2026年11月5日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
青山学院中等部・2026年度 入試 社会
東北の自然と産業、米と政策、江戸の防災、美術、歴史年表、関税と参院選を扱います。資料から導けることと、制度や年代の知識を使う部分を分け、全設問の根拠を解説します。
このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。
第1問|東北地方の自然・農業・伝統
この大問で学ぶこと
地図と等高線から地域の特徴を読む
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1〈Ⅰ〉 河川A
最上川
- 山形県の内陸部を流れ、日本海側の庄内平野へ注ぐ川は最上川です。河口の位置と、流域が主に山形県にあることを手がかりにします。
問1〈Ⅱ〉 最上川流域の平野・盆地
ア・カ
- 庄内平野と米沢盆地が最上川流域です。横手盆地は雄物川、津軽平野は岩木川、越後平野は信濃川など、北上盆地は北上川と対応します。
- 県名だけでなく、上流の盆地から下流の平野へのつながりで覚えましょう。
問2〈Ⅰ〉 経緯度が10度単位で交わる地点
エ(北緯40度・東経140度)
- 秋田県大潟村に北緯40度・東経140度の交会点があります。図のBは八郎潟の干拓地付近です。
- 北緯と東経の数字を逆にしないようにし、30度・130度の選択肢が東北地方には合わないことも確かめます。
問2〈Ⅱ〉 地点Bの標高
ア(0mに最も近い)
- 大潟村は八郎潟を干拓した低い土地で、海面とほぼ同じ高さ、または海面より低い部分があります。0・50・100・150mの中では0mが最も近くなります。
- 海岸に近いという理由だけではなく、もと湖だった干拓地という成り立ちが根拠です。
問3 世界自然遺産の森林の樹種
イ(ブナ)
- 青森県と秋田県にまたがる白神山地は、広大なブナの天然林で知られます。ヒバの林や人工のスギ林と区別します。
問4 青森市・八戸市と新幹線
ア
- 青森市は陸奥湾の南側、八戸市は県南東の太平洋側です。東北新幹線から新青森を経て北海道方面へ向かう路線は、下北半島の東側ではなく津軽半島側へ進みます。
- 都市の位置と路線の両方を満たすアを選びます。線の形だけ、都市名だけで判定しないようにします。
問5 東北の夏の行事に当たらないもの
ウ・オ
- なまはげは秋田の大みそかなど冬の行事で、阿波踊りは徳島県の行事です。どちらも「東北の夏」という条件を満たしません。
- 竿燈、ねぶた、花笠、さんさ踊りは、東北地方の夏の祭りと対応します。季節と地域の二つの条件で分けましょう。
問6〈Ⅰ〉 扇状地の等高線
ウ
- 山地の谷では等高線が高い側へ入り込みます。谷を出て土砂が扇形に広がる部分では、低い側へ弧を描いて張り出す形になります。
- ウは谷の形から、下流側の同心円状に近い弧へ変わっています。高低を示す矢印を確認してから、曲がる向きを判定します。
問6〈Ⅱ〉 果物の収穫時期の順
オ
- 東北の主産県での中心的な収穫時期は、おうとうが初夏、ももが夏、りんごが秋です。4月から翌3月の順では、おうとう→もも→りんごとなります。
- 山形のおうとう、福島のもも、青森のりんごを、産地と季節の組で整理します。
問7 火山の分布
イ
- 資料は、海溝に近い太平洋側には火山がなく、沈み込むプレートが一定の深さに達する所より陸側に火山が分布すると説明しています。
- イは奥羽山脈付近とその西側に分布し、岩手・宮城などの太平洋沿岸側に火山を置いていません。資料にない太平洋側へ印が広がる図を除きます。
問8〈Ⅰ〉 伝統的工芸品の指定
エ(経済産業省)
- 法律に基づく伝統的工芸品の指定を行うのは経済産業大臣です。選択肢では経済産業省を選びます。農林水産物や文化財の制度と区別しましょう。
問8〈Ⅱ〉 工芸品の説明で誤るもの
ア・オ
- 東北の工芸は、冬の農閑期に地域で行う副業などとも結び付いてきました。「出稼ぎ労働者による生産」とするアは、その説明として適切ではありません。
- 交通網の整備から直ちに労働者が増え、後継者不足が解消したとするオも誤りです。安価な量産品との競合、生活様式の変化、担い手不足などを分けて理解します。
第2問|米と制度・歴史・冷害
この大問で学ぶこと
同じ米でも制度と自然条件を分けて考える
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1 土地を配る法
班田収授法
- 戸籍などをもとに、6歳以上の男女へ口分田を配り、一定の条件で返させる制度は班田収授法です。
- 土地を私有として永く認める墾田永年私財法と混同しないようにします。
問1 改革を進めた人物
ア(中大兄皇子)
- 大化の改新を進めた中大兄皇子を選びます。のちの天智天皇です。大海人皇子はのちの天武天皇で、壬申の乱と対応します。
問2 米の量が2番目に多い単位
イ(1俵)
- 一般的な換算では1石=10斗、1俵=4斗、1升=1/10斗、1合=1/10升です。大きい順に1石→1俵→1升→1合となります。
- 2番目は1俵です。米の重さに直す場合には目安や時代差がありますが、この選択肢の大小関係は変わりません。
問3〈Ⅰ〉 第一次世界大戦の同盟国と宣戦相手
①オ(イギリス)/②ク(ドイツ)
- 日本は日英同盟を背景に参戦し、ドイツへ宣戦しました。のちの第二次世界大戦の日独伊三国同盟と逆にしないようにします。
問3〈Ⅱ〉 出兵先と、次に組閣した人物
ア(シベリア・原敬)
- 米の買い占めを加速させた背景の一つは、シベリア出兵への見込みです。米騒動で寺内正毅内閣が退いた後、原敬が内閣を組織しました。
- 山東半島での第一次世界大戦の戦闘と、1918年のシベリア出兵を区別しましょう。
問4 やませの時期と風向
時期:イ/風向:カ
- やませは主に夏の6〜8月に、東北地方の太平洋側へ吹く冷たく湿った北東風です。稲の生育や開花期に低温が続くと冷害につながります。
- 冬の北西の季節風と取り違えないようにします。
問5〈Ⅰ〉 生産調整の政策名
減反
- 主食用米の作付けを減らして供給を調整する政策を減反といいます。2018年産から行政による生産数量目標の配分が廃止されたことと結び付けます。
問5〈Ⅱ〉 廃止後も生産へ影響する仕組み
ア
- 飼料用米などへの転作を助成する仕組みが続けば、主食用米を作るか別の作物へ移るかの判断に影響します。
- 行政が数量目標を配る制度の廃止と、農業への助成がすべてなくなることは同じではありません。この設問はその区別を問うています。
問5〈Ⅲ〉 生産抑制の理由で誤るもの
エ
- 供給を抑える政策を、主食用米の価格を下げて消費者が安く買えるようにするためと説明するのは逆です。供給過剰を抑え、価格と生産者収入を支えることが目的に含まれました。
- 食生活の変化や人口減少に伴う需要の減少と、供給・価格の関係を整理します。
第3問|江戸の火消しと防災
この大問で学ぶこと
道具の役割と支援のマークを見分ける
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1 1718年の将軍
ウ(徳川吉宗)
- 1718年は8代将軍徳川吉宗の時代で、享保の改革と対応します。大岡忠相による江戸の町政とも結び付けます。
問2 火消しと夜回りの道具
ア
- 図1の高く掲げる道具は、組の目印となるまといです。図2の木を打ち合わせる道具は、夜回りなどに使う拍子木です。
- はんてんは着るもの、家を壊すときなどに使う長い道具はとび口で、役割が異なります。
問3 聴覚障害への配慮を示すマーク
エ(耳マーク)
- 耳を図案化したエは耳マークで、聞こえにくさへの配慮や、伝え方を工夫する必要があることなどを表します。
- アのヘルプマーク、イの車いすの国際シンボルマーク、ウの視覚障害に関する表示と区別します。
第4問|造形と日本美術の海外への影響
この大問で学ぶこと
作品の特徴と作者の組み合わせを確かめる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1 縄文のビーナス
ウ
- 長野県茅野市の棚畑遺跡から出土した、丸みのある体と顔・頭部の特徴を持つ土偶がウです。縄文時代の土偶で、古墳時代の埴輪とは時代も用途も異なります。
問2〈Ⅰ〉 ゴッホが模写した作品
イ
- 橋を渡る人々と斜めの雨線を描いた「大はしあたけの夕立」がイです。ゴッホはこの浮世絵をもとに油彩画を描きました。
- 大波が描かれた別の有名作品と、雨の橋の構図を区別して観察します。
問2〈Ⅱ〉 その作者
キ(歌川広重)
- 「大はしあたけの夕立」は歌川広重の作品です。葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」と作者を入れ替えないようにします。
問3 東京美術学校の設立に関わった人物
ア(フェノロサ)
- 日本美術の価値を評価し、岡倉天心らとともに美術教育の整備へ関わったフェノロサです。
- モースは大森貝塚、クラークは札幌農学校、シーボルトは長崎での医学教育などと対応させます。
第5問|世界史と日本史の年表
この大問で学ぶこと
基準年の間に出来事を置く
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1 北条時宗・元寇・永仁の徳政令の順
イ
- 北条時宗の執権就任は1268年、元寇は1274年と1281年、永仁の徳政令は1297年です。X→Z→Yの順になります。
- 年表の1271年だけを見てすべてをその前後へ置かず、それぞれの年代を確認します。
問2① ノルマントン号事件
F
- 1886年の事件なので、1871年の使節団派遣と1917年のロシア革命の間、Fです。領事裁判権など条約改正の課題と結び付けます。
問2② 4人の少年のローマ派遣
D
- 天正遣欧使節は1582年に出発し、1543年の鉄砲伝来と1776年のアメリカ独立宣言の間に入ります。したがってDです。
問2③ 伊能忠敬の測量開始
E
- 伊能忠敬が測量を始めたのは1800年で、1776年と1871年の間のEです。近代的な実測の日本地図と江戸時代後期を結び付けます。
第6問|関税・選挙・平和の時事
この大問で学ぶこと
制度の主体と資料の論理を確認する
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
問1〈Ⅰ〉 関税をかける主体と対象
ウ
- この設問での関税は、輸入する国の政府が輸入品にかける税です。輸出国が相手国へ直接請求する税ではありません。
- 実際の納付は輸入者などが行う点と、制度を設ける国がどちらかという問いを分けます。
問1〈Ⅱ〉 関税の影響
イ・ウ
- 輸入品に税が上乗せされると、その国での価格競争力が下がり、相手の輸出が減る方向に働きます。また徴収した税は関税をかけた国の政府の収入です。
- 税率と輸入量の変化によって実際の税収は変わりますが、この問題では輸出側の数量への影響と、税の帰属先を判定します。
問2〈Ⅰ〉 2025年の参院選で125人が当選した理由
エ
- 通常の改選124議席に加え、東京都選挙区の非改選の欠員1議席の補欠選挙が一緒に行われたためです。合計125議席となりました。
- 参議院の定数全体が125人という意味ではありません。任期6年・3年ごとに半数改選という基本と、今回の補欠分を分けて考えます。
問2〈Ⅱ〉 多くの政党が存在する長所と短所
長所:ア/短所:オ
- 長所は多様な意見や要望を政治へ反映しやすいこと。短所は、連立や合意形成が必要になり、意見をまとめるのに時間がかかりやすいことです。
- 政党数が増えることと、議員の定数や独裁政治への移行を直接結び付けないようにします。
問3 広島県知事のスピーチの空欄
イ(X:抑止/Y:ソフトパワーや外交)
- 「破られて戦争になる」「武力の均衡のみではない」という前後から、Xは抑止です。Yは軍事以外の働きかけであるソフトパワーや外交となります。
- 同じ語が入るすべての箇所へ候補を当てはめ、文章全体がつながるか確かめます。話者の主張を読む設問であり、別の政治的意見を代わりに答える問題ではありません。
解き直しの進め方
東北の地名は流域・地形・産物を結び付け、歴史は年表の区切りへ具体的な年を置いて復習します。時事は2025年の出来事を扱った2026年度入試の問題として、制度の主体と数の内訳を確認しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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