麻布中学校 2024年度 入試 社会入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

麻布中学校・2024年度 入試 社会

2024年度の麻布中学校・社会は、学校教育の歴史を通して、学ぶ目的・教育の制度・社会への影響を問う総合問題です。問1〜13について、歴史知識と資料を使う記述の根拠を整理します。図表は問題冊子と照らし合わせて確認してください。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|学校教育の歴史と社会への影響

この大問で学ぶこと

教育を受ける目的・仕組み・対象の変化を読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:教育をよい・悪いで一括りにせず、時代ごとの目的と、それによって生じる効果・課題を分けて考えます。

問1|歴史の基本語句

(1)オランダ、(2)福沢諭吉、(3)教育勅語、(4)ソ連

  1. 適塾ではヨーロッパの知識をオランダ語で学び、福沢諭吉も学びました。1890年に出された教育に関する文書は教育勅語です。
  2. 1957年に人工衛星の打上げに成功した社会主義国はソ連。本文の時期と出来事を対応させます。

問2|鎌倉時代の誤った説明

い

  1. いの「村で年貢の取り立てや犯罪の取り締まりを行う」役割は、守護ではなく地頭に当たります。
  2. 守護は国ごとの軍事・警察の役割、地頭は荘園や公領での土地・年貢などの管理として、範囲と仕事を区別します。

問3|民衆の問題解決の方法の変化

自らの力 → 支配者への訴え

  1. 江戸時代の往来物に、幕府への訴状や村同士の争いの記録が取り上げられています。
  2. 自分たちだけで争いを解決する方法から、書面で事情を伝え、支配者の裁きに頼る方法へと移ったと整理します。

問4|現金収入のための作物として不適切なもの

う

  1. 綿花・なたね・茶・たばこは、江戸時代の商品作物として扱われます。
  2. さといもは食用の作物で、この選択肢の中では現金収入を増やす商品作物の例として不適切なうです。

問5|藩校の場所

①=い、②=き、③=え

  1. 日新館は会津藩で現在の福島県、教授館は土佐藩で現在の高知県、明倫堂は尾張藩で現在の愛知県です。
  2. 学校名だけでなく、藩と現代の県を一組にし、地図のい・き・えへ対応させます。

問6|私塾に集まった人々

解答例:全国から、身分の低い武士や庶民を含め、学問を志す人々が集まった。

  1. 藩校はその藩の武士の子どもを中心にした教育でした。私塾では、藩や身分を越えて学ぶ人が集まる点に違いがあります。
  2. 咸宜園が幕府領に開かれ、多数の門人がいたという情報を、学ぶ人の広がりと結び付けます。

問7|明治初期に小学校への反発が起きた理由

解答例:学校の運営費の多くを地域住民からの集金や授業料で賄い、住民の負担が重かったため。

  1. 図1では文部省補助金が13%に対し、学区内集金が43%。寄付金や授業料も含め、地域や家庭の負担が大きいことを読みます。
  2. 学校は無償で国がすべて整えたという前提にせず、図の財源から反発の背景を説明します。

問8|生活から離れた教科も教えた目的

解答例:欧米にならった知識を国民に身に付けさせ、国の近代化を進めるため。

  1. 子どもの身近な生活にすぐ役立つかどうかだけでなく、政府がどのような国をつくりたいかという視点を使います。
  2. 地理・理科などの知識を広く教えることと、欧米に追い付く近代化の方針をつなぎます。

問9|女子の進学先が高等女学校とされた背景

解答例:当時は女子に小学校を超える教育が広く必要とは考えられず、卒業する女子の増加に対応して進学先が新しく設けられたため。

  1. 当時は男女で求められる役割や教育が異なり、男子の中学校と同じ体系で女子の進学先が整えられたわけではありません。
  2. 女子の小学校卒業者が増える中で、新たな学校制度が設けられたという歴史的背景として説明します。当時の考えを現在の望ましい教育観として扱わないことが大切です。

問10|学年制が政府にとって都合がよい点

解答例:1人の教員が同年齢の多数の児童へ同じ内容を教えられ、教員を効率的に配置して計画的な教育を行える。

  1. 学力別の等級制では、児童の習得に応じて細かく分ける必要があります。学年制は年齢を基準に集団を作り、共通の時間割や内容を組みやすくします。
  2. 子ども側の学びやすさだけでなく、教員配置や全国的な制度運営という政府の観点まで答えます。
教育制度の見方
観点等級制学年制
集団の作り方習得の程度年齢
運営で重視するもの各人の進度共通の計画・一斉指導
答案の焦点学習者の違い多数への教育・教員配置

問11|国民全体という表現から外れた人々

解答例:アメリカの統治下に置かれた沖縄などの人々が、対象から外れる問題。

  1. 設問は、当時の原案が「日本に住むすべての人びと」を指していたことと、日本政府が用いた表現との差を問います。
  2. 敗戦後の統治の範囲を踏まえ、沖縄などの人々の教育が、同じ枠組みで保障されない問題として説明します。

問12|学校の知識に施されている配慮

解答例:学年や発達段階に合うよう内容を選び、順序立てて体系的に学べるようにしている。

  1. 検索では、自分で必要な情報を選び、前提や難しさも判断しなければなりません。
  2. 学校では内容が取捨選択され、基礎から積み上げられる順序が用意される点を示します。情報が多いことと学びやすく整理されていることを区別します。

問13|学校教育が社会をつくる面と問題

解答例(116字):学校で同じ知識や規範を学ぶことで、人々は共通の価値観を持ち、協力しやすい社会をつくってきた。一方、その内容は時代の要求で変わり、多数派と異なる考えや生き方を認めにくくする。共通性を重視するほど、個人の多様性が抑えられる問題が生じる。

  1. 共通の教育が人々の価値観を似せ、協力や社会のまとまりを生む点を挙げます。
  2. その反面、同じ考えを当然とし、異なる考えや生き方を抑える危険を対応させます。学校の悪い点だけを並べず、同じ仕組みが持つ両面を述べます。
  3. 100〜120字の条件内で、「どのような社会か」と「その社会の問題」の両方を答えます。

解き直しの進め方

学校や制度の名前だけでなく、誰が・何のために・誰を教えたのかを表にしましょう。最終問は、共通の価値観を育てる役割と、多様な考えが抑えられる課題を、100〜120字で対にして説明します。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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