2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
女子学院中学校・2025年度 入試 国語
2025年度の女子学院中学校・国語を、全3大問から18項目に整理して解説します。星野道夫氏のオオカミと多様性をめぐる文章、標野凪氏のカフェを舞台にした物語、漢字五問を扱います。記述は進塾独自の解答例です。原文を転載せず、因果関係と、人物の気遣いを答案へまとめる手順を説明します。
第1問|オオカミと多様性
この大問で学ぶこと
人間の先入観と、実際に調べて分かったことを分ける
問一|筆者の中のオオカミの印象
ウ
- 存在するとは知っていても、物語の中だけにいるように感じ、実際に自分が出会えるとは考えていなかった生き物です。
- 絶滅して現在は存在しないと思っていた、という説明ではありません。知識として知ることと、現実の出会いとして感じることの差を捉えます。
問二|慣用句の空欄
から
- もぬけのからは、中にいるはずの者がいなくなり、空になっていることです。巣へ来た時、オオカミや子どもたちは去っていました。
- ひらがな二字という指定に合わせます。空の巣を見た事実が、後の筆者の申し訳なさへつながります。
問三|土足で踏み込むの意味
イ
- 相手のことを考えず、相手にとって大切な領域へ入り込んでしまうことです。筆者がオオカミの子育ての場所へ近づいた出来事に当てはまります。
- 相手の物を奪うことだけや、勢いのある行動だけを意味するのではありません。配慮を欠く侵入という意味を押さえます。
問四|筆者の苦い思い
解答例:自分が気付かずに子育て中のオオカミの生活域へ入り込み、安全に暮らせたはずの巣から親子を追い立てることになったと、申し訳なく感じている。
- 筆者は珍しい動物を見たい、撮りたいと思って近づきました。しかし、オオカミにとっては侵入者から家族を守る必要があったのです。
- 写真を撮れなかった残念さではなく、自分の行為を相手の立場から捉え直した悔いを説明します。
問五|ムースの状況を見るとは
ムースの個体群が増えるかを観察すること。
- ムースを増やしたいという事情からオオカミが駆除され、その後、数が回復するかを調べる状況です。
- ムースがいるかどうか、何を食べているかという一般的な観察にとどめず、個体群の増減へ具体化します。
問六|オオカミの駆除へ至る過程
A=バイソン。B=食物がなくなった。C=家畜を襲い始める。D=悪魔のイメージ・伝説が復活。E=狂ったようにオオカミを殺し続ける。
- まず人間がバイソンを大量に捕獲します。それまでの食べ物を失ったオオカミが家畜を襲い、人間との対立が深まります。
- 人間の利益に反する行動が、以前からの恐ろしいイメージと結び付き、過剰な駆除へ進みました。原因の最初に、人間が獲物を減らした行為があることを落とさないようにします。
| 順序 | 起きたこと |
|---|---|
| 1 | 人間がバイソンを大量に捕獲 |
| 2 | オオカミの食べ物が減る |
| 3 | 家畜を襲い、人間と対立 |
| 4 | 恐ろしい伝説と結び付く |
| 5 | 人間が過剰な駆除へ進む |
問七|筆者が皮肉だと感じたこと
解答例:ムースを増やすためにオオカミを殺したのに、数を左右する主な要因はグリズリーだと後に分かり、役に立つと思った対策のために、多くのオオカミの命がすでに失われていたこと。
- 期待した結果と、実際の調査で分かったことのずれを説明します。単にオオカミが減って悲しいという感想ではありません。
- 調べる前の思い込みに基づく対策が、取り返しのつかない結果を生んだ点を、予想と現実の対比でまとめます。
問八|人間社会で必要なもの
文化の多様性
- 本文の六字を抜き出します。いろいろな食べ物が体を支えるように、異なる文化や考え方が思考を豊かにするというつながりです。
- 生物の多様性と同じ語を写すのでなく、問いが人間の精神の健康へ話を移していることを確認します。
問九|袋小路へ追い込まれるとは
ア
- 異なる価値観を否定すると、問題を解くための見方や選択肢を失い、結果として自分たち自身の生存や将来を危うくします。
- 他者を尊重するのは、相手のためだけではありません。自分たちの思考が行き詰まらないためにも必要だという論理を読みます。
問十|オオカミのまなざしが教えること
イ
- 人間が直接知り、利用している世界はごく一部です。直接関わらない場所にも多様な命が暮らしていると意識することの大切さを筆者は感じています。
- 生物を人間にとって役立つかだけで判断する読みや、人間と他の生物は本来対立するという読みとは異なります。
第2問|作品と贈り物に込めた思い
この大問で学ぶこと
仕事の信念と、相手を思って選ぶ行為を読む
問一|柚子の形の饅頭
1=本物の柚子。2=そっくり(リアル)。
- 見た目だけでなく、食べると柚子の香りもするという描写が、本物に似ているという感想を支えます。
- それぞれ五字以内の指定です。一つ目は何と間違えそうか、二つ目はどのような見え方かを答えます。
問二|可奈が驚いた言葉
イ。自分で。
- 緋桜が自分で店へ買いに行ったという点に驚きます。仕入れを他人任せにしないという、仕事への向き合い方が表れる言葉です。
- 今朝という時刻や、買いに行くという動作だけでなく、誰が行ったかに注目します。
問三|可奈のはっきりした態度
ウ
- 可奈は、効率や販売数より、使う相手と向き合い、自分の信念に沿って作品を作ることを大切にしています。
- 他人に負けたくないという競争心や、自分だけにしか作れないという優越感を中心にした説明ではありません。静かな語り方の奥にある、譲れない誇りを読みます。
問四|緋桜の言いよどみと気遣い
(1)ア。(2)の例:自分は都子から贈られた品を使っており、可奈と直接話して選んだわけではない。それが、使う人の生活や癖を聞いて、その人に合う物を作りたい可奈の信念に合わないのではと気にしている。
- 言いよどむは、話しかけたもののためらって先を言えない状態です。緋桜は自分の品が作品なのかと問いかける前に、可奈を不快にしないかを気遣っています。
- 可奈の作り方への理解→自分のポーチの入手方法→それが信念に沿うかという心配、の順に整理します。品が気に入らないという不満に変えないようにします。
| 人物 | 大切にしていること |
|---|---|
| 可奈 | 使う人を理解して作品を作る |
| 都子 | 緋桜を思い浮かべて品を選ぶ |
| 緋桜 | 可奈の信念を尊重し、贈り物の意味を考える |
問五|れるの働き
エ。A・Bは同じ尊敬、Cは受け身。
- Aの選ばれる、Bの悩まれるは、贈り物を選ぶ人の行為へ敬意を表しています。選ぶ・悩むのはその人自身です。
- Cの喜ばれるは、品物が相手に喜んでもらう対象になる受け身です。同じ形でも、誰が何をするかを元の文に戻して区別します。
問六|選ぶ行為が贈り物になる理由
エ
- 相手に喜んでほしくて、使う場面や好みを想像し、迷いながら選ぶ心遣いそのものが相手へ届くからです。
- 品物の値段や、特別な記念日であることだけが価値ではありません。都子が緋桜を思って選んだことと、可奈の仕事の信念がここでつながります。
問七|わたくしの正体
解答例:緋桜のカフェを見守る桜の木
- 十字以上十五字以内です。冒頭の、葉を落として季節を過ごすという語りと、カフェで人々の様子を見守る視点をつなげます。
- 人間の店員ではなく、桜の木が語り手です。本文の情景から確認できる正体を、場所と対象を含めて簡潔に書きます。
第3問|文脈に合う漢字
この大問で学ぶこと
熟語の意味と送り仮名を確かめる
1〜5|漢字五問
1=看板、2=待機、3=収拾、4=快挙、5=耕
- 看板を守るは店の名や信用を守る文脈です。待機は待つこと、収拾は混乱した事態をまとめること、快挙は喜ばしい大きな成果を表します。
- 心を耕すという比喩では、土地を耕す漢字を用います。収拾と、資料を集める収集を区別します。快挙は、喜ばしく気持ちのよい成果という意味から、快いの快を用います。
解き直しの進め方
説明文では、人間の予想と、後の調査で分かった事実を分けて読みましょう。物語文では、誰の仕事の信念を、誰がどう受け止めたかを整理します。文法は同じれるの形でも、動作の主体と対象を確かめ、抜き出し・字数の条件も含めて解き直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
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