2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
慶應義塾中等部・2025年度 一次試験 理科
光の通り道、野菜の特徴、野鳥、燃焼に関する科学史を解説します。用語の暗記にとどめず、会話中の証拠や仮説の前提を取り出し、選択肢を選ぶ理由を確認します。
このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。
第1問|光の直進と凸レンズ
この大問で学ぶこと
光源・穴・スクリーンの位置を分ける
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1)映る三角形の向き
1
- 凸レンズを置いていないので、光は光源から穴を通って直進します。穴の上下左右が入れ替わる仕組みはありません。
- 光源側から示された穴の向きと同じ形が拡大されるため1です。凸レンズの倒立像と混同しないようにします。
(2)光源を上げたとき
2(下)
- 穴の位置は固定されています。光源から穴を通る線を、その先の白い厚紙まで延ばして考えます。
- 光源を上へ動かすと、穴を通った後の光はより下側へ進み、像は下へ移動します。
(3)大きさの変化
a2/b1/c2
- aは光源と穴の距離が増え、光の広がりが小さくなるので像は小さくなります。bは光源と穴の距離が減り、白い厚紙までの広がりが大きくなるので像は大きくなります。
- cは穴を通った光を凸レンズが内側に曲げるため、示された条件では像が小さくなります。位置の違う二つの凸レンズ実験を分けて考えます。
(4)光源と穴の間に置く凸レンズ
2
- 光源のすぐ近くでは、レンズが光の広がりを弱めて穴を照らします。このとき白い厚紙での三角形は穴より大きくなります。
- レンズを穴の方へ動かすと、光は平行に近い状態を経て集まる向きになり、穴より小さい三角形へ変化します。光源から出る光の通り道を追うことが要点です。
第2問|野菜と昆虫の会話
この大問で学ぶこと
食べる部分と花・実の関係を対応させる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1)Oの花の色
3(黄)
- でこぼこの表面、苦味、つるで日陰を作ることから、Oはゴーヤです。花の色は黄色です。
- 野菜を特定する手掛かりと、その後に問われる花の知識を分けて確認します。
(2)昆虫の食う・食われる関係
イ5/ウ1
- ジャガイモの葉を食べる種類がいるのはテントウムシの仲間です。一方、アブラムシを食べる種類は農作物を守る働きをします。
- 仲間が同じでも食性が異なります。「テントウムシはすべて肉食」とまとめないようにします。
(3)KとOの野菜名
K:ジャガイモ/O:ゴーヤ
- Kは土の中の茎の先がふくらみ、星形の花をつけることからジャガイモです。根を食べるサツマイモと区別します。
- Oは苦味、いぼ状の表面、緑のカーテンの手掛かりからゴーヤです。オクラも黄色い花をつけますが、同じ仲間とは限りません。
第3問|野鳥の特徴と渡り
この大問で学ぶこと
体の形・鳴き声・季節を組み合わせる
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1)会話の鳥
ア2/イ4/ウ7/キ3
- 長い青い尾はオナガ、胸の黒い縦模様はシジュウカラ、波形に飛び秋によく鳴く鳥はヒヨドリです。
- 黒い体の羽毛が逆立つと根元の白い所が見えるのはカラスです。鳥名だけでなく、各特徴との対応を記録します。
(2)羽の色
エ6(緑)/オ1(赤)
- メジロは緑色の体に白い目の周りが特徴です。ウグイスという名前や色名だけから選ばないようにします。
- ドバトとキジバトの足は赤みを帯びています。羽の模様と足の色を別々の観察項目として整理します。
(3)ヒバリの食物関係
2
- 矢印は食べられる生物から食べる生物へ向いています。ヒバリは昆虫などを食べ、タカに食べられる側です。
- したがって虫より右、タカより左に当たる2へ入れます。矢印の向きを逆に解釈しないようにします。
(4)水かきのある鳥
3(コガモ)
- 広い水かきは水を後ろへ押して泳ぐのに役立ちます。選択肢ではカモの仲間であるコガモが対応します。
- 水辺にいる鳥がすべて同じ足を持つわけではありません。サギ類の長い指との違いも確認します。
(5)他と異なる季節に来る鳥
1(春から秋)
- 四種のうち、ツバメが日本で主に繁殖する夏鳥です。オナガガモ・ツグミ・ハクチョウは冬鳥として整理します。
- 問われているのは鳥名ではなく季節です。ツバメに対応する「春から秋」を選びます。
第4問|燃焼と科学の考え方
この大問で学ぶこと
仮説で説明できる結果とできない結果を分ける
解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。
(1)燃焼に必要な物質
2(酸素)
- 多くの燃焼では燃える物と酸素が反応します。酸素は燃焼を助ける気体です。
- 酸素自体が燃える物だという説明や、二酸化炭素が必要だという説明と区別します。
(2)燃やした後に重くなるもの
3(スチールウール)
- 鉄が酸素と結び付いて酸化鉄になるため、固体に酸素の質量が加わります。
- 燃えると何かが出ていくという説だけでは、この質量の増加を説明できません。空気から加わった物質を考えます。
(3)明らかに誤っている説明
4
- 金属が燃える場合もさびる場合も、酸素と結び付くことで生成物の重さが増える場合があります。「元より軽くなる」という4は誤りです。
- 燃焼とさびの速さの違いではなく、どの物質が加わり、質量がどう変わるかで判断します。
(4)当時の説で金をどう考えるか
答案例:フロギストンを含まない物質。
- 設問では現在の正しい説明ではなく、与えられた説を前提に推論します。燃える物にはフロギストンがあり、燃えると放出するという設定です。
- 金が燃えもさびもしないなら、放出されるフロギストンを含まないと考えたことになります。20字以内でまとめます。
(5)発生する気体の性質
1(よく燃える)
- 亜鉛などにうすい塩酸を反応させて生じるのは水素です。水素は燃える気体です。
- 酸素のように他の物質の燃焼を助ける性質と区別します。設問は当時の説と関連付けていますが、気体の性質は実験知識で判断できます。
(6)現在では誤りとされる説
3(天動説)
- 地球が静止し、他の天体が地球の周りを回るという説明が天動説です。観測の蓄積によって、太陽系の運動は異なる枠組みで説明されるようになりました。
- 「昔の説だから誤り」とは判断しません。大陸移動など、後の証拠で支持された考え方もあります。
解き直しの進め方
光は実際の通り道を言葉で追い、生物は名前と観察の手掛かりを対にします。科学史では、現在の知識で答える設問と、当時の説を仮定して答える設問を読み分けましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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