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大問1:小問集合
計算力と基礎知識の定着度を問うために、基本的な小問を集めた問題群です。小数・分数の変換、平均や縮尺の計算、列車の通過時間、平面図形に関する基本事項など、受験生が日頃学んできた基礎的技術の確認が主眼となっています。各設問は解法が明確で、ミスなく確実に得点を重ねることができる一方、計算の正確性と手順の把握が求められます。試験の序盤に位置するため、安定得点のためのウォーミングアップとして機能し、焦らず着実に取り組むことで、全体の得点アップに直結する重要なセクションとなっています。
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大問2:数列
数列の規則性とその応用を問う問題です。初歩的な並び方の確認から始まり、数列の一般項や漸化式の理解を進める設問が用意されています。特に、パスカルの三角形や倍数性など、数列の隠れた法則に気づくための工夫が散りばめられており、解法の発見には洞察力が要求されます。出題は段階的に難易度が上がる構成で、基礎的な理解とともに、少しひねりのある設問を通して論理的思考力を試されます。受験生は規則を見抜く力と、数学的な表現に基づいた説明能力を発揮しながら、各設問の解法を確実に導く過程が強調される問題群です。
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大問3:数の性質
整数の性質や約数、倍数、余りといった基本概念を軸に問題が構成されています。まず、数の組み合わせや条件を明確に読み解くことで各整数の性質を理解させる設問が出題され、次に与えられた条件下で解を絞り込む応用問題が提示されます。出題の流れは、初めはシンプルな問題から始まり、徐々に条件が複雑になることで、受験生の論理的思考と柔軟な発想が求められます。設問同士が関連付けられているため、前後の問題からヒントを得る形式になっており、しっかりとした基礎知識と正確な計算が求められる内容となっています。
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大問4:文章題(つるかめ算)
伝統的なつるかめ算の形式を踏襲しながら、やや複雑な設定を取り入れた問題です。基本的には、全体の合計と各部分の数量の関係を式に落とし込み、未知数を求める典型的な計算問題となっています。前半はシンプルな2種類の要素を対象とした問題で確実に解答できる設問が用意されていますが、後半は要素が増えるなど条件が複雑化し、複数の式を組み合わせる必要があるため、論理的整理と工夫が求められます。条件の読み違いやケアレスミスが致命的となるため、与えられた情報を正確に整理し、順序立てて解答することがポイントです。出題意図としては、計算力だけでなく発想力や条件の抽出力も試される構成となっています。
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大問5:平面図形と比
平面図形の面積や辺の長さの比に着目した問題で、相似や合同の概念を基にした設問群です。問題は、基本的な図形の面積比較から始まり、次第に複雑な合成図形や比の関係へと展開されます。図形の特徴や対応する辺の比を正確に読み取り、面積比に落とし込むプロセスが求められ、特に補助線を引くなどの工夫が必要となります。受験生は、与えられた図形からその特性を抽出し、比例や相似の法則を的確に適用して解答を導き出す必要があります。最後の設問では、より高度な技法を用いる場面があり、試験全体の得点に直結する重要な問題と位置付けられています。
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大問6:速さとダイヤグラム
大問6は、移動や速さ、距離の関係をグラフ(ダイヤグラム)で表し、問題解決に導く内容です。まず、基本的な線分グラフの読み取りから始まり、各移動対象の位置や速度の関係を明確にする設問が続きます。次に、差のグラフや両者の移動距離の合計など、応用的な考察が求められる問題に発展します。グラフ上の情報を正確に読み取り、条件を整理して数式に落とし込む能力が試されます。各設問は、グラフと数学的関係を組み合わせた構成となっており、受験生は視覚情報と数理的論理を両立させながら解答を進める必要があります。出題意図は、複数の情報源からの読み取りと論理的な整理力・計算力の両面を測ることにあります。