中学受験のメリットとデメリットはなんですか？

　中学受験によって、通うことになる私立中学校は、どの学校も大学受験に対するカリキュラムがとても充実しています。例えば、公立中学校・公立高校から大学受験をする場合、中学1年生から中学3年生までは中学生の教育指導要領に基づいた学習カリキュラムで学習を行います。その後、高校1年生から高校3年生までは高校生の教育指導要領に基づいた学習カリキュラムで学習を行います。しかし、私立中学校から大学受験をする場合、公立中学校・公立高校の学生が中学1年生から高校3年生までに学習する中学生・高校生の教育指導要領のすべての内容を5年間で終了させてしまします。そのため、高校3年生の間には、大学受験のための総合演習に取り組みことができます。そうなると、必然的に中学受験を行ってきた学生たちが大学受験で大きな結果を出す形となります。

　中学受験を経験してきた学生たちは、公立中学校へ進学する学生と比較すると勉強の成績に対する意識が非常に高いです。もしかすると、中学受験経験した生徒の保護者様からは、「そんなことはない、うちの子は部活ばかりでまったく勉強しない！」なんておっしゃられてしまうかもしれません。しかしながら、それは中学受験での受験期の本気の姿が焼き付いているからに他なりません。公立中学校へ進学する学生は、まだ塾に通った経験のない方も多く、部活に没頭する日々を迎えます。1学期の中間テストの時期になれば、部活がないからたくさん遊べると喜びます。中間テストが終われば、結果も気にせずまた部活に没頭…。もちろん、全員ではありませんが、そういう生徒は数多く存在します。友達の影響を受けやすい学生にとっては、非常に目に毒です。周りの環境に影響を受けやすい学生は、特に中学受験を経験した学生のみの集まる私立中学校で学習することに大きなメリットを感じて頂くことができます。

　中学受験の学習は、学習習慣の定着に大きくつながります。非常にまれなことにはなりますが、中学受験の勉強はするが中学受験はせず、近所の公立中学校に進学するという学生がおります。このような学生は、中学受験の学習を経験していない学生以上の結果を高校受験で上げることが多いです。理由として、中学受験の内容が高校受験の内容を凌駕しているということがあるのですが、もう１つの大きな要因として中学受験の勉強時に培われた学習習慣の定着があります。中学受験の学習は、日々の効率の良い学習方法を模索する日々です。間違えた問題をリストアップして繰り返し解く習慣を作ったり、板書で特に大事なことを目立つようにノートを作成したり、そういう１つ１つの効率の良い学習習慣が中学受験の学習によって培われていることは、中学生以降の学習に大きな影響をあたえてくれます。

　当然のデメリットとなりますが、公立中学校の学費と比較すると中学受験によって通うこととなる私立中学校の学費は高くなります。公立中学校では、塾は必須となり、その他にかかる費用を差し引いたとしても、中学受験によって通う私立中学校の方が費用が高いことは否めません。しかしながら、最終的な学歴、就職先による生涯収入で比較したときには、中学受験をして私立中学校に通う方がプラスにはたらきます。また、どうしても学費が高く中学受験をして私立中学校には通うことができないという場合には、特待生制度や奨学金制度のある私立中学校を受験することでこの心配を打開することが可能です。中学受験をして通う私立中学校では公立中学校や公立高校と異なり、合格実績が求められています。そのため、その私立中学校で上位にいることで、手厚く指導しもらうことができるでしょう。中学受験をして特待生制度や奨学金制度を利用して卒業したあとの進学先は、その私立中学校の最もよい実績になります。そのように、データを確認すると中学受験の偏差値はそれほど気にせず、特待生制度や奨学金制度を目指した中学受験をすることもメリットに感じられるはずです。

　公立中学校と異なり、中学受験によって私立中学校は電車やバスを利用した通学が一般的になります。そのため、通学にかかる時間が長くなります。学校選びの中で、自宅からの通学はしっかり確認していただくことが必要になります。また、通学時間の込み具合も確認しておくとよいでしょう。下りであれば、通学中に電車の中で英単語や知識を学習する貴重な時間と出来る可能性もあります。隙間の時間をどのように使うか考えることも、学習にとって必要なことになります。