2026年11月5日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
青山学院中等部・2024年度 入試 社会
琵琶湖・京都・近畿の地図と資料に加え、古代から近現代の歴史、観光、人口などを7大問で扱います。場所・年代・統計の対象をそろえる手順を、選択肢の判断理由とともに解説します。
第1問|琵琶湖と京都の地形図
この大問で学ぶこと
川の流れ・標高差・水の利用を読む
問1 河口付近の地形と作用
地形名:オ(三角州)/作用:カ(堆積)
- 川が湖へ流れ込む河口付近では流れが緩み、運んできた土砂がたまりやすくなります。河口が分かれ、湖へ張り出す低地は三角州です。
- 山地の出口の扇状地や、海岸が沈降してできるリアス海岸と区別します。
問2 琵琶湖から流れ出る川の呼び名
ア
- 上流から瀬田川、宇治川、淀川の順です。琵琶湖から大阪湾へ向かう水の流れを、滋賀・京都・大阪の位置関係と合わせてたどります。
問3 蹴上駅周辺の読み取り
ア・イ
- 等高線などから高低差のある場所で、舟がそのまま通れない区間があると分かります。また水力発電所の記号・表記があり、水の流れと落差が利用されています。
- 地下鉄の線路の表し方や、水の流れる向きを一つずつ確認します。流れは川や水路の見た目だけでなく、高い所から低い所へという条件を使います。
問4 南禅寺の水路閣を通った後の流れ
エ
- 琵琶湖疏水の分線は、水路閣を通った後、北側の慈照寺・銀閣寺方面へ向かいます。図で南禅寺から北へ水路を追うと確かめられます。
- 有名な寺の名前を記憶で選ぶより、図の水路の連続をたどることが大切です。
問5〈Ⅰ〉 聖護院だいこん
ウ
- 聖護院だいこんは丸い形が特徴です。ウでは丸いだいこんと、形の違う丸いかぶが並べて示されています。
- 一般的な細長いだいこんの形だけを思い浮かべず、地域の伝統品種の形を確認します。
問5〈Ⅱ〉 京野菜ではないもの
エ(加賀れんこん)
- 伏見とうがらし、九条ねぎ、賀茂なすは京都の地名と対応します。加賀は現在の石川県の地域名で、加賀れんこんを選びます。
第2問|近畿の気候・農林業・交通
この大問で学ぶこと
資料の特徴を地域の位置と照らす
問1 雨温図と都市の対応
オ
- ①は気温が高く雨の多い太平洋側のC、②は冬にも降水が多い日本海側のA、③はほかと比べて年間降水量の少ない内陸寄りのBです。
- ①C・②A・③Bの組み合わせがオ。夏の気温だけでなく、冬の降水と年間降水量を合わせて見ます。
問2〈Ⅰ〉 Xの島
淡路島
- 大阪湾の西側、兵庫県に属する淡路島です。本州と四国の間という位置関係を確認します。
問2〈Ⅱ〉 島で行われる農業の形態
ウ(近郊農業)
- 淡路島は大阪や神戸などの大消費地に近く、野菜や花を出荷する近郊農業と結び付きます。
- 標高の高い地域の気候を利用する高冷地農業や、農業と牧畜を組み合わせる混合農業とは違います。
問2〈Ⅲ〉 島の数の表で近畿に当たる列
ア
- アは最多655、次540などとなる列で、近畿地方に対応します。島の多い都道府県の順位だけでなく、地方全体の平均や、表の近畿に含める府県の注記も使います。
- 島の数が増えたという話題は、地図データを使う数え方の見直しによるものです。短期間に島が大量に生まれたという意味ではありません。
問3 尾鷲の樹種と県
樹種:エ(ヒノキ)/府県:か(三重県)
- 尾鷲は三重県南部にあり、尾鷲ヒノキで知られます。多雨の紀伊半島と林業を結び付けて整理します。
- 青森のヒバなど、ほかの地域の有名な木材との組み合わせも区別しましょう。
問4 空港の判別と理由
空港:ア/理由:キ
- 図4は周囲に住宅地が広がる大阪国際空港・伊丹空港です。表のアは深夜から早朝に発着がなく、騒音など住民生活への配慮と対応します。
- 海上にある図5の関西国際空港では深夜にも発着があります。地図の立地と、時間帯別の表の両方を根拠にします。
第3問|京都の歴史と観光
この大問で学ぶこと
同じ時代と同じ場所を区別する
問1 京都で起きた歴史上の出来事
イ・ウ・オ
- 応仁の乱、六波羅探題の設置、二条城での大政奉還は京都と対応します。戊辰戦争の最後の戦いは函館、生麦事件は現在の横浜、南朝が置かれた吉野は奈良です。
- 出来事の年代が正しくても、場所が京都でなければ選びません。
問2 京都タワーから見た内裏の方向
イ(左斜め前方)
- 京都駅は京都タワーの南側なので、駅を背にすると北を向きます。平安京の内裏はタワーから北西側にあり、北を向いたときの左斜め前方です。
- 地図の北西を答える問題と、観察者からの左右を答える問題を分けて考えます。
問3〈Ⅰ〉 外国から自国へ来る旅行
ア(インバウンド)
- 外国から日本へ来る旅行を、日本の立場からインバウンドと呼びます。日本から外国へ行く旅行はアウトバウンドです。
問3〈Ⅱ〉 観光客の過度な集中
オーバーツーリズム
- 観光客が特定の場所や時間へ集中し、混雑、住民生活への支障、自然・文化環境への負荷などが生じる状況です。
- 観光客の総数だけでなく、場所と時間の偏り、受け入れる地域への影響を考えます。
第4問|古代史と印刷・文化財
この大問で学ぶこと
年代と文化財の目的を対応させる
問1〈Ⅰ〉 盾形銅鏡と蛇行剣が見つかった円墳
イ(富雄丸山古墳)
- 2023年に出土が発表されたのは、奈良市の富雄丸山古墳です。円墳という形の条件も手がかりになります。
- 前方後円墳や壁画で知られる別の古墳と混同しないようにします。
問1〈Ⅱ〉 最初と最後の出来事
1番目:エ/4番目:イ
- 最初は1世紀の奴国の金印、最後は7世紀初めの遣隋使です。その間に5世紀の大仙古墳、6世紀の仏教伝来が入ります。
- エ→ア→ウ→イの順になります。古墳がつくられた時代を、発見・発掘された年と取り違えないようにします。
問2 浮世絵の説明で誤るもの
ウ
- 葛飾北斎・近松門左衛門・歌川広重をすべて絵師とする点が誤りです。近松門左衛門は人形浄瑠璃などの作者で、絵師ではありません。
- 多色刷りの錦絵が広まったことや、ゴッホなど欧州の画家への影響と区別して判定します。
問3 法隆寺の説明で誤るもの
ア
- 法隆寺を蘇我氏のために建立したとする点が誤りです。聖徳太子と推古天皇の時代の仏教寺院として整理します。
- 1993年の世界遺産登録、現存する古い木造建築群などの特徴も押さえましょう。
第5問|岩倉使節団と明治の改革
この大問で学ぶこと
人物の立場と同年の出来事を確かめる
問1① 使節団の団長
エ(岩倉具視)
- 欧米へ派遣された岩倉使節団の団長は岩倉具視です。大久保利通、木戸孝允、伊藤博文らも同行しました。
問1② 使節団に入っていなかった人物
ア(西郷隆盛)
- 西郷隆盛は日本に残り、留守政府に関わりました。欧米へ出かけた人物と、日本に残って政務を担った人物を分けて考えます。
問2〈Ⅰ〉 1873年の出来事
イ・ウ
- 1873年には徴兵令と地租改正条例が出されました。学制は1872年、廃藩置県は1871年、西南戦争は1877年です。
- 明治初期の改革を一括りにせず、年表上の前後関係も確認します。
問2〈Ⅱ〉 国会開設などを求めた運動
自由民権
- 自由民権運動です。板垣退助らによる民撰議院設立建白書をきっかけに、国会開設や国民の政治参加などを求める動きが広がりました。
- 問題では空欄へ漢字4字を入れるため「自由民権」と答えます。
第6問|戦争と平和の記念碑
この大問で学ぶこと
昭和の年を西暦へ直して判断する
問1〈Ⅰ〉 出来事の順番
イ
- 満州事変は1931年、ドイツのポーランド侵攻は1939年、日独伊三国同盟は1940年です。A→C→Bの順でイとなります。
問1〈Ⅱ〉 太平洋戦争の説明で誤るもの
エ
- 開戦時の攻撃先として、米国の真珠湾とロシアのウラジオストクを並べる点が誤りです。1941年の開戦では真珠湾や英領マレーなどが攻撃されました。
- 国名、場所、年代がすべて同じ戦争の条件に合うかを確かめます。
問2 昭和20年の出来事ではないもの
ア
- 昭和20年は1945年です。日本国憲法の公布は1946年なので、この年に当たりません。原爆投下、沖縄戦、国際連合の発足は1945年です。
- 元号と西暦の対応を先に決めると、記念碑の文章から年表問題へつなげられます。
第7問|出生数・外国人・インド
この大問で学ぶこと
統計の年と対象をそろえて読む
問1 初めて下回った出生数の水準
ウ(80万人)
- 2022年の日本における日本人の出生数は約77万人で、初めて80万人を下回りました。2024年度入試で扱われた時点の数値です。
- その後の年の出生数と混ぜず、外国人を含むかどうかも確認しましょう。
問2 2011・2012年ごろの出生数
イ(約105万人)
- この2年間の日本人の年間出生数は、いずれも約100万人を少し上回る規模で、選択肢では105万人が最も近くなります。
- 2022年の約77万人と比較し、10年ほどの間に減っていることを数量の差として捉えます。
問3 外国人に関する説明で誤るもの
ア
- 2022年末の在留外国人で最も人数が多い国籍・地域は中国で、ベトナムではありません。「日本で暮らす外国人」と「外国人労働者」の統計は対象が違います。
- 国籍別順位は、基準年と集計対象をそろえます。2023年の入管法改正は法律の成立と実施時期を区別して学びましょう。
問4〈Ⅰ〉 インドの首相
モディ(2024年度入試時点)
- 出題時点のインド首相はナレンドラ・モディです。問題はフルネームを求めていないので、カタカナでモディと答えます。
問4〈Ⅱ〉 IT産業発展の説明で誤るもの
エ
- 識字率が高く、独自の数学教育がほとんどの国民へ行き届いているとする、過度に一般化した説明が誤りです。IT分野の高度人材の存在を、国民全体への教育の普及と同一視しないようにします。
- 英語を使える人材、米国との時差を利用した開発、新しい産業へ人材が進みやすいことなどの要因を区別して整理します。
解き直しの進め方
地形図では等高線と施設の記号、雨温図では冬の降水、年表では同年・前後の出来事を確認します。時事問題は出題当時の数値と人物名を明記し、現在の情報へ無意識に置き換えないように解き直しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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