2026年11月5日
SUSUMU JUKU / 2025 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
法政大学中学校・2025年度 第1回 理科
繊維、浮力、消化、月、粉末の判別の5大問です。全28項目について、複数の小欄を含む設問も省略せず、図や実験結果のどこを根拠にするかを解説します。
第1問|繊維の原料と性質
この大問で学ぶこと
原料・加工法と使い道を対応させる
(1) 六つの繊維の原料
①カ/②イ/③ウ/④オ/⑤ア/⑥エ
- ①羊毛はウール、②木材パルプから再生する繊維はレーヨン、③ワタの実の周囲の繊維は綿、④石油などを原料にする合成繊維はポリエステルです。
- ⑤植物の茎などから得る麻、⑥カイコの繭から得る絹を対応させます。レーヨンは植物由来ですが、繊維を一度溶かして再生する加工法にも注目しましょう。
間違えやすい点:綿と麻は植物のどの部分から得るか、絹と羊毛は何の動物に由来するかを説明する。
(2) 性質から繊維を判別する
①ア(麻)/②カ(ウール)/③ウ(綿)/④エ(絹)
- ①は伸びにくく、通気性や乾きやすさを生かす麻。②は保温性が高く、湿気を吸収・放出する羊毛です。
- ③は柔らかく染めやすい綿、④は長い天然繊維と光沢を手掛かりに絹と判断します。吸湿性だけでは複数に当てはまるので、文章の特徴を組み合わせます。
間違えやすい点:一つの性質だけで決めず、原料・長さ・光沢・用途も照合する。
第2問|浮力と浮かぶ箱
この大問で学ぶこと
押しのけた液体の重さを求める
(1)① 水に全部沈めたおもり
140g
- 体積20cm³のおもりが押しのける水は20gです。おもりには20g重に相当する浮力が上向きにはたらきます。
- ばねばかりの値は160−20=140gです。水中でおもり自体の質量が減ったのではありません。
間違えやすい点:ばねの張力+浮力=おもりの重さのつり合いを確認する。
(1)② 半分だけ沈めたおもり
150g
- 水中に入った体積は20÷2=10cm³です。空中に出ている部分には、この水による浮力を加えません。
- 押しのけた水10g分を引き、160−10=150gです。
間違えやすい点:全体積でなく水面より下の体積を使う。
(1)③ 油に全部沈めたおもり
144g
- 油の密度は0.8g/cm³なので、押しのける油の重さは20×0.8=16gです。
- ばねばかりは160−16=144gです。同じ体積を沈めても、水と油では浮力が違います。
間違えやすい点:密度が小さい液体ほど同じ体積での浮力が小さく、ばねの値は大きくなる。
(2)① 水面下にある箱の体積
400cm³
- 箱の底面積は200cm²、水面下の深さは2cmです。
- 200×2=400cm³です。箱の全高5cmではなく、沈んでいる部分の高さを使います。
間違えやすい点:水面が箱の外側のどこにあるか図で確認する。
(2)② 箱の重さ
260g
- 箱には400g分の浮力がはたらきます。つるされたおもりの重さ160gのうち、水の浮力20g分を除いた140gが、糸を通じて箱を下に引きます。
- 箱の重さ+140=400より、箱の重さは260gです。別の見方では、全体の浮力400+20=420gと全重量160+箱の重さを等しくします。
間違えやすい点:箱からつるすおもりにも浮力がはたらくため、160gをそのまま引かない。
(3)① 箱だけを浮かべた深さ
1.3cm
- おもりを外すと、箱の重さ260gを支えるために260cm³の水を押しのけます。
- 深さは260÷200=1.3cmです。箱の重さは前問と同じです。
間違えやすい点:底面積×沈む深さ=押しのける水の体積と整理する。
(3)② 箱の中へ入れられるおもり
740g
- 箱の上端が水面に達するとき、押しのける水は200×5=1000cm³で、支えられる全重量は1000gです。
- 箱自身の260gを引いて1000−260=740gです。中へ入れたおもりは水に接していないため、その体積による浮力を別に足しません。
間違えやすい点:外につるす場合と箱の中へ入れる場合の違いを説明する。
第3問|消化器官と消化酵素
この大問で学ぶこと
通り道・分泌する場所・作用する場所を区別する
(1) B〜Gの器官
Bエ/Cイ/Dウ/Eカ/Fク/Gオ
- Bは肝臓、Cは胃、Dはすい臓、Eは十二指腸、Fは大腸、Gは小腸です。大腸は小腸を取り囲むように描かれています。
- 食物が器官を通ることと、器官が消化液を分泌することを混ぜないようにします。肝臓・すい臓そのものを食物が通過するわけではありません。
間違えやすい点:図の矢印の先を確認し、位置の近い胃・すい臓・十二指腸を区別する。
(2) 食物が通る管
消化管
- 口から食道・胃・腸を経て肛門へ続く、食物の通り道が消化管です。
- 消化器官には、この管だけでなく、消化液をつくる肝臓やすい臓なども含まれます。
間違えやすい点:消化管と消化器官を同じ範囲の言葉として扱わない。
(3) 消化液に含まれる物質
酵素
- 主にタンパク質からでき、食物の分解を助ける物質は酵素です。消化に関わるものは消化酵素と呼びます。
- 温度やpHによって働き方が変わるという本文が手掛かりです。
間違えやすい点:栄養素そのものではなく、分解を助ける働きを答える。
(4) 栄養の主な吸収場所
オ(小腸)
- 小さく分解された栄養は主に小腸で吸収されます。小腸の内側のひだや柔毛は吸収に使える面積を広げます。
- 大腸は水分の吸収などに関わりますが、この設問で栄養の主な吸収場所として選ぶのは小腸です。
間違えやすい点:胃で全栄養を吸収する、という誤解を避ける。
(5) デンプンを分解する二つの酵素
Yア(アミラーゼ)/Zエ(マルターゼ)
- アミラーゼがデンプンを麦芽糖などへ分解し、マルターゼが麦芽糖をブドウ糖へ分解します。
- リパーゼは脂肪、ペプシンやトリプシンはタンパク質の分解に関わります。図の途中の物質名まで対応させましょう。
間違えやすい点:酵素名だけでなく、材料と分解後の物質を組にする。
(6) Yをつくる二つの場所
ウ(すい臓)・キ(口)
- Yはアミラーゼです。口では唾液腺から出る唾液に、すい臓ではすい液に含まれます。
- 問題の選択肢は器官を大きく「口」と表しています。口の中のあらゆる部分がつくるという意味ではなく、唾液腺の働きとして理解します。
間違えやすい点:つくられる場所と、その後に消化液が流れる場所を区別する。
(7) ペプシンが働く器官
イ(胃)
- グラフではペプシンはpH約2の強い酸性側でよく働きます。胃液のある胃の環境に対応します。
- 中性付近で働くアミラーゼや、弱アルカリ性側でよく働くトリプシンと比べます。
間違えやすい点:曲線の最大値の横軸を読み、酸性・中性・アルカリ性を判定する。
(8) 体内でよく働く温度の目安
エ(40℃)
- ヒトの体温に近い温度を、10・20・30・40・50℃から選ぶので40℃です。
- すべての酵素が厳密に40℃で最大になるという意味ではありません。ヒトの体内という条件に最も近い選択肢を選びます。
間違えやすい点:「約」と選択肢の刻みを意識する。
第4問|月の形と見える時刻
この大問で学ぶこと
太陽の方向と月の位置を一緒に追う
(1) A・B・E・Hの月の形
A h/B d/E g/H f
- 太陽は図の右側です。Gは新月、Cは満月なので、G→H→A→B→Cの順に満ちていきます。Aは右半分が明るい上弦h、Bは満月前のd、Hは右側の細い三日月fです。
- Eは満月後の下弦で、左半分が明るいgです。地球から見える明るい部分を考え、上空図で白い側をそのまま転記しないようにします。
間違えやすい点:上弦と下弦で日本から見える明るい側が逆になることを確認する。
(2) 日没直後の見える方角
①ア(東)/②ウ(南)/③イ(西)/④オ(見えない)
- 満月は日没ごろ東から昇り、上弦は日没ごろ南中し、三日月は夕方の西の空に見えます。
- 下弦は真夜中ごろに昇り、朝に南中するので、日没直後には見えません。月の形と見える時刻を組にします。
間違えやすい点:太陽と反対側にある満月から、基準の時刻を組み立てる。
(3) 月の形ごとの時刻
①ア/②ク/③カ/④は解答資料と位置計算を区別
- aは満月なので南中は午前0時ごろ。cは満月後の欠け始めた月で、満月より約3時間遅く午後9時ごろに昇ります。dは満月前の月で午後3時ごろに昇ります。
- ④の解答資料はケ(見えない)ですが、注意が必要です。eは下弦後の細い月で、図の等間隔モデルでは午前3時ごろに昇り、午前9時ごろ南中し、午後3時ごろに沈む位置関係になります。昼間は細い月を見つけにくいことと、地平線の上に存在しないことは別です。採点上の資料の答えと、月の位置から計算する時刻(カ相当)を区別し、「昼の月は必ず見えない」と覚えないようにします。
間違えやすい点:④は提供された解答資料に留意点があり、学校公式の採点基準は未確認。月の位置と肉眼での見えやすさを分ける。
(4) A〜Hの説明
Aキ/Bカ/Cウ/Dオ/Eア/Fエ/Gク/Hイ
- Aは旧暦七夕ごろの上弦、Bは満月直前、Cは月食が起こり得る満月、Dは夜8〜9時ごろに昇る月、Eは真夜中に昇る下弦です。
- Fは明け方の東の細い月、Gは日食が起こり得る新月、Hは夕方の西の細い月です。満月のたびに月食、新月のたびに日食が起こるわけではなく、太陽・地球・月の並びがそろう条件も必要です。
間違えやすい点:「起こり得る月の形」と「必ず起こる」を区別する。
第5問|粉末の判別と加熱
この大問で学ぶこと
水に溶かす前後・加熱前後を比べる
(1) X・Y・Zの物質
Xイ(食塩)/Yア(砂糖)/Zエ(片栗粉)
- Xは水に溶け、加熱しても黒くならず、水溶液から白い結晶が出る食塩。Yは水に溶け、加熱で融けて黒くなる砂糖です。
- Zは水に溶けず沈み、水と加熱すると粘りが出るデンプンです。白い見た目だけで判別しないようにします。
間違えやすい点:水への溶け方と加熱の結果を両方使う。
(2) 溶け残りが生じた水溶液
飽和水溶液
- ある温度で、その物質が限度まで溶けている水溶液は飽和水溶液です。
- 問題は「○○水溶液」の名称を求めています。溶け残った固体自体の名前ではありません。
間違えやすい点:飽和は溶液の状態を表す用語と理解する。
(3)① 黒い固体の主な成分
ア(炭素)
- 砂糖は炭素を含む物質です。加熱して分解すると、黒い炭素を多く含む固体が残ります。
- 「黒いので必ず鉄」というように色だけで決めず、もとの物質と変化を考えます。
間違えやすい点:黒い固体と、同時に出る気体を別々に判定する。
(3)② 発生した二つの気体
A:水蒸気/B:二酸化炭素
- 青色の塩化コバルト紙を赤色側へ変える気体Aは水蒸気です。空気より重く石灰水を白く濁らせるBは二酸化炭素です。
- 砂糖と食塩の判別に戻り、砂糖が炭素を含むことと、水蒸気の確認法を関連付けます。
間違えやすい点:塩化コバルト紙と石灰水で確かめる対象が異なる。
(3)③ 気体Bを発生させる方法
エ(炭酸水素ナトリウムの加熱)
- 炭酸水素ナトリウムを加熱すると二酸化炭素が発生します。
- 選択肢アは「塩酸と石灰水」であり、「塩酸と石灰石」ではありません。過去に覚えた実験名に読み替えないことが判断点です。
間違えやすい点:石灰水・石灰石・炭酸水素ナトリウムを区別する。
(4)① デンプンが部分的にしか黒くならない理由
ウ
- 同じ加熱時間でも、デンプンは砂糖と比べて分解する温度が高く、表のような部分的な変化となります。
- 加熱条件が同じことと、物質の分解のしやすさが同じことは別です。
間違えやすい点:比較する操作では加熱時間など、そろえた条件を確認する。
(4)② 水と加熱して粘る同様の現象
ア(白米を炊く)
- 米のデンプンは、水を含んで加熱されると糊化し、粘りや柔らかさが出ます。片栗粉の実験と同じ種類の変化です。
- 卵や豆腐を加熱して固まる変化は主にタンパク質に関わります。
間違えやすい点:温めるという操作だけでなく、変化する成分を比べる。
解き直しの進め方
浮力では全体のつり合い、月では満ち欠けと時刻、化学実験では似た物質名の読み違いを確認しましょう。答えを見た後は問題冊子の図・表へ戻り、同じ根拠を自分で指せるか確かめます。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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