早稲田中学校 2025年度 第1回 国語入試解説|大問別の考え方と解き直し

2026年10月29日

SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW

答えの先に、解ける理由を。

早稲田中学校・2025年度 第1回 国語

対話から人物の思い込みを読む物語と、責任を引き受けて考えることを論じる文章です。主な設問を、指示内容・対比・記述の構成要素に分けて解説します。

このページは問題冊子と一緒に読む解説です。問題文・原図の転載はせず、進塾独自の解説を掲載しています。

第1問|物語|属性で決めつけない

この大問で学ぶこと

対話のずれと、語り手の内面を区別する

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1|違和感の内容

A:妊娠している人に迷惑だと言った/B:妊娠・育児中の人を一括りにして非難した

  1. 若子は三津子の発言を一方的な非難と受け止めています。Aは15字以内で若子が謝罪を求める発言、Bは15〜25字で亜希が指摘した問題を表します。
  2. 個人への具体的な評価と、妊娠・育児という属性でまとめて評価することを区別します。若子の受け止め方と、本文全体の結論を同じものとしないことが重要です。

問2|若子に反応しない亜希

ウ

  1. 亜希は若子を無視して優越感を味わっているのではなく、同じ説明を繰り返す相手に自分の気持ちを整理して話させています。
  2. 直前の三津子の声の震えと、亜希の落ち着いた問い返しを対比します。妊娠中・子育て中という立場だけを反応の原因にしません。

問3|それは問題やねの指示内容

イ

  1. 直前の発言では、妊娠を理由に派遣契約を切られる可能性が語られています。「それ」は、正社員になりたい希望そのものではなく、契約を失うという問題を指します。
  2. 指示語のすぐ前にある名詞だけを答えにせず、会話で共有された問題のまとまりを捉えます。

問4|疎外されると感じた理由

イ・エ

  1. 若子は懸命に仕事をしている自分の不満が理解されず、逆に悪い側に置かれたように感じています。また、妊婦や子育て中の人という属性で捉える側だと見られたことも関係します。
  2. 若子自身が妊娠を希望していた、亜希と同じ契約形態だった、という設定を加えてはいけません。複数選択はそれぞれの根拠を別々に示します。

問5|同じことをしている

A:妊婦や子連れ/B:もともと

  1. 若子が一括りにする対象を、本文の5字から特定します。Bは、若子の以前からの考え方を指す文の最初の4字です。
  2. 属性によるひとまとめの非難を問題にしているので、特定の一人の行動を批判した部分だけを選ばないようにします。

問6|ここに気づきたくなかった

エ

  1. 若子は、相手が自分と変わらない人であり、自分にも同じような経験や偏りがあると分かり始めています。都合の悪い共通点を認めることへの抵抗として読みます。
  2. 亜希が自分の意見を単純に肯定してくれなかった、という不満だけでは、対話によって生じた自己認識まで捉えられません。

第2問|論説|責任と思考の関係

この大問で学ぶこと

歴史的な事例と現在の主張をつなぐ

解き直しの到達点使った条件と結論のつながりを、解説を閉じて説明できること。

問1|漢字と読み

a洞察・bおちい・c独創

  1. 洞察は物事の本質を見抜くこと、独創は自分独自の考えや表現を生み出すことです。「陥って」の傍線部の読みは、おちいです。
  2. 読みの指定範囲と送り仮名の境界を、問題冊子で確認します。

問2|解体後も問題が残る理由

イ

  1. 制度が変わっても、周囲の価値観に従うだけで自分で考えない姿勢は消えません。民主主義の価値観に同調していることと、自分で責任を持って判断していることは別です。
  2. ナチスの価値観がそのまま長く残ったから、とする説明に置き換えず、価値観の内容と判断の仕方を分けます。

問3・問4|メタ思考と責任の逆説

問3 オ/問4 ウ

  1. メタ思考は、自分の判断の根拠やあり方を、もう一段上から考える働きです。問題の文脈では、道徳性の崩壊が、責任を引き受ける姿勢にまで影響したことを読みます。
  2. 問4の逆説は、法を守ったつもりの行動が虐殺への加担になるという事実です。現代の法律一般が誤っている、と飛躍させないようにします。

問5|友情と思考

解答例:友達との豊かな対話の経験を頼りに自分との対話を重ね、物事を多様な角度から深く思考し、批判的に吟味する

  1. 45〜55字で、友達との対話の経験、自分との対話、多面的・批判的な検討という要素をつなげます。「友人の意見に従う」という内容にはしません。
  2. 直前の段落では、一つの視点に閉じないために他者との対話を内面で生かすことが説明されています。記述の各部分がその説明に対応するか確かめます。

問6|本文全体の主張

エ

  1. 正しいとされる価値観への同調だけでは、自分が大きな暴力に加担する可能性を見落とします。無思考であること自体の危険を述べた説明が合います。
  2. 法に従う人は常に合理的である、密告が当然なら責任はなくなる、などの選択肢は、筆者が批判する考えを肯定してしまっています。

解き直しの進め方

選択肢の一部分が本文と同じでも、結論が逆になっていないかを確認します。記述では、根拠になる段落を決めてから必要な要素を並べます。

段階取り組むこと確認すること
1|原因を分ける間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分けるどこで手が止まったかを言葉にする
2|解説を閉じる自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか
3|時間を空ける日を改め、類題と合わせて再挑戦する条件が変わっても使える考え方になったか

志望校の過去問を、次の学習計画へ

点数だけでは、次に何を直すべきかは決まりません。進塾では、解き方・答案の根拠・つまずいた箇所を確かめ、授業と家庭で取り組む内容を整理します。集団コース・個別指導のご相談を承ります。

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