2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
立教池袋中学校・2026年度 第1回 社会
立教池袋中学校2026年度第1回社会の全3大問から主要設問を選んで解説します。全小問の網羅解説ではありません。工業の立地、武士の社会の変化、福祉とユニバーサルデザインを題材に、資料の根拠を説明へ結び付けます。工業統計は問題の掲載年次で読み取ります。
第1問|日本の工業と立地
この大問で学ぶこと
原料・技術・輸送の変化を表から読む
問1・問2 工業の広がりと情報技術
太平洋ベルト/IoT
- 京浜・中京・阪神・北九州など、太平洋側に帯状に工業が集まる地域を太平洋ベルトといいます。
- モノがインターネットにつながりデータを収集・共有するしくみはIoTです。AIなど別の技術の名称と区別します。
問3 伝統的工芸品
ア・イ
- 有田焼は佐賀県の磁器、南部鉄器は岩手県の金工品で、この二つの説明が正しいものです。
- 輪島塗の代表的な加飾は沈金や蒔絵などで、「研ぎ出し変わり塗り」を代表的特色とする説明は合いません。大館曲げわっぱは山形県ではなく秋田県です。
問4 エネルギーの変化
ウ・エ
- 設問の時点では、日本の太陽光発電の発電量は風力発電より大きく、高度経済成長期には電力需要の増加に対応して水力中心から火力中心へ移りました。
- 2011年以降に原子力発電がまったく行われていない、あるいは石油が現在の火力発電の中心だとする説明は不適切です。
問5 工業地域別の割合
①(A:京浜・B:中京・C:阪神)
- Aは大きく割合が下がり、Bは上がっています。京浜と阪神の割合低下、中京の比重上昇を手がかりにします。
- 2022年のグラフではA11.4%、B17.8%、C10.7%となっており、選択肢の対応を確認します。
問6(1)(2)製鉄所と原料
八幡/筑豊/石炭が入るのは「あ」「い」
- 1901年操業開始の官営八幡製鉄所は、筑豊炭田の石炭と、中国から輸入する鉄鉱石を利用しやすい場所に設けられました。
- 表では、鉄1トン当たりの石炭使用量は4.0トンから0.8トンへ大きく減っています。初期には重量の大きい石炭の産地に近いことが有利でした。
問6(3)立地の年代順
イ→ウ→ア
- 1900年前後は石炭を多く使うので炭田に近いイです。1960年前後は石炭使用量が減り、鉄鉱石の比重が高まるため鉱山に近いウと考えます。
- 2000年前後は、この地域ではどちらの原料もとれなくなったという条件があります。輸入原料を運びやすい港の近くのアを選びます。
第2問|武士の自力救済と法による統治
この大問で学ぶこと
制度の変化と個人の行動を結び付ける
問1 古代から近世までの制度
国司/律令/御成敗式目/守護/分国法/刀狩令
- 古代の地方行政を担ったのは国司で、律令制のもとに置かれました。北条泰時が定めた武家の法は御成敗式目です。
- 室町時代に裁判権を持つようになったのは守護、戦国大名が領国内へ出したのは分国法です。秀吉は刀狩令により農民らの武器を取り上げました。
問2・問3 江戸幕府の政策変更
由井正雪の事件(イ)/末期養子の禁止(エ)
- 戦乱が少なくなると、大名の取り潰しで生じる浪人の増加が問題になりました。由井正雪の幕府転覆計画が政策変更の背景です。
- 大名が急死する前に養子を迎える末期養子の制限を緩め、家が断絶することを減らそうとしました。参勤交代など他の統制策と区別します。
問4・問5・問7 綱吉の時代
徳川綱吉/林信篤(エ)/元禄(カ)
- 生類憐みの令で知られるのは徳川綱吉です。武力での解決を禁じ、法や秩序を重んじる文治政治と結び付けます。
- 幕府が重んじた学問は儒学で、選択肢では林信篤が対応します。赤穂事件が起きた時代の名称は元禄です。
問6・問8 服忌令と赤穂事件
ア/武士の名誉を重んじつつ、自力救済は認めなかったため。
- 服忌令で死に関する忌避が制度化されると、死に関わる職業への社会的な距離や差別にもつながりました。選択肢では鎧・兜を作る職業が、この影響を最も受けにくいものです。
- 浪人への切腹は武士としての名誉を認める面がある一方、幕府の裁判を経ずに報復した行為を処罰し、自力救済を認めない姿勢を示すものでした。二つの判断を対にして記述します。
問9 現代にたとえた武士
公務員や会社員のような武士
- 本文では、自分の武力だけで権利を守るのではなく、幕府や藩などの組織の規則を守り、その中で役割を果たす生き方へ変わったとされています。
- 解答例は一つに限られません。組織と規則の中で働くという共通点を説明できる職業を挙げます。
第3問|福祉とユニバーサルデザイン
この大問で学ぶこと
利用する人の違いを具体的な設計に反映する
問1 福祉に関する用語
文化/生存/社会保険/すべて
- 憲法第25条は「健康で文化的な最低限度の生活」を定める生存権に関係します。
- 社会保障の柱には社会保険、公的扶助、保健医療・公衆衛生があります。ユニバーサルデザインは初めからすべての人に使いやすいことを目指します。
問2 ノーマライゼーション
ノーマライゼーション
- 障がいの有無で暮らしを分けず、誰もが地域で同じように生活できることを普通の社会と考える理念です。
- 個別の障壁を取り除くバリアフリーや、製品・空間の設計の考え方であるユニバーサルデザインと区別します。
問3 エスカレーターのマーク
方向・スピード
- 手すりのベルト上にコントラストの大きいマークがあると、ベルトがどちらへどの速さで動くかが見分けやすくなります。
- 記事は「動く何を認識しやすいか」を尋ねています。マークの色や形だけを答えて終わらないようにします。
問4 図書室の改善提案
場所・工夫・理由をつなげる。
- 記述例:閲覧コーナーに、車いすのまま入れる足元の空間を持つ机と、高さを調整できる机・椅子を用意する。体格や姿勢の違いに合わせて使いやすくするため。
- 資料の「余裕のある空間」や「自由に使えること」を、具体的な設置場所と設備の工夫へ置き換えます。便利にする、という抽象的な表現だけでは不十分です。
解き直しの進め方
地理では原料使用量と輸送条件、歴史では武力から法・組織への変化を追います。福祉の記述は理念の名前を答えるだけでなく、誰がどこで困り、どの設計で使いやすくなるかを具体化しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
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