2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
桜蔭中学校・2024年度 入試 理科
2024年度の桜蔭中学校・理科を、全4大問から主要24項目に分けて解説します。食塩の結晶と製塩、植物工場、地層と地下水、音の振動と動く音源を扱います。濃度の収支、葉1枚当たりの比較、時間と位置の計算など、表の数値を使う手順を整理しています。
第1問|食塩の結晶と塩づくり
この大問で学ぶこと
水と塩の量を分けて、濃度の変化を追う
問1|食塩の結晶の形
エ
- 食塩の結晶は立方体を基本とし、へこみのある形も見られます。選択肢では四角い輪郭をもつエが適切です。
- 針状のものや八面体などと混同せず、物質ごとに結晶の形が決まることを確認します。
問2|冷やすだけでは結晶を取り出しにくい理由
解答例:水温によって溶ける量がほとんど変わらないから。
- 食塩は水温を下げても溶ける量の変化が小さいため、ミョウバンなどと違い、冷やすだけでは十分な結晶が出ません。
- 結晶を得るには水を蒸発させる必要がある、という本文の説明へつなげます。25字以内の指定では、理由の核だけに絞ります。
問3|100℃の飽和食塩水に含まれる水の割合
71.8%
- 100℃では水100gに食塩39.3gが溶け、飽和食塩水全体は139.3gです。
- 水の割合は100÷139.3×100=約71.7875%。小数第2位を四捨五入して71.8%です。分母を水100gとしないようにします。
問4|塩田の下の層
ウ。粘土。
- 塩田では海水が下へしみ込まないようにする必要があります。水を通しにくい粘土の層が適しています。
- 表面で塩を付ける砂の役割と、下で水を止める層の役割を分けて考えます。
問5|100kgの濃い塩水を作る計算
a=87.3、b=90、c=2.7、d=10、e=333.3
- 濃度12.7%の塩水100kgに含まれる水は100−12.7=87.3kgです。蒸発しないので、注いだ3%の海水にも水87.3kgが含まれます。海水の量は87.3÷0.97=90kgです。
- 90kgの海水に初めからある塩は90×0.03=2.7kg。濃い塩水に含まれる塩12.7kgとの差10kgが、砂から溶けた塩です。
- 砂へ10kgの塩を付けるために必要な海水は10÷0.03=約333.3kgです。濃い塩水の全重量と、注いだ海水の全重量が同じとは限りません。
| 対象 | 水 | 塩 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 注いだ海水 | 87.3kg | 2.7kg | 90kg |
| 砂から溶けた塩 | 0kg | 10kg | 10kg |
| 出てきた濃い塩水 | 87.3kg | 12.7kg | 100kg |
問6|円柱形のかまの容量
イ。約600L。
- 内径1.6mなので半径は0.8m、高さ30cmは0.3mです。体積は0.8²×3.14×0.3=0.60288m³です。
- 1m³=1000Lなので約603L。選択肢から600Lを選びます。直径をそのまま半径に使わず、長さの単位もそろえます。
問7|液面に近い所で結晶ができる理由
イ
- 液面では水が蒸発しやすく、食塩の濃度が高まって結晶ができやすくなります。
- 結晶が水より軽いから浮くという説明ではありません。液面近くで水が失われることを根拠にします。
第2問|植物工場と光の色
この大問で学ぶこと
比較する条件をそろえ、葉1枚当たりへ換算する
問1|植物工場の利点
解答例:天候や季節に左右されず、安定して供給できる。
- 人工的に条件を保つことで、露地栽培のような天候や季節の影響を受けにくくなります。
- 設問は利点を一つ、20字以内で答える指定です。答案では「天候や季節によらず安定供給できる」など、中心を短くまとめます。
問2・3|発光ダイオードと青色光
問2=LED、問3=エ(青)
- 発光ダイオードの略称はLEDです。2014年のノーベル物理学賞に関係したのは青色発光ダイオードです。
- 白色光に見える照明と、その開発の鍵となった青色LEDを区別します。
問4①|成長させる効果が最も小さい色
ウ。緑色光。
- 全体の重さは赤12.52g、青10.11g、緑2.84gなので、選択肢の単色光で最も成長が小さいのは緑色光です。
- 光以外の条件を一定にした比較実験であることが、色の効果を比べる根拠です。
問4②・③|葉1枚の重さと茎の長さ
②イ=青色光、③ア=赤色光
- 単色の3条件で葉1枚当たりを比べると、赤8.56÷8.25=約1.04g、青7.28÷4.88=約1.49g、緑1.99÷5.38=約0.37gです。したがって青色光が最も重い葉になります。
- 主茎の長さは赤21.60cm、青8.53cm、緑14.35cmなので最も長いのは赤色光です。葉全体の重さと、1枚の重さは別の指標です。
問5|気孔の通りやすさが成長へつながる理由
a=蒸散、b=二酸化炭素
- 気孔からの蒸散が盛んになると、根から水や養分を吸い上げる働きも促されます。
- また、空気中の二酸化炭素を取り込みやすくなることで、光合成に使う材料が得られます。水を放出する働きと、気体を取り込む働きを分けて整理します。
第3問|運動場の水はけと地層
この大問で学ぶこと
粒の大きさ・土地の傾き・水を通す層を結び付ける
問1|O小学校の運動場が早く乾く理由
エ
- Oは写真から水のしみ込みやすい地面で、水平器の結果から側溝へ水が流れやすい傾きがあります。南西側の校舎により、午後の日当たりは良いとはいえません。
- 日当たりだけで判断せず、浸透・地面の傾き・校舎の位置を合わせます。水平器の気泡は高い方へ寄るので、気泡が示す高さから低い側を判断します。
問2 i・ii|ロームと流水でできた地層
a=火山灰、b=たい積、c=小さい、d=やわらかい。れきはウ(2mm以上)。
- ロームは主に火山灰などが風化してできた土です。流水で運ばれた粒がたまるのはたい積です。下のローム層には、上より小さい粒が多いと読み取ります。
- 新しい沖積層は他の層よりやわらかいことが特徴です。また、れきは粒の直径2mm以上という区分に当たります。
問2 iii・iv|れきの形と水深
れき:侵食作用で丸みを帯びる。より深い水底でできた層:④。
- 流水に運ばれたれきは、ぶつかり合って角が削られるため、噴出したままの粒より丸みを帯びます。
- ④は粘土を主とし、より細かな粒が静かな深い水底まで運ばれてたまります。れきを主とする③より、できた場所の水深が深いと判断します。
問2 v|④と⑤の間に時代の隔たりがある理由
イ
- ①〜④ができた後、川の侵食によって一部が削られ、その後に海となって新しい⑤が堆積したというイが適切です。
- 地層が重なっていても、堆積がずっと連続したとは限りません。侵食で削られた面と、新しい層の関係を読み取ります。
問3|地下水や湧き水を得られる場所
ア・エ
- 水を通しやすい層へしみ込んだ水は、水を通しにくい粘土層の上でたまり、境界が地表へ出る場所で湧き出します。
- 図では粘土層の上にある透水性の高い層との境界に当たるア・エです。地表の高低だけでなく、層の性質を重ねて考えます。
第4問|音の振動と動く音源
この大問で学ぶこと
振動の大きさ・回数・届く間隔を分ける
問1|音を大きくしたときのビーズ
イ
- 大きな音では振動の幅が大きくなるため、風船上のビーズも大きく跳ねるように動きます。
- 音の高さを上げた場合の振動回数の増加とは区別します。大きさは主に振幅、高さは主に振動数に対応します。
問2 i|1秒間の振動回数
500回
- 図3では1回の振動に0.002秒かかっています。
- 1秒間では1÷0.002=500回です。山だけの間隔ではなく、同じ状態へ戻る1周期を使います。
問2 ii|より高い音の波形
イ・ウ
- 横軸の時間幅が同じとき、元の波形より多くの周期が入るグラフが高い音です。イ・ウは振動回数が多くなっています。
- ウは振幅も大きいですが、高さの判定に使うのは振動の回数です。縦の高さだけで選ばないようにします。
問3 i・ii|球と動く的が出会う位置
ア=1.6、イ=4.8、ウ=17.2、エ=16.4。最初に当たるのは1.8秒後、位置14.4m。
- 球の位置は毎秒8m進むので、0.2秒で1.6m、0.6秒で4.8mです。的は18mから毎秒2m近づくので、0.4秒で17.2m、0.8秒で16.4mです。
- 球と的の間隔18mは毎秒8+2=10m縮みます。18÷10=1.8秒後に当たり、位置は8×1.8=14.4mです。
問3 iii|2個目以降が当たる時刻
オ=2.6、カ=3.4、キ=0.8、ク=0.8
- 2個目が出る1秒後、的は16mの位置です。そこから16÷10=1.6秒かかり、最初の発射から2.6秒後に当たります。
- 3個目は2秒後に発射され、その時の的は14m先なので、2+14÷10=3.4秒後です。4個目は4.2秒後となり、当たる間隔はいずれも0.8秒です。
問4|発射装置と的を動かしたときの間隔
a=ア、b=イ、c=イ
- 的が発射装置から遠ざかると、次の球が的へ届くまでの道が長くなり、当たる間隔は1秒より長くなります。
- 発射装置が固定した的へ近づくと、次の球は前より的に近い所から発射されるので、間隔は短くなります。両方が近づく場合も短くなります。
問5|音に置き換えたとき正しい説明
ウ・オ
- 一定の速さで近づく音源では、本来より高い一定の音が聞こえ、通過して遠ざかる側になると低く聞こえます。したがって通過時に急に低くなるウが適切です。
- 自分が一定の速さで踏切から遠ざかる場合も、本来より低い一定の高さに聞こえるオが適切です。音が小さくなることと、音の高さが変わることを混同しません。
解き直しの進め方
塩水は水と塩の質量を別々に書き、蒸発する物・砂から加わる物を確かめましょう。植物の表では葉全体と1枚当たりを区別します。音の問題は大きさと高さを分け、動く的の実験では何秒後という時刻と、次に当たるまでの間隔を別々に求め直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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