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渋谷教育学園渋谷中学校 2024年度 第1回 社会入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

渋谷教育学園渋谷中学校・2024年度 第1回 社会

プロスポーツと地域、九州の歴史、政治の仕組みを題材に、地図や写真、史料を結び付ける試験です。知識問題も、設問が指定する年と資料の意味を確認して解く流れを解説します。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|スポーツから読む地域・産業

この大問で学ぶこと

地図・気候・生産の資料を組み合わせる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:地図の凡例・地図記号と、統計の対象年・単位を読む時間を省かないようにします。

問1|プロチームの分布

イ(A正・B誤)

  1. チームのない県を地図で拾い、2023年9月時点の新幹線の経路と比べるとAは正しいと判断できます。
  2. 一方、政令指定都市がある都道府県でも、全てが二チーム以上ではありません。Bの「すべて」を反例がないか調べます。地図と路線は指定時点のものを使います。

問2|チーム名と都市の位置

①エ/②イ/③ア

  1. ①は渦潮から徳島、②は三つ葉葵の徳川家に関係する水戸、③は七夕まつりにちなむ仙台です。
  2. 都市名が分かっても地図で取り違えないよう、徳島は四国東部、水戸は茨城県、仙台は宮城県と県名まで確認します。

問3|三都市の雨温図

オ(A福岡・B大阪・C所沢)

  1. Aは梅雨の降水が多い福岡、Bは比較的雨の少ない大阪、Cは冬の気温がより低く、秋の降水が多い所沢です。
  2. グラフごとに縦軸の単位を確認し、気温と降水量を両方照合します。所在地だけでなく、降水の季節差を根拠にする問題です。

問4|川崎市の産業統計

ア

  1. 川崎は京浜工業地帯にあり、化学工業が盛んで小売販売額も大きいアが対応します。輸送用機械器具の値が特に大きいイは広島、化学工業が大きく小売額が小さいウは市原、漁獲量の大きいエは静岡です。
  2. 化学工業の数値一つだけでは市原と迷います。他の列も使って都市の特徴を照合し、「―」はゼロではなくデータなしという注にも注意します。

問5(1)|地形図の見通しと土地利用

エ(①誤・②誤)

  1. AとBを結ぶ線の間の等高線から高まりがあることを読み、直接見通せるとする①は誤りです。
  2. 工場南側は地図記号を確かめると水田で、区画が整っているという見た目だけから畑とする②も誤りです。標高と土地利用は別々に読み取ります。

問5(2)|熊本の豊かな地下水

記述例:阿蘇外輪山の雨が火山の地層に浸透し、熊本市付近でわき出すため。

  1. 図の雨が降る場所→水を通す地層→わき出す市街地という流れを追います。阿蘇の噴火でできた地層が雨水を通し、蓄えます。
  2. 単に「阿蘇があるから」ではなく、雨と地層と湧出をつなげます。設問の45字以内に収め、海水が上がって来るという説明にはしません。
地下水の記述を三段階で考える
段階図で探すこと
雨が入る阿蘇外輪山などに降る雨
地下を流れる火山噴火によってできた水を通す地層
利用される熊本市付近の湧水・地下水

問5(3a)|水を利用する工業

ウ(集積回路)

  1. 半導体の製造では、微細な汚れを洗い流すために大量のきれいな水が必要です。熊本の地下水の特徴と結び付きます。
  2. 腕時計や液晶という製品名の印象だけでなく、1980年代からの半導体生産という文脈を読みます。

問5(3b)|受託生産企業の本社

ウ(台湾)

  1. 設問の企業は台湾のTSMCを指します。他の企業から設計などに応じて生産を受ける受託製造という役割を押さえます。
  2. 「2025年の稼働をめざしている」は2024年度問題の記述です。現在の稼働予定の案内として読むのではなく、出題時点の資料として扱います。

問6|SDGsと事業の対応

ウ/不平等

  1. 一人親家庭への支援、移動手段の充実、高齢者や障害のある人がスポーツへ参加できる機会の拡充は、取り残される人を減らす取り組みです。
  2. Aは目標10の「人や国の不平等をなくそう」に対応します。Bは貧困、Cは健康と福祉、Dは住み続けられるまちづくりという他の項目との比較も役立ちます。

第2問|九州を窓口に読む歴史

この大問で学ぶこと

道具・和歌・史料を、年代と政治に結び付ける

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:文章・写真・和歌に付いた年代を先に読み、前後のできごとと比較して選びます。

問1(1)|弥生時代の農具

イ

  1. 誤りを選ぶ問題です。青銅器は祭器などに用いられ、稲作に使う鎌は鉄製のものなどでした。青銅の鎌で収穫するという説明は適切ではありません。
  2. 石包丁で稲の穂を摘み、臼と杵で処理するなど、作業と道具を組にして整理します。

問1(2)|志賀島の金印

漢委奴国王

  1. 後漢の光武帝から57年に授けられたとされる金印です。「委」を「倭」に書き換えず、問われた刻字の五字を答えます。
  2. 文字の並びは、漢・委・奴・国・王です。写真の字が読みにくい場合も、歴史用語として正確に書けるようにします。

問1(3)|金印の時代の日本

ア

  1. 当時は多数の小国が存在し、それぞれの支配者がいた時期です。巨大な前方後円墳の築造は後の古墳時代です。
  2. 卑弥呼の邪馬台国は3世紀、金印は1世紀なので、同じ弥生時代でも時期を区別します。

問2(1)|令和の由来に関係する花

梅

  1. 730年ごろの大伴旅人の梅花の宴に関係する歌です。大宰府と梅、万葉集と令和のつながりを押さえます。
  2. 季節が初春であることも手掛かりになります。花をひらがなではなく漢字で書く指定です。

問2(2)|東国から大宰府へ向かう理由

記述例:九州北部を守る防人に選ばれたから。

  1. 755年ごろ、東国の一般の成人男性が故郷を離れて北九州へ向かうことから、防人の役割と判断します。
  2. 父母との別れの歌が表す不安を、当時の国境防衛の負担に結び付けます。25字以内で、どこを守る役かまで説明します。

問2(3)|平重衡の歌の背景

ウ

  1. 1183年は源平の争いの中で平氏が都落ちした時期です。古い都への恋しさという歌の内容と、源氏との戦いで都を離れたことが対応します。
  2. 平氏滅亡の1185年より前なので、一族の滅亡が決定した最期の歌とする説明は合いません。

問2(4)|1183年より後の建築

イ・ウ

  1. イの銀閣は室町時代、ウの日光東照宮の陽明門は江戸時代です。いずれも平重衡の歌より後です。
  2. アの東大寺大仏殿は建立の起源が奈良時代、エの平等院鳳凰堂は平安時代です。現存建物の修理・再建年ではなく、学校で学ぶ建立と時代の対応を問うものとして整理します。

問3(1)|江戸時代の外交の相手

Xオ(オランダ)/Yエ(琉球)/Zカ(ロシア)

  1. Xは風説書で海外情報を伝えるオランダ、Yは縦書き文化と薩摩・使節の手掛かりから琉球、Zは北東へ領土を広げ樺太の取り決めに関係するロシアです。
  2. ポルトガルの鉄砲伝来、英国と清のアヘン戦争、朝鮮通信使と倭館など、他の選択肢の国も整理しておくと、国とできごとを取り違えにくくなります。

問3(2)|ロシアへの警戒を説いた人物

イ(林子平)

  1. 北方への警戒を説き、著書などが幕府の処分対象となった林子平を選びます。
  2. 高野長英・渡辺崋山と蛮社の獄、吉田松陰と幕末の活動を同じ事件として扱わず、人物と時期を分けます。

問4(1)|炭鉱の米騒動

記述例:米価が上がっても賃金は増えず生活が苦しくなり、全国に広がった米騒動が炭鉱の売店襲撃につながった。

  1. Aは米価の上昇と変わらない賃金、Bは1918年8月の売店襲撃を示します。生活の苦しさと行動を原因・結果で結びます。
  2. 石炭価格が上がったことと労働者の生活が豊かになることは同じではありません。60字以内で賃金・米価・米騒動の三点を押さえます。

問4(2)|戦時の産業統制

①日中/②金属

  1. 1937年の日中戦争開始以降、軍需優先の統制が強まりました。金属が軍需へ回され、生活用品には陶器や竹などの代用品が使われました。
  2. 年表に国家総動員法や労働者の重点配分があることから、戦争と資源・労働の統制をまとめて説明します。
米騒動の記述でつなぐ条件
資料A資料B説明するつながり
米価上昇・賃金は据え置き1918年の売店襲撃生活苦と全国的な米騒動の広がり

第3問|政治の仕組みと国民の義務

この大問で学ぶこと

制度の利点と課題を具体的な働きで説明する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

解くときの着眼点:言葉を穴埋めできるだけでなく、その仕組みが何を防ぎ、誰の生活を支えるのかを説明します。

問1i|民主主義の仕組み

イ

  1. 国民への権利侵害を防ぎ、世論調査などで評価が低い場合は選挙で議席を減らす可能性があるため、政府は国民の意思を考慮する必要があります。
  2. 世論調査は意見の傾向を調べるもの、国政調査は国会が政治を調査する権能です。語感が似ていても役割は異なります。

問1ii|専制主義への歯止め

ア

  1. 三権分立が働かなくなると権力の濫用が起こりやすくなり、政権への批判を言論の弾圧で抑える危険があります。
  2. 同じ人が権力を長く持つことだけでなく、監視や批判の経路が失われることを説明します。

問1iii|惣村の寄合

エ

  1. 南北朝の動乱が続く室町時代の惣村では、人々が直接議論し、当事者意識を持って掟を決めました。
  2. 現代の法律と同じ手続きで成立したとみなさず、共同体内での決定の利点と、その場の雰囲気や関係に左右される課題を読み取ります。

問2i|過去の日本にもあった義務

徴兵(兵役)

  1. 国民を軍隊へ組み入れる兵役の義務です。現在の日本国憲法で学校が学ぶ三大義務とは区別します。
  2. 教育の義務は、子ども本人に一律に「教育を受ける義務」があるという意味ではなく、保護者が子に普通教育を受けさせる義務です。

問2ii|税と生活を支える仕組み

ウ

  1. 設問の「全ての人が同じ税率」は消費税、「収入によって税率が違う」は所得税、病気や老後の安心に関わるのは社会保障です。
  2. 消費税には品目による軽減税率があるので、全ての商品が同じ税率という意味に広げないようにします。税を集める仕組みと使い道をつなげる問題です。
混同しやすい語句
語句意味
世論調査人々の意見や支持の傾向を調べる
国政調査国会が国政について調べる
社会保障病気・老後などの生活を社会で支える
安全保障国の安全を守る

問3|現代政治についての選択肢

ウ

  1. 出題資料の趣旨と一致するのは、新興国・途上国にも専制的な政治体制の国が多くなっているというウです。
  2. ASEANの設立を2000年代とするア、環境対策がそのまま民主化を起こしたとするイ、AI技術だけを危機の理由とするエは、年代や因果関係が合いません。記事が扱う時点の資料に基づいて判断します。

問4|世界の分断と危険

①冷戦/②核

  1. 第二次世界大戦後、米国を中心とする陣営とソ連を中心とする陣営が対立した時期を冷戦といいます。核兵器の保有と使用の危険が重大な問題でした。
  2. 対話や外交の経路を保つことと、対立を核の力で解決しようとする危険とを対比して理解します。

解き直しの進め方

間違えた選択肢は、年代・国名・制度名を正しく直してから説明しましょう。記述は資料の原因と結果を結び、地図は等高線・地図記号・凡例をそれぞれ確認して読み直します。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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