2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
女子学院中学校・2025年度 入試 理科
2025年度の女子学院中学校・理科を、全4大問から30項目に整理して解説します。津波と木星の衛星、寄生バチ、重曹の反応、輪軸と滑車を扱います。津波の用語は参照解答を示したうえで、物理的な発生の仕組みを気象庁の説明に基づき補足しています。
第1問|地震・津波と木星の衛星
この大問で学ぶこと
現象の仕組みと、連続した位置の変化を読む
1(1)|地震の用語と津波の仕組み
A=震源、B=マグニチュード。Cは参照解答では地震波。
- 震源は地震が発生した地下の場所、マグニチュードは地震そのものの規模です。各地の揺れの強さを表す震度とは区別します。
- Cについて、手元の参照解答は地震波としています。ただし、地震波が海底へ届くことだけを津波の一般的な発生原因と説明するのは不十分です。気象庁の説明では、断層運動による海底の隆起・沈降が、その上の海水全体を動かして津波を生みます。空欄の参照解答と、学習すべき物理的な仕組みを分けて押さえます。
1(2)|津波を再現する実験
ウ
- 海底の急な上下変動で海水全体が動くことに対応するのは、浴槽の底側から水面へ向かって手を押し上げる操作です。
- 風を吹き付ける波は海面の動きが中心です。表面だけを動かす風波と、水の層全体を動かす津波を区別します。
1(3)|津波について正しい文
イ
- 地震の規模が大きくても、発生した場所や断層の動きによっては、津波が起こらない場合があります。
- 地震の揺れは津波より速く伝わります。津波が大きな犠牲をもたらした例もあり、高さは震源からの距離だけでなく海底や海岸の地形にも左右されます。
2(1)|地球と木星の間を通る回数
A=1回、B=1回、C=0回、D=2回
- 四枚の図を、衛星ごとに線で追います。木星の左から右へ移るだけでなく、手前を通るのか、向こう側を通るのかを区別します。
- 衛星が木星の手前へ来る通過を数え、向こう側を回った通過は含めません。Dの影が木星に見える場面は、Dが手前にあることを確かめる手掛かりです。
2(2)|見かけの大きさの変化
A=イ、C=ア
- 衛星の実際の直径は、この数日で変わりません。見かけの大きさは地球との距離で変わります。
- Aは手前へ近づいた後に遠ざかるので、大きくなった後に小さくなります。Cは期間を通じて地球へ近づく側を動き、少しずつ大きくなります。
2(3)|エウロパとガニメデ
エウロパ=B、ガニメデ=C
- 同じ期間に何度も手前を横切るDは、公転周期が短いイオです。動きのゆっくりしたAはカリストとなり、残るBとCを周期・軌道の位置で分けます。
- Bがエウロパ、Cがガニメデです。画像の一枚だけの木星からの見かけの距離を、そのまま軌道の半径と思わないようにします。
2(4)|Bが見えない理由
解答例:Bが木星の影へ入り、太陽の光を受けなくなったから。
- 衛星は自ら光る星ではなく、太陽の光を反射して見えます。木星が太陽光を遮ると、図に位置があっても衛星が暗くなります。
- 地球からの視線を木星が遮る場合と、木星が太陽光を遮る場合を区別します。この問いは後者の衛星の食です。
第2問|寄生バチと植物のにおい
この大問で学ぶこと
実験条件・比較結果・言える範囲を分ける
1|昆虫ではない生物
イ・オ・カ。ダンゴムシ・ムカデ・クモ。
- 昆虫の成体は、体が頭・胸・腹に分かれ、胸に六本の脚があります。ダンゴムシやムカデ、クモは、この体のつくりに当てはまりません。
- 小さく、陸上で動く生物をまとめて昆虫としないようにします。
2(1)|寄生の関係
イ
- ナンバンギセルは光合成をせず、ススキから栄養を得ます。一方が利益を得て、相手が不利益を受ける関係です。
- アリとアブラムシ、ホンソメワケベラと大きな魚のように、両者に利益がある例と区別します。ケイソウによる害は、本文の寄生という栄養獲得の関係とは別です。
2(2)|比較する植物として不適切なもの
エ。キャベツ。
- モンシロチョウの幼虫はアブラナ科の植物を食べ、キャベツもその仲間です。イヌガラシと同様に利用され得るため、食草との違いを調べる比較として適しません。
- 植物の大きさや花の色ではなく、幼虫の食べ物になるかという実験目的を基準に選びます。
2(3)|実験箱での配置
ア
- 二つの植物を左右に置き、寄生バチの出発位置から等距離になる配置にします。横一列で、左右の通気条件もそろえて比較します。
- 一方へ近い位置から出すと、においの好みと移動距離の影響を分けにくくなります。試したい違い以外の条件をそろえる考え方です。
2(4)|実験から言えること
ア・オ
- 実験1ではイヌガラシ73匹に対し植物A7匹で、二つを区別して選ぶ傾向が見えます。実験2では幼虫やフンを取り除いても、コナガに食べられた株へ多く寄る結果です。
- 成分の種類と割合は別です。また、成分Dの割合が食害後に一律に増えるわけでもありません。実験2の21対7などの結果があるので、二種類の食害株を区別できないとする文も選べません。
2(5)|実験者への質問の例
解答例:健全株と機械傷株を組み合わせた時は、どちらに多く止まりますか。
- 実験2では、コナガ食害株を基準にした比較だけが示されています。他の二種類を直接比べると、傷の有無やにおいの違いをさらに確かめられます。
- すでに図に示された数を尋ね直すのではなく、示されていない比較や、実験に使った個体数・繰り返し方など、結果の理解を深める質問を考えます。
2(6)|キャベツが得る利益
解答例:コナガの幼虫が寄生バチに寄生され、食害を減らせること。
- キャベツが放つにおいに寄生バチが集まり、葉を食べるコナガの幼虫に寄生します。その結果、植物側には食べられる被害を抑える利益があります。
- ハチが利益を得ることだけで終わらず、問いが求めるキャベツ側の利益へ戻して答えます。
第3問|重曹の加熱・溶解と塩酸との反応
この大問で学ぶこと
質量保存と、反応が止まる点を読み取る
1|アルカリ性になるもの
イ・エ。アンモニア・水酸化ナトリウム。
- 赤色リトマス紙を青色へ変えるのはアルカリ性の水溶液です。アンモニアと水酸化ナトリウムが当てはまります。
- 二酸化炭素を溶かした水は酸性です。食塩水は中性で、水素やでんぷんをアルカリ性の例にしません。
2|二酸化炭素の体積
2.4L
- 1L当たり1.87gなので、体積=重さ÷1L当たりの重さ=4.4÷1.87≒2.353Lです。
- 指定どおり小数第2位を四捨五入し、2.4Lとします。
3|混合物を加熱した後の重さ
54.5g
- 二酸化炭素11gは4.4gの2.5倍なので、加熱前の炭酸水素ナトリウムは16.8×2.5=42gです。残る28gはもともとの炭酸ナトリウムです。
- 42gの炭酸水素ナトリウムから、炭酸ナトリウムは10.6×2.5=26.5gできます。合計28+26.5=54.5gです。気体として二酸化炭素だけでなく水も出るため、70−11とはしません。
4|温度と溶ける量のグラフ
オ
- 炭酸水素ナトリウムは20℃で5gは溶け、10gは溶け残ります。40℃では10gが溶け、20gは溶け残ります。実線はこの範囲を通る必要があります。
- 炭酸ナトリウムは20℃で20gが溶け40gは残り、40℃では40gも溶けます。実線・点線を取り違えず、二つの物質の条件を両方確かめます。
5|塩酸で二酸化炭素が出るもの
ア・オ。石灰石・貝がら。
- どちらも炭酸カルシウムを主成分として含み、塩酸との反応で二酸化炭素を生じます。
- アルミニウムも塩酸と反応しますが、発生する気体は水素です。気体が出るものと、二酸化炭素が出るものは同じ選び方ではありません。
6|残った液を蒸発させて得る固体
エ。食塩。
- 炭酸水素ナトリウムと塩酸が反応すると、二酸化炭素と水、塩化ナトリウムが生じます。塩化ナトリウムが食塩です。
- 炭酸水素ナトリウムは十分な塩酸と反応しているので、もとの粉がそのまま取り出されるわけではありません。
7|四つの文の正誤
①×、②×、③○、④○
- ①炭酸水素ナトリウムは塩酸6mL付近で反応し終わるので、3mLでは約50%が反応しています。20%ではありません。②塩酸が少ない範囲では二つのグラフが重なり、常に二倍にはなりません。
- ③十分な塩酸での体積比を使うと、炭酸ナトリウムは1.2×0.34÷0.27≒1.51gで、指定の精度では1.5g。④炭酸水素ナトリウム4gでは0.34×4÷1.2≒1.13Lで、1L以上です。
8|直接反応する場合と加熱を挟む場合
①ウ、②ウ。どちらも約4.8L。
- 直接塩酸を加える場合、グラフの1.2g当たり約0.34Lから、16.8÷1.2×0.34=4.76Lで、最も近い4.8Lです。
- 加熱を挟む場合は、加熱中に出た二酸化炭素と、残った炭酸ナトリウムへ塩酸を加えた時に出る分を合わせます。最初にあった炭素は、最終的に同じ量の二酸化炭素になるため、合計は同じ選択肢です。後の塩酸反応だけの量と取り違えません。
第4問|輪軸・滑車とベルトの運動
この大問で学ぶこと
回す働きと、糸やベルト上の点の移動を追う
1(1)|支点・力点・作用点
エ。支点B、力点C、作用点A。
- 支点は回転の中心Bです。小さい力で重い物を支えるには、中心から遠い大きな輪のCに力を加え、小さな輪のAに荷重をかけます。
- 力の大きさ×中心からの距離で、左右の回す働きを比べます。
1(2)①|追加するおもりを最少にする
オに1個、カに1個。
- ウの半径は2cmで7個なので、左へ回す働きは2×7=14です。右側の半径6cmと8cmへ一つずつ付けると6+8=14でつり合います。
- 一つのおもりで作れる最大の働きは8なので、14に届きません。二つでできるため、これが最少です。
1(2)②|三個追加する全ての方法
ウに1個・カに2個。エに1個・オに2個。
- 左側へ追加すると、その分を右側でさらに支える必要があります。ウに一つとカに二つなら、右の16から左の2を引いて14です。
- 右側だけなら、エの2とオの6を二つで2+6+6=14。六か所へ三個を分配する全組み合わせを調べると、この二通りです。
| 方法 | 右の働き | 追加した左の働き | 差 |
|---|---|---|---|
| ウ1・カ2 | 8×2=16 | 2 | 14 |
| エ1・オ2 | 2+6×2=14 | 0 | 14 |
2(1)①〜③|荷物が30cm上がる時の印
①高さ不変:A・B。②30cm上昇:C・E。③60cm上昇:D。
- 動滑車を支える二本の糸がそれぞれ30cm短くなるので、端Jは60cm下がります。固定された側の直線部分にあるA・Bは動きません。
- 滑車の円周は60cmで、半周は30cmです。Cは動滑車の左側から半周分を回って、30cm上がった右側へ来ます。Dは上の滑車へ向かう直線部分を60cm上がります。Eは上へ30cm進み、定滑車の半周30cmを回って反対側へ来るので、最初より30cm高い位置です。
2(1)④|引き始めの速さ
荷物:毎秒2.5cm、点E:毎秒5cm。
- 端を毎秒5cm引くと、二本で支えられる動滑車と荷物はその半分の毎秒2.5cmで上がります。
- Eは引き始めには定滑車へ向かうまっすぐな糸の上にあり、糸に沿って毎秒5cmで動きます。滑車を回る途中の鉛直方向の速さと混同しません。
2(2)①|半回転後の印
点A=イ、点H=ケ
- 半回転は、車輪の半周分だけベルトが動くことに対応します。図ではその長さが3cmなので、ベルト上の印が一つ先の印の位置へ進みます。
- 下側のAは車に対して右へ進み、図6のイへ来ます。上側左端のHは左の半円を回って下側へ来るのでケです。
2(2)②|模型が進んだ距離
3cm
- 車輪とベルトは滑らないので、半回転で進む長さは車輪の半周と同じです。図の印の間隔から、半周は3cmです。
- ベルトの上側の点が地面に対して進む長さと、車体の進む長さを区別します。
2(2)③|二つの人形の速さ
P:毎秒1cm、Q:毎秒2cm。
- 車体は3秒で3cm進むので、車上のPは毎秒1cmです。上側のベルトは、車体に対して進行方向へ同じ毎秒1cmで動きます。
- したがってベルト上のQは、地面から見ると1+1=毎秒2cmです。どの物を基準にした速さかをそろえて足します。
解き直しの進め方
資料では、示された事実と、まだ実験しないと分からないことを分けましょう。化学は、残る固体と出ていく気体の両方を数えます。運動は、支える糸の本数だけでなく、滑車の周りを通過する印や、車体を基準にした速さを追って解き直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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