2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
慶應義塾中等部・2026年度 一次試験 国語
物語は運動会を通した友人への見方の変化、論説は異なる他者との出会いと発想を扱います。読解だけでなく、四字熟語、語の接続、漢字まで根拠を整理します。
このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。
第1問|運動会と友人への見方
この大問で学ぶこと
語り手の評価が変わる場面を追う
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1|棒引きをまあまあと思う理由
4
- 語り手は当初、運動会へ強い意欲がありません。棒を引く側にも、邪魔をする側にも加われ、目立たずにやり過ごせる点を評価しています。
- 力が弱くても勝てるという話ではなく、参加の仕方を調整できることが根拠です。
問2|青いハチマキの象徴
5
- 青は所属する青組を示します。学級委員の団長の指示に従い、走者として目立つ役割を担うなど、競技への関わり方が人によって違います。
- 単なる気分の色ではなく、青組の一員として求められる多様な役割を表していると読めます。
問3|小路の走りを見なかった理由
5
- 語り手は塾で聞いた受験のうわさに気を取られ、これまで通りの友人として小路を見られなくなっています。
- 棒引きの次のリレーが、小路の走る姿をきちんと見る初めての機会になります。過去の場面とつなぐと観察していなかった理由が分かります。
問4|ハチマキの色の順序
5(あ白/い赤/う青)
- 五年生から六年生へバトンが渡る直前は白、赤、青の順です。六年生の走りで雅が追い上げ、白に続き青、赤となります。
- 後の小路の転倒だけで順序を決めず、設問の空欄が指す時点で順位を固定します。
問5|手拍子だけを合わせる心理
2
- 語り手は応援の場にいるものの、声を出して身を削るほどの熱心さは持っていません。周りに最低限は合わせようとしています。
- 組の勝利を強く願うという説明や、照れ隠しの友情という説明は、この時点の心情には合いません。
問6|語句の意味
え6(感性)/お4(努力)
- 物事を感じ取り受け止める働きに当たるのが感性です。一生懸命練習して身につけたことを示すのが努力です。
- 小路を才能だけの人と見ていた語り手が、練習と努力にも目を向ける流れと結び付けます。
問7|みんなへ近寄らない理由
2
- 転倒して泣く小路が、周囲に合わせて軽く扱える失敗ではなく、本気で向き合っていたことに語り手は気付きます。
- 小路のつらさへ一人で踏み込む言葉が見つからないためであり、嫌悪や見下しが理由ではありません。
問8|最後に歩み出す意味
答案例:何事にも全力で取り組む力輝と友達になりたいと思った
- 語り手は小路を有名な俳優や受験で先へ行く相手として距離を置いていました。転倒後も本気で泣く姿に、物事へ全力で向き合う友人の姿を見ます。
- 二十五字以上三十字以内で「こと。」につながる形にします。仲間になる方向へ見方が変わったことが必要で、励ますためだけと狭めないようにします。
第2問|異文化と新しい発想
この大問で学ぶこと
同質と異質の対比から主張を整理する
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1|文脈に合う語
あ3/い2/う9/え8/お4/か6
- 日本の帰属重視と対照的な米国の業績重視をつなぐ「あ」は対照です。変化しない状態の「い」は安定、日本文化の前提の「う」は同質性、異なる人が集まる「え」は異質性です。
- 買い物や生活様式の変化を生んだ「お」はコロナ禍、右脳を磨いて育てる「か」は想像力です。同じ記号には同じ語を入れる条件も確かめます。
問2|用例としてふさわしくないもの
2(落語の枕)
- 落語の枕は、言葉で導入の話をして本題へつなげます。本文が述べる、背景や了解を共有し、明示しなくても伝える文化の例とは違います。
- この問いは適切でない用例を選びます。茶室や水墨画などが日本文化であるかではなく、言わずに伝わるという本文の説明との対応を確認します。
問3|以前の日本の紙幣の人物
3(野口英世と福沢諭吉)
- 野口英世は千円札、福沢諭吉は一万円札の肖像に用いられました。本文の聖徳太子・夏目漱石以外の人物を選ぶ問いです。
- 一人だけが紙幣の肖像でも組み合わせ全体が正しいとは限りません。北里柴三郎と額田王、津田梅子と徳川家康などは、片方の名だけで選ばないようにします。
問4|異なる考え方の人がいる環境
異質な他者との出会い
- 設問は十字以内の書き抜きです。後半で、異なる領域や経験を持つ人との接触が、新しい発想を生むと説明されています。
- 指定部分に対応する表現を本文から探し、そのまま抜き出します。意味が同じでも自分で別の言葉へ換えないことが必要です。
問5|無から何かを作る例ではないもの
3
- ネット上の文章の表現だけを変えて感想文にするのは、他人の既存の内容をなぞる行為であり、独自の企画とは異なります。
- 料理の独自の味付け、新しい遊びやルール、話し合って作る目標などは、既存の材料を結び直す具体例になります。
問6|本文内容との一致
ア2/イ2/ウ1/エ2/オ2/カ1
- 本文は海外だけへ行けと言っているのではありません。またAIとの競争を視野に、右脳を磨く時間にも意味があると述べます。
- 異なる人からの刺激が新しい発想につながるウ、異なる考えの人を含む場で発想が生まれやすいカが一致します。「必ず」「一層」など本文にない強い断定を足さないようにします。
第3問|慣用表現から四字熟語へ
この大問で学ぶこと
完成した熟語の意味を例文へ当てはめる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
ア|我田引水
6
- 自分に都合よく言ったり、物事を取り運んだりする意味です。例文6の、自分に都合のよい説明という場面へ対応します。
- 集めた四字を並べただけで終えず、完成した熟語の意味が文に合うか確認します。
イ|前代未聞
4
- 今まで聞いたことがないほど珍しい、または驚くべきことを意味します。世間が驚く出来事に対応します。
- 単に知らない個人の経験ではなく、前例のなさという意味を押さえます。
ウ|一心同体
3
- 複数の人が心を一つにし、一体となって行動する意味です。チームで戦う場面に合います。
- 体が同じになるという字面ではなく、強い協力関係を表す比喩として考えます。
エ|有名無実
5
- 名前だけで実質が伴っていないことです。名は知られていても中身がない人を述べる例文に対応します。
- 有名であること自体を非難する語ではありません。名と実の食い違いが必要です。
オ|公明正大
1
- 公平で隠し立てがなく、正しい態度であることです。まっすぐな性格を述べる例文に合います。
- 公の場という意味だけでは足りません。偏りがなく堂々としていることまで押さえます。
第4問|語の形と文への接続
この大問で学ぶこと
意味だけでなく実際のつながりで判断する
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
ア|あつあつ
2(だ)
- 非常に熱い状態は「あつあつだ」といえます。「あつあつしている」とは通常つながりません。
- 「している」なら1、「だ」なら2、どちらも不自然なら3という分類条件を先に確認します。
イ|さむざむ
1(している)
- 寒そうな様子を「さむざむしている」と表します。設問の分類では1です。
- 「寒い」という形容詞へ置き換えず、与えられた語をそのまま後の形へつなげます。
ウ|すくすく
3(どちらもつながらない)
- 「すくすく育つ」のように、成長する様子を動詞と合わせて表します。
- 「すくすくだ」「すくすくしている」のどちらも、示された意味を自然に表す形ではありません。
エ|こなごな
2(だ)
- 細かく砕けた状態について、「こなごなだ」といえます。問題の表記は「こなごな」であり、似た語と取り違えないようにします。
- この語の後にそのまま「している」はつながりません。実際の用例で確認します。
オ|いらいら
1(している)
- 落ち着かない気持ちは「いらいらしている」と表します。「いらいらだ」は自然な形ではありません。
- 意味が似る語も、同じ語尾がつくとは限りません。音にして文の形を確かめます。
第5問|漢字の書き取り
この大問で学ぶこと
語の意味と送り仮名を確認する
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
ア|漢字
主将
- チームの代表を務める人を表します。「将」の字を正しく書きます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
イ|漢字
観葉
- 葉を観賞する植物です。「観賞」と同じ観の字を使います。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
ウ|漢字
刷新
- 古いものを改め、新しくする意味です。「一新」と似た意味ですが語の指定に合わせます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
エ|漢字
後学
- 将来の学習や参考にする意味です。「後に学ぶ」という関係を押さえます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
オ|漢字
稼
- 働いて収入や得点を得る「稼ぐ」です。のぎへんと家を組み合わせます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
カ|漢字
装置
- 目的の働きをする仕組みや機器です。「設置」との語の違いを確認します。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
キ|漢字
探査
- 調べて状態を明らかにすることです。潜水という場面でも語は「探査」です。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
ク|漢字
副作用
- 主な作用とは別に現れる作用です。「副」の字を複数の複にしないようにします。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
ケ|漢字
雑多
- いろいろなものが入り混じる意味です。「雑」の右側まで丁寧に書きます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
コ|漢字
除
- 不要なものを取り去る「除く」です。除去の除と結び付けます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
サ|漢字
群生
- 同じ種類が集まって生えることです。植物の集まりを指す語です。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
シ|漢字
保身
- 自分の地位や安全を守ることです。単に健康を保つという意味に狭めません。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
ス|漢字
門柱
- 門の両側に立つ柱です。「門中」ではなく、表札を付ける場所という文脈から門柱と書きます。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
セ|漢字
才覚
- 物事をうまく処理する働きや能力を表します。「才能」の才を使います。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
ソ|漢字
滞
- 郵便物が届かず遅れる「滞る」です。さんずいを落とさないようにします。
- 書けたら問題文の文脈へ戻し、送り仮名を含めて違和感がないか確認します。
解き直しの進め方
選択肢は理由と結論を分け、本文にない断定が足されていないか確認します。書き抜きは原文通り、記述は字数と末尾の接続を守り、語句問題は意味と用法の両方を復習しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
赤羽で学習塾をお探しなら
- 会社名
- 進塾
- 住所
- 〒115-0055 東京都北区赤羽西1‐39‐1伊藤ビル3階
- 電話番号
- 03-5924-7747
