2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
麻布中学校・2024年度 入試 理科
2024年度の麻布中学校・理科について、全4大問から主要20設問を解説します。潜水する動物の体温、つぶの結び付き、電流の分流と増幅、地層・岩石の観察を、条件と根拠を対応させて読み解きます。作図を含む全小問の網羅解説ではありません。
第1問|バイオロギングと潜水行動
この大問で学ぶこと
体の大きさ・水温・体温の変化を結び付ける
問2|ペンギンの潜水と体重の関係
イ、オ
- 表では体重12.0kgのエンペラーペンギンが最も深く長く潜り、体重が軽い種類ほど深度・時間が小さくなっています。
- したがって、表からいえる関係は重いほど潜水最大深度が深いイ、潜水時間が長いオです。この表だけで体重が原因だと断定する説明には広げません。
問4|マンボウが水面近くに長くいる理由
解答例:深い所で17℃から14℃へ下がる時間より、水面近くで14℃から17℃へ上がる時間のほうが長いから。
- 水深150m付近は約5℃、水面近くは約18℃。マンボウは深い所で約30分、水面では約1時間かけて体温を戻しています。
- 水面で何もせず休んでいると見える時間も、体温を上げるために必要だという本文のデータを使って答えます。
問5|体の大きさと深所・水面での時間
ア、エ
- 大きな個体ほど水温の影響を受けて体温が変わるのが遅いという条件を使います。
- 深い所で17℃から14℃へ下がるにも、水面で14℃から17℃へ上がるにも、大きい個体ほど長くかかるのでア・エです。
問6|1日の潜水回数が多い個体
イ。小さい個体は冷える時間も温まる時間も短く、1回の往復を早く終えられるため。
- 小さい個体は深い所でエサをとれる時間が短い一方、水面で体温を戻す時間も短くなります。
- 移動時間は考えないという設問の条件に従うと、1回の周期全体が短くなるので、1日に潜れる回数は小さい個体が多くなります。
問7|海の広い範囲の水温を測る魚
イ。決まった経路を持たず広い海に分散して動くマンボウ。
- サンマは大きな群れで決まった季節・経路を移動するので、多くの個体を測っても似た場所のデータが集まりやすくなります。
- 幅広い場所を測る目的には、ばらばらに活動し、深さも変えて潜るマンボウが適しています。測りたい範囲と動物の行動を対応させます。
第2問|つぶの結び付きと信号
この大問で学ぶこと
図の見た目ではなく、結合相手と対称性で分類する
問1|他と異なる結び付き
オ
- 図を回転・反転して重なるかではなく、各黒丸に何種類のつぶが何個ずつ結び付くかを比べます。
- ア〜エは黒丸2個それぞれが白丸2個と×印1個を持つ同じ構造です。オでは一方に白丸3個、もう一方に白丸1個と×印2個が付いており、結合の内訳が違います。
問4|信号の強さが3:1になる構造
ア
- アは黒丸3個の直線状のつながりで、両端の黒丸に付く白丸6個と、中央に付く白丸2個に分けられます。
- 両端は対称で同じ環境なので、白丸は2種類に分類でき、強さの比は6:2=3:1です。
問6(1)燃やす前の黒丸・白丸の質量
黒丸=1.2g、白丸=0.2g
- 燃焼後4.4gの物質Bでは、黒丸と新たに結び付いた二重丸の質量比が3:8。黒丸の質量は4.4×3/11=1.2gです。
- 黒丸は燃焼で失われず、元のAに含まれていた分と同じです。元のAは1.4gなので、白丸は1.4−1.2=0.2gです。
問6(2)黒丸と白丸の個数の比
1:2
- 1個当たりの質量比が12:1なので、個数に比例する量は黒丸1.2÷12=0.1、白丸0.2÷1=0.2です。
- よって個数の比は0.1:0.2=1:2。質量比1.2:0.2=6:1をそのまま答えないようにします。
第3問|電流計と増幅のしくみ
この大問で学ぶこと
並列に分かれる割合と、測定範囲の拡張を考える
問3|電流計の読み
290mA
- 元の豆電球は約0.2Aなので、使う端子は500mAです。乾電池を2個並列にしても、端子は変えないという条件です。
- 針は0〜5の目盛りで2.9を指しているため、500×2.9/5=290mAと読みます。
問4|分流した電流と最大測定値
あ=4、い=150
- 表から同じ材質・太さの金属線では、長さが長い枝ほど電流が少なくなります。8cmと2cmの枝を流れる電流の比は2:8=1:4です。
- 全体20mAなら、メーターの枝は20÷5=4mA。メーターが最大30mAになる全体の電流は30×5=150mAです。
問5|300mA・3Aに切り替える金属線
う=9、え=1、お=99、か=1、き=90、く=9、け=1。X=cとdの長さの合計。
- 300mA端子ではメーターへ30mA、別の枝へ270mAを流します。電流と長さの比は逆なので、c:(d+e)=9:1です。
- 3A端子ではメーターを含むc+dの枝へ30mA、eの枝へ2970mA。したがって(c+d):e=99:1です。
- eを1とすればc+d=99。さらにc=9(d+1)なので、10d+9=99からd=9、c=90。最終的にc:d:e=90:9:1です。
問7|装置Tの働き
解答例:少量の水の流れを、より大きな水の流れへ増幅する。
- 管Pの少量の水が板を回し、別に供給されている管Qの大量の水を出す量を変えています。
- 管Pの水自体が突然増えたのではありません。小さな入力で、別の供給源からの大きな出力を制御する働きです。
問8|測定に電池が必要な理由
解答例:管Qへ常に水を供給するのに当たる、増幅用のエネルギーを供給するため。
- 水のモデルでは管Qの上部へ水を供給し続けることが、増幅した流れを出す前提です。
- トランジスタでも、測りたい小さな電流だけで大きな信号を出すことはできません。表示のためだけでなく、増幅のための電源として電池が必要です。
第4問|地層・岩石と表面の観察
この大問で学ぶこと
見える模様を、力の向きや表面の状態から説明する
問2|古い地層が両側、新しい地層が中央にある模様
a=イ、b=エ
- 地層は古い順にA・B・Cです。表面にA・B・C・B・Aと並ぶので、最も新しいCが中央に残る谷折りの褶曲を考えます。
- 縞模様は南北に続くため、押した力はそれと直角の東西方向。aはイ、bはエです。
問4|岩石の表面を平らにする研磨剤
a=ア、b=エ
- 鉱物を削るには、その鉱物より硬い粒子が必要です。
- 最初は大きい粒子で大きな凹凸を削り、次に小さい粒子へ替えて細かい傷を減らします。硬いものを、大きな粒から小さな粒の順に使います。
問5|ふるいの網目の幅
(1)オ、(2)0.14mm
- 1インチをx個に分けた1区画の幅は2.54÷x cm。そこには糸1本分の太さyも含まれるので、空いている網目は2.54÷x−y cmです。
- 100メッシュなら1区画は25.4÷100=0.254mm。糸の太さは0.11mmなので、0.254−0.11=0.144mm。小数第3位を四捨五入して、小数第2位までの0.14mmです。
問6|研磨・水でぬらすことによる見え方
イ
- 凹凸で光がさまざまな向きへ反射すると、色が混ざって白っぽく見えます。研磨して平らにすると、この乱反射が減ります。
- 水をかけても凹凸が水の膜で覆われ、同じように白っぽさが減ります。灰色の岩石はどちらの場合も、もとより黒っぽく見えます。
問7|鏡がくもるしくみ
a=水蒸気、b=冷や、c=液化
- 空気中の水蒸気が冷たい鏡の表面で冷やされ、液体の細かい水滴になります。
- 気体から液体への変化なので液化です。水蒸気そのものが白く見えているわけではありません。
問8|鏡の水アカを防ぐ方法
エ
- 水アカは、水に溶けていた物質が水の蒸発後に残ることでできます。
- 使用後に鏡の水滴を拭き取り、水が残って乾くのを防ぐエが適切です。
解き直しの進め方
電流計は端子ごとに枝を描き直し、電流の和と比を整理しましょう。記述では「水面にいる理由」「小さな流れが測れる理由」など、観察された事実と原因を2段階で説明する練習をします。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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