2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
渋谷教育学園幕張中学校・2024年度 一次 理科
2024年度一次の理科を、光の直進、染料と化学変化、時計と太陽、テッポウウオの学習実験の四つに分けて解説します。計算の根拠と、実験から結論を出すための比較条件を確認しましょう。
第1問|日食と小さな穴を通る光
この大問で学ぶこと
影の輪郭と、光源の像を分けて考える
解くときの着眼点:光の端の道筋を二本ずつ引き、完全に光が届かない範囲と、一部が届く範囲を区別します。
(1)|木もれ日の観察との対応
黒紙=月、しぼりの穴=木の葉のすき間
- 光をさえぎる黒紙は太陽を隠す月に当たります。しぼりは光を通す場所を狭めるので、木の葉のすき間に当たります。
- 明るい円が何を表すかを考える前に、光源・さえぎる物・小穴・投影面の四つを対応させます。
(2)①|A・Bの明るさ
A=ウ、B=ア
- 中央のAでは、光源のうち黒紙で隠れる面積の割合が一定なので、同じ明るさになります。黒紙より光源が大きいため、Aも完全な暗闇ではありません。
- 周辺のBでは、外側ほど光源が多く見え、中央へ近づくほど隠れる部分が増えます。従って中央へ向かって暗くなるアです。
(2)②|A・Bの直径
A=6cm、B=26cm
- 光源から黒紙まで30cm、黒紙からスクリーンまで20cmです。黒紙の直径6cmを50/30倍した10cmと、光源の直径24cmを20/30倍した16cmを使います。
- 影の影響が及ぶ外側の直径は10+16=26cm、中央の明るさが一定の部分は16-10=6cmです。二つの端から来る光線を引き、外側は足す、内側は引くと整理します。
(3)①・②|スクリーンを遠ざける
①イ、②ウ
- 穴とスクリーンが近いうちは、中心から光源全体を見通せるため、中心の明るさは変わりません。一定の距離を越すと穴が光源の一部を隠すようになり、暗くなります。
- それでも穴から光は届き続けるので、有限の距離で中心が真っ暗にはなりません。明るさについて問題で置いた条件に従い、距離が増すだけで直ちに暗くなるとはしません。
(3)③・④|穴を限りなく小さくする
③2.4cm、④光源の形
- 光源から穴まで50cm、穴から投影面まで5cmなので、光源の像の倍率は5/50です。従って24×5/50=2.4cmです。
- 一つ一つの光源上の点からの光が、小さな穴を通って反対側に届きます。穴が小さい極限では、穴の輪郭ではなく光源の輪郭が上下左右逆の像になります。
| 変える条件 | 近づく直径 | 近づく形 |
|---|---|---|
| 穴を限りなく小さくする | 2.4cm | 光源の形 |
| 光源までの距離を限りなく大きくする | 4cm | 穴の形 |
(3)⑤・⑥|光源を限りなく遠ざける
⑤4cm、⑥穴の形
- 光源までの距離だけを大きくすると、入ってくる光は平行に近づきます。スクリーンまで5cm、穴の直径4cmは変えません。
- 平行な光が通る範囲はほぼ穴と同じなので、直径4cmで穴の形になります。「穴を小さくする」と「光源を遠ざける」では結果が異なります。
(4)①|中心に光が届かなくなる距離
L′=10cm
- 直径Dの穴の端から投影面の中心へ向かう光を、黒紙の位置まで延ばして考えます。黒紙から穴まで20cm、黒紙の直径は6cmです。
- 境界では相似よりD/6=L′/(20+L′)です。D=2を入れると2(20+L′)=6L′、従ってL′=10cmです。中心に最後まで届く端の光を使うのが要点です。
(4)②|穴の直径とL′のグラフ
エ
- 前問の関係を整理するとL′=20D/(6-D)です。D=0なら0で、Dを増やすほど分母が小さくなるため、増え方も大きくなります。
- 例えばD=1なら4cm、D=2なら10cmです。原点から始まり、右へ行くほど傾きが大きくなるエを選びます。
(5)①・②|地面に太陽の形を映す条件
①小さく、②高い
- 葉のすき間が小さいほど、別々の穴の位置から来る像の重なりが減り、光源の形がはっきりします。
- 葉が高ければ穴から地面までが長くなり、太陽の像が大きくなって形を見分けやすくなります。単に明るい木もれ日を作る条件とは区別します。
(5)③|欠けた太陽の投影像
ウ
- 小穴による像は、光源に対して上下左右が逆になります。ただし、南の空を見る図と地面を見下ろす図では、紙面上の東西の向きが同じではありません。
- 問題の方位表示を使って欠けた側を投影面へ移すとウです。紙の上だけで左右を反転させるのではなく、東西南北を確認して比べます。
第2問|植物染料・灰汁・金属
この大問で学ぶこと
溶ける条件と染まる条件を分ける
(1)|植物の灰に含まれる成分の用途
肥料
- 植物が取り込んだ無機成分は、燃やした後も灰に残ります。灰はこうした成分を補う肥料として利用されます。
- 「植物由来だから有機物」と一括りにせず、燃焼後に残る成分に注目します。
(2)|三つの染料の性質
サフラワーイエロー=イ・オ・キ/カルタミン=ウ・エ・カ/プルプリン=ウ・オ・キ
- 水への溶け方、木綿と絹への染まり方、加熱への強さの三条件を別々に照合します。黄色の染料は水に溶け、絹を染め、熱に強い性質です。
- カルタミンはアルカリ性で溶け、木綿も絹も染めますが熱に弱い性質です。プルプリンは水に溶け、両方を染め、熱に強い性質です。名前ではなく本文中の実験を根拠にします。
| 染料 | 溶け方 | 染まる布 | 熱への強さ |
|---|---|---|---|
| サフラワーイエロー | 水に溶ける | 絹 | 強い |
| カルタミン | アルカリ性で溶ける | 木綿・絹 | 弱い |
| プルプリン | 水に溶ける | 木綿・絹 | 強い |
(3)i|水に溶けない物へ変える操作
食酢を加えて灰汁を中和する
- 灰汁のアルカリ性によって溶けていたカルタミンは、中和で溶けにくくなり、布へ定着します。
- 抜き出し指定なので、本文の「食酢を加えて灰汁を中和する」を用います。単に食酢を加えるだけでなく、性質が変わる操作まで含めます。
(3)ii|化学変化で溶けない物ができる例
例:石灰水に二酸化炭素を通すと白くにごる。
- 石灰水と二酸化炭素が反応すると、水に溶けにくい炭酸カルシウムが生じます。これが白いにごりとして見えます。
- 単に粉を水に混ぜる例ではなく、化学変化によって新しい溶けにくい物ができる例を挙げます。
(4)|灰汁で洗うと赤色が薄くなる理由
カルタミンがアルカリ性の液に溶け出すから。
- 布に定着した赤いカルタミンも、灰汁のアルカリ性では溶けます。洗液へ移るので布の赤色が薄くなります。
- 熱で色素が壊れる説明ではありません。ここでは洗う液の性質に着目します。
(5)|金属と結び付く染め方の特徴
ウ・エ
- 本文の染め方には、染料を溶けにくくして布に残す方法と、金属を介して布に結び付ける方法があります。
- アカネでは金属の種類によって発色が変わることを、実験記録と対応させます。色が違うだけで、別の植物の染料になったとは考えません。
(6)|A・B・Cの金属
オ(A=鉄、B=アルミニウム、C=銅)
- 鉄は塩酸に反応しますが、この条件の水酸化ナトリウム水溶液には反応しません。アルミニウムは両方に反応します。銅はどちらにも反応しません。
- まず両方と反応するBをアルミニウムと決め、残りを塩酸への反応で分けると整理できます。
(7)|記録に足りない比較条件
アカネのもとの色
- 金属や植物灰を加えた後の色だけでは、何も加えないときから変わったのか分かりません。
- 同じアカネ液のもとの色を記録し、無添加の対照と比べます。色の名前だけを増やすのではなく、変化を判断する基準が必要です。
(8)|抽出に当たらないもの
ア・オ
- 抽出は、ある成分を液体に溶かして取り出す操作です。茶・だし・香りを油に移す操作はこれに当たります。
- じゃがいものでんぷんを沈めて分ける操作は溶かして取り出していません。塩水を加熱して塩を得る操作は水を蒸発させており、抽出とは別です。
第3問|時計と太陽による方位
この大問で学ぶこと
一時間の角度と、方位の近似を区別する
(1)①〜④|太陽と短針の動き
①自転、②15度、③12時間、④30度
- 太陽の日周運動は地球の自転による見かけの動きです。一周360度を24時間で割ると15度です。
- 時計の短針は12時間で一周するので、一時間で30度動きます。この二倍の関係を後の作図に使います。
(2)①〜③|正午から午後三時
①45度、②90度、③南
- 設問の近似モデルで、三時間の太陽の移動角は15×3=45度、短針の回転角は30×3=90度です。
- 短針を太陽に向けたとき、12時方向と短針の間を二等分する向きが南です。実際の地平面上の方位角が常に一時間15度動くという厳密な法則ではなく、この設問で用いるモデルとして考えます。
(3)|午前九時の文字盤の向き
か(南西)
- 太陽へ向ける短針は9を指します。9と12の間の短い角の二等分線が南になるように文字盤を置きます。
- そのとき12の向きは南西です。太陽が見える状況なので、午後九時として反対の二等分線を取らないようにします。
(4)|夏至の太陽の経路
き
- 明石付近の夏至は、北東から昇って北西へ沈み、正午の南中高度は秋分より高くなります。
- 地球の自転軸に対する太陽の位置を動かした経路を選びます。単に秋分の半円をその場で大きくした図ではありません。
(5)|夏至の午前九時のずれ
①東、②南、③東
- 同じ午前九時でも、夏至の太陽は秋分の太陽より東寄りにあります。秋分のモデルをそのまま使って短針を太陽へ向けると、文字盤全体も東寄りへ回ります。
- 従って時計で求めた南は、実際の南より東へずれます。方法を覚えるだけでなく、季節で精度が変わることまで説明します。
第4問|テッポウウオの見え方と学習
この大問で学ぶこと
経験した高さと、初めての高さを比べる
解くときの着眼点:高さごとの割合の分母と、訓練に含めた条件を確認してから結論を出します。
(1)|三種の魚を見分ける
テッポウウオ=エ、コイ=カ、メダカ=イ
- テッポウウオは体側の黒い模様と、水面上を狙える上向きの口を手掛かりにします。コイは太い体と口元、メダカは小型の体形と上向きの口で見分けます。
- 写真は同じ縮尺ではありません。紙面の写真の大きさだけを比べると誤ります。
(2)|実験1から考えられること
イ・カ
- 実験1では、板が高いほど大きな円を多く狙っています。距離が増すと小さく見えるので、実際の直径より見かけの大きさを手掛かりにしていると考えられます。400mmで6mmと10mmが多いので、その間の8mmがあれば最も狙われるという予想が立ちます。
- グラフは「いずれかの円に当たった総数」を分母にしています。合計100%でも、外れた水鉄砲がないとは言えません。また水鉄砲の経験がない個体なので、200mmで事前練習したという説明はできません。
(3)|二つの仮説を分ける実験
例:200・400・800mmだけで6mmの円を狙う訓練をし、未経験の600mmで調べる。仮説Yなら、600mmでも6mmを狙う割合が増える。
- 仮説Xは経験した四通りの組合せを覚えたという説明、仮説Yは距離と見かけの大きさの関係を使えるという説明です。両者を分けるには、訓練に含めなかった高さで試します。
- そこで600mmを訓練から除き、他の三つの高さだけで学習させます。その後、大小の円がある板を600mmに置き、6mmを選ぶ割合が増えるかを比べます。未訓練条件への応用が見られればYを支持しますが、これだけで全個体・全状況の能力まで断定しません。
| 段階 | 使う高さ | 調べること |
|---|---|---|
| 訓練 | 200・400・800mm | 直径6mmに当てる経験 |
| 試験 | 未訓練の600mm | 直径6mmを選ぶ割合が増えるか |
| 比較 | 同じ高さの訓練前など | 初めての高さへの応用か |
解き直しの進め方
第1問は相似で光線の境界を求め、第2問は溶け方・布・熱の三条件を表に戻します。第3問は時計の方法が近似である点、第4問は未経験の条件で試す意味を、自分の言葉で説明して仕上げてください。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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