2026年11月4日
塾講師向け「指導の極意」|中学受験算数・比と線分図
「32÷8×3」と計算できても、なぜ8で割るのかを説明できない。比の授業では、正しい式が書けたことと、数量の関係を理解したことを分けて確かめたいところです。今回は、和から求める問題と差から求める問題を使い、線分図・言葉・式をつなぐ指導例を紹介します。
塾・予備校・学校などで教える方、指導を学びたい学生の方へ。問題・文章・数値・答案は、指導の考え方を説明するために本記事用に作成したものです。実際の入試問題、生徒の答案、指導実績ではありません。
まず見るのは、計算力より「何を1としたか」
比を初めて扱う生徒には、比の数字をそのまま個数や長さだと捉えていないかを確かめます。「3:5だから3個と5個」と答えたら、すぐに公式を示すより、「同じ比で、もっとたくさんある場合も作れる?」と問い返します。
例えば6個と10個も3:5です。3と5は実際の個数とは限らず、同じ大きさのまとまりがいくつ分あるかを表します。このまとまりを、以下では「1つ分」と呼びます。比例式を先に処理するより、まず何をそろえて比べるのかを言葉にしてもらいます。
指導例:合計32個を3:5に分ける
記事用の作問
赤い玉と青い玉の個数の比は3:5で、合計は32個です。赤い玉は何個ありますか。
① 同じ大きさの区切りで図を描く
「赤に3つ分、青に5つ分の区切りを描いてみよう。1つ分の大きさは同じにしてね」と促します。区切りの幅が違う場合は、比べる単位がそろっていないことを先に確認します。
赤:□ □ □
青:□ □ □ □ □
□はすべて同じ個数。合わせて8つ分=32個。
② 「8」が何を表すかを聞く
「3+5=8は、8個という意味? それとも8つ分という意味?」と確かめます。「全部で8つ分。それが32個」と言えれば、32÷8=4は1つ分の個数を求める式だと説明できます。
③ 求めた数を問題文へ戻す
赤は4×3=12個、青は4×5=20個。合計12+20=32と、比12:20=3:5の両方を確認します。答えだけでなく、図のどこが12個に当たるかを指してもらうと、式と図の対応を確かめられます。
誤答を見たら、式を書き直す前に聞く
- 「32÷3」とした場合
- 「32個は赤だけの数? 赤と青を合わせた数?」と、全体量の読み取りへ戻ります。計算ミスと決め付けません。
- 答えは12個だが説明できない場合
- 「32÷8の答え4を、図のどこに書く?」と聞きます。手順を暗記している可能性を、別の表現で確認します。
- 図を描くことが目的になっている場合
- 区切り・全体量・求める部分が対応しているかを見ます。きれいさより、数量の関係を説明できる図かを重視します。
いずれも、説明できないことを能力や意欲の問題と決めず、問題文・図・式のどの対応が途切れているかを見ます。
確認問題:「和」から「差」へ条件を変える
赤と青の個数の比は3:5で、青は赤より20個多いとします。赤は何個ありますか。
「3+5で割る」手順をそのまま使っていないかを見ます。図で差は5−3=2つ分。2つ分が20個なので、1つ分は10個、赤は10×3=30個、青は50個です。
答えが合っていても、「さっきは8で割り、今度は2で割ったのはなぜ?」と問い返します。和と差がそれぞれ何つ分に当たるかを説明できれば、条件の違いを捉えたと判断する材料になります。別の数字でも確かめ、一問だけで定着したとはしません。
授業後に残す、次回へのメモ
- 全体・一方・差のどれが与えられた量かを言えたか。
- 図の区切りを同じ大きさにし、式の各数と対応させられたか。
- 確認問題を、前の式の数字だけ変えて処理していなかったか。
算数・数学の指導経験がある方も、解法を短く示すだけでなく、生徒の表現を手掛かりに戻る位置を選ぶ練習として使えます。ここで示した流れは一例です。既習内容や生徒の説明に合わせて、具体物を使う段階へ戻すなど調整してください。
このような算数指導に取り組みたい方へ
進塾では、中学受験4科目の講師を重点募集しています。予備校・学校非常勤・他塾などでの経験を活かしたい方は、担当できる学年・科目・指導形式を募集ページでご確認ください。
経験者向けプロ講師枠は講師経験必須です。週1日から勤務可、交通費は進塾負担。月〜日の全曜日で募集し、具体的な担当・時間は応募時に相談します。学生向けチューターは別の職種・条件として案内しています。
「指導の極意」中学受験4科目
- 算数|比と線分図(この記事)
- 国語|理由を説明する記述 →
- 理科|実験の条件整理 →
- 社会|資料の割合と実数 →
赤羽で学習塾をお探しなら
- 会社名
- 進塾
- 住所
- 〒115-0055 東京都北区赤羽西1‐39‐1伊藤ビル3階
- 電話番号
- 03-5924-7747
