2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
渋谷教育学園渋谷中学校・2024年度 第1回 理科
2024年度第1回の理科を、食物網・個体数の変化と、紙・繊維・接着の二題から解説します。全14項目で、図の矢印や実験条件を根拠に、直接は見えない仕組みを説明します。
第1問|食物網・個体数の変化・栄養の移動
この大問で学ぶこと
矢印と時間差をたどって間接的な影響を読む
問1|食物網に入る生物
①い、②う、③お、④あ、⑤え
- ①は植物の葉や実を食べ、オオタカに食べられるウサギです。バッタを食べる③はカエル、それを食べる②はヘビになります。
- 落ち葉に関わる⑤はミミズ、⑤を食べる④はモグラです。矢印は食べられる側から食べる側へ向くことを、本文の例に合わせて確認します。
問2(1)|食べる側
B
- Aの個体数の増減が先に起こり、Bは遅れて増減しています。餌になるAが増えた後、餌を得たBが増えるという関係に合います。
- 食べる側がいつも個体数の多い方とは限りません。多寡だけでなく山や谷が現れる時刻を比べます。
問2(2)|A・Bを両軸にしたグラフ
②→③は右側へ大きく、③→④は左側へ、④→⑤は右側へ小さく回り込む曲線。
- 横軸がA、縦軸がBです。②からAは増えて約3000へ達し、その後1500へ減る一方、Bは約300から約1000へ増えます。従って②から右上へ進み、左上へ戻って③へ至る弧を描きます。
- ③→④ではAが一度1500より小さくなって戻り、Bは減るので、左側へ回り込んで④へ進みます。④→⑤はAが約2000まで増えて戻り、Bは増えるので、右側へ回り込む小さい弧です。
- 番号だけを縦に結ばないことが要点です。問題冊子上で、途中のAの最大・最小と、Bの増減を確かめて作図してください。
問3|ラッコが減るとケルプが減る理由
例:ラッコが食べるウニが増え、ウニに食べられるケルプが減るから。
- ラッコはウニの捕食者で、ウニはケルプを食べます。ラッコの減少が直接海藻を減らすのではなく、間にいるウニの増加を通して影響します。
- 答案はラッコ減少→ウニ増加→ケルプ減少の二段階の因果を入れます。
問4|エルニーニョで海鳥が減る理由
例:小型動物プランクトンも小さくなった植物プランクトンを食べるようになり、海鳥へ栄養が届くまでに消費される段階が増えるから。
- 通常の植物プランクトン0.2mmは小型動物プランクトン0.02mmより大きいため、設問の条件では小型の餌にはなりません。一方、エルニーニョ期の植物プランクトン0.005mmは、小型動物プランクトンにも食べられます。
- その分だけ途中の栄養移動の段階が増え、呼吸などで消費される栄養が増えます。条件2では最初に作られる栄養の総量を同じと置いているので、単に植物プランクトンの生産量が減ったためと答えないようにします。
| 条件 | 答えに使う意味 |
|---|---|
| 食べる側は大きい | 小型プランクトンが何を食べられるかを判定 |
| 最初の生産量は同じ | 総生産量の低下を原因にしない |
| 栄養は各段階で消費される | 経路が長いほど海鳥へ届きにくい |
問5|農作物の収穫量への影響
例:海鳥の排泄物などからなる肥料のグアノが減り、収穫量が減る。
- 海鳥が減ると、肥料となるグアノの供給も減ります。海の食物網の変化が、陸上の農業へつながると考えます。
- 鳥が減れば必ず世界全体の収量が減るという断定ではなく、本文で肥料として利用する地域についての因果を説明します。
第2問|紙・繊維・接着と気象
この大問で学ぶこと
材料の細かな構造から性質を説明する
問1|短い繊維と印刷への適性
例:表面が滑らかになり、インクのむらができにくい。
- 短い繊維では、長い繊維ほど絡み合って強度を出しにくい一方、表面を均一に整えやすく、印刷のむらを抑えられます。
- 丈夫さの問題ではなく、印刷する面の状態という観点で答えます。
問2|流し漉きの「ねり」の役割
ア
- ねりは水中の繊維を沈みにくくし、均等に分散させます。その結果、繊維が均一に接触し、厚さのむらを減らせます。
- 繊維を接着剤で貼り合わせる働きではありません。乾燥で繊維同士が近づくと水素結合が働くという本文の説明と分けます。
問3|両面テープの接着の強さ
イ
- アは端から紙をはがすように力が加わり、狭い部分へ負担が集中して、順にはがれていきます。イでは接着面に沿う向きへ引っ張るので、面全体で力を受けます。
- 同じテープ・同じ面積でも、力の向きとはがれ方で、耐えられるおもりは変わります。
| 図 | 主なはがれ方 | 特徴 |
|---|---|---|
| ア | 端から順にはがす | 狭い部分に力が集中 |
| イ | 接着面に沿ってずらす | 広い範囲で力を受ける |
問4|繊維の向きと強度
ウ
- ウは繊維が縦向きで、引っ張る向きに長い繊維が並びます。エの横向きでは、縦の力を主に繊維同士の結び付きで支えることになります。
- 図の紙の上下方向と、繊維が向く方向を照合して選びます。
問5|苛性ソーダの別名
ア(水酸化ナトリウム)
- 苛性ソーダは水酸化ナトリウムです。アルカリ性の薬品としてリグニンを除き、繊維をほぐす処理に使われます。
- 塩酸、塩化ナトリウム、水素とは区別します。塩化ナトリウムにもナトリウムが含まれますが、同じ物質ではありません。
問6|新聞紙が茶色い理由
例:機械パルプでは茶色いリグニンを取り除かないから。
- 機械パルプは木を物理的に細かくするため、化学パルプのようにリグニンを除く処理をしません。リグニンはもともと茶色く、光によって色が濃くなる性質も本文にあります。
- 単に古い紙を使うからとするのではなく、製法と残る成分を結び付けます。
問7|煙が上昇しにくい気象条件
エ(冬のよく晴れて風の弱い早朝)
- よく晴れた夜から明け方には、地面が熱を放出して冷え、地表付近の空気が上空より低温になることがあります。風が弱いと空気が混ざりにくく、その層が残りやすくなります。
- この状態では上下の混合が抑えられ、煙が広がりにくくなります。普段は高度とともに気温が下がるという本文の状態と対比します。
問8|気温と空気の動き
あ=低、い=対流
- 地表に近い冷たい空気の上へ暖かい空気があると、下の空気は上昇しにくくなります。そのため対流が起こりにくくなります。
- あは漢字一字、いは二字の指定です。風そのものが全くなくなるのではなく、上下方向の対流が抑えられると答えます。
解き直しの進め方
生物の問題では一つの種の増減が他へどう伝わるかを矢印で追い、紙の問題では材料・繊維の方向・力の向きを分けます。グラフは途中の変化を読み取り、指定された点の間をどう結ぶかまで確認しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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