2026年11月4日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
駒場東邦中学校・2024年度 2月1日入試 社会
社会を人々の関わりと助け合いから考える文章を軸に、古墳・幕府・村の運営から民主政治、エネルギー、震災復興までを結び付けます。史料や投票表、地図の変化を根拠に、自分の言葉で説明する問題です。
問1〜6|歴史と共同体|社会のつながりと歴史
この大問で学ぶこと
人々を結ぶ仕組みとその限界を考える
問1 福沢諭吉の考え
ウ
- 生まれながらの平等と、学ぶことによって生じる違いという対比を読みます。親の財産、生まれつきの素質、前向きな性格という説明と区別します。これは提示された思想の説明であり、現実の貧困の原因をすべて本人の努力に帰す結論ではありません。
問2 宗教に関する正しい説明
イ
- 行基は仏教を広めるだけでなく、橋・道・ため池・水路などの整備にも関わりました。宗教を信仰だけでなく、人々を結び、生活を支える活動という面から捉えます。
- 日本の古代の信仰を唯一神だけの信仰とする説明、平等院鳳凰堂を藤原道長の建立とする説明、島原・天草一揆を宣教師が直接指導したとする説明を避けます。
問3(1) 食料事情について誤った説明
イ
- 木簡などから各地の物資が都へ運ばれたことは分かりますが、食料や特産物をすべて租として納めたとする点が誤りです。租は主に稲で、各地の特産物を納める調などと区別します。
問3(2)① 北条氏の役職
執権
- 鎌倉幕府で将軍を補佐して政治を主導した役職です。表の北条氏の人物名と役職を対応させ、将軍そのものと混同しません。
問3(2)② 宴会準備の担当者の変化
北条氏が対立した御家人を滅ぼし、宴会準備の役割を一族で独占していった
- 表では初めに千葉・三浦・小山・宇都宮などが並びますが、後には北条氏が中心になります。1213年の和田氏、1247年の三浦氏との争いという史料を、担当の集中の背景として説明します。
- 宴会の回数が減ったことだけを答えず、誰が役割を担ったかという問いに合わせます。
問4(1) 室町時代の村の特徴で誤った説明
ア
- 掟には村人と村外の人を区別し、保証人や共同資源の利用に条件を付ける記述があります。すべての人の間に区別がなかったという説明は読み取れません。結束と閉鎖性の両面を考えます。
問4(2) 祭りが村で重要だった理由
水路の管理、村の防衛、幕府などへの訴えを集団で行うため、祭りが村人どうしの団結を強める役に立った
- 祭りを楽しみや信仰だけで説明せず、提示された四つの共同作業・交渉と結び付けます。皆で運営する経験が協力を支える、という因果関係を一文にします。
問5 国学が研究した書物
A万葉集、B古事記
- Aは奈良時代の歌集、Bは神話や天皇の歴史などを記した書物です。国学が古典の言葉を手掛かりに日本の古い考え方を探ったことと、それが排他的な優越意識に結び付く場合があったことを分けて整理します。
問6 戦時下で貯蓄が奨励された理由
日中戦争から太平洋戦争へ戦争が拡大し、国民の貯蓄を軍事費として活用しようとしたため
- 1939・1942・1943年と、貯蓄目標が大きくなる資料を年表と照合します。資源・労働力・資金を戦争へ集中する総力戦の一環です。個人の将来の備えだけが目的だったとしないことが大切です。
問7|平等・選挙・政治|平等と民主的な意思決定
この大問で学ぶこと
数字と利害から選挙を読み解く
問7(1) 会話の平等と同じ考え方
エ
- 中学1年生が不利にならないようにという会話は、立場の弱い人への配慮を含む平等です。女性の参画を増やすため一定数を割り当てる例と対応します。すべて同数にする平等や、実績に応じる考え方とは分けます。
問7(2) 国民投票で考えられる問題
政策のよしあしより、自分に利益があるかどうかで判断してしまうこと
- 候補者Fは全校投票を提案していますが、中1には得票がありません。人数に比例する案がそのまま問われると、中1が不利になることを会話と表から考えます。一般に国民投票が常に悪いと断定するのではなく、この会話で指摘される問題を書きます。
問7(3) EUから離脱した国
イギリス
- 2016年の国民投票を受け、2020年にEUを離脱しました。投票が行われた年と実際に離脱した年を区別します。
問7(4) 日本の国民投票について誤った説明
ウ
- 成年年齢、国政選挙の選挙権年齢、憲法改正国民投票の投票年齢は、同時に一括して18歳になった制度ではありません。2024年度の出題時点の説明として、各制度の変更時期を分けます。
問7(5) 議会と行政の役割
エ
- 市役所が税金の集め方・使い方の案をつくり、市議会が議決するという役割分担です。知事は住民の選挙で選ばれ、内閣総理大臣の指名には両院が関わります。案を作ることと最終的に決めることを区別します。
問8〜10|環境と社会の課題|エネルギー・災害・社会の課題
この大問で学ぶこと
地図の変化を原因と結び付ける
問8(1) 温室効果ガスの実質ゼロ
イ:カーボンニュートラル
- 排出量から吸収・除去される量を差し引き、全体として実質ゼロにする考え方です。排出が一切発生しないという意味ではありません。
問8(2) バイオ燃料の原料作物について誤った説明
ア
- 沖縄などで栽培されるさとうきびと、北海道などの冷涼な気候で栽培されるてんさいの条件が逆になっています。砂糖の原料という共通点だけでなく、育つ気候を区別します。
問8(3) 北陸で冬の太陽光が減り、風力が増える理由
北西の季節風で雨や雪が多く日照時間が短くなる一方、強い風が吹くため
- 太陽光は日照、風力は風の強さと結び付けます。冬は昼間の時間も短くなりますが、北陸という地域の条件として日本海側の冬の季節風・降水を必ず入れます。
- グラフの太い線は各時刻の中央値で、細い線は日ごとの変動です。中央値だけを毎日の確定した発電量と考えません。
問9(1) 2019年からの地図記号
ウ:自然災害伝承碑
- 過去の災害の被害や教訓を伝える碑を示します。記号の意味と、地域の防災に活用できる情報を結び付けます。
問9(2) 沿岸部に大規模太陽光発電所ができた背景
東日本大震災の津波被災地域を復興するため
- 古い地形図の田畑や集落が、新しい衛星写真では広い発電施設へ変わっています。2011年の津波被害と土地利用の転換を結び付けます。日当たりのよさだけでなく、なぜこの地域で土地利用が変わったかが問いです。
問10 本文の社会観に合う説明
オ
- 貧困を個人の問題だけにせず、生み出し固定化する社会の仕組みを考えて解決するという説明です。社会は人々の関わりからできており、選挙権のない人やNGOにも働き掛けの方法があります。
- 社会保障の給付を保険料の負担の有無だけで一律に決め付ける説明も適切ではありません。本文の相互扶助という視点へ戻ります。
解き直しの進め方
記述では問いの対象を確かめ、資料の変化とその背景を一組にして説明しましょう。選択肢は一部の正しい語だけで選ばず、誰が何を決めるか、資料からどこまで言えるかを文全体で判断します。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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