女子学院中学校 2026年度 入試 理科入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

女子学院中学校・2026年度 入試 理科

2026年度の女子学院中学校・理科を、全4大問から32項目に分けて解説します。降水量と太陽、消化、金属の反応、鏡と凸レンズを扱います。元の図は問題冊子で確かめながら、単位の変換・比較実験の条件・光の道筋を説明できるようにする構成です。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|降水量と太陽の一年間の動き

この大問で学ぶこと

体積と深さ、南中高度と南中時刻を分けて読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

1(1)|容器の面積と雨の深さ

ウ。同じ深さ。

  1. 降水量はたまる水の深さです。受ける面積が10倍なら、水の体積も10倍ですが、底面積も10倍なので、深さは同じです。
  2. 深さ=体積÷底面積、として考えます。広い容器の方が水を多く集めることと、深くなることを混同しません。

1(2)|1時間1mmの雨の体積

①=1L、②=イ(コップ一杯分)

  1. 1m²=10000cm²、1mm=0.1cmです。1時間にたまる水は10000×0.1=1000cm³=1Lです。
  2. 10分は1時間の1/6なので、約167mLです。選択肢ではコップ一杯分に最も近くなります。

1(3)|線状降水帯の誤り

ア

  1. 強い雨を降らせるのは、発達した積乱雲が次々と生じて並ぶ状況です。薄い雲が帯状に広がっただけ、という説明は適切ではありません。
  2. 暖かく湿った空気の流入や、河川の氾濫・浸水という他の説明とも結び付けます。

2(1)|夏至の正午の位置

A

  1. 夏至は一年で太陽の南中高度が最も高くなる時期です。図の八の字の上側にある白丸Aが対応します。
  2. 正午と南中が常に一致するわけではありません。図では毎日同じ時計の時刻で比べていることを確認します。

2(2)|三つの条件で太陽の位置を選ぶ

①=ウ、②=オ、③=イ

  1. ①は正午に南中するので、南を表す破線上の黒点を選びます。②は真西より南へ沈む季節、つまり春分・秋分より南中高度が低い側で、南中が最も早い位置を探します。
  2. ③は南中高度が春分・秋分より高い側に範囲を絞り、南中が最も遅い点を選びます。正午に太陽が南より西へ進んでいれば南中はすでに終わり、東に残っていれば南中はこれからです。

2(3)|夕方の図から真西を読む

エ

  1. 春分・秋分の太陽は真西に沈みます。夕方の図で、この二つの日に当たる白丸を結び、その日周運動の道筋を地平線まで延ばすと、エに当たります。
  2. 白丸の真下を選ぶ方法ではありません。また、冬至の太陽が沈む位置は真西より南なので、図の低い端をそのまま真西としないようにします。

2(4)|冬至の日の出

7時3分

  1. 図では冬至の正午の太陽が南をわずかに過ぎているため、南中時刻は正午より2分早い11時58分です。
  2. 昼の長さ9時間50分の半分は4時間55分。南中を昼の中央として、11時58分−4時間55分=7時3分です。2分を加えるか引くかを図から判断します。

第2問|消化の実験と動物の消化管

この大問で学ぶこと

反応に必要な時間と、比較する条件を押さえる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

1(1)|消化液で消化が行われる場所

ウ・エ。口・小腸。

  1. 口ではだ液がでんぷんの消化に関わり、小腸ではさまざまな消化液により消化が進みます。
  2. 肝臓は消化に関わる胆汁を作りますが、食べ物がそこを通って消化される場所ではありません。大腸・腎臓との働きの違いも整理します。

1(2)|時間を置いてヨウ素液で色が付かない皿

ア。小皿AとB。

  1. だ液を加えたAと、消化を助ける成分を含む胃薬液を加えたBでは、でんぷんが分解されていきます。水だけのCは対照実験です。
  2. ヨウ素液はでんぷんがあると青紫色になります。消化が進んだかどうかを、色が付くかで比べています。

1(3)|加えてすぐに調べた場合

キ。小皿A・B・C。

  1. 消化には時間が必要です。加えた直後なら、A・Bにもまだでんぷんが残り、Cと同じく青紫色になります。
  2. 最終的に消化されることと、一瞬で消えることは同じではありません。実験の数分後という時間条件が結果を変えています。

1(4)|実験方法としてよくないところ

④

  1. 比較する時は、ヨウ素液の濃さや加える量もそろえる必要があります。特定の皿だけへさらに加えると、他の皿との条件が変わり、色を公平に比べられません。
  2. 上澄みを使う、冷ました片栗粉液を使う、適温で温めるという操作と、比較条件を変える操作を区別します。

1(5)|粉の片栗粉を消化させる工夫

イ。温める時間をのばす。

  1. お湯で処理した片栗粉と違い、粉のままでは短時間で消化が進みにくいため、消化に使える時間を増やします。
  2. 温めない、片栗粉を増やす、薬を薄めるという変更は、短時間ででんぷんを減らす方向にはなりません。変える条件は一つだけです。

1(6)|ゼラチンが消化されたか調べる

かたまらない

  1. ゼラチンはタンパク質で、通常は冷やすと固まります。分解されたなら、冷やしても固まらなくなるはずです。
  2. さらさらになったという見た目だけで、単に溶けたのか、消化されたのかを決めません。消化後に性質が変わったかを調べます。

2(1)①|ブタの消化管は体長の何倍か

エ。約14倍。

  1. グラフから、ブタの体長は約1.5m、消化管は約21mと読めます。21÷1.5=14倍です。
  2. 縦軸の消化管の長さを横軸の体長で割ります。二つの長さを引く問題ではありません。

2(1)②|体長当たりの消化管が最も長い動物

ヒツジ。ウ・カ。

  1. 単に消化管が最も長いウシではなく、消化管の長さ÷体長で比べます。ヒツジは約38m÷1.3mで、他の動物より大きくなります。
  2. 繊維の多い草を食べ、消化に時間がかかります。草をすりつぶす歯を持つことも対応させ、食べ物をかみ切る歯とすりつぶす歯の両方があるカを選びます。

2(2)①|ウサギの食糞の利点

エ

  1. やわらかいフンは、牧草に比べてタンパク質が多く、ビタミンも豊富です。盲腸の微生物の働きでできた栄養を、もう一度食べることで利用します。
  2. 繊維を多く取り直すことが主目的ではありません。表ではやわらかいフンの繊維は牧草より少なくなっています。

2(2)②|ウサギの消化管

ア

  1. ウサギは盲腸が大きく発達し、微生物の働きで植物を利用します。選択肢の図では、盲腸の発達したアを選びます。
  2. 胃の大きさだけで選ばず、小腸と大腸のつなぎ目付近にある盲腸の形を、問題のヒトの図とも比べます。

第3問|金属の性質と反応量

この大問で学ぶこと

同じ体積へそろえ、反応の限界を比例で読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

1|1cm³当たりの重さ

C→A→B→D

  1. 重さ÷体積で密度を求めます。銅は約9.09、鉄は約7.87、アルミニウムは約2.70、リチウムは約0.53g/cm³です。
  2. 表の重さだけでは比較できません。鉄の試料だけが10gであることにも注意し、すべて1cm³へそろえます。

2|鉄と塩酸から出る気体

水素

  1. 鉄にうすい塩酸を加えると水素が出ます。水素が燃えると酸素と結び付き、水ができます。
  2. 酸素は物を燃やすのを助けますが、自分が燃えて水だけを生む気体ではありません。

3|四つの性質による分類

A=④、B=⑤、C=①、D=⑥

  1. 全て電気を通します。鉄は磁石に付き、密度は1より大きく、塩酸と反応するので④です。
  2. アルミニウムは磁石に付かず、密度1超で塩酸と反応する⑤。銅は磁石に付かず、密度1超で塩酸とは反応しない①。リチウムは密度1未満で塩酸と反応する⑥です。

4(1)|塩酸の量と水素のグラフ

イ。折れ点は14g。

  1. 3.5gで100cm³、7gで200cm³だから、塩酸が不足する範囲では比例しています。鉄1gがすべて反応すると400cm³で止まるため、折れ点の後は水平です。
  2. 400÷100=4なので、必要な塩酸は3.5×4=14gです。21gを加えた時の全量ではなく、鉄と過不足なく反応する量を求めます。

4(2)|合計10gで気体を最大にする

9.3g

  1. 鉄1gに塩酸14gが過不足なく対応します。合計は15gなので、合計10gなら塩酸は10×14/15=28/3gです。
  2. 小数第2位を四捨五入し、9.3gです。塩酸だけ増やすと鉄が減り、逆に鉄だけ増やすと塩酸が不足するため、過不足ない割合で最大になります。
反応量を最大にする割合
条件鉄うすい塩酸合計
基準1g14g15g
合計10gにする2/3g28/3g10g

5|同じ水素を出すための金属の体積

エ。約3.7倍。

  1. 鉄1gから400cm³、リチウム0.6gから960cm³の水素が出ます。400cm³にそろえると、リチウムは0.6×400÷960=0.25gです。
  2. 鉄1gの体積は1.27÷10=0.127cm³。リチウム0.25gの体積は0.19×0.25÷0.1=0.475cm³。比は0.475÷0.127≒3.74なので、最も近い3.7倍を選びます。

6(1)|リチウムイオン電池を使う製品

解答例:モバイルバッテリー。

  1. 充電して繰り返し使う小型の製品の例です。モバイルバッテリー、スマートフォンなどが挙げられます。
  2. 電気を使う製品なら何でもよいわけではありません。電池の種類まで結び付けて考えます。

6(2)|リチウムイオン電池の長所

ア・イ

  1. 小型・軽量で大きなエネルギーを蓄えられ、繰り返し充電して利用できる点が長所です。
  2. 破損しても発火しにくい、簡単に安全に捨てられるという説明は長所にできません。原料が日本で多く採れるという選択肢も適切ではありません。

第4問|鏡の反射と凸レンズ

この大問で学ぶこと

光の向きと、焦点を境にした位置関係を追う

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

1(1)|最初の太陽光の向き

キ。X・Y・Zすべて。

  1. J子さんの鏡の向きは図に示されていません。どの方向から光が来ても、鏡の向きを調節してAからBへ反射させることができます。
  2. 日かげの条件はX・Y・Zのいずれでもできると指定されています。図に描かれていない鏡の角度を、勝手に固定しないようにします。

1(2)|J子さんの鏡だけで的へ当てる

右へ30度。

  1. AB・BC・CAはいずれも4mで、三角形ABCは正三角形です。Aから出る光をAB方向からAC方向へ変えるには、反射光の向きを60度変えます。
  2. 入ってくる光を固定すると、鏡の回転角の2倍だけ反射光が回転します。60÷2=30度。図の向きで右回りです。

1(3)|G子さんがEへ移動した後

右へ15度。

  1. 移動するのはG子さんです。E・B・Aは一直線で、EB=BC=4m。正三角形のBの角60度の外側なので、角EBC=120度、二等辺三角形EBCの残る角は各30度です。
  2. 鏡の角度を変えずEへ移動すると、反射光は元のBCに平行です。ECへ向けるには反射光を右へ30度変えるので、鏡はその半分の右15度です。

2(1)|レンズの表面での光の進み方

イ・ウ・エ

  1. 光は空気からレンズへ入る時と、レンズから空気へ出る時に屈折します。また、表面では一部の光が反射します。
  2. 光が全てそのまま直進するわけではありません。レンズは光を作り出す装置でもなく、通っただけで全体の光の量が増えるわけでもありません。

2(2)|太陽光を集めた時の影

ア

  1. 太陽光がレンズを通ると、一点付近へ集まります。そのためレンズに対応する範囲の全体が均一に明るくなるのではなく、明るい小さな点と、その周囲の暗い部分が現れます。
  2. 虫めがねの枠や持ち手は光を遮ります。レンズ部分も一様に明るい、とする選択肢と区別します。

2(3)|集めた円をもっと明るくする

レンズの直径が大きい虫めがね。

  1. 広い面積で太陽光を受ければ、集める光の量を増やせます。焦点に集められる光の量に着目します。
  2. 焦点距離を変えることと、光を受け取る面積を広くすることは別です。

2(4)|緑のマークの向きと大きさ

3cm:ア・ク(同じ向きで小さい)。11cm:ウ・カ(上下左右が逆で大きい)。

  1. 図3の焦点距離は5cmです。レンズ上のマークを通る光は焦点へ近づきながら狭まり、焦点より手前の3cmでは、元と同じ向きで小さくなります。
  2. 焦点を越えると光線の上下・左右が入れ替わり、11cmでは広がって逆向きに見えます。相似から大きさの比は3cmで(5−3)/5=2/5、11cmで(11−5)/5=6/5。元のマークとの大小も確かめられます。

解き直しの進め方

数値は単位をそろえ、割合を比べる分母を確かめます。実験は変えた条件とそろえた条件を分けましょう。鏡は反射光の回転角と鏡の回転角を、凸レンズは焦点の手前と向こうを区別し、図を見ずに理由を言い直してから解き直します。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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