桜蔭中学校 2025年度 入試 理科入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

桜蔭中学校・2025年度 入試 理科

2025年度の桜蔭中学校・理科を、全4大問から主要22項目に分けて解説します。石灰の反応、電力量と料金、食品と植物・種子の呼吸、前線と雲を扱います。単位や基準時点をそろえ、表の数値をどう判断や計算へ使うかを整理しています。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|石灰と二酸化炭素の反応

この大問で学ぶこと

物質の変化と、水溶液の性質を別々に整理する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1|石灰水と炭酸水のリトマス反応

石灰水:赤→青、青は変化なし。炭酸水:赤は変化なし、青→赤。

  1. 石灰水はアルカリ性なので、赤色リトマス紙を青くします。炭酸水は酸性なので、青色リトマス紙を赤くします。
  2. どちらの紙も必ず変色するわけではありません。もとの色と、酸性・アルカリ性を対応させます。

問2|水を蒸発させた後

石灰水=イ、炭酸水=ア

  1. 石灰水には水酸化カルシウムが溶けているため、水を蒸発させると白い固体が残ります。
  2. 炭酸水では二酸化炭素が抜け、水も蒸発すると固体は残りません。透明な水溶液でも、溶けている物が固体か気体かで結果が違います。

問3|石灰石・消石灰・生石灰

①ウ=炭酸カルシウム、②イ=水酸化カルシウム、③ア=酸化カルシウム

  1. 石灰石は炭酸カルシウム、消石灰は水酸化カルシウム、生石灰は酸化カルシウムです。名称の似た三つを、本文の反応図へ戻して対応させます。
  2. 石灰石を加熱すると生石灰へ、生石灰に水を加えると消石灰へ変わります。石灰水へ二酸化炭素を加えると炭酸カルシウムとなり、さらに加えると水に溶けやすい物質へ変わります。

問4|石灰岩の成因

ウ

  1. 石灰岩は主に貝やサンゴなどの死がいが海底に積もってできます。
  2. 火山灰が固まった岩石、溶岩が冷えてできた岩石、砂や泥が固まった岩石と区別します。原料となる物を手掛かりにします。

第2問|消費電力・電力量と料金

この大問で学ぶこと

同時に使う大きさと、使い続けた総量を分ける

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1|3000W以内で動かせる製品

⑤まで

  1. 表の上から、冷蔵庫300W、蛍光灯40×8=320W、エアコン1000W、洗濯機240W、ドライヤー1000Wを足すと2860Wです。
  2. さらにオーブンレンジ600Wを加えると3460Wとなり、上限3000Wを超えます。蛍光灯は1本の値に8本を掛けることを忘れないようにします。

問2|1か月の電力量と料金

480,000Wh、16,200円

  1. 1日分は冷蔵庫300×24=7200、蛍光灯40×8×7.5=2400、エアコン1000×6=6000、洗濯機240、ドライヤー1000×0.1=100、レンジ600×0.1=60Whです。
  2. 合計16,000Whを30日使い、16,000×30=480,000Wh。問題の料金式に入れると1800+0.03×480,000=16,200円です。6分を0.1時間へ直します。
1日分の電力量をそろえる
製品計算電力量
冷蔵庫300×247200Wh
蛍光灯40×8×7.52400Wh
エアコン1000×66000Wh
洗濯機240×1240Wh
ドライヤー1000×0.1100Wh
レンジ600×0.160Wh

問3|LEDへ替えた場合の料金の減少

1620円

  1. 蛍光灯1本当たりの減少は40−10=30W。8本を毎日7.5時間、30日使うので、電力量は30×8×7.5×30=54,000Wh減ります。
  2. 基本料金は変わらないので、減る料金は0.03×54,000=1620円です。料金全体へ割合を掛けるのではなく、減った電力量だけを使います。

問4|料金を減らさず、社会のピーク電力を減らす行動

ア・カ

  1. 昼のオーブン使用を夜へ移すことと、夜に蓄電して昼に使うことは、使う電力量を減らすのではなく、電力会社から電気を受け取る時刻をずらします。
  2. この問題の時間帯によらない料金設定では料金は減りませんが、昼のピークは抑えられます。省エネと、使用時刻をずらす工夫を区別します。

第3問|和食・植物と種子の呼吸

この大問で学ぶこと

食品の材料を、植物の器官と養分へ結び付ける

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1|ダイズから作る食品

あ=ク(きなこ)、い=ウ(豆乳)、う=ア(みそ)、え=ケ(枝豆)

  1. 乾燥ダイズを炒って粉にするときなこ、煮汁などと砕いてこした液体は豆乳です。ダイズに米こうじと塩を加えて発酵させるとみそになります。
  2. ダイズの種子が成熟する前に収穫したものが枝豆です。同じ植物でも、加工法や収穫時期で食品名が変わります。

問2|日本の河川の特徴

解答例:傾きが急で流れが速く、長さが短い。

  1. 縦断面図では、日本の川は短い距離で標高が大きく変わっています。これは傾きが急で、流れが速いことを示します。
  2. 岩石と水が触れる時間が短いため、水へ溶け込むミネラルが少なくなりやすいという本文の説明へつなげます。20字以内という条件にも収まる表現です。

問3|イネの花にない、あざやかな部分

花びら

  1. 花の内部を守るえいと、虫を引き付ける花びらを区別します。イネにはアサガオなどのような、あざやかな花びらがありません。
  2. 植物のどの構造を尋ねているかを読み、受粉に使う花粉やめしべを答えないようにします。

問4|イネの花粉を運ぶもの

風

  1. イネは風によって花粉が運ばれる植物です。虫を呼ぶための目立つ花びらを必要としないことと対応させます。
  2. 受粉の方法と、花の構造を別々に暗記せず、花粉がどう届くかという関係で整理します。

問5・6|食べる器官と風で運ばれる花粉

問5=ウ・オ、問6=イ

  1. ジャガイモは地下の茎、バナナは果実を食べるので、種子を食べる米・小麦・トウモロコシとは異なります。
  2. 風で運ばれる花粉は軽く、数が多いというイが適切です。届く先を風に任せるため、多量の花粉を作ります。

問7|種子Xの酸素と二酸化炭素の比

5:4

  1. 水酸化ナトリウムを入れると二酸化炭素が吸収され、酸素の吸収だけによる体積減少が見えます。Xは左へ15目盛りなので酸素15mLを吸収しました。
  2. 水の場合は酸素の吸収と二酸化炭素の放出の差が3mLです。放出した二酸化炭素は15−3=12mL。したがって15:12=5:4です。

問8|呼吸に使われる養分

X=イ(たんぱく質)、Y=ア(炭水化物)

  1. Xは酸素:二酸化炭素が5:4なので、問題の条件からたんぱく質です。
  2. Yは水では動かず、水酸化ナトリウムでは14mL減っています。酸素と二酸化炭素が同量で、比が1:1となるので炭水化物です。

問9|X・Yの植物

X=エ(ダイズ)、Y=ア(イネ)

  1. Xはたんぱく質を多く含むダイズ、Yは炭水化物を多く含むイネと対応させます。
  2. ゴマ・アブラナは脂肪を多く含む種子です。本文で与えられた呼吸の比を先に求め、その結果から種子を特定します。

第4問|前線・雲と上昇する空気

この大問で学ぶこと

空気の塊と周囲の気温を同じ高度で比べる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1・2|暖かい空気と雨雲

問1=X、問2=乱層雲

  1. 暖かい空気は冷たい空気より軽いため、XがYの上へはい上がります。
  2. 低い空に広く広がり、太陽を遮って持続的な雨や雪を降らせる厚い雲Aは乱層雲です。雲の高さ・広がり・降水の仕方を合わせて判断します。

問3|P地点での変化

ウ・キ

  1. 図では暖かいXが冷たいYを押しながら進みます。Pでは高い所の雲から順に、雲が低くなっていき、雨が降り始めます。
  2. 前線が通過して暖かい空気に入るので、雨が止んだ後に気温が上がるというウが適切です。雲が低くなるキと合わせて選びます。

問4|P・Qで先に起こる変化

ア・ウ

  1. 前線の移動方向に沿って、PがQより先に雨域と暖かい空気に入ります。
  2. したがって、先に雨が降り始めるのも、先に暖かくなるのもPです。図の左右だけでなく、前線の進む向きから時刻の順を判断します。

問5前半|雲ができ始める温度と高さ

ア=17℃、イ=1300m

  1. 空気Zは1m³当たり14.5gの水蒸気を含みます。表で14.5gが限度となる温度は17℃です。
  2. 30℃から17℃まで13℃下がるので、雲ができる前の100mにつき1℃の低下では13×100=1300mです。

問5中盤|上空が冷たい場合

ウ=0.7℃、エ=15.9℃、オ=積乱雲

  1. 周囲の気温は地表25℃から5000mの−10℃へ35℃下がるので、100mごとに35÷50=0.7℃下がります。
  2. 1300mでの周囲の気温は25−0.7×13=15.9℃です。Zは17℃で周囲より暖かく、雲ができた後も上昇を続けやすくなります。縦に発達し、強い雨や雷を伴う雲は積乱雲です。

問5後半|上空があまり冷たくない場合

カ=0.5℃、キ=1000m

  1. 地表25℃から5000mの0℃へ25℃下がるので、周囲の低下は100mにつき0.5℃です。雲ができる前のZは100mにつき1℃下がります。
  2. Zと周囲の温度差は初め5℃で、100mごとに0.5℃ずつ縮まります。5÷0.5×100=1000mで同じ温度となり、雲ができ始める1300mへ届かず上昇が止まります。

解き直しの進め方

電力Wと電力量Whは別の量として書き分けましょう。呼吸の実験は酸素の吸収量と、気体全体の増減を区別します。雲の問題では上昇する空気と周囲の気温を同じ高度で比べ、雲ができる前後で温度の下がり方が変わる条件も確認します。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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