2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
麻布中学校・2024年度 入試 国語
2024年度の麻布中学校・国語は、学級委員になった少年が、やさしさと自分の表現を考え直す物語です。問一〜十二を13項目に分け、母・先生・友人との関係と、絵を描く前後の変化を整理します。記述の解答例は本文の根拠をまとめたもので、表現が唯一の正解という意味ではありません。
第1問|やさしさと自分の表現をめぐる物語
この大問で学ぶこと
他人の評価で動く姿から、自分の思いに向き合う姿への変化を読む
解くときの着眼点:同じやさしい行動でも、役割や評価に合わせたものか、自分の思いから出たものかを区別します。
問一|ほかの立候補を恐れる理由
解答例:ほかの人が立候補すると学級委員になれないかもしれず、母に怒られると思ったため。
- 守は自分から手を挙げたものの、母から言われた通り委員になることを強く意識しています。
- 委員になりたいという表面的な願いだけでなく、なれなかった場合の母の反応まで説明します。
問二|母の言葉から分かったこと
解答例:みんなに認められる学級委員になるには、特定の相手だけでなく、誰にでもやさしくしなければならないということ。
- 母は1人とだけ仲良くするのではなく、ほかの子にもやさしくするよう求めます。
- 守はそれを委員としての役割の条件として受け取っています。単に友達を増やすべきだと分かったという説明ではありません。
問三|達哉くんが守にとって持つ意味
解答例:誰にでもやさしくできる学級委員を目指す守にとって、行動の手本になる存在。
- 守は、達哉なら材料を忘れた翔吾に腹を立てず、分けてあげるだろうと考えて行動を変えます。
- 一緒に遊びたい相手というだけでなく、委員としてどうふるまうかを考えるときに思い浮かべる手本だと説明します。
問四|本当の気持ちを消して先生の言葉を書いたとき
ア
- 守は自分が強く感じたことより、先生や母に怒られない表現を選ぼうとしています。
- 先生の言葉のほうが本当の気持ちを正確に表せると思ったからではありません。自分の思いを隠して評価を優先するアが適切です。
問五|守が描きたかった自然
両手に収まらないほど大きな空
- 守が菅平で感動したのは、都会では建物に囲まれて見られない、何にも遮られない広い空です。
- 学校で見られないものという条件に合わせて、本文から空の広がりを具体的に表す部分を抜き出します。
問六|青色を広げるときにしようとしていること
解答例:自分が感動した菅平の青空をそのまま絵に写し、事故で林間学校に来られなかった達哉くんに見せようとしている。
- 守は誰に見せたいかと考え、交通事故で来られなかった達哉を思い浮かべています。
- 何を表現するかと、誰へ届けたいかの両方を答えます。単に画用紙を青く塗っているという動作の説明では足りません。
問七|達哉くんのやさしさ
誰もこばまずみんなを受け入れる点
- 守は学級委員の基準として、誰か1人と仲良くすることを避けようとしています。一方、達哉は親しい友達を持ちながら、ほかの人も拒まず受け入れています。
- 本文の15字「誰もこばまずみんなを受け入れる」を抜き出し、設問に合わせて「点」へつなぎます。やさしさの温度という比喩だけで答えないようにします。
問八|先生の指示を聞いたときの守
イ
- 守は空の絵をどう仕上げるかに夢中で、名前や題名を裏に書くという先生の指示へ十分に意識が向いていません。
- 早く評価してほしいと焦って先生へ向かう場面ではなく、作りたいものへ集中している場面です。イが合います。
問九|涙を流した理由
ウ
- 守は自分が感じた空ややさしさの違いを表したかったのに、先生から十分な絵ではないと受け取られ、達哉へのいじめではないかとも疑われます。
- 自分の表現を理解してもらいたいと思いながら、言葉にできなかった悔しさや悲しさを説明するウが適切です。絵をふざけて描いたつもりだったというエではありません。
問十|泣いた後に晴れやかになった理由
解答例:怒られるかどうかだけで気持ちを抑えていた自分が、思ったことを言ったり書いたりして世界を広げられると気付いたため。
- 守はやさしいという漢字すらまだ知らず、今まで知らなかったことが多いと気付きます。さらに、何もかもを言ってよい・いけないの2つだけでは分けられないとも考えます。
- 怒られた出来事自体が解決したからではなく、自分の思いをどう表すかという新しい課題を見つけたことが、晴れやかな気持ちにつながります。
問十一(1)|絵を描く前後の表現への姿勢
解答例:前は母や先生にどう評価されるかを優先していたが、後は自分が感じ、伝えたいものを自分の表現で届けようとするようになった。
- 前半では本当の感想を消し、先生の言葉を借りて記録を書いています。
- 絵の場面では、先生の指示に気付かないほど、自分が感じた空を達哉へ届けることに集中します。同じ表現行為でも、基準が他人の評価から自分の思いへ移っています。
| 場面 | 表現の基準 | 根拠となる行動 |
|---|---|---|
| 前半の記録 | 先生や母の評価 | 本心を消し大人の言葉を借りる |
| 絵を描く場面 | 自分の感動と伝えたい相手 | 空を達哉へ届けようと描く |
| 結末 | 自分の思いを言葉にする | やさしいの意味や書き方を学ぼうとする |
問十一(2)|姿勢が変化した理由
解答例:達哉のやさしさと自分のやさしさを比べ、怒られないようにすることばかり考えていた自分に気付き、達哉や里中さんのように自分の気持ちを素直に表したいと思ったため。
- 絵を描く途中で、守は自分のやさしさが冷たいものかもしれないと考えます。達哉は誰も拒まない温かさを持ち、里中は自分が感じた空と地面の関係をそのまま絵にしています。
- 他人の評価を気にして作ったやさしさと、本心からの行動の違いを知ったことが中心です。単に景色が美しくて絵が好きになったという説明では、人物との関わりが抜けます。
問十二|漢字
a=盛、b=縮、c=束、d=拡声
- カレーを盛る、縮こまる、筆を束ねる、拡声器という本文の使い方を確認します。
- 拡声は声を大きく広げること。各語の形だけでなく、動作や道具の意味と対応させて書きます。
解き直しの進め方
守の行動だけでなく、その行動を選んだ理由を書きましょう。達哉や里中との比較を使い、評価されるための行動から、自分の感動を届ける表現への変化を、前後を対にして説明します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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