2026年11月1日
SUSUMU JUKU / 2026 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
開成中学校・2026年度 2月1日入試 国語
2026年度の開成中学校・国語を、全8問・10項目に分けて解説します。石井美保「石垣の小径」による文章を題材に、意味段落、風景の変化、抜き出し、記述、漢字を確認します。記述は進塾独自の解答例と、本文から根拠を拾う手順を示しています。
第1問|土地の記憶を聞き、書き留め、受け継ぐ
この大問で学ぶこと
現在と過去の風景の重なりから、書くことの意味を読む
問一|四つの意味段落の境目
意味段落二=⑨、三=⑫、四=⑮
- ①〜⑧では案内人と歩く具体的な体験が描かれます。⑨で語り手の声や身ぶりから歴史が現れることへ、考察が始まります。
- ⑫からは、その体験から生まれた像を書き留めたいという思いへ移り、⑮からは受け取った言葉を他者へ伝えることと、その宛先へ進みます。場面の変化だけでなく、話題の役割が変わる位置を探します。
| 範囲 | 中心となる内容 |
|---|---|
| ①〜⑧ | 案内人と歩き、過去の体験を聞く |
| ⑨〜⑪ | 声や身ぶりから、現在に過去が現れる |
| ⑫〜⑭ | 像を残したい思いと、言葉にする限界 |
| ⑮〜⑳ | 言葉を別の人へ渡し、未来へ受け継ぐ |
問二|「声とまなざし」と表す理由
イ
- ⑧〜⑪では、語り手の言葉に加えて声の大きさや身ぶりなどから、その土地の過去が立ち現れると述べています。情報の内容だけを指しているわけではありません。
- イは言葉以外の雰囲気も含めて、実際にその出来事があったことが伝わると捉えています。声や目が必ず真実を保証する、というア・ウのような断定へ広げないことが大切です。
問三A|最初に現れる過去の風景
解答例:青く育った稲が風にそよぐ水田
- 現在のサトウキビ畑と低い山並みを見ているところで、案内人が昔は水田だったと語ります。③にある稲と水の風景が答えの中心です。
- 今見える物を言い換えるのでなく、語りをきっかけに筆者へ現れた過去の景色を約20字でまとめます。
問三B|枯れた木の話から現れる過去の風景
解答例:木に登っては飛び降り、遊ぶ少年たち
- ④では、案内人の子ども時代に、木へ登り、わらの上へ飛び降りて遊んだ体験が語られています。
- 現在の枯れ木の説明ではなく、木が生きていたころの少年たちの動作を答えます。景色の変化を、人の姿の出現として捉えます。
問三C|戦争の話から現れる風景
解答例:硝煙が流れ、地面が焼けた戦場
- ⑩の銃撃や遺骨の話を受け、⑪では明るい田畑の像が薄れ、煙や焼けた土地の像が現れます。
- Aの平穏な水田と対比すると、同じ場所に異なる時代の記憶が重なっていることが分かります。戦争という語だけでなく、目に浮かぶ風景を具体化します。
問四|なぜ書き留めたいと思ったのか
解答例:語り手の声や身ぶりから今の風景に昔の出来事が重なって現れ、消えそうなその像を残したくなったから。
- ⑫では、現在の景色に過去の出来事が重なり、豊かな奥行きのある像が生まれています。⑬では、それが不確かで、言葉にしておかなければ消えるかもしれないと考えています。
- 「どのような像が生まれたか」と「なぜ残したいか」を結び、理由を表す文末でまとめます。この解答例は句読点を含め48字です。単なる事実の記録という説明では、体験から生まれた像を捉えられません。
問五|書くことの「限界」を示す抜き出し
はじめ=出来事を、おわり=不可能だ
- ⑭には、出来事の事実は部分的にしか分からず、語り手の経験そのものには触れられず、自分が感じたすべてを言葉にすることもできない、という限界が示されています。
- 指定は⑫〜⑭から約70字の表現を探し、その最初と最後の4字を答えるものです。⑭の「出来事を」から「不可能だ」までを一つの範囲として確認します。
問六|「あなた方」が指す二種類の人々
解答例①:土地に生き、自分の経験を私に語り、共に歩いてくれた人々。/解答例②:その土地に残る痕跡や案内人の話から、私が存在を知った死者。
- ⑰の直前では、土地で出会い、話し、歩いてくれた人々と、その語りや残された痕跡を通じて筆者に出会った死者が述べられています。
- 二つとも生きた案内人の別の言い換えにすると区別がなくなります。直接体験を伝えた人と、話や痕跡を介して存在が現れた死者を、それぞれ約30字で説明します。
問七|宛先のない祈りに込めた願い
解答例:書き留めたものが未来の人へ届き、受け手の思いや言葉で形を変えながら、語り継がれてほしいという願い。
- ⑲では、文章の宛先を出会った人・死者・まだ出会っていない人・筆者のいない時代の人へ広げています。⑳では受け手の思いや記憶に入り、別の言葉や形となって続くことを述べています。
- 届く相手と、届いた後の受け継がれ方を両方含めます。解答例は49字です。自分の考えを述べる設問でも、本文と無関係な一般的な平和への願いだけで終わらせないようにします。
問八|文脈に合う漢字
a=沿、b=旧、c=臨、d=織
- 道や川に沿って進む場合は沿、以前のという意味は旧、海に面する場合は臨を使います。文章末の「織り」には織を当てます。
- a・c・dは問題文に送り仮名があるので、書くのは指定された漢字部分です。同じ読みの漢字でも、周囲の語とのつながりを確かめます。
解き直しの進め方
風景の描写に線を引き、今見えている物と、語りによって現れた過去の像を色分けしましょう。記述では設問の「なぜ」「誰」「どのような思い」に合わせて文末を変えます。答案を作った後、声や身ぶり、像の不確かさ、受け継ぐことという本文の要点が抜けていないかを確かめます。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
志望校の過去問を、次の学習計画へ
点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。
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