2025年入試問題分析～渋谷教育学園渋谷中学校編～

四則計算、速さ、約束記号（約数）、場合の数、仕事算、平面図形など、多様な分野から基本〜標準レベルの問題が出題される小問集合です。計算問題では正確さが求められ、速さや仕事算などの文章題では的確な状況把握と計算処理が必要とされます。約束記号の問題では約数の個数が問われ、場合の数では基礎的な組み合わせ・順列の考え方が扱われます。平面図形では面積計算などの典型的な問題が出題されます。全体として難易度は高くなく、受験算数の基本を網羅した内容です。ここでのミスが合否を左右するため、正確で確実な得点力が求められます。

正方形領域に一定サイズのタイルを隙間なく敷き詰める規則性の問題です。設問は、(1)基本ケース、(2)規則の応用、(3)総合的な推論という段階的な誘導形式となっています。特に難しい発想は不要ですが、問題文が長く条件整理に時間がかかりやすいです。手順通りに条件を整理し、規則性を見つけることが攻略の鍵となります。誘導にうまく乗るかどうかで差がつく問題であり、着実な手順と注意深い思考が求められます。標準的で良質な問題です。

正六角柱を特定の平面で切断したときの断面の性質や面積を問う立体図形の問題です。設問は段階的に、(1)基本的な断面形状の把握、(2)平行面の性質の利用、(3)断面積の計算という流れで進み、難易度が上がっていきます。断面の平行性を利用した平均の考え方や、補助線の工夫、対称性の発見が求められ、非常に高い空間把握力と論理的な推論能力が必要です。全体の中では最も難易度が高く、合否の分かれ目となる重要な問題です。

食塩水の混合や蒸発操作を経て、最終的な濃度や食塩量を求める問題です。設問は段階的に進み、それぞれの操作ごとに濃度変化の計算を行い、食塩量や水量を求めます。てんびん図、面積図、食塩重量法などの解法を適切に使い分けることがポイントです。計算は標準レベルですが、やや煩雑であり、最後の小問では特に計算量が多く、計算ミスが発生しやすいです。基本的な考え方自体は標準的であるため、丁寧かつ迅速な処理能力が要求されます。