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渋谷教育学園渋谷中学校 2026年度 第1回 理科入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

渋谷教育学園渋谷中学校・2026年度 第1回 理科

2026年度第1回の理科は、抽出の計算と、燃焼・熱の移動を考える二題です。全16問について、数値の意味と実験の比較条件を一つずつ確かめます。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|抽出と二つの液体への溶けやすさ

この大問で学ぶこと

濃度の比を、液体の量に合わせて質量の比へ直す

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:分配される質量の比は「1L当たりの比×各液の体積」で作り、二回目以降は水側の残量から計算します。

問1|純物質

オ(ドライアイス)

  1. ドライアイスは固体の二酸化炭素で、一種類の物質からなります。五円硬貨は合金、お酢・ドレッシング・牛乳は複数の成分からなる混合物です。
  2. 見た目が均一かどうかだけでなく、何種類の物質でできているかを判定します。

問2|抽出を使う操作

ア・イ

  1. コーヒーを入れることと昆布からだしを取ることは、成分を水に溶かして取り出す操作です。
  2. 納豆作りは発酵、マヨネーズ作りは乳化、水道水の浄化にはろ過・吸着などが関わります。何かを作る操作全てを抽出と呼ぶわけではありません。

問3|ヨウ素を1Lのヘキサンへ移す

0.267g

  1. 水もヘキサンも1Lなので、1L当たりの質量比89:1を、そのまま二層に含まれる質量の比に使えます。
  2. 全ヨウ素0.27gのうちヘキサンへ入るのは89/90なので、0.27×89/90=0.267gです。比は移動後の両液の濃さを表し、水の側のヨウ素が全てなくなるわけではありません。

問4|100mLで一回抽出

80%

  1. 物質Aの1L当たりの質量の比は有機溶媒:水=4:1です。両方100mLなので、実際に入る質量の比も4:1になります。
  2. 全体の4/5が抽出されるので80%です。

問5|50mLで一回目の抽出

67%

  1. 有機溶媒は水の半分の50mLです。濃度は4倍でも、含まれる質量は4×50:1×100=2:1になります。
  2. 有機溶媒へ入る割合は2/3、約66.7%なので、指定どおり整数へ四捨五入して67%です。濃度比4:1を、そのまま質量比にしないことが要点です。

問6|50mLずつ二回抽出

89%

  1. 一回目の後、水側には最初の1/3が残ります。そこへ新しい50mLを加えると、残った量のうちまた1/3が水側へ残ります。
  2. 最後に水側へ残る量は1/3×1/3=1/9。二回の抽出量の合計は1-1/9=8/9、約88.9%なので89%です。67%を二回足すのではなく、残量を順に掛けます。

問7|少ない溶媒を有効に使う方法

例:少量ずつの新しい有機溶媒を使い、液を分けながら複数回抽出する。

  1. 同じ合計100mLでも、一回に全て使うと80%、50mLずつ二回なら約89%と、取り出せる割合が増えました。
  2. 一回ごとに抽出済みの溶媒を分け、新しい溶媒を加えることが条件です。同じ二層を混ぜ直すだけで、同じだけの上積みが起きるわけではありません。

問8|25mLずつ四回抽出

94%

  1. 一回ごとの質量比は有機溶媒:水=4×25:1×100=1:1です。従って各回、水側に残る割合は1/2です。
  2. 四回後の残量は(1/2)⁴=1/16、抽出量は15/16=93.75%。整数に四捨五入すると94%です。
合計100mLの溶媒を使う三つの方法
一回の量と回数最後に水へ残る割合抽出できる割合
100mL×1回1/580%
50mL×2回1/9約89%
25mL×4回1/16約94%

問9|薬剤の溶けやすさへ応用する設問

Sを1より小さくし、水溶性にする。

  1. Sは脂1L中の質量を水1L中の質量で割った比です。S<1なら、同じ液量では脂より水の側へ分かれやすい性質になります。
  2. この設問では、水に溶けやすい物は血液中を循環して尿へ排出されやすいという考え方から、体内に残る時間を短くする方向を説明します。実際の薬の作用時間は代謝や体内分布なども関わるため、この比だけで一律に決まるという一般則にはしません。

薬物の排泄と水溶性(IUPHAR薬理学教育資料)

第2問|紙鍋・熱の伝わり方と燃焼

この大問で学ぶこと

炎の温度と、物の温度を区別する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:同じ炎でも、水に接する部分、空気の泡に接する部分で材料の温度は変わります。

問1|炎なしで紙を燃やす例

例:虫めがねで太陽光を紙へ集めて燃やす実験。

  1. 虫めがねで光を集めると、狭い範囲へエネルギーが集中し、紙の温度が上がります。炎が直接触れなくても、発火点へ達すれば燃え始めます。
  2. 実験で使う物も含める指定なので、虫めがね・太陽光・紙を明記します。

問2|湯が入った紙鍋が燃えない理由

湯が紙から熱を奪い、紙が発火点へ達しないから。

  1. 水が接している部分では、炎から受けた熱が水へ移ります。通常の大気圧で水が沸騰している間は、水の温度は約100℃に保たれます。
  2. 本文の紙の発火点約230℃や、紙鍋の和紙約300℃より低いので、紙は燃えません。炎が1000℃近いことと、紙自体がその温度になることは別です。

問3|二酸化炭素で取り除く燃焼条件

酸素があること

  1. 燃焼には燃える物、十分に高い温度、酸素の供給が必要です。二酸化炭素で周囲の酸素を少なくすることは、この供給を妨げます。
  2. 二酸化炭素が燃料を食べたり、必ず全ての熱を奪ったりするという説明ではありません。

問4|紙コップの底のふちが焦げる理由

底は水に接するが、ふちは接していないため、ふちの温度が高くなるから。

  1. 水に触れている底の部分は、水へ熱が移るため温度が上がりにくくなります。ふちの折り返しなど、水が直接接していない部分では同じ冷却が働きません。
  2. 紙コップ全体を同じ温度だと考えず、水と接している場所を図で確認します。
加熱される場所の違い
場所接するもの温度への影響
紙コップの底水熱が水へ移りやすい
紙コップのふち水が接していない温度が上がりやすい
袋の内側の気泡部分空気の泡水への熱の移動が妨げられる

問5|紙・プラスチックの熱伝導性

低い

  1. 氷が溶ける速さはアルミカップ、紙コップ、発泡ポリスチレンの順でした。この条件では、熱はアルミから最も速く伝わります。
  2. 紙やプラスチックは金属に比べて熱伝導性が低く、発泡材料では内部の空気も断熱に役立ちます。「熱が全く伝わらない」という意味ではありません。

問6|熱い持ち手を持つときに使う物

乾いた布

  1. 乾いた布は熱が伝わりにくく、布に含まれる空気も熱の伝達を抑えます。直接触れるより手へ熱が移りにくくなります。
  2. ぬれた布は水を通じて熱が伝わりやすくなるため、乾いたものという条件が重要です。

問7|時間を置いた袋・水風船に穴が開く理由

内側に付着した空気の泡が水への熱の移動を妨げ、材料が高温になって溶けるから。

  1. 入れた直後と数時間後の違いは、後者の内側に細かな気泡が多く付いていることです。空気は水へ直接接する場合より熱を伝えにくくします。
  2. その場所では炎の熱が水へ逃げにくくなり、ゴムやポリエチレンが溶ける温度に達し、穴が開くと考えられます。袋の中の水全体が沸騰したためとする説明ではありません。

解き直しの進め方

抽出では毎回水に残る割合を使って計算し直し、燃焼では物と炎の温度を分けて説明します。記述では、水・空気・紙のどこからどこへ熱が移るのかまで具体的に書きましょう。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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