大問です。数量だけでなく、観測や測定の条件がそろっているかまで考える解説として整理しました。
このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。
第1問|電気・気象・ろ過・植物
この大問で学ぶこと
物質の状態と器官の働きを区別する
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1) 回路と記号の正誤
a○、b×、c○
- 並列につながる電球には別々の電流の通り道があります。一方が切れても、もう一方の道がつながっていれば点灯します。
- 電池の記号は長い線が+極、短い線が−極です。図1は実物の向きと記号が逆です。丸の中に×を描く豆電球の記号は正しい対応です。
(2) 降水量の単位
オ:mm
- 降った雨などが平らな面にたまったときの深さで表します。体積のmLでは、受ける面積が異なると量も変わるため比較できません。
(3) 自動気象観測システム
アメダス
- 各地の観測点で雨量・気温などを自動観測するシステムです。問われたカタカナ表記で答えます。
(4) ろ過の正しい説明二つ
イ・エ
- ろ紙は水へ溶けていない砂などを取り除きます。水へ溶けた食塩・ミョウバン・色素・アンモニアは、ろ紙では分離できません。
- したがって砂は残り、アンモニア水に加えたBTB液の青色はろ過後にも残ります。無色になったり、飽和食塩水が薄くなったりするわけではありません。
(5) 巻きひげを使う植物
ウ:ヘチマ
- ツルレイシと同じように巻きひげで支えへつかまります。アサガオやフジは茎そのものが巻き付く仕組みで、同じつる植物でも異なります。
第2問|星座早見と緯度
この大問で学ぶこと
空を見上げる向きと見える範囲を考える
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1) オリオン座の並び
ウ
- ベテルギウスとリゲルの位置、中央の三つ星の傾きを対応させます。星座早見は見上げて使うため、地図を見下ろす感覚で左右を逆にしないことが大切です。
(2) 夏の大三角
デネブ・ベガ・アルタイル
- はくちょう座・こと座・わし座の明るい星です。星座名ではなく星の名称を答えます。
(3) 円盤の中心付近の星
北極星
- 星は北極星の付近を中心に日周運動します。東京では北極星は北の空で、天頂そのものではありません。
(4) 東西の位置
東ア、西ウ
- 星座早見を頭上にかざして見ると、東は図の左側、西は右側に対応します。地図の東西と同じ向きに覚えないようにします。
(5) 3月の日付
20日
- 2月10日の0時に合わせた日付・時刻の相対位置を保ち、時刻を21時30分へ動かします。図の目盛りでは3月20日ごろに対応します。
- 星空は同じ時刻でも毎日少しずつ西へ進むので、後の日ほど早い時刻に同じ星空になります。
(6) 太陽の位置を表す線
キ
- 太陽は季節により星座の間を移動し、その通り道が黄道です。北極星の位置を中心とする同心円ではなく、中心からずれた円として描かれます。東京では黄道の一部だけが窓内に入ります。
(7) 北極付近の窓からの推論で誤り
ア・カ
- 円盤の中心は東京と同じ北極星付近なのでアは誤りです。北極付近では天の北半球側の星を中心に見続けるため、年間に見える星座の種類が日本より多くなるとはいえず、カも誤りです。
第3問|音の速さの測定
この大問で学ぶこと
区間の数と信号の始まりをそろえる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1) 空気中の音速の計算
①0.19秒、②57m、③毎秒300m
- 8分の1倍速の映像は実際の8倍の時間がかかるので、1.52÷8=0.19秒です。
- 21人のうち最初のAさんから最後までの間隔は19区間で、3×19=57m。57÷0.19=毎秒300mです。人数をそのまま区間数にしないようにします。
(2) ホースを使う音速
毎秒342m
- 1回目から10回目の打音までは9間隔です。1間隔はホースを伝わる時間と次に叩くまでの同じ待ち時間の2つなので、音がホースを通る時間は10÷18秒です。
- 190÷(10/18)=毎秒342m。10回の打音を10間隔と数えないことがポイントです。
(3) 金属棒を一度伝わる音速
毎秒5000m
- 時間は2/10000秒、距離は1.00mです。1÷(2/10000)=毎秒5000m。秒の分母を読み違えないようにします。
(4) 反射した信号からの音速
毎秒5263m
- 隣り合う音の信号の間は、音が1mの棒を往復する2mに対応します。間隔は3.8/10000秒なので、2÷(3.8/10000)=5263.15…となり、指定に従い5263mです。
(5) 音速が遅い金属の信号
ア
- 遅いほど最初の音の到着は後ろへずれ、往復にも時間がかかって信号どうしの間隔が広くなります。最初のピークだけでなく、周期も合わせて選びます。
(6) より正確な測り方と理由
(4)
- (4)は、音が届いた信号どうしの時間差を測るため、測り始めと終わりの検出条件がそろっています。(3)では金属へ接触した電気信号と、マイクが音を拾った信号という異なる条件を比べるため、検出までの差が入り得ます。
第4問|加熱の効率とガスの量
この大問で学ぶこと
同じ温度上昇に必要な燃料を比べる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1) ガス器具の説明二つ
ア・エ
- 燃料のガスは本来においがなく、漏れに気付けるようににおいを付けています。使用時は安定した平らな場所へ置き、点火中に動かさないのが基本です。
- ボンベ内では燃料の多くが液化しています。正常な炎は主に青色で、消火直後の熱い器具をすぐ片付ける説明も適切ではありません。
(2) ビーカー外側の水滴
①イ、②エ
- ガスが燃えてできた水蒸気が、まだ冷たいビーカーの外側で冷やされ、水滴になりました。ビーカーの中の水が壁を通り抜けたのではありません。
(3) 空欄と棒グラフ
a16.8g、b13.0g
- 中火フタなしはガス使用量20.4gを8.5分で使い、沸くまでは7分なので、20.4÷8.5×7=16.8gです。弱火フタなしは14.3÷16.5×15=13.0gです。
- 棒の高さは表の順に28.6・30.9・14.4・16.8・9.6・13.0g。横軸に火の強さとフタの有無、縦軸に「湯が沸くガスの量(g)」を付け、0を基準に同じ目盛りで描きます。
(4) フタの効果
ウ
- フタがないと蒸発した水が外へ出やすく、そのとき熱も奪われます。フタを付けても温度計の穴などがあり、水蒸気が完全に閉じ込められるわけではありません。
(5) 中火の方が少ない燃料で沸く理由
強火では炎が底の外へはみ出し、熱が水へ伝わらず逃げる割合が大きかったため
- 同じ6分で沸いても、強火と中火で1分当たりのガス使用量は異なります。大きい炎ほど効率も必ずよくなる、とはいえません。図2の炎と底面の関係を根拠にします。
(6) ゆで卵で生じる二酸化炭素
67g
- 初めの中火・フタありで沸くまでに使うガスは14.4g。その後は弱火・フタなしなので、1分当たり14.3÷16.5gを9分使い、7.8gです。
- 合計22.2gのガスに対し、二酸化炭素は22.2×3=66.6g。整数へ四捨五入して67gです。
第5問|ヒト・魚・ワニの循環
この大問で学ぶこと
血液の行き先を矢印でたどる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1) 心臓で血液をためる部屋
A・C
- 血液を受け取る心房です。外へ押し出す心室B・Dと役割を分けます。正面からの図では、人体の右側が紙の左側に描かれる点に注意します。
(2) 心臓表面の血管の役割
心臓の筋肉へ酸素・養分を届け、不要な物質を受け取る
- 心臓の中を通過する血液だけでは、筋肉全体へ十分に物質を届けられません。表面から筋肉へ枝分かれする冠状動脈などの血管が働きます。
(3) 拍動140回のときの脈拍
エ:140
- 心臓の拍動に応じて動脈に脈が伝わるため、正常な対応を考えるこの問題では同じ回数になります。
(4) 脈拍の説明
ウ
- 心臓から送り出される血液により動脈内の圧力が規則的に変化し、動脈の壁が脈打ちます。手首で測る脈を、静脈の拍動とはしません。
(5) 魚で血液を押し出す部屋
f
- 血液が入る心房から心室へ進み、えらへ送り出される矢印の向きで判断します。部屋の大きさだけでなく循環経路をたどります。
(6) 魚の血液の説明二つ
イ・オ
- c・dや心臓のf・gには、全身から戻った二酸化炭素の多い血液が流れます。魚は心臓からえらへ進んでから酸素を受け取るため、ヒトの左心系と同じ内容の血液だと考えないようにします。
(7) 陸上でパニッツァ孔を流れる向き
イ
- 陸上では肺で酸素を受け取った血液がDからJへ送られ、孔を通ってI側へも流れます。拡大図では紙の右側から左側への矢印です。
(8) 潜水時に血流が変わる利点
肺への血流を抑え、血液に残る酸素を全身で有効に使える
- 水中では肺で新たに酸素を取り込めません。肺へ送る血液の一部を全身へ回すことで、すでに血液などへ蓄えた酸素を利用しながら潜水できます。
解き直しの進め方
測定する区間の数、時間の単位、燃料の使用条件、血流の矢印を原問題へ書き込み、答えを出す前にどの値を使うか説明してみましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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