2026年11月5日
SUSUMU JUKU / 2024 EXAM REVIEW
答えの先に、解ける理由を。
法政大学中学校・2024年度 第1回 社会
九州の観光、豊臣秀吉の政策、2023年G7広島サミットの3大問・全19項目を解説します。資料の年、指定された要素数や語句、統計の割合まで確かめ、記述を完成させる手順を整理します。
第1問|九州の観光と外国人の訪問
この大問で学ぶこと
地理・交通・統計の変化を合わせて読む
(1) 新幹線・海峡・空港
①ク/②カ/③オ/④エ/⑤イ
- 本州からは山陽新幹線を使い、関門海峡をくぐって九州へ入ります。九州最初の新幹線の駅は小倉、九州新幹線の起点は博多です。
- ⑤は福岡空港です。下関は本州側、北九州と福岡は別の空港なので、似た地名をまとめて判断しないようにします。
間違えやすい点:路線の起点と、九州へ入って最初に停車する駅は別。
(2)① 地図の四つの県
A:佐賀県/B:長崎県/C:大分県/D:宮崎県
- 福岡の南西で有明海に面するAが佐賀、西へ半島・島々が伸びるBが長崎、九州北東のCが大分、南東のDが宮崎です。
- 県の形だけを丸暗記せず、隣接県と海岸の方向を利用します。
間違えやすい点:福岡・熊本・鹿児島という地図中の既知の県を基準にする。
(2)② 観光地と県の組合せ
1ウ/2イ/3エ/4ア
- 福岡の1は太宰府天満宮、佐賀の2は伊万里、大分の3は湯布院、熊本の4は阿蘇山です。
- 同じ九州の観光地でも所在地は異なります。県名を先に確定すると選択肢を対応させやすくなります。
間違えやすい点:観光地を県と組にして地図へ置く。
(2)③ 世界遺産ではない観光地
え・き(別府温泉/日南海岸)
- 設問の対象では別府温泉と日南海岸が該当します。著名な観光地であることと、世界遺産への登録は別です。
- 宗像大社、端島、大浦天主堂は、それぞれ複数資産からなる世界遺産の構成資産として関わり、屋久島は自然遺産です。文化遺産と自然遺産も区別します。
間違えやすい点:一つの構成資産だけを、登録全体の名称と取り違えない。
(3)① 2019〜2021年に大幅に減った理由
解答例:新型コロナウイルス感染症が広がり、各国の入国制限や移動の抑制、中国のゼロコロナ政策などで海外旅行が難しくなったため。
- 総数が2019年の約422万人から2021年の6119人へ大きく減っています。割合の変化より先に、総人数の急減を確認します。
- 国際的な感染拡大と移動制限が理由です。九州の観光資源そのものが一度になくなった、という説明にはしません。
間違えやすい点:構成比が上がっても、人数が増えたとは限らない。
(3)② X・Yの国
X:韓国/Y:中国
- Xは韓国、Yは中国です。九州に近い韓国の割合が高いこと、中国からの訪問が感染対策などの影響を受けたことを資料と対応させます。
- 台湾と香港はすでに別の行に示されています。資料の2017〜2023年前半という対象期間に合わせて読みましょう。
間違えやすい点:現在の国別順位へ置き換えず、指定期間の表を読む。
(3)③ 九州へ多くの人が訪れる理由
解答例:東アジアの国々から地理的に近く、温泉や世界遺産などの観光地が多い上、空港・港・新幹線などの交通手段が発達しているため。
- 設問は3つ以上の要素を求めています。距離の近さ、観光資源、移動手段という異なる三つの観点を入れます。
- 「温泉と別府がある」のように同じ観点を言い換えるだけで数を増やさず、地図・本文・資料を組み合わせます。
間違えやすい点:指定された要素数を満たし、それぞれの根拠を指せるか確認する。
第2問|豊臣秀吉の統一と土地・身分の政策
この大問で学ぶこと
検地・年貢・軍役・兵農分離をつなぐ
(1) A〜Cの用語
A:関白/B:石高/C:刀狩
- Aは天皇を補佐する関白、Bは米の収穫量を基準に土地の生産力を示す石高、Cは農民から武器を取り上げた刀狩です。
- 検地は土地を調べる政策、石高はその結果を表す基準です。政策名と数値の呼び名を混同しないようにします。
間違えやすい点:政策の名称と、その政策で把握する量を分ける。
(2) 佐渡と堺の所在地
a:新潟県/b:大阪府
- 佐渡金山のある佐渡島は新潟県、重要な商業都市の堺は大阪府です。
- 答えは現在の都道府県名です。佐渡国や和泉国といった旧国名へ置き換えないようにします。
間違えやすい点:設問に「現在の」とあるか確認する。
(3)① キリスト教の布教を禁じるきっかけ
ウ
- キリシタン大名が教会へ長崎の土地を寄進したことが、政治的な支配への警戒につながりました。
- 天草四郎と島原・天草一揆は江戸時代の出来事です。オランダだけを南蛮貿易の主体として扱う選択肢も不適切です。
間違えやすい点:豊臣時代と江戸時代の事件を年代で区別する。
(3)② 南蛮の二つの国
スペイン・ポルトガル
- 南蛮貿易で日本へ来たヨーロッパ人として、主にポルトガル人・スペイン人を指しています。
- オランダやイギリスが関わる後の貿易と、ここでの呼び名を分けて整理します。
間違えやすい点:貿易国と時期・呼称を組にする。
(4) 検地による荘園制度の変化
解答例:荘園領主・荘官・武士などが重なって持っていた土地の権利を整理し、耕作者と年貢を負担する関係を確定させたため、荘園制度が解体された。
- 資料1では荘園領主・荘官などの権利や関係が重なっています。資料2では秀吉、大名、農民の間の支配・年貢・軍役の関係が整理されています。
- 検地で土地と耕作者を把握し、大名の支配を認める権力の上に秀吉が立つ仕組みへ移ります。近代的な意味で全国の私有地が一律に秀吉個人の所有になった、という説明にはしません。
間違えやすい点:二つの制度図の、誰と誰が結ばれているかを比較する。
(5) 耕作者を検地帳に記す理由
解答例:耕作者を確定して年貢を確実に納めさせ、石高に応じて大名へ軍役を課すため。
- 土地の面積・生産力だけでなく、誰が耕して年貢を負担するかを把握することが徴収の基礎になります。
- 集める米は支配や軍事行動を支え、石高は大名の軍役負担の基準にもなります。農業技術の記録だけが目的ではありません。
間違えやすい点:土地の調査から、税と軍事を支える仕組みへつなげる。
(6) 身分統制令と朝鮮出兵
解答例:兵農分離を進めて農民が田畑を離れることを禁じ、年貢を確実に集める一方、武士には軍役を果たさせ、朝鮮出兵に必要な食料と兵力を確保するため。
- 資料3は、武士が町人・百姓へ変わることや、百姓が田畑を捨て商売へ移ることを禁じる内容です。農民と武士の役割を固定する兵農分離として読み取ります。
- 指定語の「年貢」「軍役」「兵農分離」を全て入れ、農民からの米と武士の軍事負担が出兵を支えるという因果でまとめます。この設問は提供解答資料に解答がないため、原問題の資料と指定語に基づく解答例です。
間違えやすい点:指定語を並べるだけでなく、二つの身分の役割と出兵との関係を説明する。
第3問|2023年G7広島サミットと核軍縮
この大問で学ぶこと
目標・現実の政策・保有数を区別する
(1) 当時の首相・大統領・条約
A:岸田文雄/B:ゼレンスキー/C:核兵器禁止
- 2023年5月のG7広島サミットで議長を務めたのは岸田文雄首相、来日したウクライナ大統領はゼレンスキーです。Cは核兵器禁止条約となります。
- 記事を読む現在の首相名を答える問題ではありません。核兵器禁止条約と核兵器不拡散条約(NPT)も別の条約です。
間違えやすい点:指定年の人物と制度を答え、現在の情報へ置き換えない。
(2) G7に含まれない国
エ(ロシア)
- G7は日本・米国・英国・フランス・ドイツ・イタリア・カナダです。選択肢のロシアは含まれません。
- 以前のG8という枠組みと、設問が扱う2023年のG7を混同しないようにします。
間違えやすい点:国際連合の常任理事国とG7加盟国も別である。
(3)① NPTの説明
エ
- NPTは核軍縮・核不拡散・原子力の平和的利用を柱とする条約です。エの、軍縮や平和利用の権利に関する説明が適切です。
- あらゆる国の核保有を直ちに禁止する条約ではありません。条約上の核兵器国は米・露・英・仏・中の5か国で、3か国だけとする選択肢も不適切です。
間違えやすい点:核兵器禁止条約、NPT、核実験の禁止を同じ条約としない。
(3)② 核兵器数の表の読み取り
イ
- 3〜5位は中国410、フランス290、イギリス225で、合計925です。総数12523に対して925÷12523×100≒7.4%なので、10%に満たないというイが正しい説明です。
- 1・2位の合計は11134で約88.9%です。約3分の2ではありません。表は2023年の推計で、実際の現在数や条約が認める国だけの一覧ではありません。
| 比較する範囲 | 合計 | 総数12523に対する割合 |
|---|---|---|
| 1・2位 | 11134 | 約88.9% |
| 3〜5位 | 925 | 約7.4% |
間違えやすい点:「約」という言葉があっても、分子・分母を計算して確かめる。
(4) サーロー節子さんが失望した理由
解答例:核兵器のない世界を目標に掲げながら、G7は核兵器の保有を前提とする核抑止を認め、核兵器禁止条約に触れなかったため。
- 資料中の理想としての廃絶と、当面の安全保障政策としての核抑止の間の違いを説明します。核抑止は核兵器の存在を前提に相手の攻撃を思いとどまらせる考え方です。
- 「広島に来たのに何もしなかった」と感想だけを述べず、条約への言及と核抑止という具体的な政策上の理由を挙げます。
間違えやすい点:資料の人物の批判を説明する設問であり、すべての評価が同じだったと一般化しない。
解き直しの進め方
資料の比較では、総数と割合、政策の前後、掲げた目標と実際の方針を分けて考えます。解説を閉じた後に、必要な語句を全て使いながら因果関係の通る短い答案を書いてみましょう。
| 段階 | 取り組むこと | 確認すること |
|---|---|---|
| 1|原因を分ける | 間違えた問題を、知識・条件や根拠の読み違い・説明の不足に分ける | どこで手が止まったかを言葉にする |
| 2|解説を閉じる | 自分で根拠・図表・式・答案を組み立て直す | 答えだけでなく、その根拠や判断の理由を説明できるか |
| 3|時間を空ける | 日を改め、類題と合わせて再挑戦する | 条件が変わっても使える考え方になったか |
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