2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
広尾学園中学校・2024年度 第1回 社会
広島の地形図や漁業統計、日韓関係史、SDGsと政治制度、資料を使う論述を解説します。選択肢の断定表現や、表の数値が何を基準にしているかまで確かめます。
第1問|広島の地形・工業・漁業
この大問で学ぶこと
地図記号と、統計の変化を根拠にする
問1 尾道の新旧地形図
ク:Ⅰ誤・Ⅱ誤・Ⅲ誤
- 造船所の表示は残っており、全て閉鎖したとは読めません。橋は増えていますが、渡船所の表示は減っています。
- 住宅地が広がった場所でも果樹園の記号は残ります。「全て」「減っていない」「見られなくなった」という強い断定を、地図の実際の表示に照らします。
問2 瀬戸内工業地域のグラフ
イ
- 鉄鋼などの金属、石油化学、自動車・造船などの機械が組み合わさる構成を選びます。
- 機械の割合が突出する東海・関東内陸、化学の割合が大きい京葉と比較します。業種構成と出荷額の両方が手掛かりです。
問3-i 広島の代表的な養殖品
かき
- 収穫量の58%を広島が占め、宮城・岡山が続くAはかきです。ひらがなという指定にも合わせます。
問3-ii ぶり類とほたてがい
エ:ぶり類C、ほたてがいB
- ぶり類は鹿児島・愛媛・大分など比較的暖かい海、ほたてがいは青森・北海道の冷たい海が中心です。
- Dは北海道・岩手中心のこんぶ類、Eは長崎などのくろまぐろと照合できます。
問3-iii リアス海岸の成り立ち
ア:F河川、G太平洋側
- 河川の侵食でできた谷が水没し、入り組んだ海岸になります。東北では三陸の太平洋岸が代表です。
- 氷河の侵食でできた谷が沈んだフィヨルドとの違いを整理します。
問3-iv 遠洋漁業の推移
エ
- 1970年代前半まで増え、その後大きく減少した線です。各国の200海里の漁業水域設定や国際規制などが背景にあります。
- 縦軸は1965年を1とした比であり、線の上下が漁獲量の絶対順位を表すわけではありません。
問4-i 3市の雨温図
イ:広島Ⅰ、札幌Ⅲ、仙台Ⅱ
- 札幌は冬の気温が0℃を下回り、梅雨の山が明瞭でないⅢ。広島は夏の気温が高いⅠ、仙台は比較的涼しい夏と秋の降水が見られるⅡです。
問4-ii 県内の世界遺産
オ:広島Ⅲ、北海道Ⅰ、福岡Ⅱ
- Ⅲは厳島神社、Ⅰは北海道・北東北の縄文遺跡群に関わる遺跡、Ⅱは三池炭鉱の施設です。
- 市そのものにあるかではなく、その市が属する道県にある遺産を選ぶ点を読み落とさないようにします。
第2問|日本と朝鮮半島の関係史
この大問で学ぶこと
交流・対立・制度を時代ごとに整理する
問1 人物・地名・戦争
A足利義満、B対馬、C日露、D佐藤栄作
- 義満の時代に朝鮮王朝と国交を開き、対馬の宗氏が交流を仲介しました。
- 日本は日露戦争後に朝鮮半島への支配を強めます。1965年の日韓基本条約は佐藤栄作内閣の時代です。
問2 古代史料の年代順
ア→ウ→エ→イ
- アは好太王碑の時代で4世紀末〜5世紀初め。ウは倭の五王の武、エは6世紀の仏教伝来、イは663年の白村江の戦いです。
- 仏教伝来の年には複数の説がありますが、この並び順には影響しません。
問3 渡来人の文化の説明の誤り
ウ
- 埴輪は古墳に並べる土製品であり、豊作を祈る大陸の祭りが伝わってできた、という結び付けが誤りです。
- 須恵器、製鉄、養蚕・機織りなどは、朝鮮半島から渡来した人々の技術と結び付きます。
問4 奈良時代に関係が悪化した理由
対等
- 日本側は新羅を朝貢する立場と見ていましたが、新羅は対等な国交を求めました。
- 贈り物の呼称や国号の扱いをめぐる対立から、資料の背後にある外交上の立場の違いを読みます。解答欄には漢字2字で入れます。
問5 地図にない中世の港
エ:大輪田泊
- 地図の瀬戸内側の点は堺の付近で、大輪田泊の位置ではありません。大輪田泊は現在の神戸付近です。
- 十三湊・博多・敦賀なども、海岸線と現在の都道府県を重ねて確認します。
問6 朝鮮出兵に伴う技術の影響
エ:焼き物
- 朝鮮半島から連れて来られた陶工の技術などが、九州をはじめとする焼き物の発達に影響しました。
- 写真の琵琶・漆工芸・三味線と区別します。陶工の移動には強制的な連行も伴った歴史を押さえます。
問7 明治の制度の誤り
イ
- 徴兵を終えた男性全員に選挙権が与えられたわけではありません。最初の衆議院選挙は年齢・性別・納税額で選挙権が制限されました。
- 兵役と選挙権を交換する制度ではない点が誤りです。
問8 朝鮮戦争の影響の誤り
オ:誤っているものはない
- 特需、警察予備隊の設置、日米安全保障条約、サンフランシスコ平和条約はいずれも朝鮮戦争とその時期の東アジア情勢に関係します。
- 問題は誤りがない場合オとする指定です。必ずア〜エのどれかを選ぶと思い込まないようにします。
第3問|SDGsと政治・社会保障
この大問で学ぶこと
国際機関・権利・請求手続の区別
問1 開発の理念
持続可能
- 現在だけでなく将来の世代も暮らしていけるよう、環境・社会・経済を合わせて考える言葉です。漢字4字で答えます。
問2 安全保障理事会の正しい説明
ア・エ
- 常任理事国は米・中・露・英・仏。実質事項では、常任理事国1か国の反対で決議が成立しない場合があるため、14か国賛成でも否決されます。
- 日本は非常任理事国の経験があります。必要な賛成は単なる過半数ではなく9理事国で、常任理事国の棄権は通常拒否権の行使とは扱いません。
問3 社会保障の分類の誤り
イ
- 生活保護は社会福祉ではなく公的扶助に分類します。社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生の4つを分けましょう。
- 社会保険は保険料をもとに病気・老齢などへ備える仕組み、公的扶助は生活に困窮する人の最低限度の生活を保障する仕組みです。
問4 公共交通のターゲットが属する目標
エ:目標11
- 全ての人が安全で利用しやすい交通を使えることは、住み続けられるまちづくりに関係します。
- 女性という語だけで目標5、交通のエネルギーだけで目標7と決めず、記述全体の中心を捉えます。
問5 地方自治の説明の誤り
ウ
- 議会の解散請求は、原則として有権者の3分の1以上の署名が必要です。50分の1は条例の制定・改廃請求の基準です。
- 大規模な自治体の解散・解職請求では、人数に応じた特例の算定があります。ここでは50分の1との混同を見抜きます。
問6 教育を受ける権利と同じ分類
ア:勤労の権利
- 教育を受ける権利と勤労の権利はいずれも社会権です。国の積極的な働き掛けによって生活を保障する側面を持ちます。
- 思想・良心や学問の自由は自由権、参政権は政治に参加する権利です。
問7 日本の経済成長率のグラフ
イ
- 1950年代後半〜1973年は高成長、石油危機後は成長率低下、1990年代以降は低成長やマイナス成長も見られます。
- 2009年の世界金融危機や2020年の感染症拡大による落ち込みも手掛かりです。GDPの額そのものと、前年からの増減率を区別します。
問8 司法制度の説明の誤り
ア
- 違憲審査権は最高裁だけでなく、具体的な事件を扱う下級裁判所にもあります。最高裁は最終的な判断を行います。
- 最高裁長官は内閣が指名し天皇が任命します。他の最高裁裁判官や下級裁判官の任命の仕組みも整理しましょう。
第4問|資料を根拠に書く論述
この大問で学ぶこと
歴史的背景と、仕組みの利点を説明する
Ⅰ 第一次世界大戦と女性参政権
戦争を支えた女性の社会的地位が認められ、参政権を求める動きが強まったため
- 1914〜1918年の第一次世界大戦で男性が戦場へ行く中、女性が工場などで働き戦争と社会を支えたことを写真から読みます。
- その貢献によって女性の地位が高まり、政治への参加を求める運動につながったと説明します。指定語の「地位」を入れます。
- 各国で獲得の条件や年齢制限は異なり、1918年のイギリスも当初は全ての成人女性が対象だったわけではありません。
Ⅱ ダイナミック・プライシングの企業側の利点
①需要の少ない時期に利用や販売を増やせる。②需要の多い時期に価格を上げ、収益を増やせる。
- 値下げによって空席や売れ残りを減らし、設備・在庫を有効に使うことができます。
- 需要の多い時期は高い価格でも購入する人がいるため、同じ供給量でも収入を増やせます。利点を2つに分け、値上げだけの説明にしないようにします。
解き直しの進め方
正誤問題は違う語句を具体的に指摘し、正しい説明へ直してください。論述は時代背景・資料から分かること・結果をつなぎ、指定語と求められた理由の数を最後に確認しましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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