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広尾学園中学校 2025年度 第1回 社会入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月4日

SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

広尾学園中学校・2025年度 第1回 社会

長崎の地理、道路を軸にした歴史、少子化をめぐる政治・経済、資料を使う記述を解説します。誤った選択肢のどの語句が違うのかまで確認しましょう。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|長崎と九州の地理

この大問で学ぶこと

数値の比較と地形の読み取り

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1 海岸線の長さ

ア:A鹿児島県、B熊本県、C宮崎県

  1. 鹿児島は長い海岸と多くの島を持ちます。熊本は天草の島々や有明海・八代海に面し、宮崎は比較的単調な海岸が長く続きます。
  2. 面積だけで海岸線の長さを決めず、島や湾の入り組み方を地図で比べます。

問2 漁業の表の正誤

ウ:D誤・E正

  1. 生産量は964320÷275244で約3.5倍ですが、産出額は2307÷1013で約2.3倍です。両方3倍以上というDは誤りです。
  2. タラは北海道、タイは長崎に多いという数値と、水温・海流の違いを関連付けるEは適切です。量と金額は別の指標です。

問3 沖縄県の産業構成

エ

  1. 第3次産業の割合が80.7%と最も高い列です。観光などのサービス産業が大きい点から判断します。
  2. 県民所得は給与の平均と同じではありません。設問の表では産業構成と合わせて比べます。

問4 世界遺産を南から北へ

ウ→イ→ア

  1. ウは屋久島、イは長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産、アは宗像・沖ノ島です。鹿児島→長崎周辺→福岡沖の順です。
  2. 補足:設問のウには「世界文化遺産」とありますが、屋久島の正しい区分は世界自然遺産です。並べ替えの答えと、分類の正確さを分けて押さえます。

環境省:屋久島は世界自然遺産

問5 雲仙で起きた現象

火砕流

  1. 高温の火山ガス・火山灰・岩のかけらが一体となって高速で流れ下る現象です。溶岩流や、雨で土砂が流れる土石流とは区別します。

問6-i 長崎市の地形断面

イ

  1. 西のX側は200mを超える山地から低地へ下がり、中央に港へつながる低い土地があり、東のY側で再び200m以上へ上がります。
  2. 等高線の本数だけでなく、端点の標高と低地の位置を照合します。

問6-ii 地形図から読める内容

ウ

  1. 港に直線的な岸壁・埋立地があることから、港湾整備が読み取れます。
  2. 裁判所・神社などは地図記号と方位の両方を確認します。「いずれも」のような全称表現は、1例でも反例がないかを調べます。

第2問|道路の歴史と社会の変化

この大問で学ぶこと

史料の人物・出来事を年代順につなぐ

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1 山陽道の国

オ

  1. 播磨・美作・備前・備中・備後・安芸・周防・長門です。瀬戸内海の北側を東から西へたどります。
  2. 山陰道の丹後・但馬・因幡・伯耆・出雲・石見と混同しないようにします。

問2 鎌倉時代の説明の誤り

エ

  1. 観阿弥・世阿弥が能を大成し、狂言が発達するのは室町文化です。鎌倉の農業、運慶・快慶、軍記物、新古今和歌集、定期市と区別します。

問3 常陸と下総の一部がある県

茨城県

  1. 常陸は現在の茨城県の大部分に相当し、下総の一部も現在の県南西部に含まれます。旧国と現在の県の境界は必ずしも一致しません。

問4 史料の誤りと年代順

誤りイ、残りはオ→ウ→ア→エ

  1. イは平氏の権勢を示す平安末期の史料で、室町・戦国には入りません。
  2. オは足利義満の対明外交、ウは足利義政の政治への批判、アは加賀の一向一揆、エは甲州法度之次第です。15世紀初頭→応仁の乱のころ→1488年→16世紀の順に置きます。

問5 都市の分類

エ

  1. Ⅰ長野・宇治山田・日光・坂本は門前町、Ⅱ江戸・仙台・金沢・姫路は城下町。Ⅲ博多・酒田・長崎・兵庫は港町、Ⅳ品川・下諏訪・草津・神奈川は宿場町です。
  2. 都市の代表的な成り立ちで分類しています。現在の機能が1種類だけ、という意味ではありません。

問6 朝鮮半島に関する誤り

ア・エ・オ

  1. アは1894年に援軍を求めた相手が清で、始まったのは日清戦争です。エは1953年に結んだのは休戦協定で、平和条約による終戦ではありません。
  2. オの1965年は佐藤栄作内閣です。中曽根康弘内閣ではありません。出来事・年・人物の組合せを別々に検証します。

問7 子どもの集団での避難

集団疎開(学童疎開)

  1. 都市の小学生が、学校などの集団で地方へ避難することです。親戚を頼る縁故疎開との違いも押さえます。

問8 高度経済成長期に当てはまらない出来事

イ・ウ

  1. プラザ合意と、ゴルバチョフのペレストロイカは1980年代です。1955〜1973年という設問の期間から外れます。
  2. 小笠原返還1968年、大阪万博1970年、沖縄返還・日中国交正常化1972年は期間内です。

第3問|少子化と政治・経済

この大問で学ぶこと

会話の因果関係と、制度の定義を読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1 出生率を発表した省

厚生労働省

  1. 人口動態統計に基づく発表です。本文の2023年の値を現在の最新値に置き換えず、当時の発表として読みます。

問2 男女格差のグラフの誤読

ウ

  1. 指数は1に近いほど格差が小さく、政治参画の低さは女性の進出が少ないことを示します。「男性より多く進出」は逆です。
  2. 指数の方向を確認してから、分野ごとの値と説明を対応させます。

問3 旧制度の名称

技能実習

  1. 2024年に成立した改正法では、技能実習に代わる育成就労制度が設けられました。問われているのは以前の名称です。
  2. 補足:育成就労の施行は2027年4月1日で、移行措置もあります。法律の成立と、制度が実際に切り替わる時期は区別します。

出入国在留管理庁:育成就労制度Q&A

問4 レシートの「軽」

軽減税率

  1. 飲食料品などに適用する軽減税率を示す印です。文房具の通常税率の商品と比較します。

問5 2023年経済の説明の誤り

ア

  1. 日本の名目GDPは、世界第3位からドイツに抜かれて第4位になりました。第2位から第3位という説明が誤りです。
  2. GDP順位は、円換算・ドル換算、名目・実質、対象年によって意味が違います。ここでは当時の名目GDPの比較です。

問6 自衛隊に関する説明の誤り

ア

  1. 自衛隊に対する最高の指揮監督権を持つのは内閣総理大臣です。防衛大臣とする部分が誤りです。
  2. 日本を守る活動や災害派遣を行うことと、指揮命令の頂点が誰かは別に整理します。

防衛省:基本政策と指揮監督権

問7 国会議員の特権

イ・ウ・エ

  1. 歳費などの支給、議院での演説等について院外で責任を問われない免責特権、公設秘書の給与負担が該当します。
  2. 不逮捕特権は原則として国会の会期中です。任期中ずっと逮捕されない、というアは誤りです。

問8 Aさんが対策を不十分と考えた理由

エ

  1. Aさんは育児負担の女性への偏りと仕事の両立の難しさを指摘しています。児童手当の拡充だけでは負担の偏り自体を直接解消できない、という説明が発言に合います。
  2. 自分の賛否ではなく、Aさんの発言→先生の対策→残る問題、という対応を読みます。

第4問|現代と歴史の記述問題

この大問で学ぶこと

複数の理由と、複数資料の根拠をそろえる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

Ⅰ 現金を選ぶ権利を求める理由

例①ATMや銀行が減り、現金を使う人が入手しにくくなる。②現金の方が支出と残額を把握しやすい人もいる。

  1. 理由を2つ求められているので、入手・利用の機会と、家計管理や利用者の事情を分けます。
  2. 高齢者や口座・端末を使えない人を取り残すおそれも考えられます。「便利だから」だけでは、現金を選べる必要性の説明になりません。

Ⅱ 鎌倉新仏教が庶民に広がった理由

戦乱や災害で不安が広がる中、学問や財産がなくても取り組みやすい救いの方法を示したため

  1. 資料①から、難しい観想や学問ではなく念仏を唱える法然の教えを読みます。資料②の踊り念仏も、身体を使って参加できる点を根拠にします。
  2. 資料③には戦乱・飢饉・地震・蒙古襲来などが並びます。人々の不安と、身近で実行しやすい教えを結び付けて説明します。
  3. 鎌倉新仏教の全宗派が全く同じ修行をする、とはしません。この設問で提示された法然と一遍の資料に焦点を合わせます。

解き直しの進め方

地理の数値は量と金額、歴史は人物と年、制度は成立と施行を区別します。記述は、求められた理由の数をそろえ、資料から読み取った根拠を添えて答案を組み立て直してください。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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