2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
渋谷教育学園幕張中学校・2025年度 一次 理科
4大問を25項目で解説。衛星の近似計算、進化と対照実験、重心を含むふり子のモデル、気体の測定と仮説を、条件と根拠を分けて読み解きます。
第1問|人工衛星・気象画像と星
この大問で学ぶこと
周回する速さと、地上からの見え方を分ける
(1)|赤道上の地面の速さ
時速1600km
- 問題の指定どおり、半径6400km、円周率3として赤道の一周は6400×2×3=38400kmです。
- 24時間で一周するので、38400÷24=時速1600kmです。自転していないように感じても、赤道上の地面は動いています。
(2)|衛星の高度を計算する
37600km
- 問題では衛星が時速11000kmで24時間かけて回るので、軌道の一周は264000kmです。円周率3より半径は264000÷6=44000kmです。
- 求めるのは地表からの高さなので、地球の半径6400kmを引いて37600kmです。これは問題の近似値による答えです。実際の静止気象衛星の高度は約35800〜36000kmであり、この設問の計算結果と区別します。
(3)①〜③|季節・風向・気圧
冬・北西・高気圧
- 日本海の筋状の雲は、大陸から海上へ吹き出す冬の季節風に対応します。風向は吹いてくる方向で表すので北西です。
- 大陸の高気圧から日本付近へ寒気が流れ出しています。雲が南東へ伸びることと、風向を南東と答えることは同じではありません。
(3)④|撮影された時間帯
午後
- 画像の右側は日本から見て東の海上で、その側が暗くなりつつあります。地球の自転によって、東の地域が先に日没へ向かいます。
- 従って日本では午後の画像です。朝なら、東側から明るくなる向きになります。
(4)|画像へ入りやすい星
イ・エ
- 赤道上空から地球全体を向く画像では、地球の周辺に見える宇宙も、天の赤道に近い範囲が中心です。赤道付近でほぼ真上に見える星は写りやすく、北斗七星のような北寄りの星は写りません。
- 地球の外から写す星なので、日本が晴れているか、高気圧に覆われているかだけで決まるのではありません。日本の真南の空に見える星が全て写るわけでもありません。
(5)だいち|極軌道の特徴
正しい選択肢はイ
- 地球観測衛星は、地震や火山活動などによる地表の変化の把握に役立ちます。地球が自転するため、極を通る衛星でも毎回同じ二本の経線上だけを飛ぶわけではありません。
- 画像の拡大縮小のために軌道自体を変えるのではなく、観測機器や画像処理のはたらきと軌道を区別します。
(5)みちびき|傾いた一日周期の軌道
正しい選択肢はカ(設問全体ではイ・カ)
- 設問の日本付近からの見え方では、みちびきは地平線より上にあります。ただし、常に日本の真上の一点に静止しているという意味ではありません。
- 公式の説明でも、東京付近では地平線の下へ沈まず、地平線をかすめてまた上がるとされています。日本のあらゆる地点・全ての衛星へ無条件に一般化せず、準天頂軌道と観測地点を対応させて読みます。
第2問|進化・尾羽と対照実験
この大問で学ぶこと
世代を越す変化と、個体への処理を区別する
(1)|進化の例
あ・お
- モグラの視覚の変化や、種子を持つ植物が乾燥に対応できるようになったことは、世代を越えて集団の特徴が変わる例です。
- 運動選手の練習、昆虫の成長、異なる犬種の一回の交配そのものとは区別します。個体が必要を感じて変わり、そのまま子へ伝えたという意味には読み替えません。
(2)|長い飾り羽が生存に不利な理由
例:天敵に見つかりやすく、素早く動きにくくなるから。
- 目立つ長い尾羽は、捕食者から発見されやすくします。また飛行や逃避の動きを妨げる可能性があります。
- 繁殖相手に選ばれやすいことと、生き残りやすいことは別の側面です。二つの不利な点を具体的に述べます。
(3)|元の長さへ貼り戻すB群の役割
例:切って接着剤で貼り付ける処理の条件をそろえるため。
- A・Cは尾羽の長さを変えるだけでなく、切断と接着も受けます。Bにも同じ切断・接着を行い、長さだけを元と同じにして比較します。
- Bを単に何もしない個体にすると、巣の数の差が長さによるのか接着などによるのか分けにくくなります。
| 群 | 尾羽の長さ | 切断・接着 |
|---|---|---|
| A | 短くする | 行う |
| B | 元と同じ | 行う |
| C | 長くする | 行う |
(4)|実験結果から言えること
う・お
- 尾羽を長くしたC群では新しい巣の数が多く、短くしたA群では少ない結果です。なわばりの大きさは同じなので、雌が尾羽の長さを手掛かりに相手を選ぶと考えられます。
- 全ての雄が生存していたため、この実験だけで生存率の差は調べられません。卵の数や餌の豊かさも測っていないので、巣の数からそこまで断定しません。
(5)|長い尾羽が残る仕組み
う・か
- 長い尾羽には生存上の負担があっても、繁殖相手として選ばれる利点があります。こうした繁殖上の選択で長い尾羽が維持されると考えられます。
- 尾羽の長さの違いが子へ伝わるなら、より長い方へ変化する余地もあります。一方、実験で貼り足した尾羽や切った長さそのものが遺伝するとは言えません。将来必ず長くなり続けるとも断定しません。
第3問|ふり子の周期と実験誤差
この大問で学ぶこと
重心までの長さと、測定の仕方を確かめる
(1)①|周期2秒の長さ
100cm
- 結果2では周期×周期が、ふり子の長さに比例しています。周期2秒なら、その二乗は4です。
- グラフの4に対応する長さは100cmです。
(1)②|重さ5kg・長さ9mの周期
6秒
- おもりの重さでは周期が変わらないという実験結果を使います。9mは900cmで、100cmの9倍です。
- 周期の二乗も9倍なので、周期は3倍となり、2×3=6秒です。長さと周期そのものを比例させないようにします。
(2)|十往復を測って減らせるずれ
ア・キ
- 始めと終わりにボタンを押す時刻のばらつきは、十往復分を測って十で割ると、一往復当たりへの影響が小さくなります。周囲の空気の動きなどによる一往復ごとの変動も、複数回分を通じて平均化できます。
- 長さの設定を間違えたような系統的なずれが、十往復にしただけで消えるわけではありません。平均化で小さくできる変動と、条件そのものの違いを分けます。
(3)①班|ひもの端までを長さとした
結果A=イ、結果B=カ
- 本来は支点からおもり全体の重心までです。ひもとおもりの境目で測ると、実際のふり子は設定より長くなり、周期も長くなるため、結果Aの実線は正しい線より上に来ます。
- 結果Bでは、図2のように各おもりをひもへ直接つけ、横に並べています。個数を増やしても重心までの距離のずれは変わらず、重さそのものでも周期は変わりません。そのため、正しい水平線より上の水平線になるカです。縦につなぐ後半のブランコのモデルと混ぜません。
| 班 | ずれ | 長さのグラフ | 重さのグラフ |
|---|---|---|---|
| ① | 重心までを測らない | 正しい線より上 | 高い位置で水平 |
| ② | 九往復を十で割る | 正しい線より下 | 低い位置で水平 |
(3)②班|九往復しか数えなかった
結果A=ウ、結果B=キ
- 九往復の時間を十で割るので、得られる周期は本来の9/10です。長さを変える結果Aでは全体に低い曲線になります。
- 重さを変える結果Bも、重さへの依存は生まれず、低い位置の水平線になります。
(4)|立つ・座るブランコのモデル
①全体、②二個直列、③二個並列
- ブランコの支点から足元までが同じという条件に合わせ、装置はおもりを含む全体の長さをそろえます。ひもだけや重心までを同じにするのではありません。
- 立つ人は縦に長い二個直列、座る人は横に広い二個並列で表します。どちらも同じ二個を使い、重さをそろえます。
(5)|周期が短いのは
立つ場合
- 同じ足元の高さで立つと、座るときより重心が高くなります。そのため支点から重心までの距離が短くなります。
- この問題のふり子モデルでは、長さが短い方が周期も短いので、立つ場合です。ひもの長さだけでは判断できません。
第4問|過炭酸ソーダと発生する気体
この大問で学ぶこと
測定した重さと、気体の体積を区別する
(1)|水溶液の性質と用途
イ・ウ・カ
- 赤色リトマス紙が青くなるのでアルカリ性です。漂白剤や洗浄剤として用いられます。
- 室温で水10mLへ1.00gが全て溶けたので、水100mLには少なくとも10g溶けることが読み取れます。溶解度の上限がちょうど10gとまでは決まりません。
(2)|二種類の気体
A=酸素、B=二酸化炭素
- Aは火のついた線香を明るくし、石灰水は変化しないので酸素です。Bは石灰水を白くするので二酸化炭素です。
- 気体の名前を薬品名の印象だけで決めず、性質を確かめる操作と結び付けます。
(3)|うちわであおぐ理由
例:発生した気体を空気と入れ替え、気体の重さを測定に含めないため。
- 反応後のビーカー内に酸素や二酸化炭素が残ると、容器内の空気と入れ替わっていない気体の分が測定へ影響します。
- 毎回外へ追い出してから重さを測ることで、発生して逃げた気体の重さを比較しやすくします。反応を速めるための操作とは読みません。
(4)|仮定した場合のX・Y
X=0.37g、Y=0.17g
- もし塩酸へ溶かすときにも、水へ溶かした実験5と同じ酸素0.07gが出たなら、最初の減少は二酸化炭素0.30gと合わせ0.37gになります。
- 後から出る酸素は合計0.24gの残りなので、0.24−0.07=0.17gです。これは問いの仮定に基づく値で、実際に測定した0.30g・0.24gと混ぜません。
(5)|仮説に沿った表の空欄
Ⅰ=ア、Ⅱ=イ、Ⅲ=ア
- 水へ溶かす段階Ⅰでは酸素Aが少量発生します。酸性の水溶液へ溶かすときは酸素が出ないという仮説に従えば、Ⅱは二酸化炭素Bだけです。
- その後に二酸化マンガンを加えるⅢでは、残っている酸素Aが出ます。この仮説は観測と矛盾しませんが、それだけで唯一正しい説明と証明されたわけではありません。
(6)|気体の体積の比較
Z=0.89、体積が大きいのはA
- 全体の酸素は0.07+0.17=0.24g、二酸化炭素は0.30gです。同体積では二酸化炭素の重さが酸素の1.4倍なので、体積の比B/Aは(0.30÷1.4)÷0.24です。
- 計算すると0.892857…で、小数第2位まで0.89倍です。従って酸素Aの体積の方が大きくなります。重い気体の方が、発生体積も大きいとは限りません。
| 気体 | 発生した重さ | 同体積での相対的な重さ |
|---|---|---|
| A:酸素 | 0.24g | 1 |
| B:二酸化炭素 | 0.30g | 1.4 |
解き直しの進め方
実験群で、何を変え何をそろえたかを表にします。,測定のばらつきと、設定そのものの間違いを区別します。,仮定に基づく値・実測値・実際の自然現象の値を混同しません。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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