2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
慶應義塾中等部・2025年度 一次試験 国語
母子の一日を描く物語と、父娘の対話を通した平和への思索を読みます。心情の変化、話し言葉の応答、四字熟語、語法、漢字をそれぞれ根拠から確認します。
第1問|初めての給金と母子の一日
この大問で学ぶこと
お金への考え方の違いから心情を読む
問一|表現の形式
3(物語)
- 場面や人物の行動、会話を通して母子の気持ちが描かれています。
- 詩歌の定型や舞台のせりふの形式ではなく、語り手が出来事を説明する物語です。
問二|母親の仕事
1
- 母親は針を持って裁縫の内職をしています。手先へ集中し、仕事の手を休めにくいことが読み取れます。
- 仕事が大変だという一般論ではなく、針や裁ち板という本文の道具から特定します。
問三|息子を待つ母の様子
3
- 息子が奉公先で迷惑をかけず務めていてほしいと願いながら、帰宅を心待ちにしています。
- 息子への心配や願いと愛情が両立しています。厳しいだけ、子離れできないだけという一面の説明を避けます。
問四|行ったばかりという言葉の意味
4
- 息子は奉公を始めて間もなく、まだ休暇をもらいにくいと考えています。
- 母親への気持ちが薄いから帰ってこないのでも、悪い行いへの罰を恐れているのでもありません。奉公先の慣習という背景で判断します。
問五|空欄Eの語
5(すごすご)
- 待ち切れず外へ見に行ったのに息子の姿が見えず、母はがっかりして家へ戻ります。
- 期待が外れて元気なく戻る様子が「すごすご」です。喜ぶ場面の言葉と区別します。
問六|いたいたしい気持ちの理由
3
- 母親の小言に対して、吾一は怒らず事情を説明し、ねぎらいの言葉まで返します。大人びた対応に母は胸を打たれます。
- 叱られたことへの罪悪感より、子どもが奉公で身につけた言い方や態度に焦点があります。
問七|うちのたしの意味
2(家計のたすけ)
- 吾一は初めて得た給金を母に渡し、暮らしの役に立ててほしいと考えています。
- 自分のおやつ代や母の蓄えだけを指すのではなく、家の生活費を助ける意味です。
問八|給金が母へどう映ったか
答案例:むすこが初めて一生懸命働いて得た、かけがえのない尊い財産
- 母には、少額でも息子の働きと成長がこもったお金に見えます。額面だけでは測れない価値があるから受け取り方も慎重です。
- 二十五字以上三十字以内で「もの。」へつながる形にします。初めて働いて得たことと、特別で尊い価値を持つことの両方を入れます。
問九|子どもらしさと対照になる表現
はじめの五字:吾一のこと
- 前半では吾一の話し方が、子どもとは思えないほど大人びてきたことが語られます。後の素直な喜びの声と対照になっています。
- 三十字の該当部分を探した上で、指示通り初めの五字だけ答えます。対照の相手を別の人物の様子から選ばないようにします。
問十|母がほっとした理由
4
- 吾一は本当は奉公先を辞めて帰りたいのだと受け取られないよう、母に気を遣っています。母も息子へその思いを抱かせたくありません。
- 母が家へ戻りたい気持ちを息子に誘発してしまったわけではないと分かり、安心したと読めます。
問十一|学問という抗議の気持ち
2
- 吾一は将来ずっと奉公だけを続けるつもりではなく、学問をしたい思いも持っています。母から進路を決められたように感じ、反発が生まれます。
- 目先の菓子の好みやお世辞への不満だけに狭めず、将来への本人の希望を読み取ります。
問十二|うまさの説明が変わる理由
5
- 吾一は洋菓子ならではのおいしさを伝えたいのに、母は世話への謝辞や、ぼたもちとの比較として受け取っています。
- 自分の言葉が社交的なお礼に回収されることへの不満を、ワッフルには別のよさがあるという説明へつなげています。
第2問|会話と平和への考え
この大問で学ぶこと
問い返しと意見の違いから結論を読む
問一|会話に合う語
A3/B1/C7/D4/E2/F6
- Aは理由を尋ねる「どうして」、Bは否定を弱める「別に」、Cは話題を振り返る「それは」、Dは応じる「そうだね」です。
- Eは驚きの「おっと」、Fは理由を返す「だって」です。直後の文だけでなく、相手の問いにどう応じているかを確認します。
問二|空欄Gの接続
6(かいつまんで)
- 長い歴史の要点をしぼって話すという意味で「かいつまんで」を選びます。
- 「つまびらかに」は詳しく明らかにする意味なので、長い話を短くする場面とは逆です。前後の説明の範囲を確認します。
問三|文章を入れる位置
3(ウ)
- 挿入文は、一方の被害や行動だけで判断できないことを述べています。父が今回の争いを単純化できないと話した後に置くと自然です。
- その後は軍事力だけで止められるかという娘の問いへ進みます。前後の話題のつながりを優先します。
問四|例に入らない行事
4(花見)
- 本文は宗教的な由来の行事を、日本人が複数取り入れる例を挙げています。設問の花見はその種類の例とは違います。
- 外国の行事か日本の行事かという区別ではありません。神前式や七五三も宗教に関わる例です。
問五|空欄Iの表現
1(少し年とっただけじゃないの)
- 娘が、父の願う平和な世界の実現まで長生きしてほしいと返す会話です。父の「長生きしなければ」という言い方を受けて、年齢に触れています。
- 話題を菓子の味や来年の食事へ移す選択肢では、直前からの応答が切れてしまいます。
問六|筆者の結論
5
- 武力だけで解決するのではなく話し合いが必要で、日本の多様なものを取り入れる性質も役立つ可能性がある、という主張です。
- 軍事力の強い国に任せるという選択肢や、被害を我慢すればよいという選択肢へ読み替えないようにします。本文中の議論を現在の情勢一般へ拡大しないことも大切です。
第3問|漢字を組み合わせる四字熟語
この大問で学ぶこと
語の完成と文脈上の意味を照合する
A〜D|初対面なのに話が合う
A2/B5/C7/D6(意気投合)
- 気持ちや考えがよく合うことを意味する意気投合を作ります。
- 初対面であることと、すぐに話が合うという内容が、この熟語を選ぶ根拠です。
E〜H|文句を言わない人物像
E1/F3/G9/H8(良妻賢母)
- よい妻で賢い母という意味の熟語を作ります。
- 問題文が求める漢字と並びを確認します。価値観を一般論として勧める問いではなく、与えられた文脈で語を完成させる問題です。
第4問|日本語の適切な用法
この大問で学ぶこと
似た形の語と助詞のつながりを確かめる
ア|寸暇を惜しまず
2(誤り)
- 短い時間も大切にして学ぶなら「寸暇を惜しんで」です。「惜しまず」では時間を大事に使うという意図とずれます。
- 一字の否定が意味を逆にすることがあります。慣用句の形だけでなく、表したい内容へ戻して判断します。
イ|とりつく暇
2(誤り)
- 相手の態度が冷たく、話しかけるきっかけもない意味なら「取り付く島もない」です。
- 「暇」と「島」を取り違えた言い方を見抜きます。慣用句は語の一部まで正確に覚えます。
ウ|煮詰まる
1(正しい)
- 議論を十分に進め、結論へ近づく意味で「煮詰まる」を使っています。
- 行き詰まって先へ進まないという意味だけに覚えないようにします。
エ|役不足の使い方
2(誤り)
- 役不足は、その人の能力に対して仕事が軽すぎることです。自分の能力が足りないとへりくだる場面なら「力不足」などが適切です。
- 不足しているのが役か能力かを分けて考えます。頑張りますという言葉を付けても、この使い分けは変わりません。
オ|熱に浮かされたように
1(正しい)
- 熱中して我を忘れたような状態を、「熱に浮かされたように」と表すことができます。
- 「研究に没頭した」という後半とも意味がつながります。
第5問|漢字の書き取り
この大問で学ぶこと
同音語を意味で使い分ける
ア|漢字
処方
- 薬を出す際の内容を定めることです。医療の文脈から「処方」を選びます。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
イ|漢字
感化
- 他からの影響で考えや行動が変わることです。「感」の下の心を落とさないようにします。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
ウ|漢字
受容
- 文化などを受け入れることです。「受ける」と「容れる」の組み合わせで覚えます。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
エ|漢字
祝賀
- 祝い、喜ぶことです。お祝いの会という文脈へ戻します。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
オ|漢字
委
- 全権を任せる「委ねる」です。送り仮名を問題文に合わせます。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
カ|漢字
異同
- 異なる点と同じ点です。文句の比較をする場面に合います。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
キ|漢字
土着
- 土地に根付き、定着することです。文化と土地の関係を表します。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
ク|漢字
来訪
- 人が訪ねて来ることです。「来」と「訪」の向きを文脈で確認します。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
ケ|漢字
内省
- 自分を振り返り考えることです。「内政」と意味を区別します。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
コ|漢字
応
- 期待にふさわしい働きをする「応える」です。質問へ答える場合の「答」と区別します。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
サ|漢字
細大
- 小さいものと大きいものを含め、もれなくという意味です。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
シ|漢字
馬力
- 馬の力に由来し、出力や勢いを表す語です。「バリキ」と読みます。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
ス|漢字
能率
- 仕事の進み具合や効率です。「率」を卒の形にしないようにします。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
セ|漢字
便乗
- 他の機会に乗じることです。「便乗して値を上げる」という場面に合います。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
ソ|漢字
留
- ボタンを留めることです。注意して止めるの止ではなく、固定する意味です。
- 文全体へ戻し、語の意味と送り仮名を確かめます。
解き直しの進め方
物語は同じ出来事を二人がどう受け止めたかを比較しましょう。対話文は発言の前後関係を図式化し、結論と途中の意見を分けます。慣用句は語の一部や読みの違いまで確認します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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