2025年1月24日
算数から数学へ!中高一貫校受験で身につけたい思考力
目次
導入:算数から数学へのステップアップの重要性

算数は主に「計算力」と「具体的な思考」を鍛えるものですが、数学では「抽象的な思考」や「論理的な構造」を扱うようになります。中高一貫校では、早い段階でこの数学的な思考力が求められます。本記事では、算数から数学へスムーズに移行するために必要な力や、中高一貫校で求められる数学力について詳しく解説します。
算数から数学へ移行する際の壁とは?

算数と数学には、思考プロセスやアプローチの違いがあります。主な「壁」として以下が挙げられます。
算数では、りんごやみかんのように具体例を使った解法が一般的ですが、数学ではそれらを抽象化して「x」や「y」といった記号で考えます。この変化に慣れるのが最初の難関です。
算数では答えが合っていれば評価されますが、数学では「なぜその答えになるのか」を説明できる力が求められます。たとえば、三角形の内角の和が180度である理由を証明するような問題がその例です。
算数の問題は比較的短時間で解けるものが多いですが、数学では時間をかけてじっくり考える必要があります。この「粘り強さ」を育てることが成功への鍵です。
中高一貫校の数学カリキュラムの特徴

中高一貫校では、高校内容を早い段階で学び始める先取り学習が一般的です。このため、基礎をしっかり固めながら応用力を伸ばす必要があります。
通常の公立中学校と比べて、1~2年先の内容を学ぶため、予習や復習が重要です。たとえば、中学3年生の段階で高校数学の「二次関数」や「三角比」に触れる学校もあります。
中高一貫校の授業では、標準的な問題に加え、入試レベルの発展問題も扱います。これにより、数学的な思考力と応用力を磨くことができます。
数学の「証明問題」や「文章題」を通じて、論理的な説明力を高める教育が重視されます。
算数力を活かした数学へのアプローチ

算数で培った力は、数学学習の基礎になります。これをうまく活用することで、数学への移行がスムーズになります。
算数で身につけた計算力を活かし、数学の複雑な式変形にも対応できる力を鍛えます。たとえば、分数の計算力は因数分解や方程式の解法で役立ちます。
算数で学んだ図形感覚を基に、数学の「証明問題」や「座標平面」での図形問題に取り組みます。たとえば、三角形の面積公式を座標を使って証明する学習に繋げます。
身近な事例を使って数学の抽象的な概念を学びます。たとえば、「買い物の合計金額の計算」を、関数や方程式で表現する練習をすることで、数学的な抽象化の力が身につきます。
算数と数学の違いと解決案

算数と数学では、考え方・アプローチに様々な違いがあります。ここでは代表的な4つの例と、それぞれの解決案を一覧にまとめました。
主な違いと解決法
- 1. 割合の計算から関数の考え方へ
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- 算数のアプローチ
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商品Aが30%引きで販売されている場合、割引後の価格を計算する。
例:1000円の商品を30%引き → 1000 × 0.7 = 700。
- 数学での解決案
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割引率を変数 x として、一般化した式を作る練習をする。
解決法:割引後の価格は 1000(1 - x) のように表現し、どの割引率でも計算が簡単になる。
- 2. 図形問題から証明問題へ
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- 算数のアプローチ
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三角形の面積を公式(底辺×高さ÷2)を使って計算する。
例:底辺6cm、高さ4cm → 6×4÷2 = 12。
- 数学での解決案
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公式が成り立つ理由を図や座標を使って説明し、公式の背景を理解する。
解決法:座標上に三角形を描き、(0,0), (6,0), (0,4) などを設定して確かめる。
- 3. 文章題から方程式へ
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- 算数のアプローチ
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3つの数字の合計が50になるとき、1つが10、もう1つが15のとき、残りを計算する。
例:50-10-15=25。
- 数学での解決案
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方程式を立てて問題を解く練習をする。
解決法:3つの数を x, y, z と置き、x + y + z = 50 のように式にする。
- 4. ミスを許容し、論理的な検証を行う
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- 算数のアプローチ
- 計算の結果が合っていればOKというケースが多い。 (ミスチェックは主に計算間違いの補正)
- 数学での解決案
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「なぜそうなるのか」を論理的に検証する。
解決法:証明問題で仮定と結論を再確認し、不足ステップを埋める作業に慣れる。
上記以外にも多くの違いが存在しますが、基本的には「なぜそうなるのか」を丁寧に説明する姿勢が大切です。
算数と数学を超えて共通する「考える力」

算数と数学には違いが多くありますが、共通する力も存在します。本質的には「問題解決力」や「思考力」を身につけることが重要で、これは受験に限らず社会に出てからも大いに役立ちます。
解き方がわからない問題に直面しても、どのようにアプローチすればよいのかを試行錯誤する力は、算数・数学の両方で欠かせません。ポイントは、まず問題の前提条件やゴールを正確に把握し、自分なりに仮説を立てながら検証することです。
難しい問題や時間のかかる問題にも諦めずに向き合うことで、思考力は飛躍的に伸びます。算数では比較的短時間で解決できる問題が多い一方、数学では複数のステップを積み重ねる必要があります。粘り強く取り組む姿勢は、問題を深く理解し、より洗練された解き方を学ぶ上でも重要です。
「公式を丸暗記する」だけでは応用が利きません。たとえば面積公式や計算式など、なぜその式が成り立つのかを自分で考え、別の問題に応用できるようにしておくことが大切です。答えを導くだけでなく、導き方の過程を振り返ることで着実に力がつきます。
自分の考えを整理するために、図や表、メモなどを活用して思考プロセスを「見える化」するのも効果的です。文章題や幾何の証明などでは、手順を順序立てて書き出してみると、自分の理解度が客観的に把握しやすくなります。
算数や数学の問題には、必ずしも1つの解法だけが存在するわけではありません。別の解き方を考えてみると新しい発見があったり、より簡単な方法が見つかったりすることもあります。さまざまなアプローチを試す姿勢が、真の「考える力」を養う鍵です。
中高一貫校で伸びる生徒の特徴

中高一貫校で数学の力を伸ばす生徒には、「自主性」「粘り強さ」「柔軟な発想」という3つの共通点があります。それぞれ具体的な行動と、それを促す方法について解説します。
・具体的な行動例:
- 授業で学んだ問題を家で再度解き直し、自分の理解を深める。
- 解答集を見る前に、自分の間違いをじっくり考える。
- 授業で出なかった応用問題に自発的に挑戦する。
・自主性を促す方法:
- 学習計画を一緒に立てる。
- 小さな成功体験を積ませる。
- 親や教師の声かけを行う。
・具体的な行動例:
- 時間をかけて問題を解き直し、正解にたどり着くまで繰り返す。
- 分からない部分をそのままにせず、調べたり質問したりして解決する。
- 問題が解けないとき、他の解き方を試したり、図や表を書いて状況を整理する。
・粘り強さを促す方法:
- 時間を与える。
- 失敗を肯定する。
- ヒントの与え方を工夫する。
・具体的な行動例:
- 一つの問題に対して複数の解き方を試す。
- 解けない問題を「分解」し、小さなステップに分けて取り組む。
- 似た問題を参考に、自分なりの方法を考える。
・柔軟な発想を促す方法:
- 別の解き方を提案する習慣をつける。
- オープンな問題を与える。
- 発想を褒める。
まとめ:算数から数学への移行を楽しもう

算数から数学への移行は、難しい反面、学びの喜びを感じられるプロセスです。算数で培った基礎を活かしながら、数学では「論理的に考える力」を身につけることで、成績だけでなく、考える楽しさを実感できます。この移行を楽しみながら取り組むことで、大きな成長につながります。
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