2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
女子学院中学校・2026年度 入試 社会
2026年度の女子学院中学校・社会を、全3大問・31問に沿って解説します。万博と公共の場、人が集まる場所の歴史、選挙と社会運動を扱います。各問の小問を合わせて整理し、地図・統計・年表と選択肢を対応させます。時事・予算・統計は、原問題が指定した年度の資料を基準に説明します。
第1問|万博・観光と公共の場
この大問で学ぶこと
地図・歳出・移動の資料を、暮らしの課題へ結び付ける
問1|大阪の湾と河口の距離
(1)大阪湾。(2)エ→ウ→イ→ア。
- 夢洲があるのは大阪湾です。近い河口から、淀川、紀の川、熊野川(新宮川)、四万十川の順に並べます。
- 大阪湾へ流れる川から、紀伊半島の西側・南東側、四国の太平洋側へと位置を地図で追います。河川の長さではなく、夢洲から河口までの距離です。
問2|国連と大統領
(1)エ(約200か国)。(2)イ(イギリス)。
- 国連加盟国は193か国で、選択肢では200に最も近くなります。全ての国が同じ国家制度を取るわけではなく、イギリスには国王と首相がいます。
- 国の代表者としてよく聞く人物が、全て大統領であるわけではありません。国王・大統領・首相の役割を区別します。
問3|万博公園の二つの地形図
(1)エ。(2)ウ。
- (1)は、高速道路が主に谷を利用したとする説明が不適切です。旧図の等高線で谷と尾根を読み、新図の道路の位置へ重ねて確かめます。
- (2)は環状道路の内側の住宅地を全て残したとするウが不適切です。旧図の住宅地と新図の公園・道路などを対応させます。残っている部分があることと、全てが保存されたことは同じではありません。
問4|世界自然遺産と沖縄
(1)イ(鹿児島)。(2)エ。
- 鹿児島県には屋久島などの世界自然遺産があります。富士山は世界文化遺産で、自然遺産との分類の違いにも注意します。
- 沖縄の地下鉄が整備されているというエは不適切です。那覇のモノレールを地下鉄と混同しません。暖かい気候、熱帯・亜熱帯の果樹、さんご礁やマングローブは地域の特徴と対応します。
問5|三つの万博を古い順へ
ウ→ア→イ
- 1970年の大阪万博、1985年のつくば科学万博、2005年の愛知万博です。月の石、科学技術、環境・自然との共生という展示やテーマを年代へ結び付けます。
- 場所と年だけでなく、何に期待が集まった時代かを一組で整理します。
問6|観光客とオーバーツーリズム
(1)ア。(2)の例:バスが混雑し、住民が通勤や通院で乗れなくなる。
- 日本を訪れる外国人観光客が欧米諸国から8割以上来る、というアは不適切です。観光客の出発地域はアジアも大きな割合を占めます。
- (2)は地域の暮らしへの具体的な支障を答えます。観光客の国籍を理由にするのではなく、受け入れ能力を超える集中と、住民の移動への影響を原因と結果で示します。
問7|国の歳出の円グラフ
(1)ウ。(2)エ(100兆円)。
- 33%のアが社会保障、25%のエが国債費、8%のイが防衛で、地方自治体の財政を支える項目は16%のウです。
- 一般会計当初予算は100兆円規模です。問題が指定する2025年度の当初予算を使い、補正後予算や別年度の金額と混ぜないようにします。
問8|駅の役割の変化
イ→エ→ア→ウ
- 都市と郊外を結ぶ鉄道や駅前百貨店の発展が先です。その後、戦時下の子どもの集団疎開、戦後の集団就職、近年の駅に隣接した小売店へと続きます。
- 鉄道に関する語が共通でも、背景は都市化・戦争・高度経済成長・生活の利便性と異なります。
問9|オフピーク定期券と通勤の流れ
(1)東京=ウ、横浜=イ、大船=ア。(2)イ。
- 東京方面へ通勤する流れでは、東京のピーク7時30分〜9時に対し、途中の横浜は7時〜8時30分、さらに手前の大船は6時40分〜8時10分と考えます。
- オフピーク定期券は通勤の時間帯を分散して混雑や遅延を抑えるためのものです。行楽・観光客を主に増やすというイは、この制度の対象と目的に合いません。
問10|尊厳を持って共生する仕組み
イ・カ・キ
- 障がいや病気を理由に働く機会を一律に制限するイ、性別で職業や部署を固定するカ、宗教活動を政府の許可制にするキは、対等な参加や信教の自由を妨げます。
- この問いは、どの制度が現在実施済みかではなく、共生のための仕組みとして適切かを考えるものです。支援を受けられることと、本人の選択や参加を制限することを区別します。
第2問|人々が集まる場の歴史
この大問で学ぶこと
商品・交通・文化と、統制の時代を資料から読む
問1|古代に手にした物の順序
ウ→エ→ア→イ
- 黒曜石の矢じり、青銅器、はにわ、仏像や経典の順です。石器の利用、金属器の伝来、古墳、仏教の伝来という時代の流れを使います。
- 全て古代に関わる物でも、同時期ではありません。材料と用途を時代へ置き直します。
問2|鎌倉時代の市に不適切な商品
エ・カ。黒糖・たばこ。
- たばこは近世に伝来した物で、鎌倉時代の市の商品にはできません。黒糖も、この時代の日本の市で一般に扱う商品としては不適切です。
- 魚・里芋・布・壺・漬物など、当時の生産や生活と結び付く物と区別します。
問3|麻の繊維になる部分
イ。茎。
- 主に茎の部分から繊維を取り出し、糸に加工します。葉や実そのものを糸へ加工するのではありません。
- 綿は種子の周りの毛、絹は蚕の繭と、材料の違いも整理します。
問4|古い寺社の立地
ウ
- 山のふもとなど、日常の生活域から少し離れた場所を神聖な場として選ぶ説明が最も適切です。
- 寺社が後に市や町の発展を促したことと、初めから商業や行政のために建てたことを混同しません。
問5|1339年ごろの京都
エ
- 室町時代初期には南北朝の対立が続き、守護が各地に置かれ、足利尊氏は仏教と関係を持っていました。
- 城のそばへ家臣や住民が集まる城下町が各地に多く成立していたというエは、主に戦国時代以降の発展を、この時期へ早め過ぎています。
問6|信長が京都御馬揃えを行った目的
エ
- 軍事力・経済力の誇示、民衆の支持、家臣の統率といった政治的な目的を考えます。
- 娯楽として人々が楽しんだ面があっても、見物客を一つにして平和を祈ることを主目的とするエは、軍事パレードの性格に合いません。
問7|両国広小路の娯楽
オ
- 橋の周辺には渡しや船、寺院などを利用する人々が集まり、撤去しやすい小規模な施設で庶民が安く楽しめました。
- 大名や旗本が主な客だから繁華街になった、というオは不適切です。付近に武家屋敷があることだけで、客層を決めないようにします。
問8|幕府の改革と庶民の生活
(1)イ・エ。(2)エ。(3)ア・ウ。
- 芝居小屋の移転は、人気役者のまねをして商売をおろそかにすることや、風紀の乱れを抑える統制でした。町を豊かにするため、芝居を盛んにするためとは読めません。
- 語り物では、当時実際に起きた騒動を題材にすることが制限されました。株仲間の独占を認めると、仲間同士で価格を上げやすく、幕府が統制しやすくなる面があります。自由な参入や新製品開発が必ず進むとはいえません。
問9|通商条約と廃藩置県の間の出来事
ウ
- 日米修好通商条約は1858年、廃藩置県は1871年です。長州・薩摩が外国と戦った経験を踏まえ、倒幕へ進む動きはこの間に入ります。
- 地租改正・徴兵令は1873年、琉球処分は1879年で、廃藩置県より後です。出来事を年表の二つの境目へ置きます。
問10|三つの開港地と居留地
(1)①オ(横浜)、②ク(長崎)、③カ(神戸)。(2)①B、②A、③C。(3)中国。(4)ウ。
- 生糸輸出は横浜、炭鉱・造船は長崎、京都に近く開港が遅れた港は神戸です。統計では、平地の割合が大きいBを横浜、降水量が多く可住地が少ないAを長崎、雨が比較的少ないCを神戸に対応させます。
- 居留地で仲介や東アジア貿易に関わった人々は中国出身です。居留地が廃止された1899年は、大日本帝国憲法の発布1889年と日露戦争1904年の間なので、年表のウです。
| 港 | 歴史の手掛かり | 問題の統計 |
|---|---|---|
| 横浜 | 生糸輸出 | B:可住地の割合が大きい |
| 長崎 | 炭鉱・造船 | A:降水量が多く山地も多い |
| 神戸 | 京都に近く開港が遅れた | C:比較的降水量が少ない |
問11|輸入する自動車の関税を上げると
ア
- A国がB国から輸入する車への税を上げると、A国内で売られるB国製の車に税負担が上乗せされ、価格が上がりやすくなります。
- どちらの国が課税し、どちらの国内で売る商品かを先に整理します。B国の税収や、B国内のA国製の車の価格を直接の答えにしません。
問12|戦時中の呉の地図
解答例:軍港の地形を知られないよう、軍事上の機密を守るために省略・改変したから。
- 1909年図にはある等高線などが1941年図には描かれていません。地形が実際になくなったのではなく、軍港と軍事施設に関する情報を隠す意図を考えます。
- 地図は常にそのままの現実を示すとは限りません。作成時期や目的によって、描かれない情報があることを資料から読み取ります。
問13|戦前の映画と観客数
ア・エ
- 資料には文学作品を題材にした作品や、中国などアジアとの関係を描く作品が挙がっています。映画の題名・内容と表を対応させます。
- グラフの増加だけから、休日の増加や洋画の上映増加まで言い切れません。観客数の増え方が映画館数を上回るため、混雑が緩和されたという説明も支持できません。
第3問|選挙・社会運動と憲法
この大問で学ぶこと
権利の内容と、政治機関が担う仕事を区別する
問1|1925年の普通選挙
ウ
- 納税額による制限を撤廃し、満25歳以上の男子へ選挙権を広げました。ここでの普通選挙は、財産・収入を資格にしない点が中心です。
- 男女の区別がない選挙になったのは戦後です。現在の年齢条件を1925年へ当てはめないようにします。
問2|選挙運動として認められる行為
イ
- 演説を妨げない範囲で候補者へ批判の声を上げる行為が該当します。候補者への批判そのものが禁止されるわけではありません。
- 有権者へ金品を渡す、投票を依頼するため個別に家を訪ねる、本人の許可なく住所を公開するといった他の選択肢とは区別します。
問3|安保改定前後の年代
エ
- 警察予備隊の発足は1950年で、1960年の安保改定より前です。改定後に発足したとするエが誤りです。
- 1951年の旧安保条約、1960年の改定と所得倍増計画を時系列に置き、改定の前か後かを確かめます。
問4|憲法と裁判所の役割
(1)X=前文、Y=戦力。(2)ウ・オ。
- 憲法前文と第9条の位置を確かめます。裁判所は、法律だけでなく行政の処分などが憲法に反しないかも判断でき、下級裁判所にも違憲審査の役割があります。
- 最高裁判所の裁判官は国民審査の対象で、罷免を可とする票が多数なら罷免されます。裁判は内閣・国会の指示で結論を変えるものではありません。
- 最高裁判所長官は内閣が指名し天皇が任命します。国会が指名するのは内閣総理大臣です。指名する人と任命する人を対にして整理します。
| 役職 | 指名 | 任命 |
|---|---|---|
| 内閣総理大臣 | 国会 | 天皇 |
| 最高裁判所長官 | 内閣 | 天皇 |
問5|福岡市と中京工業地帯
(1)エ。(2)イ。
- 八幡製鉄所を中心とする工業の発展は、福岡市ではなく北九州市と結び付きます。同じ福岡県の都市を一つにしないようにします。
- 中京工業地帯は自動車などの機械工業が重要です。製紙・パルプと精密機械を中心とするイは、別の工業地域の特徴との混同です。
問6|デモを行う自由
表現の自由
- 意見を集団で表し、社会へ伝える行動は、表現の自由に関係します。指定の五字で答えます。
- 言論だけでなく集会なども、人々が考えを表す方法です。選挙での投票だけが政治へ参加する方法ではありません。
問7|労働組合を作る権利
団結
- 労働者が組合を作り、まとまって要求するための団結権です。団体交渉権・団体行動権と合わせて整理します。
- 問いは団結する権利という文章の空欄を求めるので、団結と答えます。ストライキそのものの権利と、組合を作る権利を区別します。
問8|内閣・国会と衆議院の解散
エ
- 衆議院の解散は天皇の国事行為で、内閣の助言と承認の下で行われます。内閣が決定するという選択肢が適切です。
- 閣議は全会一致が原則です。不信任決議が可決されても、10日以内に衆議院が解散される場合があるため、ただちに必ず総辞職とはいえません。国会は首相を指名しますが、他の国務大臣を任命する機関ではありません。
解き直しの進め方
資料問題は、読み取れることと、追加の情報がないと言い切れないことを分けます。歴史は二つの出来事の間へ年を入れ、公民は機関名と権限を一組で確認しましょう。記述では暮らしへの支障や制度の目的を、具体的な原因と結果で言い直して解き直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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