2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2025年度 2月1日入試 社会
環境と開発を軸に、史料、農具、人口ピラミッド、ハザードマップ、予算、意識調査を読み解く問題です。数字を覚えるだけでなく、資料がどの条件で作られ、何を示しているかまで考えます。
問1〜4|環境・歴史・統計|環境変化と歴史の資料
この大問で学ぶこと
図や史料が示す範囲を見極める
問1 りんご栽培と気温の地図
ア
- 二つの地図は栽培に適した地域の予測を示し、収穫量そのものは示していません。適地が減る地域があっても、全国の収穫量が半減するとまでは判断できません。
- 北海道で適地が広がること、本州では標高によって条件が異なることを、凡例と地形を対応させて読みます。
問2(1) 巨大な古墳と権力
広い地域を支配する権力を示し、その権力を将来にわたって保とうとしたため
- 大量の労働力だけでなく、遠方の石材や各地の協力が必要です。墓の大きさを単に富の多さとせず、広い範囲の人々を動かす力の表現として考えます。
問2(2)① 1837年の反乱の中心人物
大塩平八郎
- 大坂の元役人が、飢きんに苦しむ人々への対応を批判して起こした乱です。史料では、米の取り扱いと行政の姿勢への批判を手掛かりにします。
問2(2)② ほかの抵抗運動
イ
- シャクシャインの戦いは、アイヌの人々と松前藩との関係から考えます。源氏・平氏を貴族対武士と単純に分ける説明、西南戦争を農民中心とする説明、秩父事件を自由民権運動と切り離す説明は適切ではありません。
問2(2)③ 大坂に置かれた施設
蔵屋敷
- 各藩が年貢米や特産物を保管し、販売する拠点です。米の集散地としての大坂の役割と結び付けます。
問3 軍事費とGDPの表
エ
- GDPは軍事費÷GDPに対する割合で逆算します。2020年のインドは729÷0.029、ドイツは533÷0.014で比較でき、インドの方が大きいという説明は誤りです。
- 表の金額は億ドルです。日本の2020年のGDPを514÷0.01=51400億ドルとすると、その2%は1028億ドルで、表の軍事費では3番目になります。現在の数値ではなく、出題資料の年・単位に合わせます。
問4 1970年前後の生活の変化
オ
- 白黒テレビからカラーテレビへ普及の中心が移る時期を選びます。新幹線の開業、三種の神器などの出来事を、すべて高度経済成長期だから同時とまとめず、年代を分けて整理します。
問5〜6|開発と地域の資料|新田開発と川上村
この大問で学ぶこと
利益の裏側と統計の条件を読む
問5(1) 新田開発に反対した理由
和束村の開発で天神川へ流れる土砂が増え、下流の綺田村の田畑が被害を受けるおそれがあるため
- 山の利用を変える上流側と、その影響を受ける下流側の立場を分けます。すでに山が崩れやすく土砂が出ているという史料の記述に、開発後の変化をつなぎます。
問5(2)① 農具の名称と用途
エ:備中鍬で田畑を掘り起こす
- 先端が分かれた鍬の形を読み取ります。稲を刈る鎌、脱穀する千歯扱き、風で選別する唐箕と、作業の段階を分けて覚えます。
問5(2)② 農具の名称と用途
イ:千歯扱きで稲穂から籾を落とす
- 多数の歯の間に穂を通して脱穀する道具です。唐箕は脱穀後の籾とわらくずなどを風で分ける道具なので、脱穀と選別を混同しません。
問6(1) ごみ排出量が少ない理由
生ごみを家庭ごみとして自治体が回収していないこと
- 表の注には家庭で処理したごみを含めないとあります。回収量の少なさを、そのまま発生するごみすべての少なさと判断しないことが大切です。資料の回収方法と集計範囲を対応させます。
問6(2) 出荷時期のグラフ
ウ:aはくさい、bレタス、cしめじ
- 夏に大きな山をもつbが高冷地で育つレタス、秋に山があるaがはくさい、年間の変動が小さいcが施設栽培のしめじです。年間総量ではなく、各品目の一年間の出荷量に対する月別割合を比べています。
問6(3) 若い男性の割合が高まった理由
農業を学ぶ若い実習生をベトナムから多く受け入れたため
- 人口ピラミッドの20代〜30代前半の男性の増加と、ごみの案内にベトナム語版があることを結び付けます。高齢化だけで説明したり、すべての外国人住民を実習生だと断定したりしません。
問6(4) 地図の読み取りで誤りのあるもの
ア・エ
- 小海線は川沿いの低い場所を通り、洪水リスクの低い台地上だけを通るわけではありません。また、学校の位置は洪水の想定だけでなく、別の図にある土砂災害の区域も重ねて確かめます。
- 地形図、洪水浸水想定、土砂災害警戒区域は別の情報です。学校や消防署の記号を先に特定し、同じ位置を各図で追うと見落としを減らせます。
問6(5) 河口がある都道府県
新潟県
- 川上村の千曲川は下流で信濃川と呼ばれ、日本海へ注ぎます。源流の長野県と河口の県を区別します。
問7〜8|政治と意思決定|領域・予算・意思決定
この大問で学ぶこと
時点と質問の仕方を確かめる
問7(1) 伊能図と幕府の目的
ア
- 外国の脅威に対し、防備の体制を固める目的と結び付けます。測量が優れていたことと、幕府が支援した背景を区別して考えます。
問7(2) 昔の地図の発行時期
イ:1905年から1910年の間
- 台湾と樺太南部が日本の領域として示され、朝鮮半島は同じ扱いではありません。1895年の下関条約、1905年のポーツマス条約、1910年の韓国併合を順に照合します。昔の地図を現在の領域の説明として扱わないようにします。
問8(1) 地方自治体のルール
条例
- 地方公共団体が法令の範囲内で定めるルールです。住民投票の対象や投票資格を具体的にどう定めるかという会話から考えます。
問8(2) 予算の内訳
カ:X社会保障費、Y国債費、Z防衛費
- 高齢化などに伴って割合が大きくなったXと、借金の返済などにあたるYをまず判定します。Zは国の支出にある防衛費です。警察・消防を同じ区分と考えたり、2020年のその他の割合を恒常的な傾向としたりしません。
問8(3) E 調査Aの賛成が多い理由
必要最小限の開発への賛成も、賛成に含めているため
- 全面的な賛成8%と、必要最小限の開発への賛成63%を合計すると71%です。見出しの約7割という数字だけでは、どの程度の開発への賛成なのか分かりません。
問8(3) F 調査Bの反対が多い理由
自然環境や生態系への影響の懸念を質問に示しているため
- 質問文に否定的な情報を付けると、回答がその方向へ影響される可能性があります。同じ住民に関する調査でも、質問の条件が同じとは限りません。
問8(3) G 調査を分析するときの注意
質問の形式や選択肢の表現
- A・B・Cは標本の条件や回答人数が似ていても、質問文と選択肢が異なります。Cではどちらともいえないが50%あります。賛成と反対だけでなく、中間の回答の有無まで確認します。
問8(4) 議場・法廷について誤った説明
エ
- 裁判員は裁判官と一緒に審理・評議・評決に関わります。法廷で検察官などのように自由に発言できる立場と同一視する説明は誤りです。
- 議場の座席配置から議論の特徴を考えることと、その制度で認められる権限を正確に知ることを分けます。
解き直しの進め方
表の注・単位・調査対象・選択肢を必ず確認しましょう。記述は資料の根拠と結論をつなぎ、原因を一つに決め付けたり、資料の範囲を超えて断定したりしていないか見直します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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