2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
麻布中学校・2026年度 入試 理科
2026年度の麻布中学校・理科について、全4大問から主要な20設問を選んで解説します。刷り込み実験、融雪剤の比較、古気候の資料、自転車の回転を扱い、データから言える範囲と判断の根拠を整理します。作図問題を含む全小問の網羅解説ではありません。
第1問|ヒナの刷り込みと飼育実験
この大問で学ぶこと
グラフが示す結果と、そこから言えることを区別する
問1|母鳥を後追いする利点
解答例:母鳥の近くにいることで、外敵から守ってもらいやすい。
- 設問はエサに関する利点以外を求めています。本文の後追い行動を、幼いヒナが安全に過ごすことと結び付けます。
- 「一緒にいられる」だけでは利点が曖昧なので、外敵からの保護まで具体的に書きます。
問4|刷り込みのグラフから読めること
ア、ウ
- 縦軸は後追いするようになったヒナの割合、横軸は車を見せた時期です。1〜4時間の棒は約半数、13〜16時間の棒は最も高いので、ア・ウが選べます。
- 後追いに費やした時間を調べた図ではないため、エは判断できません。また、遅い時期に初めて見せた結果を、すでに刷り込まれたヒナの行動が消えたという意味に読み替えてはいけません。
問5|エサをつつくまでの時間
イ、エ
- Bはロボットだけ、Cは声だけ、Dはロボットと声を組み合わせた条件です。B・DはAより時間が短いので、ロボットがエサの場所を知らせる効果を持つと読めます。
- CはAより短くなっていないため、声だけでエサを早くつつき始めるとはいえません。DはBより短くなっていないので、声を足すと食べ始めが早くなるというオも選べません。
問6|恐怖心を小さくする使い方
解答例:ロボットでエサ場を示すと同時に、母鳥の声をスピーカーから流す。
- 新奇物に触れるまでの時間が短いほど恐怖心が小さいという、この実験の判断基準を確認します。
- 図5でDの時間が最も短いことから、食事の図3だけでなく恐怖心の図5も使って、ロボットと声を組み合わせる方法を答えます。
問7|鳴き声を検知して動かす場所
a=イ、b=エ
- Xの近くで悲しみの声が多ければ、Xにいるヒナをさらに集めるのではなく、離れたYのロボットを動かして分散させます。したがってaはYを示すイです。
- 喜びの声が検知されているときは安心していると考えられます。不要な動作を加えず、両方とも止めておく条件に当たるエを選びます。
第2問|寒剤・融雪剤と温度変化
この大問で学ぶこと
熱の出入り、凝固点、溶解度を分けて比較する
問2|氷と食塩が奪う熱
a=1600、b=0、c=320、d=16.8
- 氷20gが融けるときに奪う熱は80×20=1600カロリー。20℃の水80gが0℃まで下がって出す熱も80×20=1600カロリーなので、全体は0℃です。
- 食塩20gが溶けるときは16×20=320カロリーを奪います。問題の条件では食塩水1gを1℃変える熱量も1カロリーなので、100gの温度は320÷100=3.2℃下がり、20−3.2=16.8℃です。
間違えやすい点:氷の融解で奪う熱と、食塩が溶けるときに奪う熱は、1g当たりの値が異なります。
問3|水とドライアイスの白いけむり
イ
- 白く見えるのは、周囲の水蒸気が冷やされてできる小さな水の粒です。二酸化炭素そのものは目に見える白い気体ではありません。
- 水を多く含む空気が冷えるため、水では白いけむりが目立ちます。アルコール自体の固体粒が見えるという説明にはしません。
問4|融雪剤なしの試験管もかき混ぜる理由
解答例:かき混ぜることによる温度への影響をそろえて比較するため。
- 調べたい違いは融雪剤の有無・種類です。一方だけをかき混ぜると、融雪剤の効果とかき混ぜた影響を区別できません。
- 水の量・初めの温度・容器・測定までの時間と同じように、混ぜる操作もそろえる対照実験です。
問5|限界まで溶かすと結果が逆転する理由
解答例:塩化カルシウムは食塩より多く溶けるため。
- 実験2は水10gに融雪剤1gという同量比較、実験3はそれぞれ溶ける限界まで加えた比較です。条件の違いを先に押さえます。
- 同じ1gでは食塩の凝固点を下げる効果が大きくても、溶ける量が多い塩化カルシウムでは、限界まで加えたときにいっそう低い凝固点になります。
問7|融雪剤の性質と使う場面
A=ア、B=イ、C=ウ、X=オ、Y=カ、Z=エ
- 1gで凝固点を最も下げる食塩は、限界までの効果は−21℃ですが、頻繁にまきにくい場所でも使いやすいA・Xです。
- 塩化カルシウムは溶けると温度が上がり、限界の凝固点も−55℃と最も低いため、積雪後や−20℃を下回る条件にも対応するB・Yです。
- 尿素は表の効果が比較的小さい一方、塩害を起こしにくいため、畑や作物への影響を抑えたいC・Zに対応します。
| 物質 | 溶かした直後の温度 | 限界まで溶かした凝固点 |
|---|---|---|
| 食塩 | 下がる | −21℃ |
| 塩化カルシウム | 上がる | −55℃ |
| 尿素 | 下がる | −11℃ |
第3問|地球の気温変化と地層
この大問で学ぶこと
異なる時期・場所・尺度のデータをそろえて読む
問2|緯度による気温差
イ
- 図2で赤道付近と極付近の縦の差を、A・B・現在の3本で比べます。A・Bとも現在より高緯度側の温度が高く、低緯度との開きが小さくなっています。
- 平均気温が高いことと、どの緯度でも必ず現在より高いことは同じではありません。1点だけを見てエを選ばないようにします。
問3|過去50万年の変動の形
エ
- 図4では気温が短い期間で急に上がった後、比較的長い期間をかけて下がる形が繰り返されています。これがエに当たります。
- グラフの横軸は万年前です。大きな周期は約10万年であり、約1万年とするウは桁が違います。
問4|現在のペースで14℃上がるまで
1800年後
- 図1の約5000万年前は現在より約14℃高いと読めます。問題が指定する上昇率0.77℃/100年を使うと、14÷0.77×100=約1818年。
- 十の位を四捨五入し、十・一の位を00にするので1800年後です。これは設問の一定ペースを仮定した計算で、将来の実際の気温予測を意味しません。
問5|大きく、ギザギザのある葉の化石
ウ
- 図5ではギザギザがない種類の割合が高いほど温暖です。ギザギザがある葉が多い条件は、その逆で寒冷な気候を示します。
- 図6では葉が大きいほど降水量が多い関係です。したがって、寒冷で降水量が多かったというウを選びます。
問7|寒冷・温暖時の川の地形
a=ア、b=エ、c=カ、d=キ、e=コ
- 寒冷時は上流の降水量が減って運ぶ力が弱まり、堆積が進んで川底が上がります。下流は海面低下に合わせて侵食が進み、川底が下がります。
- 温暖時は上流の侵食が進んで川底が下がり、下流は海面上昇による堆積で上がります。上流が低く下流が高くなる方向なので、温暖時の川全体の傾きは寒冷時より小さくなります。
問9|宮古島の成立を示す地形の順
A=Y、B=X、C=Z、D=ア
- ヘビは長い海を渡れないという条件から、沖縄本島から来た時期には陸がつながるYが必要です。その後、現在の宮古島の位置が海になってもヘビが生き残るには、北側の陸地Xへ移れる必要があります。
- 次に宮古島を含む陸地Zになった後、現在の小さな島へ分かれたと考えます。大きな島では大型化しやすいという本文の仮定に従うと、かつての大きな陸地のハブは現在の沖縄本島のものより大きいアが仮説を支えます。
第4問|自転車の運動と回転の表し方
この大問で学ぶこと
向きの異なる矢印を、始点と終点でつなぐ
問1|並進運動の矢印の合成
① 向きア・速さケ/② 向きウ・速さキ/③ 向きエ・速さキ
- ①は右向きの運動に短い左向きの変化を足すため、右向きのまま遅くなります。
- ②は右と上を足して右上へ、③は右と下を足して右下へ進みます。どちらも斜めの矢印が元より長くなるので、速さは速くなります。
問3|左にハンドルを回したときの回転の矢印
X=キ、Y=ケ、Z=タ
- 前へ進む車輪の回転は、右手の指を回転に沿わせると軸の向きがA側、つまりキになります。上から見た反時計回りのハンドル操作は、軸が上向きのケです。
- 後ろから見た図で左向きと上向きの矢印を足すと、左上向きのタになります。図を見る方向を混ぜず、同じ後方視点の上で合成します。
問4|体をA側に傾けて曲がるしくみ
① A、② オ、③ キ、④ カ、⑤ ク
- A側へ傾けるのは、車輪の接地点を中心にA側へ車体を回すことです。この傾きの回転の矢印は後ろ向きのオです。
- 元の車輪の回転はA側のキなので、足すと回転の矢印はA側かつ後方のカへ向きます。進む方向はこの軸と直角で、左前方を示すクになります。
- ②・③・④は回転を表す矢印、⑤は進む方向です。同じ種類の矢印として扱わないことがポイントです。
問5|ハンドルを素早く左へ回さない理由
① 長く、② ケ、③ B、④ 戻され
- ハンドルを速く回すほど、それによる回転の矢印bは長くなります。元の車輪の回転の矢印aに足した結果は、bの上向き、つまりケに近づきます。
- このとき車体はB側へ戻されやすくなり、A側へ傾いて左に曲がる動きを妨げます。問題で定めた回転の矢印の規則に従い、軸の向きの変化として説明します。
解き直しの進め方
実験問題は「変えた条件・そろえた条件・測定した量」を3列の表にまとめましょう。地学のグラフは単位と時間軸、物理の矢印は見ている方向を必ず書き添え、根拠を言葉にしてから選択肢を選ぶ練習をします。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
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