女子学院中学校 2026年度 入試 国語入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年11月1日

SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

女子学院中学校・2026年度 入試 国語

2026年度の女子学院中学校・国語を、全3大問から21項目に整理して解説します。平松洋子氏の母の金平糖、神野紗希氏の俳句をめぐる文章、漢字六問を扱います。記述は進塾独自の解答例です。原文を転載せず、人物の立場・比喩・見方の転換を根拠にまとめる方法を説明します。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|菓子が呼び起こす母の記憶

この大問で学ぶこと

子どもの目と親の思い、現在の筆者の理解を分けて読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問一|別格の意味

イ

  1. 他の物と同列に扱わず、特別な物として大切にする意味です。缶を振って中から一つ出す行為が、筆者には単に菓子を食べる以上の意味を持っています。
  2. 少し種類が違うというだけの説明や、優先順位・気品だけの説明と区別します。

問二|缶へ自分を預けるとは

エ

  1. 中身を選べない缶を振り、どの味が出るかを待つ短い間、自分の思い通りにならない未来を、その結果へ委ねるということです。
  2. 自分が神になって運命を決めるのではありません。選べないことを受け入れる、というおみくじとの共通点を読みます。

問三|母の家族について合うもの

ウ

  1. 母は長女で、下に三人のきょうだいがいます。本文の父・母・四人の子どもという家族関係を図にして確かめます。
  2. 筆者自身の家族と、母の子ども時代の家族を混ぜません。また、一番近い年齢のきょうだいの性別など、本文にないことを補わないようにします。

問四|母の記憶とドロップスの結び付き

エ

  1. 母から聞いた戦中・戦後の金平糖の記憶が、ドロップスを見るたびに筆者の中でよみがえるようになりました。蜘蛛の糸の比喩は、この強い結び付きを表します。
  2. 二つの菓子がいつのまにか区別できなくなった、食べるのをやめた、という意味ではありません。物をきっかけに記憶が呼び出される関係を説明します。

問五|母が十一歳だった日

お父さんが戦地から家へ帰ってきた日。

  1. 終戦を告げる放送を聞いた日ではなく、戦地へ行っていた父が戻り、金平糖を持ち帰った日のことです。
  2. 解答用紙の、すでに印刷されたが・日に合うように、誰がどうした日なのかを入れます。母が忘れられなかった出来事を具体化します。

問六|言葉を握りしめる心情

ア・オ

  1. 祖母の言葉を決して忘れないと決め、それを自分たちを支えるお守りのように受け止めています。
  2. 手を離すなという言葉には、空襲の中で家族がはぐれてしまう危険と、生きて再会したい願いがこもっています。動作を文字通り手で握る場面に限定せず、心に保ち続けるという意味を読みます。

問七|父の帰還を言葉にできなかった理由

イ

  1. 父の無事を信じて待ちながらも、その願いを口にして、かなわないかもしれない現実へ向き合うことが怖かったと捉えます。
  2. 帰ってくることが確実だったから黙っていたのでも、祈れば必ずかなうと考えていたのでもありません。願いが強いことと、不安の強さを両方含めます。

問八|母親が厳しく怒った理由

解答例:夫が子どもたちのために命がけで守り抜いて持ち帰った貴重な土産なのに、その苦労や思いを知らず、色の好みだけで奪い合う姿を見て、夫に申し訳なく感じたから。

  1. 赤い金平糖を欲しがる子どもの目と、帰還した父の苦労を受け止める母親の目には、大きな差があります。単に行儀が悪くて怒った、という説明では足りません。
  2. 何を大事にした夫なのか、その思いを子どもがどう扱ってしまったか、それを見た母親がどう感じたかを一続きにします。
同じ金平糖を見る二つの目
立場見えていること心情
子どもどの色を自分が取れるか欲しい物を取り合う
帰還した父を迎える母親家族を思い命がけで持ち帰った土産その思いが伝わらず、夫へ申し訳ない

問九|もしもの思考が存在を揺さぶる理由

エ

  1. 母が空襲や戦争で命を落としていたら、今の筆者自身も生まれていなかったかもしれません。現在の自分が、数え切れない偶然の上に成り立つと感じることです。
  2. 実現しなかった別の可能性を想像し、今ある自分が当然ではないと気付く読みです。失われた命の数だけでなく、自分の存在へ考えが及ぶ点が大切です。

問十|慣用句の動物

キツネ

  1. キツネにつままれるは、意外な出来事に出会い、訳が分からずぼんやりする意味です。
  2. 指定はカタカナなので、狐ではなくキツネと答えます。単に驚いたという感情だけでなく、すぐに理解できない状態を含みます。

問十一|容器が持たせるもの

期待

  1. 中が見えず、素敵な物が入っていそうだと思わせることが、まだ見ていない中身への期待につながります。
  2. 漢字二字の指定です。中身そのものの名称ではなく、見る側の気持ちを答えます。

問十二|菓子とおみくじの共通点を二つ

①自分で選べず、偶然によって結果が決まる点。②愛らしく小さな見た目の中に、人生や運命を考えさせる重みがある点。

  1. 一つ目は仕組みの共通点です。缶からどれが出るか、おみくじに何が書かれるかを、自分の望みで自由に決められません。
  2. 二つ目は意味の共通点です。菓子は甘く可愛い物でありながら、母の生還や家族の存在を思い起こさせます。同じ偶然の説明を言い換えて二つにしないようにします。

第2問|俳句と言葉が世界を変える力

この大問で学ぶこと

見え方の転換と、他者と通じ合う経験を読む

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問一|花吹雪の様子

ウ

  1. 桜の花びらが風で一斉に舞い散る様子です。桜が雪に似ているのであって、本物の雪が混ざるという意味ではありません。
  2. 花びらが静かに積もった状態や、地面から舞い上がる場面だけを表す選択肢と区別します。

問二|子規の句の季節と動作

(1)ア(初夏)。(2)イ。

  1. 苺は初夏の季語です。現在は冬にも店頭に多く並びますが、俳句の季語としての季節は、現在の販売時期とは別に確かめます。
  2. もりあげては、見舞いに持ってきた苺が山盛りになっている様子です。本人が病気の嬉しさを作るために積み上げた、という行為にはしません。

問三|子規の発想の転換

解答例:病気そのものはつらいが、病気になったからこそ後輩が苺を持って訪ねてくれる喜びがあると捉え、嬉しさを言葉にすることで、病の逆境に肯定できる面を見いだした。

  1. 嫌な出来事をなかったことにしたのではありません。病気という同じ現実の中から、別の角度の喜びを見つけています。
  2. 病気→見舞いの苺→嬉しさの発見→言葉による捉え直し、という流れで説明します。病気になればよいという一般論へ広げません。
現実を捉え直す手順
もとの見方別の面への注目言葉にした結果
病気はつらい見舞いの苺と後輩の心遣い逆境の中に喜びも見いだす
桜は静かに散る静けさの圧倒的な強さ見え方・感じ方が広がる

問四|世界が変わった具体例

例:A。誰=筆者。何に=静かに散る桜に。どう=聞こえないはずの圧倒的な音を感じ取るようになった。

  1. Aでは静けさを爆音として捉える句に出会い、筆者は桜を見るたびに、その静けさの中に強い生命や圧倒的な感覚を受け取ります。
  2. 客観的に大きな音が出るようになったわけではありません。言葉によって、同じ桜の感じ方が変わったという例です。解答欄の誰・何に・どうをそろえます。

問五|本文に挙げる過去の俳人ではない人

ア。西行。

  1. 西行は主に和歌の歌人として知られます。芭蕉・蕪村・一茶は、本文がたどる俳句・俳諧の系譜と結び付きます。
  2. 有名な古典の作者という共通点だけで、文学のジャンルを同じにしないようにします。

問六|俳句の考え方を持って生きるとは

エ

  1. 常識だけで決めずに、言葉を通して別の見方を発見することで、難しい現実に自分が押しつぶされない道を見いだすということです。
  2. 違う見方を取り入れることが、筆者だけが持つ唯一の技術という意味ではありません。他者の句に触れ、自分でも見方を変えることへつなぎます。

問七|木の実の句の意味

Ⅰ=あたたかく。Ⅱ=他者と心を通わせる。

  1. 実用上の役に立つとはいえない木の実でも、差し出されると心が和らぎ、相手と気持ちを通わせるきっかけになります。
  2. Ⅱは本文から抜き出す指定です。似た意味の別表現へ言い換えず、求められた部分をそのまま確かめます。

問八|同じ日は二度と来ないという気付き

イ

  1. 俳句を作るために身の回りへ目を向けると、平凡に見えた日常にも小さな発見があり、その都度感動が生まれます。
  2. 誰かへ新しい日々を宣伝したくなるという意味ではなく、自分の注意の向け方が変わることです。日常に隠れた物語だけを探す読みや、いつもと同じことへの感謝だけに限定しないようにします。

第3問|文脈に合う漢字

この大問で学ぶこと

熟語と送り仮名の範囲を確かめる

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

1〜6|六つの漢字

1=白状、2=展覧、3=故障、4=外、5=細、6=育

  1. 白状は隠していたことを話すこと。展覧は作品などを広く見せること、故障は機械などが正常に動かないことです。外す、細やか、育むも、それぞれ文脈に合わせます。
  2. 下線のカタカナの部分だけを漢字へ直します。細やかのやか、育んでのんでなど、すでにある送り仮名を重ねて書かないようにします。

解き直しの進め方

第一の文章は、母の子ども時代、親の思い、現在の筆者の理解を分けます。第二は、言葉で現実そのものを消すのでなく、現実を受け止める角度を変える点に注目しましょう。記述は問いの指定どおり二点を分け、抜き出しは本文の語句と一致するか確かめて解き直します。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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